とある反則の能力窃盗者   作:林檎

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ご無沙汰ぶりです。

重要な試験が近いので更新が不定期になりますが

ご了承ください。


Episode.9 裏で動く影

 

 

 

side修也

 

 

 

 

こんにちは北里修也です。

俺は少し前に銀行強盗さんと対面しちまいまして。

成り行きで事件を解決したっす。やっぱり真実は一つでした。

ってこんな冗談はいいんだ。

俺は今、風紀委員(ジャッジメント)訓練所にいる。

なぜかって?誘われたから。それに涼音の情報が手に入れやすいと思ったからだ。

さて、それで来たのはいいのだが……。

 

「早速迷ったぜ。」

 

悪いかよ?

誰だって知らない道通ったら迷うさ。

まぁ、能力で色々やってるけどこの辺で個法さんと約束した集合場所があるはずなんだけど……。

 

「北里くん。」

 

後ろから声がしたので振り向くと個法さんと白井そして初春がいた。

 

「あ、個法さん。」

 

「遅かったわね。道に迷った?」

 

「はい。」

 

「それにしても、広いですね……。」

 

「まぁね。訓練施設とあと風紀委員の本部もここにあるから。」

 

へぇ。

本部もここにあるのか。

じゃぁ、こっから見えるあのでっかいビルが本部なのか?

流石風紀委員。優遇はされてるみたいだな。

 

「じゃぁ、書類とか書かなきゃいけないからこっちに来て。」

 

「はーい。」

 

てか、白井とかはいるのか??

 

「必要に決まってますの!!」

 

「うぉ!?心読んだのか!?」

 

「なんとなく顔でわかりましたの。」

 

コイツ……。案外やるかもな。

 

「初春はともかく。」

 

「白井さん!?」

 

「私はこう見えても座学、実技、能力判定すべてにおいて優秀な成績を残していますの!」

 

「そうか?この前の事件を見る限り実践慣れはしてないし、能力もその年に比べればすごいかも知れないが相手によってはすぐに負けるぞ?」

 

「ぐぐぐ……。」

 

「と、とりあえず、早く行きましょう!」

 

初春の一言で俺たちは訓練所の方に向かった。

 

 

 

 

 

 

side修也end

 

 

 

 

 

 

 

side涼音

 

 

 

「……今日のターゲットはここにいるの?」

 

私はりーだーに聞く。

 

「あぁ。だけど気をつけろ?中には風紀委員(ジャッジメント)がうじゃうじゃいるぞ?」

 

私は軽い溜息をつく。

なんでここなのだろうか?

 

「それにしてもどうやって入る?流石に正面から行くと騒ぎになっちゃうでしょ?」

 

「その辺はもう大丈夫だ。策は練ってある。」

 

とりあえず、今の状況を確認しようか。

私たちメロディは第二学区にある風紀委員(ジャッジメント)本部の近くに来ている。

暗部の誰かが大事なデータを運送中ドジして捕まって現在取り調べ中らしい。

今回の依頼はそのドジの始末とデータの回収。

 

「策って?」

 

ちーちゃんが続けてりーだーに質問をする。

 

「遠いところで騒ぎを起こしてそこに気を取られている途中にデータの回収とターゲットの始末を行う。

そこで一人はターゲットの始末。二人はデータの回収を行いたいんだが……涼音。ターゲットの始末、いけるか?」

 

「うん。どうせ私はそういうの苦手だしね。」

 

「ありがとな。ターゲットの始末後は所定の位置に逃げてくれ。あと、風紀委員(ジャッジメント)警備員(アンチスキル)は殺すなよ。気絶させるだけだ。」

 

「うん。分かった。」

 

すると、りーだーは目を閉じて意識を集中させる。

 

「……騒ぎを起こす場所は風紀委員(ジャッジメント)の訓練所の資料室だ。」

 

「「りょーかい。」」

 

私とちーちゃんが同時に答えると、遠くから爆発音が聞こえる。

依頼(ミッション)スタートの合図だ。

 

 

 

 

 

side涼音end

 

 

 

 

 

 

 

side修也

 

 

 

