楽しみにしていたインデックスとの絡み満載です。
では、どうぞ!
「おなかへった……。」
俺は混乱した。
今日から夏休みと言う長期休業に入った七月二十日。
お隣の上条やそのまた隣の土御門などは補習宣告を受けていたのをちゃんと確認していた。
そして、昨晩に見つけた幼馴染の手がかり。
夏休み中には見つけることができる。そう意気込み徹夜をし、朝早く起き、暑い部屋をリフレッシュするため布団を干そうとしたのが始まりだ。
ベランダに何かが引っかかっている。
「おなかへった……。」
しかも、その引っかかった何かは空腹を訴えている。
「はぁ?」
学園都市の中でもずば抜けて頭がいいと思っていた俺の頭でも理解が不可能だった。
とりあえず、ここは七階のベランダ。その空腹を訴えているのは人間。しかも14歳ほどの幼い少女。
「……まてまて、冷静に考えるんだ。」
何故彼女は俺の家のベランダに引っかかっていたのか。何故彼女の服装は修道服なのか……。
修道服と言う事はやはりキリスト教なのだろう。
大体、この最先端科学技術の結集している学園都市に何故宗教?宗教と言えばオカルトのイメージが強い。
オカルトなんて科学にもっとも遠いものにも感じられる。いや、相反するものだろう。
だが、この学園都市も宗教を全否定している訳ではない。第十二学区は多種各派の宗教施設が集中している学区だ。
しかし、第十二学区となれば学園都市の端の端だ。第七学区まで来るなど少々遠すぎる。
「……じゃぁ、なんでコイツは?」
「おなかへった……。」
コイツは食欲しかないようだ。
「はぁ、こういう厄介ごとは上条専門だろう。」
そう言いながら俺はシスターの頭に触れると、テレポートで隣のベランダに引っかける。
「――っわ!?」
どうやら上条がいたようだ。
「……おなかへったって言ってるんだよーーッ!!!!」
空腹が限界に来たのかそんな咆哮が聞こえた。
「――ちょ、なに!?え!?なんで噛むの!?てかこの子だれぇっ!?ぎゃああああああああああああ!!!!不幸だああああああああ!!!」
俺は上条の断末魔を聞き流し、素知らぬ顔で布団を干し、部屋に戻る。
上条。お前の死は無駄にはしないよ。
そして、数分後上条が俺に助けを求めてきたのは俺が犯人だと何故か確信していたからである。
「まず、自己紹介をしなくちゃいけないね。」
俺の家に置いてあった非常食を10分足らずで完食し、それだけじゃ足りず俺の楽しみにしていたが真夏の暑さにやられたはずのプリンをペロリと食し、
止めに制理が置いて行った『脳を活性化する十二の栄養素が入ったポテトチップス』をボリボリ食べながら言う謎のシスター。
「私の名前はね、インデックスって言うんだよ?見ての通り協会の者です。」
目次?
「……誰がどう聞いても偽名じゃねーか!!」
と、未だに噛まれたことを根に持っている上条が声を上げる。
「で、なんで目次さんはベランダに引っかかってたんだ?」
「あ、バチカンの方じゃなくてイギリス清教の方だからね。」
「意味わかんねーし!!」
人の話を聞け。
「インデックスさんはなんでベランダに干してあったんだよ?日光浴か?新手の嫌がらせか?」
「干してあったんじゃなくて、落ちたんだよ?」
「はぁ?」
「追い詰められて隣の屋上に飛び移ろうとした時、背中を撃たれてね。」
追われていた。彼女の命を狙う何者かに……。
そう言って指した背中にはそれらしい痕跡は何も無い。
俺と上条はゴクリと息を飲んだ。
それと同時にインデックスと自称する少女は言った。
「私は『
「れ、連中?」
上条は顔を引きつりながら訊いた。
「
その瞬間、上条と俺の思考が停止した。
先に思考を動かしたのは以外にも上条の方だった。
「ま、まじゅつね………。はぁぁああああっ!?」
上条は声を上げ言った。
「ごめん。無理だ。魔術は無理だよ。」
上条のセリフはもっともだった。
「……上条のセリフももっともだよ。」
俺は上条の代わりに説明を始める。
「世の中不思議な事なんて何もない。とまでは言わねーよ。実際科学じゃわからない現象を俺は見たし。」
いい例が俺の幼馴染の綾崎涼音。科学じゃ理解不可能な原石。
「頭ごなしに否定するわけでもないんだね。」
「まぁ、学園都市じゃ超能力なんて珍しくねぇ。実際俺も超能力者だ。超能力は一切合財科学で説明ができちまう。説明ができちまうなら納得しても問題ねぇだろ?」
「うん。」
「だからこそ科学で、現実で説明のできない『
「北里の言う通りだ。MP消費で死人が復活するなら誰も超能力を求めねーからな。」
と、上条は俺の話に乗る様に言った。
すると、自称インデックスは頬を膨らませ言う。
「でも、魔術はあるもん。」
彼女の言う事は俺は本当に頭ごなしに否定することはできなかった。
実際に科学では証明できない現実を見ている俺は。
もし、彼女の言う『魔術』が涼音の様な能力と言うなら無視できない。
「魔術はあるもん!あるもん!あるもーん!!!」
すると、いきなり自称インデックスが駄々をこね、俺の部屋でジタバタ暴れ出す。
それに痺れを切らした上条が叫ぶ。
「だーーーーッ!!!だったら何か見せてみろって!ホウキに乗って飛んだりとか!なんたらパワーで変身とか!!!」
「わ、私は使えないもん。魔力がないから。」
結局魔力はないそうだ。
やはり、この子はただの電波ちゃんなのだろうか?
