side 乾輝
「懐かしいな…。」
『そうだな。もう少しで相棒の言う原作が始まるんだろ?』
「ああ、そうだ。それにしても少し町が変わってる気がするな。」
『5年も離れて居たんだ、そんなものだと思うぞ?』
「それもそうだな。」
この世界に転生してからもう既に5年が経ち、原作までの時間が迫ってきたころ。
俺は転生してから2年間は海鳴に住んで居た。その頃は体を鍛えたり、士郎さん達に出会う度家族にならないかと誘われて逃げたりしていた。
そして、5歳の時に「そうだ、折角2度目の人生なんだ。旅に出てみよう。」と思い立った。
思ってからの行動は早かった。高町家にそれを伝えて追い掛けられるより早くに度に出て身体能力に物を言わせて世界を回った。語学は前世で英語は話せたからななんとかいけた。
余談だがなのはには泣かれた。正直心苦しかったな……。
そこから様々な国を周り面白そうなイベントとか自分に害がありそうな事件には狐の面を被って介入した。
その時に写真でも撮られたのか、何故か世界で報道されてミステリー・フォックスと呼ばれるようになり、日本では化け狐や白面と呼ばれるようになってしまった………。白面って九尾のことじゃなかったか…?
まあ、楽しかったからいいけど。
そして昨日帰って来たところだ。
3年生まで残り1ヶ月、編入試験の受付も済ませて来週に試験らしい。
まあ、前世の知識もあるし転生してからも偶に勉強してたから問題無いだろう。
荷物も置いたことだ。少し代わった町を回ってみるか…。
そう思って歩いていると。
「ちょっと!何するのよ!?」
「や、やめてっ……!」
俺に心休まる時は無いのか……?
目の前では女の子が2人黒い車に乗せられて誘拐されかけていた。
ん?あれって月村 すずかにアリサ・バニングスか……。
抵抗している様だが眠らされたみたいだな。慣れている動きだ。
それよりも流石に目の前で誘拐されかけてるのを見捨てるわけにはいかないだろ。
俺は狐の面を被り、とりあえず走り出した車を追い抜いてバンパーを手で抑えて車を止めた。
……やっぱスペックおかしいだろ。まあ、俺が願ったんだけどな。
車を止められた男達は唖然としていたが、すぐに立ち直り。
「て、てめぇ!ガキ、何しやがった!?」
「何って、追い抜いて止めただけだぞ?」
「だ、だけだと……。」
「な、なあ、この面って前にテレビでやってなかったか…?」
「あ?面だぁ?………こ、こいつあの化け狐じゃねぇか!?」
「その呼ばれ方はあんまり好きじゃないんだがな…。まあ、この時の名前は決めてないからなんでもいいか。」
「くそっ!何でこんな所に化け狐が……。おい、てめぇら!何人かであいつを足止めしてろ、素手で行かずに長物か銃で使え!俺達はその間にクライアントにこのガキ共私に行くぞ。」
あのリーダーっぽいのは冷静だな…。いくら強くなってもこの体だとリーチはどうにもならないからな。
スサノオから剣術を教えて貰ったが獲物が無いからどういもならないか……。めんどくせぇことをするな。
………仕方ない。5人か、多少時間は掛かるが1人ずつ確実に行くか。
「ふぅ……。」
スサノオに習った格闘術に型や技は無かった。せいぜいが急所を狙ったりするくらいだ。
スサノオからは『どんな姿勢でも相手を倒せるようになれ。それが全てであり奥義だ。』と言われ俺は重心を鍛え続けられた。
あの頃は信じられなかった。
しかし、今では本当にどんな姿勢からでも強力な攻撃をすることが出来る様になった。
「ふっ……!」
まずは目の前に居る男に向かって踏み込み、その首に向かって飛び蹴りを入れる。
「かひゅっ………!」
骨の折れる音と共に息を漏らして飛んで行った。多分死んでるだろ。
周りの男達は今の動きが見えなかったのか、呆然としている。
その間に更に1番近くに居る男の喉元に手刀を入れて息を止める。こっちも後もう数秒で死ぬだろう。
そして、やっと動き出した男達の中の1人が。
「このっ……!化け物め…!」
何て言いながら銃を撃ってきた。
だが、遅い。あれならスサノオの方が圧倒的に速い。
男は何発か撃った後に弾が尽きたのかナイフを持って斬りかかってきた。
「馬鹿!よせ!」
