東方竜星剣   作:赤辻康太郎

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Session0 卓の成り立ちとキャラ成長までです。


東方竜星剣 Session0

――それは、とある少女の一言から始まった。

 

「衣玖! 暇よ!」

「はあ……」

 

 幻想郷もそろそろ夏になろうかという日差しの強いある日、総領主娘様がいつもの様に暇を持て余し、私に訴えて来ました。

 皆さま初めまして。私、『永江衣玖』と申します。今の状況は先程申しました通り、総領主娘様こと『比那名居天子』様が暇を持て余し、少々ご機嫌ななめなのです。

 

「しかし総領主娘様、この前もそう言って博麗の巫女様に弾幕勝負を挑んではボコボコにされて泣きながら帰って来たではありませんか」

「アレは調子が悪かったからよ! ってか泣いてねえし!」

 

 思いっきりべそかいていましたけどね。

 

「いいから! 何か面白い事ないの?」

「そうおっしゃりましても……」

 

 正直に言いまして、ここ天界は楽園と言われども娯楽に豊かなわけではありません。刺激と言う点でしたら寧ろ下界の方が豊富なわけでして、

 

「やはり下界に降りて探すしか……」

「そんなの分かってるわよ! ……だから衣玖に聞いてるんじゃない」

 

 この総領主娘様、普段は傲慢で我侭で絶壁(天子「おい!」)という典型的なお嬢様なわけですが、人見知りが激しいと言う大変素晴らしく後ろ向きな性格をしております。

 

「……なんかさらっと毒々しいこと思ってない?」

「そんな滅相もございません」

 

 おっと中々勘のす……疑り深い。ここは満面の笑みで誤魔化しておきましょう

 

「まあ、いいわ。それで何かないの」

「と、言われましても今手持ち……あ!」

 

 そうです。『アレ』がありました。

 

「なに? 何かあるの?」

 

 総領主娘様がとても興味深げにこちらに熱い視線を送ってきます。

 

「はい。持ってきま……いえ、準備しますので少々お待ちください」

「準備?」

「はい」

 

 さて、多少骨は折れますが、総領主娘様の為に準備を致すとしましょう。

 

 

――数刻後――

 

 

「……それで、こんなみすぼらしい神社に呼んで何をするのよ?」

「なによ。文句があるなら帰ってもらっても構わないわよ?」

 

 場所を変えてここは博麗神社でございます。先日の件もあり総領主娘様は博麗の巫女、『博麗霊夢』様といがみ合っているご様子ですが、ここは催しの為我慢して頂きましょう。

 

「総領主娘様。今回の催しはここ、博麗神社の一室をお借りして行う事としました」

「はあ?! なんでよ?」

「ここが一番利便性が良いからでございます」

「?」

 

 まだ要領を得ていない総領主娘様は首を傾げます。まあ、まだ何も説明していないので当然ですね。

 

「今回の催し物は『これ』でございます」

「何これ……『ソードワールド2.0』?」

 

 私が取りだしたのはソードワールド2.0と呼ばれるとあるゲームのルールブックでした。

 

「総領主娘様はTRPGというものをご存知でしょうか?」

「てぃーあーるぴーじー? ああ、あの鬼が偶に話してたやつか」

「左様にございます」

 

 TRPGというのは主に紙と鉛筆、それと賽子を用いて遊ぶ、所謂『ごっこ遊び』の一種でございます。しかし、おままごとの様なお子様が遊ぶごっこ遊びと同じと思ってはいけません。TRPGには明確なルールがあり、ゲームマスター(GM)が物語を進行させ、遊ぶ側(PL)が主人公となりそれぞれ相談し、悩みながら物語を紡ぐ、そんな壮大なゲームであります。それにゲームシステムも豊富にあり、幻想的な冒険譚から現実世界を彷彿させる任侠ものや異変解決もの、近未来的な知略と謀略の革命ものまで、多種多様なルールブックが存在します。