「次はこの書類にサインしてね。」

 

「はーい……。」

 

俺は個法さんに渡された書類を受け取り、サインをする。

めんどくさいな。うん。

ただ今9枚目の書類のサインをして終了したところだ。

しかも、この後は13種類の適性試験を受けないといけないという……。

まぁ、それが終わって書類と個法さんと白井の推薦書を本部に提出して適性試験の成績で研修期間がいるかどうかが決まるらしい。

 

「次は適性試験よ。試験会場はあっちよ。頑張ってね。」

 

「はーい。」

 

俺は個法さんが指差した方に歩き出す。

まぁ、運動神経はいい方だし、能力も問題ない。座学は問題次第だが……、まぁ、大丈夫だろう。

そんなことを考えながら歩いてると俺の横にある扉が膨らみ始める。

 

「……?」

 

なんか嫌な予感。

膨らみ続けるドアは豪快な音を立てて爆発する。

その爆発によって弾け飛んだ扉は俺の方にまっすぐ飛んでくる。

 

「ちょ――――!?」

 

俺はとっさに扉のベクトルを上に変換して弾き飛ばす。

扉は天井に突き刺さる。

 

「……な、なんだよ?」

 

これが適性試験?

 

「どうしたの!?」

 

すると、個法さんと白井に初春が大きな音を聞いたからか、こちらにやって来た。

他にも音を聞いてか、人が集まってくる。

 

「こ、これがて、適性試験で、ですか……。流石に死ぬかと思ったぜ……。」

 

「そんなわけないですの!」

 

俺は爆発した部屋の中を見る。

少し臭いを嗅いでみるが、薬品の臭いは全くしなかった。

俺はそこで一つの疑惑が出る。

 

「……テロかもしれませんね。」

 

「え?」

 

「どういうことですか?」

 

初春が聞いてきたので少し時間をかけて整理した後話す。

 

「……爆発するってことは火薬かガスが充満してたかのどっちかだろ?」

 

「まぁ、そうですわね。」

 

「だけど、この部屋からは火薬やガスの臭いはしない。しかも部屋の中を見たところは焼け焦げた跡もない。」

 

「確かにそうですね……。」

 

初春は部屋をそーっと覗きながら言う。

 

「じゃぁ、あの爆発はなんなのか……。そんなのはこの学園都市にいれば最初に出てくる。」

 

しばらく、沈黙が続いた後個法さんが口を開く。

 

「……超能力。」

 

「正解です。」

 

「待ってくださいですの!超能力が起こしたこと言うことはわかりましたけど、何故現在使用されてない資料室を狙ったですの?」

 

「それは簡単だ。人がいないからだ。」

 

「でも、テロなら人がいるところを狙いますよね……?」

 

「そうですの!しかも、ここは風紀委員(ジャッジメント)の訓練所!まだ風紀委員(ジャッジメント)になってない人がいるところですから風紀委員(ジャッジメント)に恨みを持ってる人なら普通近くにある本部を狙いますの!」

 

確かにそう考えるのが普通だ。

なら、なんで犯人はここを狙ったか。そんなのちょっと考えればいいことだ。

 

「……囮だ。」

 

「へ?」

 

「だから、囮だよ。つまり犯人はここに人を集中させたかった。そしたら人が少なくなるのはどこだ?」

 

「……風紀委員(ジャッジメント)本部!?」

 

「そうだ。つまり犯人は本部に捕まってる仲間の救出か没収された何らかの物が狙いだ。」

 

「今から本部に連絡するわ!」

 

個法さんは携帯を取り出し、電話を掛ける。

 

「じゃぁ、白井と初春は怪我人の有無の確認をしてくれ。」

 

「は、はい!」

 

さて、俺は……。

 

「北里さんは?」

 

「俺は犯人の確保だ。」

 

俺はテレポートをして外に出る。

はぁ、面倒だけど起ったことは仕方ないか。

 

「ホントに……。どこのどいつだ……?」

 

 

 

 

 

 

 

「……ここが本部か?」

 