と言う仲間の言葉を無視して来たが。
そんな冷静な判断の出来ない状態で攻撃しても俺には当たる訳なく、簡単に避けることが出来た。
「くそっ!くそっ、くそぉぉぉっ!!」
そう思ってい俺はその手を捻ることでナイフを奪い取って男の心臓に突き刺してやった。もちろん即死だ。
これで3人目だ。しかし残った2人はさっきのとは違い、冷静にこちらを見ていた。
……まずいな、このままでは追い付けなくなってしまうかもしれないな…。こっちから仕掛けるか。
俺は最初と同じく踏み込んで蹴りを入れようとした。
しかし、それを予測していたんだろう。男はギリギリでそれを避けた。
すると、隣の男は事前に言っていたのだろうか、ナイフで斬りかかってきた。その動きはさっきの男よりも素早く無駄のない攻撃だったが俺には当たりはしない。
そして、そこで俺は距離を取って、素直な感想を言った。
「結構やるな。前の3人とは全然違う。」
「……当たり前だ。あの3人はただの一般人から入ったからな。俺達は軍人上がりだ。一緒にされては困る。」
「なるほどな、だからか。」
「それよりも少年。君はその年齢にしては君は異常だ。あいつらも言っていたが化け物と言っていいだろう。その馬鹿げた身体能力、殺すことに対しての一切の躊躇いのなさ。どちらも異常だ。」
「まあ、そうだな。」
「しかも、話し方ががあまりにも大人びている。まるで子供の体に大人の精神を入れたかのようだ。」
「くっ、ははっ。はははははっ……!」
リーダー風の男のその言葉につい笑ってしまう。
まさか、初めてそんな事を言うのが原作の人物や居るかどうかもわからない俺以外の転生者ではなくて 、ただのモブと言っても言いような男だとは…。
「何がおかしい……?」
「ああ、最ッ高に面白いな。あんたらは。気に入った。俺の今出せる本気を見せてやる。」
流石に神器はとかは出せないからな。
気で体全体を身体強化、両脚の裏に気を溜めておく。そして、前傾姿勢になり……。
「オラァァァァ……!!!」
1歩目で右脚の気を放出してスタードダッシュをする。次の2歩目で左脚の気も放出して更に加速を加える。
そして男達の間を通り抜けた。
何が起きたかも分からないまま、2人は無言のまま倒れた。
「気に入ったから殺しはしねぇよ。楽しかったぜ。」
通り過ぎる瞬間に2人の腹に気を当て気絶させた。
少し入院する程度で済むだろう。
「さて、あの娘達を助けにでも行くか。」
そうして俺は屋根の上を走りながらあの車を探した。
side out
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side アリサ
「う、ううん……。」
あれ?あたしどうして倒れて………。
そ、そうだっ。いきなり男に囲まれて誘拐されたんだっ!
「す、すずかっ…。すずかっ……!」
「ん……。アリサちゃん…?」
「良かった…。起きたのね。」
「……ここ、どこ?」
「さあ……。誘拐されたからわからないわね…。」
本当にここってどこなのかしら?
「おう、やっと、起きたか嬢ちゃん達。」
だ、誰!?
「こっちだ、こっち。」
呼ばれた方を向いたら男がこっちを向いて座って居た。
「わりぃなぁ。クライアントからの依頼でな。本当は紫髪の方だけだったんだが、見られちまうと都合が悪くてな。これで、俺の仕事は終わりだ。後はクライアントに任せる。じゃあな、縁があったら会えたらいいな。」
そう言って男はどこかに行った。
「く、クライアントって誰なのよ……!」
「ま、まさか……。」
すずかが何かわかったのか、急に青ざめた。
「やあ、すずかちゃん。久し振りだね、僕だよ。」
「氷村さん………。」
「す、すずか、この人は誰なの…?」
「この人は……氷村 遊、お姉ちゃんと対立してる……。私の、叔父さん。」
「対立……?」
どういうこと……?
「なんだ、まだ自分の家の事を話してなかったのかい?なら、僕から話そうじゃないか。」
「……っ!?や、やめて!」
「うん?なんでだい、すずかちゃんはそこの劣等種のお友達とやらに嘘をついてるんだから、本当の事を教えてあげようとしただけだよ?」
すずかがあたしに嘘をついている?何の話をしているの?