今回私が総領主娘様に差し出したソードワールド2.0(以下S.W.2.0)はそんなTRPGの中でもオーソドックスな剣と魔法の冒険もの。TRPG初心者(私もですが)の総領主娘様が遊ぶには丁度良いレベルかと存じます。それに、TPRGの醍醐味の一つは『他のPLとコミュニケーションを取りながら遊ぶ』こと。これを機に総領主娘様の人見知り(コミュ障)が少しでも改善されればと思い、今回催した次第にございます。

 

「ふーん。まあ、何となく引っかかるところはあるけど。良いわ。面白そうじゃない」

「気に入っていただけた様で良かったです」

「けど、何でここなのよ? 別に私の屋敷でも良かったんじゃない?」

 

 確かに、天界の中でも随一と言っていいほど(無駄に)広い総領主様のお屋敷であればTRPGを遊ぶ部屋の確保には事足りるでしょうが。

 

「総領主娘様は兎も角、他の天人は下界の者が天界に足を踏み入れるのを嫌がりますので」

 

 勿論これは建前。本音はこの次です。

 

「それに、ここでしたらTRPGに限らず様々な方と出会います。きっと総領主娘様のお望みになる『刺激的な日常』を満たして下さることでしょう」

「……確かにそうね」

 

 勿論コミュ障の改善のことは秘密です。

 

「けど、よくアンタが一部屋貸してくれたわね」

「そこは私が大人の対応(お賽銭)をしましたので」

「ふーん」

「ま、別に暴れられたり壊されたりしなければ別に構わないわよ」

 

 博麗の巫女様も快諾(?) してくださいましたので、場所の確保はできました。後は総領主娘様と遊ぶメンバーですが、

 

「GMは私が務めさせていただきます」

「そう? 悪いわね」

「いえ。その代り、メンバーは総領主娘様に集めていただきます」

「わかっ……ええ!!」

 

 総領主娘様がこの世の終わりを見たかのような悲鳴を上げます。

 

「じ、冗談よね?」

「いいえ。本気でございます。総領主娘様もこれを機に『社交』と言うものを身につけるべきかと」

「ぐ……」

 

 自覚がありましたのか、総領主娘様は声を詰まらせます。そしてチラっと巫女様の方をうかがいますが、

 

「……(プイ)」

 

 あっさりと振られてしまったご様子。

 

「分かったわよ! 集めればいいんでしょ集めれば! この私の美貌と知能が有れば雑作もないわよ!」

「その意気にございます。その間私はシナリオを纏めて起きますので」

「任せたわよ!」

 

 総領主娘様は勢いよく外へと飛び出して行きました。

 

「……アンタも大変ねえ」

「いえいえ。これも仕事の内の様なものですから」

「ま、あんたが良いなら気にしないわ。それよりも、そのルルブだけで遊ぶつもり?」

「生憎と手持ちがこれしかありませんので」

 

 私の手元には基本ルールブックⅠ~Ⅲ(各改訂版)しかありません。追加要素が含まれるサプリメントを使えればもっとシナリオや総領主娘様たちのキャラクターの幅が広がるのですが。

 

「なんなら私の持ってるやつも貸してあげるわよ?」

「よろしいのですか?」

 

 これは何という僥倖。渡りに船とはこの事です。

 

「お賽銭(賄賂)もたっぷり貰ったからね。少しくらいサービスするわよ」

「ありがとうございます。次回もまた差し入れさせていただきます」

「期待しているわ。ちょっと待ってて」

 

 巫女様は部屋を退出なさると、暫くして数冊の冊子を持って戻ってきました。

 

「生憎と私もこれくらいしか手持ちがないんだけど」

「いえいえ。これだけあれば十分にございます」

 

 早速サプリメントを見せていただきましょう。

 

「ふむふむ。これなら舞台はココが良さそうですね。ではメインは……おや、これは?」

「ああそれ。最近紫が持ってきたのよ。何でも『とある地方』を舞台にしたキャンペーンブックみたいだそうよ」

「左様ですか」

 