「ふーんだ!!超能力だなんてエラソーにっ!君たちだって何か出来るって言うの?」
俺は掌を自称インデックスの顔の前に出す。
「よく見とけよ?」
「え?」
すると、掌からボフッと音を立て火柱が立つ。
「ふぇ!?」
「
能力に最初に疑問を抱いたのは上条だった。
「あれ?北里って
「……誰にだって秘密はあるさ。上条。お前の右手みたいにな。」
上条は図星の表情を浮かべる。
「お、お前知ってたのか?」
「何となくな。」
上条の右手。
何となくではあるが気づいてはいた。
学園都市中には学生から無自覚で発せられるAIM拡散力場と言うのがある。
俺は能力の仕様上や他の能力の影響で少なからずAIM拡散力場を感じることはできる。
だが、上条からはそのAIM拡散力場が感じられないのだ。
しかも、周りの人から出たAIM拡散力場も上条の右手に当たれば跡形もなく消え去る。
上条がそれに気づいているかどうかはともかく、原理や理不尽さが原石に似ていることから無視はしていなかった。
「さて、インデックス。俺は超能力を見せた。次はお前の番だ。」
すると、自称インデックスは「むむむ……」と頭を抱えながら周りを見渡し始めた。
「あ!そうだ!」
インデックスは何かを思いついたように小走りで俺の家のキッチンへ入る。
数秒してまた戻ってきたと思えば手には包丁が一本握られていた。
「インデックスさん?そんなもんで俺を刺しても俺は傷一つ付かねぇぞ?」
俺はいたって冷静。しかし、レベル0の上条はと言うと……
「い、インデックスさん!?悪かった!俺が悪かったから!!そんな鋭いモノ捨てて~ッ!!」
何とも情けない。
すると、インデックスが予想外のことを口にする。
「刺してみて!!」
「は?」
「この服は『教会』としての必要最低限な要素だけを詰め込んだ『服の形をした教会』なんだから!布地の織り方、糸の縫い方、刺繍の飾り方まで……、全てが計算されてるの!布地はトリノの聖骸布を正確にコピーしたものだし、強度は
と、包丁を片手に胸を張る少女のシスターを目にして俺はどうすればいいのだろう。
大体、インデックスの話を聞く限りあの服は『教会』としての必要最低限の要素。つまり、教会が壊れるほどの威力には耐えられないです。って自ら表明しているものだ。
そんな建物程度の固さがレベル5の攻撃に通用するかと言うと、否だ。だから俺がやると興味本位でインデックスを粉砕しかねないので……。
「上条。出番だ。」
上条に譲ることにする。
すると、それを察したかのようにインデックスも上条の方によって言う。
「だからほら!これで私のお腹をおもいっっきり刺してみる!!」
と、上条に包丁を持たせようとするインデックス。
「や、やめろー!!このファンタジー頭!!」
上条がインデックスの手を払った瞬間、包丁が地面めがけて見事に床に刺さる。上条の足の指と指の間を縫って。
「うっおーーー!!切れたーーー!!」
何故か運悪く刃のついた方が上条の指と指の間の肉を削ぐ。
すると、俺の携帯が着信を示す音楽を奏でる。
「……電話?こんな時間に誰からだよ。」
俺はベットの上に置いてある携帯を取り、出る。
「もしもし?」
『白井ですの。』
白井だった。
とりあえず、インデックスと上条がうるさいのでリビングを出、廊下に出る。
「何の用だ。今、忙しいって言うかなんて言うかなぁ。かなりめんどくさいことになってるんだが……。」
『こっちも色々と面倒なことが起こりましたの。』
「面倒な事?」
『はい。』
そう短く答えると白井は淡々と説明をする。
『
「んな訳ないだろ。腕が吹っ飛んだ程度で意識がなくなるとか……しかも、俺が紹介した病院で手術を受けたんだろ?あの医者がミスをするとは思えねぇ。」
『手術は成功しましたの。ですが、手術を受けた病院の病室が満席だったため、別の病院に搬送され、それに意識も一旦戻りましたの。』
「じゃぁ、別に問題は……。」