俺はでっかいビルの前に立ってる。

犯人はここにいるはずなんだけど、個法さんが言ってくれたおかげか

警備は厳重にしていた。

俺はとりあえず中に入るため近くにいた風紀委員(ジャッジメント)に声をかける。

 

「ん?君は?」

 

「えっと、北里修也です。連絡来てませんか?」

 

「あぁ、北里君ね。個法さんから協力するようにと連絡が入っているよ。」

 

てか、ホントに個法さん顔が利くんだな。

俺はその人に言われた通りに本部の中に入っていく。

 

 

 

 

side修也end

 

 

 

 

 

side涼音

 

 

 

 

「……りーだー、話が違うよ……。」

 

私は見つからないように小さく呟く。

今現在私は通気口中に身を潜めている。

通気口から見える廊下には大勢の風紀委員(ジャッジメント)。それにたまに警備員(アンチスキル)も見かける。

すると、私の耳に声が入ってくる。

 

『頭が働くやつが風紀委員(ジャッジメント)にも居たみたいだな。平和ボケした学生だけかと思ったぜ。』

 

りーだーの声だ。

私の能力の応用で簡単に言うと相手に直接音を届ける方法。

トランシーバーみたいに電波を盗まれて盗聴されることもないし、妨害されることもないし、場所を特定されることもない。

 

『涼音。こっちも動けないから涼音の能力で騒ぎを起こして。できる?』

 

「ちーちゃん無茶振りだね。まぁ、やってみるけど。」

 

『ごめんね。』

 

んー。騒ぎねぇ……。

人ひとり殺せば簡単に騒ぎは起こせるけど……。

あ、そうだ。

私は携帯を取り出し、今回の依頼の情報を見直す。

 

「ここには繋がってないなー。」

 

『何をする気だ?』

 

「いやぁ、通気口からターゲットがいる第4取調室を攻撃しようかなって思って。」

 

『んー、できなくもないが……。だけどターゲット以外も居ることを忘れるなよ?』

 

「わかってる。こっちは作業に入るから通話切るね。」

 

『了解。』

 

私はりーだー達と交信を切った後、携帯にある地図を見ながら通気口の内部を進む。

 

「……えっと、この辺かな?」

 

私は通気口の壁をさわり少し意識を集中する。

そして、笛を咥え、一回吹く。

 

「……音の衝撃(サウンドインパクト)。」

 

すると、壁が音を立てず壊れる。

音の衝撃は自分の腕の中で音を共振させ、十分に強くなった音を掌で撃つという技。

そして、音が出ないのは私の能力で、見つからないようにするため。

 

「……良かった。誰も使ってなかった。」

 

私が出てきたのは第4取調室の隣にある第3取調室。

運がよく、誰も使っていなかった。

私は開けた穴から部屋の内部に侵入する。

保険として部屋の鍵を閉める。

 

「さてと、一瞬で終わらせないと……。」

 

私は再度手に意識を集中させる。

笛を咥え、再度吹く。

 

音の衝撃(サウンドインパクト)。」

 

すると、壁がまた音もなく崩れる。

崩れた壁の向こうにはターゲットと警備員(アンチスキル)が3名奥の方に風紀委員(ジャッジメント)が1名居た。

私は部屋の音を完全に遮断する。

取り調べを行っている二人の警備員(アンチスキル)はこちらに気づいてないみたいだ。

私は笛を一回吹いて、ターゲット以外の耳に音で衝撃を与えて気絶させる。

 

「ふぅ~。危ない危ない。結構たくさん人がいたよ。」

 

「た、助けが来たのか!?あ、ありがとよ!」

 

ターゲットは助けに来てくれたと勘違いをして喜ぶ。

 

「……違うよ。私はあなたを殺しに来たの。」

 

「……え?ど、どういうことだ……?」

 

「ヘマして捕まるような奴は暗部は必要してないの。あなたに恨みはないけどごめんね。」

 

「ま、待ってくれ……。俺が悪かった……!もう一回!もう一回だけチャンスをくれ……!」

 

「恨むなら私じゃなくてヘマした自分を恨んでね。」

 

私は笛を咥える。

 

「お、お願いだ!!た、助けてくれ!!なんでもするから命だけは……!!」

 