「いいか。劣等種、この俺や隣のすずかちゃんに姉の忍はな。超越種である吸血鬼なんだよ!」
「え……?吸血…鬼?」
「あ……あっ……。」
そ、そんな、吸血鬼なんている訳が……。
「信じられない様な顔をしているね。でも本当さ。僕達は夜の一族という吸血鬼の一族なのさ!」
「う、嘘よ!そんな証拠がどこに……。」
「あるだろう?彼女の身体能力は知ってるだろう?」
「そ、そんなの少ないけど居るじゃない……。」
「そうだな……こうすればいいか、なっ!」
「きゃっ!?」
え……?氷村がすずかの腕をナイフで斬るとその傷がすぐに塞がってしまった…。
「本当に…?」
「あ、アリサ、ちゃん……。」
「どうだい、劣等種。これでわかっただろ!彼女は人間じゃないんだ!吸血鬼なんだよ!」
すずかが吸血鬼……。それでも…!
「嘘だったとしても、すずかがあたしの友達って事に変わりはないんだから!」
「アリサちゃんっ……。」
すずかと今まで過ごしてきた時間は嘘じゃないもの!
「そうだ。よく言ったな。」
その時、この中の誰でもない誰かの声が聞こえた。
side out
side 乾輝
俺は今、あの娘達を攫った車を見つけた。
そして、車の留めてあるビルに入ろうとした時に何かが攻撃を仕掛けてきた。
それを後ろに飛んで避けると。
「ああ、そういえば居たな……。」
自動人形だったか?10体はいるな……。相手にするのもめんどくせぇな。
人目も無いし、使うか。
「行くぞ、ドライグ、さっさと終わらせる。」
『乾輝…、俺の出番は…?』
悪いな。機械だから効くかどうかわかんねぇからまたな。
『よし、行くぜ相棒!』
『Boost!』
さて、とりあえず、20秒待つか。
全員近距離の武器しかないから楽だな。
自動人形共は一瞬だけ驚いたのか動きが止まったが、すぐに動き出して目の前から2人同時に攻撃して来た。だがこの程度なら余裕を持って避けられる。
「おお、流石だな。攻撃のタイミングにラグがほとんど無いぞ。」
それが気に触ったのか、幾らか攻撃が激しくなった。
無駄なんだけどな…。
『Boost!』
残り10秒。
武器を投げてきたりもしたが横から払ったり篭手で防いだりしながらも近距離からの攻撃を避け続けた。
『Boost!』
『Explosion!』
さて、これで8倍、終わらせるか。
まずは周りにいた奴らの胴体を貫通しないとうにして殴った。
すると全員吹き飛んだ後には動かなくなってしまった。
「次は、あいつらか。」
離れたところから武器を投げて攻撃してきてる奴らには俺の気で気弾を作って飛ばした。
気弾が当たった瞬間に弾け飛んでいった。
「やっぱ、チートだよなぁ…。」
『まあ、そうだな…。』
さて、行くか。
めんどくせぇことはさっさと終わらせよう。
俺は篭手を消して歩き出した。
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2人が居るであろう階に着くと、大声が聞こえてきた。それを聞こうと歩きながら耳を澄ますと。
「嘘だったとしても、すずかがあたしの友達って事に変わりはないんだから!」
と、聞こえてきた。
うむ、素晴らしきかな友との絆。
そして、その賞賛を声に出した。
「そうだ。よく言ったな。」
すると、全員こっちを向いて驚いた顔をした。
そして、男。多分とらハに出ていた氷村 遊か?が話し掛けてきた。
「おい…。誰だ…お前、入口には自動人形が10体は居たはずだ!」
「あれか。全部壊したぞ?思ってたより脆かったしな。」
「なっ!?ただの子供に負けるわけがっ…!」
「ただの子供じゃねぇよ。この面見たことないのか?」
そう言って被っている狐の面を叩いた。
結構報道されてたから知ってると思うんだけどな。
「あっ!ニュースでやってた白面って人…?」
「そういえば、そんなのがやってたような……。」
おっ、月村 すずかが最初に気付いたか。アリサ・バニングスの方はそこまで興味が無かったみたいだな。
「そ、そうか。お前があの化け狐か。いいだろう、この僕が自ら殺してやる……。」
「お前がか?外に居た人形共よりも弱そうに見えるぞ?」
「う、うるさい!お前さえ居なかったら今頃は僕が当主になれていたはずだったんだ。お前さえ居なければ!!」
そう言って走り込んで来た。
……やっぱり外に居た人形よりも遅いし隙だらけだ。
「おい、そこの2人。目を瞑って耳を塞いでろ。後で合図するからそれまでな。」