『そのあとですの。意識も戻り
「はぁ?」
『詳しいお話はその病院でしますの。場所は水穂機構病院ですの。では。』
そう言い、通話は途切れる。
確かに面倒なことになりそうだ。
てか、今の状況の方が最も面倒だと言う事を忘れていた。
とりあえず、あのインデックスを
俺は廊下からリビングに戻る。
すると、事件は起こっていた。
「………は?」
そこには俺のベットの上で胸を張ったインデックス。しかし、服は何故かバラバラになっている。
上条は硬直。正しく言うとこんな酷なシーンを同級生にしかも、クラスメイトに見られたからだろう。
俺は一体、この状況で何をすれば正解なのか全くわからなかった。
「ホントに行くのか?」
「うん。」
インデックスは短く答える。
あの後、沈黙を破ったのはインデックスだった。
いや、正確に言えば上条の悲鳴なのだが……。
涙目になったインデックスが上条に噛みつき俺がとっさに毛布を掛けてあげ、事態は終息した。
服を縫おうと思ったが、残念ながら俺にそんな暇がないと先程白井に通告されたばかりなので仕方なくその場にあった安全ピンで応急処置をした。
流石にあの安全ピン修道服で外を歩かせるなど酷な事だがインデックスが行くと言うなら仕方がない。
「上条、やっぱりお前が付いてってやれよ。」
「俺は小萌センセーから補習受けるようにって
「つってもなー。俺も来いって言われてるし……。まぁ、無理言ったら行けるだろうけど。」
「駄目だよ。」
そう、俺たちの会話を途切れさせるようにインデックスは言った。
「私についてきたら不幸になるよ?」
「はぁ、関係ねーよ。俺たちの人生そんな事ばっかりだ。」
俺はそう言うとインデックスは優しい笑顔で言った。
「じゃあ、私と一緒に地獄の底までついてきてくれる?」
俺と上条はその返事をすることができなかった。
地獄の底。とうに経験したはずのあの地獄。
大切な人を二人同時に失ったあの地獄。
恐怖があったかもしれない。俺にはまだ、あの地獄への恐怖が、あの圧倒的敗北が動こうとしているのを邪魔しているのかもしれない。
「ひゃい!?」
可愛い悲鳴を上げたのはインデックスだった。
インデックスの隣を掃除ロボットが通過したのだった。
「な、なんか変なのが出て来てる……!?」
「ただの掃除ロボットだろ?」
「……日本は技術大国って聞いてたけど、
と、感心しているインデックスに向かってもう一台掃除ロボットが突っ込んでいく。
それから逃げながら俺たちとの距離を置いて行くインデックス。
上条がとっさに叫んだ。
「待てよ!この先一人でどうしよーってんだ!?」
「だいじょーぶ!教会まで逃げ切ればかくまってもらえるはずだからー!!」
それをいい残し、インデックスは俺たちの前から姿を消した。
「―――行っちゃったよ……。」
「冗談でも『うん』って言ってやった方がよかった……、とか思ってるよな、上条?」
「お前、なんでわかるんだよ……。」
「勘だ。でもな、大丈夫だろーよ。心配しなくてもあの調子なら世界が滅んだってしぶとく生き残れるタイプの人間だよ。アレは。」
「ははっ……。そうだと、良いな。」
この時俺は知らなかった。身に降り注ぐ不幸を。現実を。
今の考えですが、科学と魔術をできる限り、並行してやってやろうかと思っています。
そこで読者様に質問です。
できる限り並行で修也君が頑張って魔術と科学を行き来したほうがいいですか?
でも、魔術ちょっと科学多めとかでもいいですし、その逆でもオッケーです。
と言っても科学だけや魔術だけは個人的には遠慮させていただきたいです。すみません。
一応、色々なシナリオは考えていますので読者様の意思が多いほうで書きたいかなぁーと思ってます。
もちろん、『自由でお願いします』と言われればその意見も尊重させていただきます。
長文失礼しました。
とりあえず、次回は科学と魔術を行ったり来たり。
誤字、脱字がありましたら申し上げてください。
ではでは。