シンデレラの日常   作:笠原さん

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つくってあそぼう


夢を作って、遊ぶ日を夢見て

 

 

 

 

趣味は仕事。

 

そう前に言ったこと、覚えてるかしら?

 

忘れたなんて言わせないけど…よかった、ちゃんと覚えててくれてるのね。

 

ええ…たしかに仕事は好きよ。

 

前も、今も。

 

 

 

けれど、もう一つ。

 

私には趣味と呼べるものがあったのよ。

 

…あった、よ。

 

今ではなくなってしまったわ。

 

 

 

それは、とある教育番組を見る事。

 

結構長く続いていて、放送時間帯はよく変わっていたけれど。

 

それでも本放送か再放送のどちらかを、毎週観ていたわ。

 

 

 

…君は察しがいいわね、その通りよ。

 

ギャグとかではなくて。

 

本当に、私は好きだったの。

 

 

 

小さい頃からずっと続いていた、あの番組。

 

身の回りにあるありふれたもので、子供の心をくすぐるおもちゃを作る。

 

作ったおもちゃで、とても楽しそうに遊ぶ。

 

素敵な事だと思わないかしら?

 

 

 

小学生に上がってからも、中学生に上がってからも。

 

ずっと、観続けていたわ。

 

高校生になっても、大学生になっても。

 

見れない日は録画して、帰ってからの15分を楽しく過ごしていたの。

 

 

 

一般の人からすれば、ちゃっちいおもちゃ。

 

いいえ…正直小学生の時点で、私すら小馬鹿にする事もあったわ。

 

今の子供からしたら、それこそゲームの方が楽しいでしょうし。

 

そもそもハンドサイズの端末で全て事足りてしまうものね。

 

 

 

それでも…私は。

 

親と一緒に、家にあるものを集めて。

 

テレビと同じようにおもちゃを作る事が、大好きだったの。

 

材料を集めて、思い出しながら作って、壊れるまで遊んで。

 

そんな思い出があったからこそ、私はつい最近まであの番組を観ていたのよ。

 

 

 

趣味が仕事になるくらい働き詰めているときも。

 

忙しすぎて、疲れて夢を忘れていても。

 

それでも毎週、きちんと観ていたわ。

 

 

 

…そう、私の夢。

 

 

 

いつかできた私の子供と一緒に。

 

出来れば、お父さんと一緒に。

 

私が今まであの番組から教わったおもちゃを。

 

家にあるもので、作って遊びたいの。

 

 

 

もう、終わってしまった番組だけれど。

 

それでも…私は、覚えているわ。

 

どんな風に作って、どんな風に遊ぶのかを。

 

 

 

もちろん、忘れてしまっているものだってあるわ。

 

小さ過ぎて、はたまた疲れ過ぎていて。

 

でも、それでいいのよ。

 

それでも、いいのよ。

 

 

 

そんな時は、三人で。

 

材料も作り方も遊び方も自分で考えて。

 

そうして出来たおもちゃで、自由に遊ぶの。

 

それが、作って遊ぶって事。

 

私は、そう思っているわ。

 

 

 

…そして、君には。

 

出来れば、私は。

 

私の夢が叶う日に。

 

私の隣に、いて欲しいのよ。

 

 

 

…ねえ。

 

私の夢、叶えてくれるかしら?

 

 

 

 

 

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