私は笛を一回吹く。

すると、ターゲットの頭が吹き飛ぶ。

 

「ふぅ。後はこの人たちを起こすだけ……。」

 

私は隣の部屋に行き、もといた、通気口に戻る。

治癒の音を吹こうとしたら、ドアが開きかけるのを見て私は急いで通気口の奥に身を隠す。

まぁ、これなら好都合だ。私は音を立てず通気口をたどって別のエリアに向かう。

さてと、早く逃げるか……。

 

 

 

 

 

side涼音end

 

 

 

 

 

 

 

 

side修也

 

 

 

現在風紀委員(ジャッジメント)本部の内部を捜索中なんだが……。

なぜか知らないけどざわついてるのがわかる。

まぁ、普通本部にテロなんてありえないからな。

 

「この辺には居ない見たいだな……。」

 

パンッ!

 

どこかで破裂音が聞こえる。

 

「……!?」

 

俺は音のした方向に走っていく。

 

「……第4取調室?」

 

おいおい。まさか取り調べ中の奴を救出したってか?

無茶苦茶すぎる。

俺は取調室のドアを開ける。

 

「――――!?大丈夫か!?」

 

扉を開けたら部屋には四人が倒れていた。

三人は警備員(アンチスキル)でもう一人は風紀委員(ジャッジメント)のようだ。

でも、死んではいないようだ。

部屋を見渡すと壁に大きな穴が開いていた。

 

「おいおい……。ここから入ったのか?」

 

ありえない。

こんなでかい穴をあけたならそれなりの音は出るはず。

それなのに音が全く聞こえなかった。

俺は穴の方に近寄る。

すると、机の陰で見えなかったものが見える。

 

「……?まだ人がいたのか?」

 

俺は思わず体を引いてしまった。

 

「――――な!?」

 

一瞬で吐き気が込み上げてきた。

見た目は普通の人間だ。でも、頭部がないのだ。

よく見ると暗くて見えなかった血の水たまりも見えた。

それに、頭蓋骨や頭の肉片、それに脳の一部と思われる部分もあった。

 

「………うっ!」

 

再度吐き気が込み上げる。

俺はその吐き気を無理やり抑え込んで外に出る。

 

「くそったれ……!」

 

俺は壁を強く殴る。

どうやったらあんな殺し方ができるんだ……。

クソ……。

 

「……絶対に捕まえてやる!」

 

 

 

 

 

side修也end

 

 

 

 

 

 

 

side涼音

 

 

 

 

「よいっしょ……っと。」

 

私は通気口から廊下に下りる。

どうやらさっきの騒ぎが本格的に広まったみたいで廊下には誰もいなかった。

 

「流石にやりすぎたかな?」

 

すると、耳に声が入ってくる。

 

『まぁ、仕方ないさ。一番いい判断だったかもな。』

 

「りーだー達は大丈夫?そっち行こうか?」

 

『そうだな。こっちも今倉庫に向かってる所だ。そこで合流しよう。』

 

「りょーかい。」

 

私は笛を咥える。

そして、一回笛を吹く。

 

「よし、大体の位置はわかったかな。」

 

今のはソナーの原理でコウモリとか潜水艦とかと同じ要領でりーだーやこの施設の中にいる人を

見つけるって方法。

 

「えっと。こっちかな?」

 

私はりーだー達がいると思われる倉庫に向かう。

 

 

 

 

side涼音end

 

 

 

 

 

 

side修也

 

 

 

 

「学生はもう入らないで!」

 

警備員(アンチスキル)の一人が黄色いテープを張りながら言う。

そして、俺は別の警備員(アンチスキル)に事情聴取を受けている。

 

「じゃぁ、君が入った時にはこうなってたと?」

 

「はい。」

 

自分なりにいろいろ調べてみたけど

この部屋の監視カメラは起動していなかったみたいだ。

内部の誰かが工作した。としか考えられない。

つまり、今回の事件は上の連中も関わってるみたいだ。

 

「うん。もういいよ。君が犯人じゃないことはわかっているから。」

 

「あざっす。」

 