 これは、これは。中々面白そうですね。

 

「これを取り入れてみましょう」

「へえ。面白そうね。何ならリプレイ本も貸しましょうか? 紫からの借り物だけど」

「是非お願いします」

 

 これで物語(キャンペーン)の主軸は決まりました。さて、後はどう枝葉をつけていくか……。

 

 

 

◇メンバー紹介&キャラクター作成

 

――ここから台本形式でお送りしますby作者――

 

天子「連れてきたわよ!」

 

 

 それからしばらくして、総領主娘様がメンバーを集めて戻ってきました。そのメンバーとは――

 

魔理沙「よ。久しぶりだな」

衣玖「お久しぶりですね。霧雨様」

 

 一人目は『霧雨魔理沙』様。先日の総領主娘様が起こした異変の被害者の一人でもあります。まあ、この方が来られるのは想定の範囲内ですね。

 

魔理沙「TRPGをやるらしいな。私も混ぜてくれよ」

衣玖「はい。是非に。その方が総領主娘様も喜ばれますし」

魔理沙「そっか。じゃあ、よろしくな!」

衣玖「お手柔らかにお願いしますね」

 

 さて、次の方ですが――

 

妹紅「初めまして、かな? 私は『藤原妹紅』。よろしく」

衣玖「お初にお目にかかります。私、永江衣玖と申します。以後お見知り置きを」

妹紅「あ~……そんな畏まった喋り方じゃなくてさ、もっと気軽に話してくれないか?」

衣玖「左様ですか? なら、妹紅さま。これからよろしくお願いしますね」

妹紅「まあ、それくらいなら良いか。あいよ。こちらこそよろしく」

魔理沙「私も下の名前で呼んでくれて構わないぜ」

衣玖「では魔理沙様。改めてよろしくお願いしますね」

 

 二人目は藤原妹紅様。何でも人里でお連れの方と買い物中に総領主娘様に誘われて参加されたとか。

 

妹紅「私の連れも参加予定だったんだけど、生憎と今日は都合が悪くてね。次に機会があれば参加するってさ」

衣玖「ふむ……では次回セッションから参加と言う事で考えておきましょう」

妹紅「悪いね。助かるよ」

衣玖「いえいえ。TRPGは人数が多い方が楽しいですから」

 

 二人目の妹紅様の紹介も終わりましたし、次の方の紹介に移りたいのですが、

 

衣玖「ええーと。お初にお目にかかります。私、永江衣玖と――」

勇儀「そんな堅苦しい挨拶なんて要らないよ! 私は『星熊勇儀』だ! よろしくな!」

衣玖「では勇儀様。よろしくお願いします!」

勇儀「おうよ! まさか呑みに来てこんな面白そうなこと出来るなんてな!」

 

 勇儀様は総領主娘様が誘ったわけでも、他の方がお誘いしたわけでもなく。神社に居候している伊吹萃香様の元に遊びに来ていた折り、偶然今回のセッションの話を聞きつけ、自発的に参加表明して下さいました。因みに伊吹様は巫女様と共に見学だそうです。

 

勇儀「ま、私はTRPGあんまりやっことないけどな。よろしく頼むよ」

衣玖「はい。分からないことは皆で考えながらやっていきましょう」

勇儀「おう!」

 

 さて、三人目も終わり、次が最後、四人目でございます。

 

映姫「初めまして。私は『四季映姫・ヤマザナドゥ』。映姫とでも呼んでください」

衣玖「初めまして映姫様。私は永江衣玖と申します」

映姫「では、衣玖さん。今日はよろしくお願いします」

衣玖「はい。こちらこそよろしくお願いします」

 

 映姫様は魔理沙様に誘われて参加されたそうです。

 