「えっ?あ、う、うん。」
「わ、わかったわ。」
うんうん、素直でよろしい。あんまり見せたくはないからな。
その瞬間に氷村 遊が殴りかかってきた。
まあ、確かに一般人よりは速いし力もあるだろう。それでも、あの軍人2人の方が強かったな。
「おらよっ!」
「がはぁ!?」
避けた時に鳩尾に拳を入れてやった。吹っ飛んだが流石は吸血鬼。すぐに立ち上がった。
「僕が、この僕が劣等種程度に負けるはずがないんだァァァ!!」
「もういい。死んでろ。」
そう言って俺は奴の心臓目掛けて近くに落ちていた木材を投げてやった。そして、刺さったまま木材は奴を壁に縫い付け、そのまま奴は死んだ。
俺は2人に近付いて合図をしてやる。
すると2人は目を開け。
「あ、あの、ありがとうございました…。」
「あたしも、ありがとう…。」
「別にいい。が、まあ、どういたしまして。ところで親に連絡はしなくていいのか?」
「あっ、そうだ!してきます!」
「あたしはいいわ。後ですずかの呼んだ人に送ってもらうから。」
「そうか。ならいい。」
「………あの、さっきの氷村って男はどうしたの?」
「ああ、あいつなら俺が殺した。」
「ころっ…!………そう。」
「なんだ。怒らないんだな。」
「……そうね、なんとなく予想できてたから、かしら。」
「そうか。」
「あのっ!お姉ちゃんが恭也さんの所の家族を連れて来るから待っててって!」
「わかった。なら俺はもう行くぞ。見かけただけだしな。」
「えっと……あなたにも待っててもらってって……。」
え〜……、恭也さんって事は高町家の剣士3人だろ…?
下手したら正体がバレるじゃねぇか。めんどくせぇ……。
「……仕方ない。待っておくか。」
まあ、仮面を取らなければバレないか。背も高くなったし。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜数分後〜〜〜〜〜〜〜〜〜
少しして大量の気配と足音が聞こえてきた。
「すずかっ!」
「お姉ちゃんっ!!」
ふむ、意外と早かったな。
すると士郎さんがこっちに来て話し掛けてきた。
「やあ、君は白面君、でいいかな?俺は高町 士郎。今回はすずかちゃんとアリサちゃんと助けてくれてありがとう。」
「まあ、白面は勝手に名付けられたんですが、わかりやすいんでそれでいいですよ。それと、どういたしまして。」
「はははっ、そうかい。」
朗らかに笑っているがこちらを警戒しているな。まあ、当たり前か。きっと来る途中に殺した男達に自動人形、それとこの部屋の血の匂いにも気付いたんだろ。
そして、月村 すずかとの話し合いも終わったのか、月村 忍が話し掛けてきた。
「白面君。すずかとアリサちゃんを助けてくれてありがとう。でも、少し確認したいことがあるの、だから私の家に一緒に来てくれるかしら?」
取り調べの意味もあるんだろう。仕方ないか……。
「ええ、いいですよ。」
「そう、ありがとう。車を回して来るわ。」
さて、どうなることやら。
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どれくらいか時間が経ってから忍さん(自己紹介の時にすずかと区別するためそう呼べと言われた)に車に乗せられて連れてこられて着いた月村邸は広い。とにかく広い。アニメとかで予想していたよりも広い。
そして、月村邸の広間に着いて全員揃った時だ。
「さて、あなたは一体何者かしら?」
まあ、気になるだろうな。
「まず、すずかの所に来る途中で5人のうち3人死亡、残り2人は気絶。
そして連絡のあったビルの入口には自動人形が10体、更には着いた途端にした血の匂い。すずかの話を聞く限り氷村の物よ。
それだけの事を子供がするなんて不可能よ。
それとも私達と同じ吸血鬼かその類い?」
「そうですね……。まあ、分類は人間でしょうね。別に長生きでも特別な物を食べなければいけないなんてありませんし。月に当たっても狼になりはしません。」
「なら、どうやって!!」
「秘密に決まってるでしょう?」
「そう……。なら実力行使に出ようかしら…?」
そう言って殺気を飛ばしてくるが。
「無駄ですよ。全員で来ても俺の余裕勝ちです。」
俺はそれを軽く超える出してやった。
「っ!!……どうやらその通りのようね…。」
まあ、流石に無謀な手段は取らないか。