俺は警備員(アンチスキル)に一回頭を下げると後ろを向き、走り出す。

もちろん。これだけで事件が終わったとは思ってない。

一応、倉庫とかに誰か居ないか確認しねーとな。

 

「なんか、嫌な予感がするんだよな……。」

 

俺は倉庫に向けて走り出した。

 

 

 

side修也end

 

 

 

 

 

 

side千秋

 

 

 

 

 

「リーダー、これ?」

 

私は倉庫の数ある多くの棚の中から一つのUSBメモリを取り出し、リーダーに見せる。

 

「ん~……、外見じゃわからねーよ。聞いた話だと普通のメモリらしいけどな……。」

 

「一応持っていく?」

 

私がメモリをポケットに入れようとした瞬間、リーダーが止める。

 

「まて!むやみに持って行って問題になったらまずい。」

 

「じゃぁ、どうするの?」

 

私がリーダーに問いただすとポケットから小さな端末を取り出した。

 

「一個一個調べるしかないだろう。」

 

「はぁ、気の遠くなりそうな作業ね。」

 

「ま、押収されたメモリなんてそんなに多くないさ。気長に行こうぜ。」

 

そういうとリーダーは私の持っていたメモリを取り、調べ始める。

私はその間に棚を隅々探す。

リーダーの方を見ると、端末に刺さっているメモリを引き抜き後ろに投げる。

どうやら外れだったようだ。

 

「んー、これが最後かしら?」

 

私が棚から取り出した最後のメモリを渡そうとしたその時、リーダーが立ち上がる。

 

「これだ!!」

 

どうやらお目当ての物は見つかったみたいだ。

 

「あとは涼音が来るのを待つだけね。」

 

「あぁ。」

 

もうすぐミッションが終わる。

そう思ったその時扉が突然開く。

涼音だと思い、扉の方を見た。しかし、扉を開けたのは涼音ではなく男子学生。

風紀委員だろうか?しまった。私たち二人はとっさに物陰に隠れたがどうやら姿は見えてたみたいで

気づいた学生は大声で威嚇した。

 

「誰だ!?」

 

 

 

side千秋end

 

 

 

 

side修也

 

 

 

 

「誰だ!?」

 

俺の咆哮が倉庫中に鳴り響く。

ホントに一応見ててよかったぜ。

まさか、ホントに火事場泥棒さんがいるなんてよ思いもしなかったぜ。

俺はとっさにデフォの設定を反射にする。

 

「さっさと出てこい!もう居場所はばれてるぞ!」

 

なんだか悪役じみたセリフを俺は言う。

すると、上に強力な重力がかかる。

だが、俺は反射をしているのでその重力は天井に向けられ天井がへこむ。

 

「うお……びっくりした……。」

 

これは本気で行かなきゃ負けるかもしれねぇな。

さっきのアイツらの動きははっきり言ってプロって言ってもおかしくはないだろう。

俺の姿を見るなり、半端じゃない反応速度だ。

俺じゃなかったらすでにぶっ飛ばされてたかもな。

 

「ッチ……。」

 

小さく舌打ちが聞こえる。すると、手を挙げて一人の男が出てくる。

 

「なんだよ。その能力。お前まさかレベル5か?」

 

「聞いても答えるわけがねーだろ。」

 

「まぁな。」

 

「そっちの奴も出てこい。」

 

すると、一人の女子が出てくる。

油断は出てないな。

俺は索敵能力を全開にして二人に近づく。

能力さえ奪っちまえばこっちの勝ちだ。

 

「さてと、さっさとお縄につけよ……。」

 

俺が二人に触れようとした瞬間、俺の耳に一つの音が聞こえる。

俺はとっさに空気の振動を反射したがなぜかその音は俺の耳に聞こえてくる。

その音は次第に大きくなり、俺の頭を締め付ける。

 

「がぁ……!?な、んだこれ……?!」

 

あまりの痛みに俺はデフォの能力まで解いてしまった。

 

「くそ……!?」

 

すると、男が俺の方に手を向けると壁に吹き飛ばされる。

一瞬にして廊下の壁にめり込み、肺の中から空気がすべて出ていく。

 

