とある反則の能力窃盗者   作:林檎

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お久しぶりですみなさん。

更新が遅くなった理由を……いや、言い訳をここで一つ。

まず、試験期間に入りましたので頑張っていました。

そして、試験期間が終わった~と思いきや、風邪を引いてしまいました。

そして、やっと書けました。以上です。

しかも今回のは面白くないです。

すみません。


Episode.17 動き出した時間

 

 

 

 

 

「ホントに嘘じゃないのね?」

 

そう俺に再度確認を取ってくるのは風紀委員(ジャッジメント)の個法美偉さんだ。

 

「何度も言ってますが嘘じゃありません。」

 

俺はそう言って白を切る。

今、俺が居る場所は風紀委員(ジャッジメント)177支部の中にあるソファに座っている。

テーブルの向かい側には個法さんと白井が座っている。初春は風邪で休みだ。

俺がまるで尋問を受ける様な形になったには理由がある。

一週間前ほどから発生した連続爆破事件。

昨日その犯人が捕まったのだが酷い有り様だった。

犯人の捕まった場所は爆発によりボロボロになり、犯人の腕は吹き飛んでいたのだから。

俺はその現場に居合わせた。いや、実際は現場を吹き飛ばしたのも犯人の腕を吹き飛ばしたのも俺だ。

誰にも見られてなかったらこのように白を切るつもりだった。しかし、予定外にもその現場をレベル5第3位御坂美琴が目撃した。

これで俺は風紀委員(ジャッジメント)をやめさせられると覚悟していたのだが……。

何故か御坂はその事件について、一切話してないらしい。理由はわからない。

 

「……わかったわ。じゃあ、報告書には『犯人の能力の暴走』って書いとくわね。」

 

しかし、白井は不満そうな顔をしている。

 

「……お姉様があの現場を最初に見つけた方ですの。ですが、聞き込み調査によるとお姉様の前に北里さんが路地裏に入っていった。とありますの。」

 

「しらねーよ。見間違いだろ?大体、それなら御坂はなんで何も言わないんだ?それに現場から見つかった能力の痕跡は犯人のだったんだろ?」

 

俺がそう言うと、白井はそうですが……、と小さく呟いた。

俺の能力は『相手の能力を奪う』能力。必然的に能力も近いものとなる。

そして、犯人の能力が暴走したとなると、能力の威力や質が少し違っていてもおかしいとは思わない。

 

「……ですが最近、お姉様が酷く怯えていますの……。」

 

「知らねぇな。俺には何ら関係ない。」

 

御坂が怯えている理由も俺はわかる。

俺が脅したせいだろう。自分でもわかるほどの殺気を御坂にぶつけた。

もちろん、御坂はレベル5の第3位などと言われているがどこまで行ってもただの中学生だ。

怯えていても仕方がないだろう。

 

「んじゃ、始末書は書きましたし、今日はさっさと帰ります。」

 

俺はそう言いながらソファから立ち上がり、部屋を出ようとすると個法さんに呼び止められる。

 

「あ、北里君。待って。」

 

「なんですか……?始末書も書きましたし、パトロールも終わったんですから帰らせてください……。」

 

俺は嫌そうな顔で言った。

しかし、個法さんは続けて話す。

 

「それがね、昨夜、第一学区の研究所が爆発したらしいの。」

 

「爆発ですか……?」

 

「そう。夜だったから研究員は居なかったらしくて怪我はないんだけど……。」

 

「けど……?」

 

「その研究所の最高責任者の東博士が行方不明なの。」

 

行方不明。

この学園都市では珍しいことではない。

研究者などは実験の失敗やミスなどで多額の借金を背負うことが少なからずある。

そして、置き去り(チャイルドエラー)で親が行方を晦ますなど珍しいことではない。むしろ多い方だ。

しかし、第一学区の研究所とくると話は別だ。

第一学区は学生が少ないため学生寮などがないのでほぼ科学者の学区と言えるくらいだ。

そんな珍しく科学者が優遇されている学区に務めることができると言う事は大規模会社に勤めると言う事と同じなのだ。

しかも、最高責任者の博士ときたものだ。

それなら自ら指示をするまででもなく、実験の内容を決めたら後は他の職員が勝手に進めるだけと言ってもおかしくはない役職だ。

そんなお偉いさんの役職が逃げ出すほどのミスなどするだろうか?