映姫「今日は偶々非番でしたし、それにTRPGはGMの経験は余りますが、PLは中々ありませんでしたから」

衣玖「私どもも経験が豊富なわけではありませんから、お気になさることはないですよ」

妹紅「私は結構やってるから、分からないことがあれば相談に乗るよ」

衣玖「ありがとうございます」

妹紅「ま、伊達に『蓬莱チート』とか言われてないし」

魔理沙「どっかの卓じゃ『鋼鉄のヒモ』とか呼ばれてるらしいな(笑)」

妹紅「うるさいよ! アンタだって『魔理沙ランナー』とか言われてるじゃないか!」

魔理沙「グラランだから仕方ないな」

 

 何はともあれ、これで全員の自己紹介が終わりました。

 

衣玖「それでは、皆さんの分身であるキャラクター(以下PC)を作成していきましょう」

魔理沙「サプリメントは何を使うんだ?」

衣玖「今回は『アルケミスト・ワークス』、『ウィザーズトゥーム』、『バルバロステイルズ』、それに『フェイダン博物誌』の4つを使用する予定です」

妹紅「博物誌があるなら舞台はフェイダンかい?」

衣玖「はい。今回はフェイダン地方の『年輪国家アイヤール』、そこにオリジナル領が舞台となっています」

 

 サプリメントとは、基本ルールブックには記載されていないアイテムやモンスターのデータなどの追加要素が記載されている冊子のことです。特に今回使用するフェイダン博物誌は、フェイダン地方の国や風土などが記されているため、物語の舞台を決めるのに重宝します。今回私が選択したのはその中でもアイヤールと呼ばれる、様々な自治領が存在する大国です。

 

天子「アンタ、そんなの持ってたの?」

衣玖「いいえ。これは巫女様からのご差し入れです」

勇儀「へえ、珍しいねえ」

魔理沙「明日は陰陽玉が降るな(笑)」

霊夢「アンタの頭に今降らせてあげようか?(怒)」

 

 巫女様「霊夢:霊夢でいいわよ」、霊夢様が魔理沙様の頭上に特大の陰陽玉を落とそうとしましたが、何とか宥めて堪えていただきました。

 

妹紅「バルバロステイルズを使うってことは、蛮族PCはあり?」

衣玖「はい。ありです」

勇儀「蛮族ありか中々面白そうだね。よし、私は蛮族PCにしてみよう!」

映姫「私は無難に人間にしましょうかね」

魔理沙「私も人間にするかな。やっぱり運命変転は強いしな」

天子「私は何にしようかなあ」

衣玖「今回はダイスを3セット振って好きなモノを選択してもらいます。それと、初期経験点に追加で2000点、所持金は3200Gでキャラクターを作成してください。一般技能は各技能最大5、合計10レベルでお願いします」

魔理沙「経験点2000点追加ってことはレベル3くらいか。成長はないのか?」

衣玖「今回はなしでお願いします」

妹紅「了解。じゃあ作っていくか」

衣玖「経歴表(大惨事表)もお忘れなく」

 

 

~少女投擲中~

 

 

衣玖(以下GM)「それでは、PCの紹介をお願いします」

妹紅「じゃあ私から。私の名前は『ウィステリア・F・ディレット』、シャドウの剣士だ。冒険者技能はフェンサー3、スカウト2、エンハンサーとアルケミストがそれぞれ1。能力戦闘特技は『両手利き』と『武器習熟/ソード』。練技は命中を上げる『キャッツアイ』。それに賦術は『パラライズミスト』を取った。」

GM「二刀流剣士。しかも自身の命中を上げつつ回避下げてきますか。かなりの脅威ですね」

妹紅(以下ウィステリア)「ま、GMを辟易させてやりたいね。一般技能は貴族(ノーブル)1、調理師(コック)と薬剤師(ドラッグメイカー)、狩人(ハンター)が3」

GM「貴族が1と言う事は元貴族か何かですか?」

ウィステリア「ああ。元々貴族の生まれで、幼い頃に剣術大会で優勝したんだが、実はそれは母親が魔法で相手を妨害していたからなんだ」

天子「うわぁ」

勇儀「そりゃあいただけないねえ」

ウィステリア「だろう? 後日そのことを知った私はもっと腕を磨いて家を出る決意をしたんだ。そして10歳の誕生日の翌日家を出て冒険者になった。勿論、家の人間には行方を知らせずにね」