「しまっ……!?」

 

俺は反撃しようとするが、音が頭を締め付けてくるので演算に集中できない。

そして、俺を押さえつける力が強くなり、俺はそこで意識を失った。

 

 

 

side修也end

 

 

 

 

 

side涼音

 

 

私は倉庫の通気口から身を乗り出し、倉庫内に入る。

 

「油断しすぎだよ。二人とも。」

 

「わりぃわりぃ。まさかあんな強いやつがいるとは思わなくてな。」

 

りーだーは照れ隠しのように頭を掻く。

 

「でーたは手に入ったの?」

 

私の質問にりーだーはもちろんと答えた。

 

「それで、涼音。さっきのは何?」

 

ちーちゃんが聞いてきたので私は間髪入れずに答えた。

 

「さっきのは昔ちーちゃんが受けてた『キャパシティダウン』の改良版だよ。」

 

ちーちゃんはそうか。とでもいうような顔をして納得した。

 

「じゃ、人が来る前に早く逃げよ。」

 

「そうね。」

 

私たちは部屋を出て行く。

私は部屋の外の廊下で気絶している人に向けて呟く。

 

「ごめんね。しゅうくん……。」

 

「どうしたの?涼音?」

 

「ううん。なんでもない。」

 

私はちーちゃんの質問に首を横に振る。

私があの部屋に来たとき、見えたのは数年前離ればなれになった幼馴染だというのはすぐに分かった。

もちろん。会いたかった。大切な人だから。

闇の世界に入って数か月後の時にしゅうくんが生きてるとたまたま知った時があった。

その時はまるで宝くじの一等が当たったかのように喜んだものだ。

しかし、そんな大好きで大切な人に今顔を合わすことはできない。いや、これからもずっと。

今ここでしゅうくんに助けを求めてもいいだろう。博士の仇を取ってというのもありだろう。

でも、そんなことは今のしゅうくんにさせたくない。

しゅうくんは今光の世界にいる。友達もいる。せーちゃんも当然いるだろう。

だけど、今の人殺しであり、窃盗者であり、時には誘拐犯でもする。そんな汚い仕事を毎日のようにやっている私には

光の世界にいるしゅうくんに会う資格などないに決まってる。

それにしゅうくんを闇の世界に関わらせたくない。

 

「………。」

 

「涼音?」

 

ちーちゃんが心配をしてくれたのか、声をかけてくれた。

 

「もうすぐ外だよ。」

 

「うん。」

 

実際、ホントに自分の選択が正しいのか全く分からない。

でも、進むしかないのだ。

この暗闇の中を……。

 

 

 

 

side涼音end

 

 

 

 

 

 

 

side修也

 

 

 

 

眩しい。俺の目に光が入り込み、目に刺激をもたらす。

同時に鼻につんと薬品や消毒液の臭いが鼻を刺激する。

目を開けるとそこには数年前見た天井と同じ気がした。

俺は状況を知るため体を起こそうとする。だが、体に激痛が走りまた倒れこむ。

 

「……はぁ、また負けたのか。」

 

今回は記憶が混乱してないからいいか。

俺は起き上がらなくてもここがどこかは見当がついていた。

 

「……あの攻撃ってまさか……?」

 

俺は記憶の中に一つ疑問を抱いた。

そう、俺が勝てるって時に俺の耳を襲った強烈な音。

頭が直接揺さぶられるような感覚に俺は能力が使えなくなっていた。

その瞬間に敵の能力にやられたっていうわけだが……。

俺が疑問に思っているのはあの音だ。

そう、どこかで聞いたことのあるような音。

いや、あの甲高い音自体は聞いたことはない。

しかし、あの音にはなぜか懐かしいものを感じた。

 

「涼音の音……。」

 

もちろん確証なんてない。

だけど、だけど、あの音は涼音の音に近いような気がした。

 

「……気のせいだよな……?」

 

俺はまだ、体の疲れが癒えてないのか、強烈な眠気に誘われ

考えをやめ、目をゆっくりと閉じた。

 

 

 

 

side修也end

 

 

 

 




頑張ります。
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