遊戯王 ARC-Vs 儀式次元追加版   作:崖っぷち

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無名の剣帝

「おれのターン、ドロー」

 

三回戦の出場がかかっていることなど既に頭にはない。コイツにだけは絶対に勝つ。

 

「おれは手札から『死者蘇生』を発動」

 

「なにっ!?」

 

今まさに引き当てた切り札。このカードを引いた今こそ、おれが反逆の狼煙をあげる幕開けだ。

 

「墓地の『無名の剣将』をフィールドに特殊召喚する。そして、……」

 

エクストラデッキより『そのカード』を取り出そうとし…………。

 

 

 

 

 

 

知られたる---の変革

 

--儀式魔法

 

このカードは、自分フィールド上のモンスターのレベルの合計が11以上になるように生け贄を捧げ、発動される。--------から、『無名の剣帝』一体を--儀式召喚する。このカードの生け贄素材の一体は、必ず『無名の剣将』でなければならない。このカードは、『無名の剣将』が儀式召喚されたターンには発動できない。

 

前試合の興奮も冷まさぬままにフィールドでは未知なるカードがその鼓動を刻み始めていた。

 

 

《『無名の剣帝』……おれの知らないカード》

 

『無名の剣聖』とは全く別モノ。

 

「だが……ッ!」

 

言葉では決して言い表せない。でも、今この瞬間『これこそ』が必要なモノだと心の奥底で理解している。

 

「わかった……行くぞッ!!」

 

「おれは、レベル8『無名の剣将』とレベル4『無名の使者』を生け贄に捧げて……『無名の剣帝』の儀式償還を執り行う!」

 

横に並び立つ友ではなく、前へそびえ立つ敵を打ち砕く力が。

 

 

『その過去は在り方を歪ませ、その傷痕が彼を怒りへと導いた!しかし、その勇気のみは人々が永久に称え続ける!!戦友を従えよ、数多の虚空に輝きを取り戻せ!!!』

 

 

『--儀式召喚』

 

 

「暗雲を切り裂き、一筋の光明を目射せ『無名の剣帝』」

 

 

無名の剣帝

 

レベル10

 

戦士族/--儀式/効果

 

このカードの攻撃力はお互いの墓地に存在する『無名』と名のつく、又は戦士族と名のつく種族のモンスターカード一枚につき300ポイントアップする。このカードを儀式召喚する時に発動できる。そのターン、フィールド上に存在する全ての魔法・罠カードはその効果と発動を無効にする。一ターンに一度、墓地の『無名』と名のつくモンスターを三枚ゲームから除外して、フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊出来る。このカードは相手モンスターの装備カードにはならない。

AT3000/DF2500

 

この英雄がもたらすモノは救いに在らず破壊。身の丈を越す長さの長刀は持ち手の信念を表している。喪うことを嫌った男は敵を討ち滅ぼすために誰よりも強く在らんとした。

 

攻撃的な遺志をその心に宿して、今、名もなき覇者がフィールドに降臨する。

 

 

 

「何だ…………このカードは…っ」

 

その声は震えている。

 

「『恐怖』、したか」

 

「……!」

 

しかし、震えているのはおれではなく目の前の対戦相手だ。

 

「……なら、その感情をよく覚えておけッ!!」

 

「『無名の剣帝』の効果発動ッ!このモンスターの攻撃力は墓地に存在する『無名』または『戦士族』と名のつくモンスター一体につき300ポイントアップする」

 

「何だ…と。オマエの墓地には」

 

彼の墓地には『無名』と『戦士族』を含め

8枚ある。

 

「まだ、在るだろ」

 

「…………まさか」

 

驚愕したようにその顔を歪める。その怒りが自らのモンスターに刃を向けさせた。彼女自身は思いもしなかったことだろう。

 

「……ふぅん、なるほどな」

 

そんな様子を眺めておれはひとつの考えを思いつく。

 

「どうした?仲間がいなければ何も出来ないのか」

 

「っ…………ち!」

 

「フィールドで梁山泊の奴らは助けてくれない」

 

この場所では誰もが孤独。自らのモンスター以外に頼れるものはない。

 

「半端なデュエルじゃ通用する筈がない」

 

「ふざけるなぁっ!!」

 

荒々しい声が辺りに響いた。その姿はまるで威嚇する『獣』そのもの。

 

「誇りを失ったケダモノに、『デュエリスト』は倒せないッ!!」

 

「お前の墓地には『獣戦士族』モンスターが五体ッ!よって、無名の剣帝の攻撃力に3900ポイントを加える」

 

「攻撃力…6900だと」

 

「バトルだッ、無名の剣帝でダイレクトアタックッ!」

 

帝王は武器を構える。それは目に写る敵をより多く切り裂くために。

 

「……ちっ!」

 

モンスターの攻撃から身を守るべく彼女は逃亡を選択する。逃げた先で、見つけたのは竹に刺さるアクションカード。

 

「…オマエなどには敗けんっ!!」

 

女はソレを確認する間も無く抜きさった。

 

「私は、アクションマジック『回避』を…」

 

「無名の剣帝の効果ッ!!」

 

女のデュエルディスクがエラーを弾き出す。カードが認識されなかった為だ。

 

「このターン、フィールドの魔法・罠カードは全てが使用不可能!それはアクションカードも例外じゃないッ!!」

 

「何だとっ!?」

 

ビシャモンテンは装備カードの効果が無効となりその攻撃力は3000に落ちている。

 

「3900のダメージ……私が…………っ」

 

負ける。

 

「無名の剣帝の効果発動!」

 

「墓地の『無名』モンスター三体をゲームから除外し、フィールドの魔法・罠カードを全て破壊するッ!!」

 

「!?」

 

お互いの場の魔法・罠カードが全て砕け散り、残すはモンスターのみ。そして、その攻撃力は6000へとダウンした。

 

「名も知らぬ者たちの痛み!己が刃の切れ味と共に思い知れェェッ!!」

 

空を貫く一閃。神を殺す一撃がビシャモンテンを虚無の彼方へと消し去る。

 

「う…………ぐっ!!」

 

 

シズル

LP450

 

 

「……これでターンエンドだ」

 

相手に背に向けて、おれはそう告げた。

 

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