「よし、おれのターンだ。ドローッ!!」
……にしても、ヤバイな。そろそろあっても云い筈なのにアクションカードが見つからない。いよいよ、このフィールドに無いのが確定してきた気がする。
「おれは、手札から『無名の剣客』を召喚」
無名の剣客
レベル4
戦士族/効果
このカードは、一ターンに一度、相手フィールド上のモンスター一体を選択し裏守備表示に出来る。このカードは、相手の魔法・罠カードの効果を受けない。
AT1300/DF1000
「このカード効果で、おれはアレキサンドライドラゴンを裏守備表示に変える」
「…蒼眼の銀龍の効果。わたしのフィールド上のドラゴン族モンスターは全てカード効果の対象にならず、カード効果で破壊されない」
「はあっ!?」
何だその脅威の効果耐性は!あのモンスターを召喚したのはこの為か!
「けど、まだ手はある。おれは手札から無銘の剣 剛を発動し、無名の剣客に装備する」
これで攻撃力は2300。アレキサンドライドラゴンを上回った。
「バトルだ、無名の剣客で、アレキサンドライドラゴンを攻撃ッ!」
「竜魂の城は発動出来ない。……ううっ…」
リンドウ
LP1700
「よしっ、おれはこれでターンエンド」
城の屋上部分に来たがアクションカードは落ちていない。そう言えばこのフィールドの名前は何だったか……………確か、『古代の城跡』?
「…わたしは、ドロー」
瞬間、彼女の周囲が圧倒的な光を放つ。そして、強烈な風圧がフィールドに吹き荒れる中、青眼の白龍が現れる。
「おいおいッ、…何が起きたッ!?」
「…蒼眼の銀龍の効果で、わたしは一ターンに一度、墓地の青眼の白龍を特殊召喚出来る」
《ふざけるのも大概にしろ!》
それでは、アイツがいる限り毎ターンの間ブルーアイズが出てくるってことじゃないか。
「…さらに、わたしは手札から『竜の霊廟』を発動。その効果で、デッキから青眼の白龍と『伝説の白石』を墓地に送る。そして伝説の白石の効果発動、デッキから青眼の白龍を手札に加える」
《三積…………か》
「…まだ、わたしは手札から『銀龍の号砲』を発動。墓地の青眼の白龍を特殊召喚」
「いい加減にしろよッ」
さっきから、その名前しか聞いてねえよ。もういいよ、ブルーアイズは!
「…さらに、わたしは手札から『正義の味方 カイバーマン』を召喚」
「嫌な予感しかしねえ」
「…このカードを生け贄に、手札から、青眼の白龍を特殊召喚する」
「分かってたよッ!」
どうせ、そう来ると思ってた。彼女のフィールドに四体のドラゴンが並んだ。
「…わたしは青眼の白龍で、無名の剣客を攻撃」
無慈悲な白龍による一撃を食らい、剣客はアッサリと命を落とす。
スイゴ
LP1100
「…わたしは青眼の白龍で君に攻撃!」
「おれは伏せカード、見返りなき緊急要請を発動。おれはデッキから、無名の医師を守備表示で特殊召喚」
またもや白龍のブレスがおれのモンスターを破壊した。
しかし、無名の医師には効果がある。
「…わたしは青眼の白龍で、もう一度君にダイレクトアタック」
「おれは無名の医師の効果発動。墓地のこのカードをゲームから除外して、バトルを無効にする」
リンドウ
LP3200
おれは手札に無名の軍師を加えた。さらに、デッキから『無名の聖女』も加える。
「…まだ、わたしは蒼眼の銀龍でダイレクトアタック」
「さらに、おれは伏せていた『終わりなき戦線復帰』発動ッ!」
終わりなき戦線復帰
カウンター罠
自分フィールド上にモンスターが存在せず、相手モンスターが攻撃宣言した時に発動出来る。自分の墓地から、『無名』と名のつくモンスターカード一体を攻撃力を700ポイント上げて、自分フィールド上に特殊召喚できる。