映姫「行方不明と言う訳ですか」

ウィステリア「ああ。んで、家出してからの事はあとでGMと相談したんだけどいいかい?」

GM「分かりました。では最初のセッション後にしましょうか」

ウィステリア「助かるよ。あと左の肩に家紋が彫ってあるんだけど今は×印で上書きしてるってことで」

天子「……なんかカッコいいわね」

ウィステリア「そうかい? ありがと(苦笑) 因みに経歴は『何かの大会で優勝したことがある』、『家族に魔法使いがいる(いた)』、『からだのどこかに刺青がある』だ」

GM「なるほど」

 

 総領主娘様が妹紅様(ウィステリア)に羨望の眼差しを向けていますが、次に行きましょう。

 

GM「では、次はどなたが?」

勇儀「私がいこうか」

GM「お願いします」

勇儀「あいよ。俺の名前はレイザ=ストゥア。ライカンスロープの男だ」

魔理沙「蛮族PCにしたのか」

 

 『蛮族』とは人間を中心とした『人族』の不俱戴天の仇と位置づけられていますが、ごく稀に人族の文化や人となりに触れ、人族側に属するようになった蛮族もいます。レイザの種族、ライカンスロープは、呪術的儀式により獣人となってしまった元人間の蛮族です。人と獣人の姿になることが出来るため『ワー○○』と呼ばれることもあります。

 

勇儀(以下レイザ)「折角だからな。因みに人熊(ワーベア)だ」

魔理沙「星『熊』だけにか?(笑)」

レイザ「まあな!(一同爆笑) 技能はファイター3、エンハンサー2。戦闘特技は『かばう』と『防具習熟/金属鎧』だ」

GM「典型的なかばうファイターですね」

レイザ「ウィステリアが回避盾っぽかったからな。俺はタンクをやることにしたんだ」

 

 S.W.2.0の前衛の役割として、自身に攻撃を集中させて味方へのダメージを分散させる『盾役』があり、素早さを活かして相手の攻撃を躱すことを主にする盾を回避盾、高い防御力を活かしてダメージを軽減させる盾をタンクと呼ぶことがあります。

 

レイザ「一般技能は用心棒(バウンサー)を2だけ。他に思い浮かばなかったからな(笑)」

魔理沙「中身だったらサカロスとか信仰してそうだけどな(笑)」

レイザ「人族だったらそれもありだったかもな(笑)。経歴は『蛮族のスパイである』、『罪を犯して追放された』、『特定の相手に恨みを抱かれている』。まあスパイだったけど大ポカして組織から追放されて更にスパイした相手からも恨みを買ってるってとこかな。あと戦闘大好きだ」

ウィステリア「もうダルクレム信仰しなさいよ」

レイザ「世の中信じられるのは己の力だけさ(得意げ)」

 

 神や邪神が多く存在するラクシアで何と言うことでしょう(笑)。

 

レイザ「まあ、今は人族社会の中で冒険者をやってるってことで」

GM「わかりました。では次は……」

映姫「私がいきましょう。私の名前は『シキ・リフレイン・ブレイブ』。人間の冒険者生まれ。取った技能はソーサラー3、レンジャーとセージが1。一般技能は墓守(グレイブキーパー)3と絵具師(カラーマン)1。戦闘特技は『魔法誘導』と『魔法拡大/数』です」

GM「純性魔術師と言ったとこですか」

映姫(以下シキ)「能力値が後衛よりだったので。経歴は『競い合う友人がいる(いた)』、『物心ついた時には一人だった』、『一定期間の記憶がない』でした」

魔理沙「ある意味ルーンフォークみたいな経歴だな」

 

 ルーンフォークとは体に金属パーツが埋め込まれた人族で、親から出はなく『ジェネレーター』と呼ばれる装置から生まれる人造人間です。また一度命を失って蘇生した場合、過去1年の記憶を失うという特徴を持っています。