「アリサちゃん、あなたはどうする?夜の一族の事を知られた場合には盟友になるか記憶を消さなければならないのだけれど……。」
「あ、あたしは……やっぱり、一緒に居た時間は嘘じゃなかったから、盟友になります!」
「そう、それなら良かったわ。じゃあそっちの白面君、あなたはどうするの?」
まあ、実力行使がダメなら友好的な関係になりたいだろうな。
と言うか、記憶を消したとしてもどうせ数時間前のだろうから原作知識としてのは残ってるから構わないが…。
「そうですね……。記憶を消されるのは構いません。しかし、その間にこの仮面を取られて正体がバレる可能性がありかもしれませんから却下します。」
そう、これが一番の問題だ。
某真っ黒スーツの男達の映画の様に光をピカッと当てられてからの少しの時間はボーッとするとかしてその間に取られては困る。
「そう……。なら何かそれ以外の秘密とかあるかしら?それを担保として聞きたいのだけれど…。」
秘密か……、それなら神器2つと幻想殺しがあるが…。幻想殺しはすずかと忍さんに触って発動するかわからないが発動すれば確実に消えてしまう。となると神器しかないがどちらにすればいいか……。
『相棒、だったら俺にしろ。俺ならもしかしたら何かの機械に見られるかもしれないぞ。』
それもそうか。じゃあそうするか。
「いいですよ。俺の素顔と同じくらいトップシークレットですから、他言無用ですよ?」
「ええ、わかってるわ。ここに居る全員そういうことは把握しているわ。」
「そうですか、では。」
そう言って俺は赤龍帝の篭手を出した。
「それは?」
「これは赤龍帝の篭手と言います。能力は10秒毎の自分の能力の倍加です。」
「「「「「「「はあ!?」」」」」」」
おお、声がばっちり揃ってる。
「そ、そんな武器があるの!?」
「ええ、まあ、正確には神器ですけどね?」
「神器……。それは他にもあるのかい?」
「いえ、多分世界で俺だけが持ってますよ。」
「神器か…。10秒で倍加とは、その名の通りだな。」
と、口々に感想を言っている。
そろそろ帰ってもいいだろうか?眠くもなってきた。
「………それで、これでいいですか?」
「あ、ええと、そうね。良いわ。あなたを盟友として認めるわ。」
「ありがとうございます。それではそろそろ帰ります。」
「あ、ならファリンに車を回して貰おうかしら?」
「いえ、結構です。走って帰るので。」
「走って帰るって、時間がかかるんじゃない?」
「俺なら問題ありません。では。」
そう言って俺は走って(もちろん誰も追い付けないスピードで)帰った。
久し振りに帰って来たのに……。やっぱりこの町は楽しいこともあるが、めんどくせぇ………。
side out
おまけ
side乾輝
誘拐があった日の夜。
俺は天照に連絡を取ろうとしている。
それと言うのも、学校に入ろうにも俺には家族が居ないのだ。これでは学校にも入れない。
『はいは〜い。天照ですよ〜。』
「天照、俺だ。実はな、前の保護者になるって話だ。
なってくれないか?」
そう言った途端にガラガラガッシャン!っと言う定番とも言うべき音が聞こえた。
「ほほほほ本当ですか!?本当に私が保護者と言う事でいいんですか!?いいんですね!わかりました!それでは今から私がお母さんですよ!さあさあ、お母さんと呼んでください!?」
「いやいや、何でそうなるんだよ。仮だから、仮。海外に行ってるってことで。」
「そ、そうですか……。では親の時の名前を考えておかなければっ!」
「そうだな、それとスサノオにも伝えといてくれ。父親として。」
「あ、はいっ!わかりました!ところでお母さんとは…。」
「呼ばないっ!」
「むう…….。」
やれやれ、何でこうも呼ばせたがるんだ?まあ、いい。
「まあ、家庭訪問の時は士郎さん達にでも頼むから。」
「うう……、はぁい…。わかりましたぁ…。」
「ああ。じゃあ、今日はもう眠いからまたな。」
「ええ!?そんな、まだ話したいですよ!?」
「今日は疲れたんだ…。悪いな、次の時にしてくれるか?」
「もうっ、仕方ありませんねぇ。次の時はもっとおはなししましょうね!!約束ですよ?」
「わかったわかった。約束するさ。」
「ならいいんです!それではっ!」
「ああ、またな。」
そう言って連絡を切った。
ああ…、今日は本当に疲れた。もう寝るとするか……。
余談だが、後日連絡を取ってきたスサノオにもお父さん呼びを迫られた。何でだよ…めんどくせぇ………。
side out