 

「で、気になるから第一学区まで行って調べてきて。ってことですか?」

 

「そう言う事。もちろん、私も行くわ。」

 

すると、白井は立ち上がり、言う。

 

「では、黒子は虚空爆破(グラビトン)事件の方の調査をしますの。少し気になる点がありますので。」

 

そう言うと白井はテレポートでどこかに移動してしまう。

虚空爆破(グラビトン)事件についてだが、色々と謎が多く残されている。

犯人の書庫(バンク)と実際の能力のレベルが合わないと言う点だ。

確かめようにも犯人が精神不安定な状態と医者に判断され、能力を使うことを止められているのだ。

実際、あの時の記憶はちょっと弄ってある。

 

「じゃぁ、私たちも行きましょ。」

 

「はーい……。」

 

俺は気怠い返事を個法さんに向けて言いながら第一学区に行くため歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

「ここよ。」

 

個法さんはそう言いながら指を指す。

その指の先には建物と言う建物がすべて瓦礫に変わっている場所だった。

崩れたコンクリートの山の中には鉄骨が所々見えている。

一言でいうと悲惨な状態だった。

 

「……こりゃ、すげぇ。」

 

俺がそう呟くと個法さんが事件について説明し始める。

 

「最初に通報をしたのはのは近くに住んでいる教職員の30代男性よ。」

 

すると、個法さんは近くにあるマンションに指を指す。

第一発見者の部屋は12階の真ん中あたりだそうだ。

 

「あそこからだと、研究所の大体は丸見えってことか……。」

 

「その男性の話だと、爆発したのは午前四時ほど、その二時間ほど前には警報が鳴ってたらしいわ。」

 

「なにか見えたんですかね?」

 

「……さっぱりだったらしいわ。暗かったし、見えると言っても大きな屋外実験場しかないらしいし。」

 

「……そーっすか。」

 

俺はとりあえず、近くにあった瓦礫を退ける。

すると、俺の予想をはるかに超えるものが出てくる。

 

「……個法さん。一応、この事件、ただのガス爆発とかじゃないみたいですよ。」

 

「……え?」

 

俺は落ちていた物を拾い、個法さんに見せる。

それを見て個法さんは顔を青染める。

 

「これって……!?」

 

「はい。薬莢です。」

 

薬莢。

真鍮製の製の小筒で、火薬を詰める容器。銃砲に装填して弾丸を発射するのに使う物だ。

発砲した後に落ちるものだが……。

何故、学園都市に、いや日本にあるのだろう。

日本の法律には言わずと知れた『銃砲刀剣類所持等取締法』と言うのがある。

簡単に言うと鉄砲、刀剣などの所持を制限する規則だ。

鉄砲を持っていいのは俺が知っている中で警備員(アンチスキル)に『外』の警察官、それに自衛隊だ。

もちろん、一般市民は持つ所か撃って的に当てるのでさえも難しいだろう。まして、そんな事には一切関係ない研究員が持っているわけがないのだ。

 

「……何か、不味い事になりそうね。とりあえず、その薬莢は警備員に渡してあとは任せましょう。」

 

「いえ、俺は気になる点もありますし、色々調べていきます。」

 

「……わかったわ。私は先に行っとくわね。」

 

「了解です。」

 

俺はそう言い、個法さんを見送る。

 

「さてっと……、まずは奥に進むか……。」

 

俺は能力で瓦礫を退かしながら奥へと進む。

 

「この辺はまだ、警備員(アンチスキル)も来てないみたいだな。」

 

俺はさらに奥へと進む。

研究所の中央付近を過ぎたころに不自然なものを見つける。

瓦礫に埋まってはいるが、四角い建築物が見える。

俺はテレポートでそこに一瞬で移動し、瓦礫を退かす。

 

「……これは?」

 

そこにはわずかながら焦げているが四角い形をしている。

よく見ると扉の様なものもある。

俺はベクトル操作を使い、固い扉をこじ開ける。

 

「こりゃ……すげぇ……。」

 

中には様々な機材が入っているがほとんどが壊されている。

 

「……生きてるのは無さそうだな。」

 