 

シキ「なので、孤児院に住んでいて天子さんのPCとライバル、というか腐れ縁関係で、あとの経歴はGMにお任せします」

GM「わかりました。今後のセッションに活かしてみましょう」

シキ「お願いします」

天子「じゃあ次はわた――

魔理沙「んじゃ、次は私が行くぜ! ワタクシの名前は『マーリー・キリ』人間の女の子ですわ」

天子「なによその口調は(笑)」

魔理沙(以下マーリー)「人のRPにケチ付けるのは犯罪だぞ! コホン。技能はスカウト3、シューター1、マギテック2。メインスカウトのマギシュー。そしてなんと……生命ボーナスが1! HPは19!」

天子「低ッ!?」

 

 因みに総領主娘様含め、他のPCは全員生命ボーナス2以上のHP20越えです。純後衛のシキでさえHP25もあります。

 

魔理沙(以下マーリー)「だから前衛にお願いします、絶対に敵を抜かせないでください!(笑)」

レイザ・ウィステリア「「善処するよ(苦笑)」」

マーリー「戦闘特技はマギシュー必須の『精密射撃』と『両手利き』。あとGMの許可を得て必要筋力を+10させてデリンジャーを二丁装備。遠距離用のトラドールも買ったからもうお金がすっからん(笑)」

シキ「マギテックはお金がかかりますからね」

マーリー「ええ。経歴だが、『役に立たない得意技がある』、『競い合う友人がいる(いた)』、『両親に愛されて育った』。とまあ、至って普通な経歴でした」

ウィステリア「確かに普通な設定だね」

マーリー「まあワタクシも天子さんのPCと友人だったのと得意技が『モノを一生借りること』だけ拾ってあとはGMにお任せしますわ」

レイザ「何なんだいその中の人そのまんまの得意技は?(笑)」

マーリー「いいじゃありませんか」

GM「分かりました。ではマーリーは今回の舞台の領にある豪商の娘ということにしましょう」

マーリー「ぶふっ!?」

天子「あはははっ! いいじゃない。設定までそのままになったわよ(笑)」

マーリー(魔理沙)「どうしてこうなったし」

シキ「自業自得でしょう」

GM「必然的に総領主娘様と映姫様のPCも同じ領に住んでいると言うことになりますがよろしいですか?」

天子「私は構わないわよ」

シキ「私もです」

GM「では他のお二人はどうしますか?」

レイザ「私は元スパイの冒険者だからねえ。各地を転々として最近領に来たって感じかな。多分何回か護衛とかそういう仕事受けてるかも」

ウィステリア「私も何回か仕事受けてるけど、出身については別でお願い」

GM「承りました。では最後に総領主娘様お願いします」

天子「うう……よりによって最後かあ」

マーリー「女は度胸ですわよ」

シキ「頑張って下さい」

天子「うう……ああもう! こうなりゃ腹括るわよ! 私は『ファルミナ・ヴァーレスク』。ヴァルキリーよ」

レイザ「お、ヴァルキリーとは珍しいね」

 

 ヴァルキリーはルールブックⅢ改訂版で登場した人族の種族です。『神に祝福された子』と称され、『忌み子』の蔑まれること多いナイトメアとはある意味対極に位置します。外見は普通の人間と変わりませんが、背中とくるぶしに羽のような文様があり、ここから光翼を展開させて高所からの落下を防ぐことが出来ます。また、女性しか生まれないのも特徴のひとつです。

 

天子(以下ファルミナ)「ふふん。まるで私(天子)みたいでしょう?」

GM「アーソーデスネー」

ファルミナ「……なんか納得いかないけどまあいいわ。私はシキと同じ孤児院に住んでいて、幼い頃から天真爛漫に育ったわ」

ウィステリア「天真爛漫な孤児か(笑)」

マーリー「というかナイトメアの孤児なら兎も角ヴァルキリーの孤児なんて凄いですね」

ファルミナ「生みの親は流行り病で死んだのよ……多分(一同笑)。んで、小さい頃から近所のザイア神殿の合唱隊で歌を歌ってたんだけど、ある日ザイア様の声が聞こえたわけよ」