「おれは、墓地の無名の傭兵長をフィールド上に特殊召喚ッ!そして、効果でその攻撃力は3200ポイントにアップ」
「…えっ!?」
蒼眼の銀龍をおれのモンスターが勢い良く切り裂き、その余波はリンドウにダメージを与えた。
リンドウ
LP2500
相手モンスターを破壊したことに、おれは思わず拳を握りしめる。
《よし、これで次のターンからは青眼の白龍が出てこない》
しかも、相手の場の青眼の白龍は攻撃力3000。こちらの方が上だ。
「………残念。こっち使えば良かった」
リンドウは手札から、魔法カードを発動させた。
「…わたしは、魔法カード『融合』を発動。フィールド上の『青眼の白龍』三体を融合する」
『…その咆哮は何者も粉砕し!その巨体は如何なる物も玉砕させる!ここに勝利の大合唱を上げよ!』
『融合召喚』
「出現せよ、史上最強の龍!!『青眼の究極龍』」
三体の青眼の白龍がここに混じり合い、三つの首を持つ伝説のドラゴンが姿を現した。
「青眼の究極龍まで、………すげえッ!!」
あの「カイバ」も使用していた、この最強のモンスターまで見られるなんてな。本当に感動だ。
《……てかこれ召喚されてたら敗けてたよ、危ねえッ!》
「…わたしは、カードを二枚伏せてターンエンド」
スイゴが褒め称えた為かリンドウは少し誇らし気だ。胸を張って、満足気な表情をしている。
いや、にしてもこれは本気でマズい。いくらおれのモンスターが強化されたとは言え攻撃力4500のモンスターなんか倒せる筈がない。しかも、竜魂の城の効果で最悪攻撃力は5200まで跳ね上がる。
「行くぞッ、ドローーーッ!」
カードを引いたがとてもこのカードだけではな。……せめて、アクションカードさえあれば……。
《にしても、アクションカードが無いフィールドなんて有るのか》
ひたすらその事が気になってしょうがない。『城跡』か………………まさか。
「おれは手札から、『無名の聖女』を召喚」
無名の聖女
レベル2
戦士族/効果
一ターンに一度、自分はフィールド上のこのカードをリリースすることで、自分の墓地に存在する『無銘』と名のつく魔法カード一枚を手札に加える。
AT0/DF500
スイゴはカードを発動しつつ、今度は下を目指し走る。彼のその行動に驚きながらもリンドウも後を追いかける。
「そして、手札から悔恨なき別離を発動。デッキから、無名の商人と無名の使者を墓地に送る」
彼は一階、また一階と降りて行く。
「さらに、無名の聖女をリリースして墓地の無名の剣 剛を手札に加える」
体格差のためかスイゴとリンドウの階段を降りる速さは違う。よって、最初にいた階にはおれが一足速く着いた。
「 カードを一枚セット、これでターンエンドだッ!」
多少時間を置き、リンドウもまたスイゴに追いつく。
「……………疲れた」
肩で息をしつつ、リンドウはしっかりとした口調でスイゴに文句を言う。この辺はこの前のノウンとは大違いだ。
「…いいけど。わたしのターン、ドロー」
さして気にしていない様子の彼女にホッとする。怒らせた女性がいかに恐いかは、幼馴染み達のせいでよく知っている。
「…私は手札から、『暴風竜の防人』を青眼の究極龍に装備」
暴風竜の防人とは、自身を犠牲にすることで装備されたモンスターを守る効果を持つ。
「さらに、罠カード『トラップ・スタン』発動」
これにより、スイゴはいよいよ身動きが取れなくなってしまった。
「…青眼の究極龍で、無名の傭兵長を攻撃!」
究極龍の攻撃は目前に迫っていた。
「……………なあ。どうして、アクションカードは見つから無いんだろうな?」
スイゴは意味深な質問をリンドウにした。
しかし、彼女はそれをあえて無視する。
「………これで終わりっ!」
並ぶもの無き最強の龍の一撃が、彼のモンスターを襲った。