当たりを見回していると焦げているが大丈夫そうな機材を発見する。

 

「コイツは生きてるかもな。」

 

俺は周りの機材を引きはがし、HDだけを取り出す。

 

「初春は非番だし、仕方ねぇか。自分で調べるか……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは学園都市、第七学区にあるとあるマンションの一角。

そこには学園都市の暗部、メロディがくつろいでいた。

 

「スズさんの耳ってどれくらい聞こえるんですか?」

 

そう訊くのはメロディの工作員の一人、千春だ。

涼音は手に持っているアイスコーヒー(激甘)を一回啜り、一息ついてから言う。

 

「んー。どのくらいだろう。向こうの方に落ちたお金の音くらいはわかるよ。」

 

「いや、どれくらいかわかりませんよ。」

 

「あ、今あっちの方で『不幸だー!』って聞こえた。」

 

と、窓の方に指を指す。

 

「……すごいのはわかりました。」

 

二人が座っている向かい側の椅子には英字新聞を広げ、片手にコーヒーを持っているのはメロディのリーダー。

キッチンでは何かの料理をしていると思われる工作員の一人の千秋。

この四人がメロディのメンバーだ。

 

「くだらない話してないで、ご飯食べましょ。」

 

そう言ってキッチンから出てきたのは千秋だ。

千秋の持っているお盆の上には風流を思わせる器に適量のめんつゆとねぎ、そしてウズラの卵。それが四つ。

それを机の上に並べた後、キッチンからちょっとしたいい桶を机の中心に置く。

その中には氷と水とソーメン。

 

「よし!さ、召し上がれ!」

 

「いただきまーす!!!」

 

真っ先に食いついたのは涼音だ。

 

「いただきます。姉さん。」

 

その次に千春。

 

「お、ソーメンか、いいねぇ。」

 

そう言い、新聞を畳みながら椅子に座り、専用の箸を取り、食べだすリーダー。

 

「じゃ、私もいただきます。」

 

と、最後に千秋。

夏の風物詩と言えるソーメンもこの科学の街、学園都市に普通に売っている。

名人が打ったソーメンなどは専門店などやインターネットでの輸送くらいしかないが今メロディが食しているのは普通に売られている一般のソーメンだ。

 

「食いながら聞いてくれ。」

 

と、リーダーが突然言う。

 

「ほむ?」

 

口いっぱい頬張りながら疑問形で返してきたのは涼音だ。

 

「ここ最近、メロディを嗅ぎまわしてる奴が居るみたいなんだ。」

 

「え?だれ?」

 

箸を止めて聞いたのは千秋だ。

リーダーは淡々と答える。

 

「それはわからない。だが、高レベル能力者で発電系でハッキングが得意な能力者だろう。」

 

「なぜ、そこまでわかるんですか?」

 

丁寧な敬語で千春は訊いた。

 

「まず、荒らされた形跡がほとんど残されてないし、公衆電話とかの端末からハッキングしてるみたいなんだ。」

 

「確かにそこまでできる人なら発電系の高レベル能力者と言われてもおかしくないですね。ですが、何故メロディを?敵対組織ですか?」

 

「その辺は調べてみたがどうやら『アイテム』や『スクール』とかじゃないみたいだ。」

 

「なんでそう思うの?」

 

スクールと言う単語に反応したのか、食べだしたら止まらない涼音が箸を止め訊いた。

 

「まず、アイテムもスクールも発電系の能力者が正規メンバーに居なかったはずだからだ。それにもし居たとしても俺たちを相手にするほどアイツらは暇じゃない。」

 

「じゃあ、いったい誰なの?」

 

リーダーはお茶を一口飲み、言った。

 

「暗部の人間じゃないだろう。」

 

「え?」

 

「暗部の人間が相手に気づかれてまでやってメリットがあると思うか?」

 

その質問に千秋が答える。

 

「ないわね。そこまで重要な情報が漏れていたのはこの前の研究所の時だけだし、あれは内部にスパイがいたから……。ハッキングで盗れる情報には限界がある。」

 

「流石だ千秋。その通りだ。」

 

すると、再びソーメンを食べ始めた涼音が言う。

 

「じゃぁ、りーだー。対策とかはできてるの?」

 