レイザ「てことは騎士神の神官戦士かい?」

ファルミナ「いいえ、神官歌手よ!」

一同「は?」

ファルミナ「だって。合唱隊でミサ(讃美歌)歌ってたのよ? 戦うより歌う方が慣れてるし。何よりザイア様から『護ることは戦う事に非ず』って言われたもん」

ウィステリア「それでいいのか騎士神?(笑)」

ファルミナ「だからザイア様に『不殺』の誓いを立てて、やむを得ない状況を除いては極力人蛮問わずに自ら手を下さない事にしたわ」

マーリー「それ、何だか仲間が殺すのは構わないって聞こえますが」

ファルミナ「そこは臨機応変よ(一同爆笑)」

シキ「なんだか天真爛漫というより能天気って感じもしますが」

レイザ「無鉄砲とも言うね」

ファルミナ「まあ好奇心も旺盛だから色んな事に首突っこんでいくわよ。それでシキとも幼い頃に約束してるんだけど、それをシキが覚えているかは不明(笑)。その辺の裁量もGMに任せるわ」

GM「皆さんGMに投げ過ぎじゃないですか?(一同笑)」

ファルミナ「GMの腕の見せ所でしょ? 技能はプリースト2、バード3、セージ1。信仰は勿論ザイア様。呪歌は命中を上げる『モラル』。抵抗を上げる『レジスタンス』と、眠らせる『ララバイ』よ。歌が聞こえる相手なら速攻で眠らせられるわ」

シキ「私も『スリープ』が使えますね」

 

 本当にスリープやクラウド系の呪文は使用不可にしたいほどGM泣かせです。

 

ファルミナ「戦闘特技は『魔法拡大/数』と『魔法拡大/時間』にしたわ。ペットはカエルで名前は『ミカエル』よ」

ウィステリア「カエルだから?」

ファルミナ「カエルだから!(笑) あ、モラルの楽譜を買ったから歌に集中して他の行動ができないけど命中が+2されるわ。あと武器のロングソードを銀の武器にしたわ。これで残高20Gよ!(笑)」

GM「幾らなんでも少なすぎるでしょう!?」

マーリー「大丈夫。私の倍ですから(10G)」

ウィステリア「二人とも大丈夫かい?(60G)」

レイザ「お前も他人の事言えないだろう(720G)」

シキ「皆さん使い過ぎですよ(1665G)」

GM「まあ、お金の管理は各自でお願いしますね」

ファルミナ「だからいつもの様に冒険者の宿で依頼をせびっているわ!」

レイザ「所持金関係ないじゃないか(笑)」

シキ「多分、私も付き合わされているのでしょうね……」

ファルミナ「当然よ!」

マーリー「では私はそんないつもの二人(主にファルミナ)を冷ややかな眼で見てるのでしょう」

ファルミナ「何言ってるの? 眼の前に映った人は皆巻き込むわよ?」

ウィステリア「なんてはた迷惑なヴァルキリーだ!?(笑)」

 

 さて、PC全員の紹介も終わりましたので、今回のキャンペーンを始めましょうか。

 

GM「それでは、今回のセッションを始める前に、GMから皆様にお伝えすることがございます」

ファルミナ「なに? 占い師の予言?」

シキ「ミスティックはいないんですからそんなことは――」

GM「ある意味それに近いですかね」

一同「え?」

GM「まあ、予言というより伝承の様なモノですが」

 

 

――竜刃星。

その名を持つ箒星が天を二分するとき、

地の底より邪竜どもは目覚め、

やがて世界は滅びを迎えん。

 

 さあ、『ドラゴンレイド(邪竜強襲)』S.W.2.0キャンペーンの始まりです!

 




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