「いや、このままもう少し泳がしてみようと思う。一定のラインを越えたらあっちから来るか、こっちから行くかは考えようと思うけどな。」

 

「ふーん。」

 

そして数分後、ソーメンを食べ終わり、メロディ全員が立ち上がる。

 

「今日は自由行動してもオッケーだ。でも、明日からあるターゲットの情報収集に入る。」

 

「だれ?」

 

「大脳生理学者、木山春生だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、風紀委員の仕事を終え、自宅のパソコンに向き合っているのは北里修也は悩んでいた。

 

「……なんだよ、これ。暗号がめんどくさいぞ……。」

 

そう言いながらため息をつく修也。

今、何をしているかと言うと、第一学区で起こった爆発事件の研究所にあったHDを見ようとしていたのだが

予想外に難しい暗号が見つかりなかなか内部が見れずに苦戦して三時間。

 

「えーっと……、ここをこうか?」

 

頭を使うのも疲れてきてすでに勘でやり始めている修也。

数回適当に打ち込むと突然プロテクトが解除される。

 

「あ、なんか一生分の運使っちまったかも。」

 

「開けたの~?」

 

そう言いながら入ってきたのはなぜかシャワーを勝手に浴びて出てきた修也の同級生、吹寄制理だ。

 

「あぁ。でも、良い情報は入ってないみたい……お、これは?」

 

「見せて。」

 

と、言いながら修也の横に制理は無理矢理入ってくる。

 

「これは……監視カメラの映像?」

 

「そうみたいだな。でも、ノイズが激しいな。」

 

所々傷があるせいなのか、ノイズが入ったり、たまに音が切れたりする。」

 

『科学も超能力も関係ない。それが私の本当の能力。』

 

突然聞こえたこの声に二人の意識が高まった。

そう。聞き覚えがある声。

 

「涼音……?」

 

「いや、まだわからない。」

 

『はぁー。疲れちゃったよ。リーダー大丈夫かな?なんか、痛いって言ってたけど……。』

 

その声が聞こえた後、二人の疑問は確信へと変わった。

 

「涼音?!」

 

修也を押しのけ、ディスクプレイを持ち上げ見る制理。

数秒後、映像は途切れた。

 

「あ……。」

 

制理はそっとディスクプレイを机の上に戻し、ため息をつく。

 

「……涼音は生きてる。これだけでも十分な情報だ。」

 

「でも、涼音はなんであんなところに?」

 

「わかんねぇ。でも、組織的何かに属しているのは確かだ。」

 

そして、数秒間の沈黙が訪れる。

沈黙を先に破ったのは制理だ。

 

「……私は何もでき無さそうだから、修也。後は任せるわ。」

 

「……わかってる。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の朝。

俺は重い瞼をゆっくり開き、今が朝だと窓を見て確認する。

 

「……結局、情報は得られなかったか……。」

 

あの後、夜遅くまで情報を集めたがうまくはいかなかった。

でも、涼音の生存が確認できたのは予想外の収穫だ。

俺はゆっくり、立ち上がり、背を思いっきり伸ばす。

 

「ふぅ……、てか、暑い……。」

 

エアコンを見ると、何故か止まっている。

まさかと思い、冷蔵庫を開けると腐敗臭が鼻を襲った。

 

「ま、マジかよ。」

 

そう言えば昨日の夜に落雷が落ちて停電になっていたが能力ですべてを補っていたのだ。

寝ている間に能力を解除してしまったのだろう。

 

「はぁ、不幸だ。」

 

俺はどっかの誰かさんの口癖を呟く。

 

「ま、天気もいいし、布団でも干すか……。」

 

俺はベットにある布団を能力で持ち上げ、ついでに窓を開ける。

しかし、ベランダには何かが干してあった。

 

「………アレ?布団干してたっけ?」

 

俺は恐る恐る近づいてその何かを確認する。

 

「……人?」

 

「お腹へった……。」

 

「は?」

 

「お腹へった……。」

 

「はぁ?」

 

これが俺とインデックスの出会い。

そして、波乱の人生の幕開けであった。

 

 

 

 

 

 

 




ついに、ついに、原作突入です。

長かった。長い道のりでした。

皆様の熱いご声援がありましたのでここまで来れました!!

感謝感激です!!

これからもお願いします!!
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