難しい。
12年後
side修也
『うん。もういいよ。』
密閉された部屋のスピーカーから声がする。
これは実験の終了の合図だ。俺は淡々と返事をする。
「はーい。」
おっと、話が急展開過ぎてついていけてない人もいるから
この場を借りて自己紹介をしておこう。
俺の名前は北里修也だ。
約12年前にこの施設にポイ捨てされた一人だ。
作者の都合上でこうやってキャラ目線で書くこともあるし、三人称の目線で書くこともあるからその辺、よろしくな。
俺は体中についている電極をとる。
すると、分厚い扉が開きその中に俺は入って行く。
「はい、おつかれ。」
「ん、ありがと芳川。」
俺はこの研究所の研究員の芳川桔梗からタオルを受け取り、顔の汗を拭き取る。
「ん?涼音は??」
俺は自分の幼馴染の場所を尋ねる。
おっと、ここも説明しとくな。
綾崎涼音。俺と同じこの施設にポイ捨てされた一人だ。
「さぁ?『しゅうくんを迎えに行ってくる』って言ってどこかに行ったわよ?来てなかった?」
はぁ?……。またか………。
またかというのは、涼音がよく迷うからだ。
確かにこの施設は学園都市にある数ある研究所の中でも広いかもしれないが
涼音の場合はここに住み始めて12年たつというのにまだ迷ったりする。
探すこっちの身にもなってくれ。
「とりあえず、探してみるよ。」
着替えながら俺は部屋の外に出ていく。
「はぁ、12歳にもなったんだからもう少し大人になれよ……。」
俺たちがこの学園都市に捨てられてもう12年も経った。 学園都市の最先端科学を使えば誕生日くらい簡単にわかるらしい。
俺たちが生まれたのはなんと12月25日。つまりクリスマスってわけだ。
ま、捨てられたのは12月27日。
たった2日面倒見た程度で捨てんじゃねぇーよ。ばかやろー。
「とりあえず、探すか………。」
俺は目を閉じて意識を集中させる。
すると、頭の中に涼音とその場所が浮かび上がる。
『それだったら女の裸見放題じゃんwwww』とかゆうそこの変態くそ野郎ども!
俺は紳士だからそんな変態みたいな事はしていない!てかする気がない。
「あぁ、あそこか……。」
んまぁ、透視能力は俺の能力の一つにすぎない。
まぁ、どうゆう事かはいずれわかる事だ。
俺は涼音がいる方向に歩きだす。
それにしても広い研究所だ。実験専用屋内プールが3個あるし
その他の実験施設だけでも20~30はある。
まぁ、ここに住み始めて11年経つが行った事のない施設は沢山ある。
ま、それだけ学園都市がこの施設に金を掛ける理由はわかるけどな。
「それにしても……見事に逆方向に歩いていくな。」
透視能力で涼音を追いかけているのだが、見事に俺から逃げる様に歩いてる。
てか、迷子になったら動くなって言ってるだろ。バカ。
あぁ、そうか。まだ自分が迷子と言う事に気づいてないのか……。
んじゃぁ、迎えに行くか。
俺は涼音のいる方向へ歩き出す。
「んー、もうそろそろ『学校』っていうところに行ってみてぇーなー。」
俺たちは物心ついたころからここの研究所にいる。
もちろん外なんて出た事がない。
ここには0歳から最長でも3歳の子供しかいない。3歳を過ぎると別の研究所や施設に移される。
だから俺の同年代の子供なんて涼音しかいない。だから俺にとっては『学校』なんて夢のようなんだ。
一応、基本的知識などは博士や芳川に教えてもらった。
んまぁ、実験や研究はあと数ヶ月で終わるって言ってたな……。
博士との約束で実験と研究が終わったら中学校に通っていいって言って貰ったからな。
「あ、いた。」
「あ!しゅうくんだ!」
涼音は俺を見つけると走って寄ってくる。
「しゅうくん!どこにいたの?探したよ?」
そのセリフそのままそっくりリボン付けて返してやるよ。送料込みで。
「はいはい悪かったな。さっさと帰るぞ。」
「うん!!」
ま、この時はまだ俺は知らないんだよな。
ここから先襲いかかる不幸を。いや、知る余地もないのだが……。
それでも俺は幸せを追い求めてる。今も、今後も。
数ヶ月後
「んー、これで実験も最後かー。なんか変な気分。」
俺は実験室を出ていつものように電極を外す。
物心つく前から続いてた実験がこれで終了。ほんとに変な感じだ。
俺の毎日はこの実験で終わってたからな。
てか、いつの間にか年は越えてるからびっくりだ。
まぁ、こういう物語って過去編とか昔のことが長く続くとちょっとうざいからな。
あとネタが出ないし。
「お疲れ。修也君。」
「ありがと。鈴木さん。」
タオルを渡してきたのは芳川ではない。
残念ながら5年くらい付き添ってくれた芳川は1ヶ月前くらいに別の研究所に移動した。
話によると学園都市の統括理事会承認のスゴイ実験らしい。芳川も出世したもんだ。
今は芳川に代わって鈴木さんが俺と涼音の世話係をしてくれてる。
てか、鈴木ってありがちな名前だよな。
「これで実験は終わりだね。修也君。」
俺はタオルで顔を拭きながら声のする方を見る。
「あ、博士。」
珍しいな。博士は実験の後はいっつも研究室に籠るのに。
「君に伝えなきゃないけない事があってね。」
「伝えなきゃいけない事?」
「君と涼音君の今までの研究資料を統括理事会に送ったんだ。」
ほぉ。それで?
「君と涼音君はレベル5に認定されたよ。」
ェ…?
「涼音君は第8位。君は能力の関係で第0位だ。」
「第0位??」
「君も知る通り、レベル5の順位は能力研究の応用が生み出す利益が基準なんだが……。君の能力はまだわからない事が多すぎる。だから保留の第0位だよ。涼音君も同じ理由だ。」
「いやいや、なら涼音も第0位でいいんじゃねぇーか?」
「君の場合は能力開発で生まれた能力だからね。涼音君は原石だ。それが理由だと思うよ。」
あっれっまー。おどろいたゎ?。
んーまぁ、どうでもいいや。
「まぁ、この僕の研究結果を見ると確実に君は第1位の強さも利益も超えている。最終研究の結果で第1位になるかもね。」
だから、どうでもいい。
「ま、これは余談だ。」
余談がなげーよ。
「今日は君たちが行く学校の見学があるんだ。」
マジ?
「そこで私たちは研究の整理をしないいけないからすまないが二人で行ってくれるか?」
「行きますよ!行くんだよ!行くんだぜ!の3段活用!!」
マジか!?ホントか!?
念願の研究所の外!俺にとっては未知の世界!やっべー!興奮して能力暴走しそう!!!
「まぁ、君がいれば涼音君も大丈夫だと思うからな。だが、出来るだけ早く帰ってくるんだぞ?」
いやだ!!断らせてもらいます!!
数時間後
「涼音!見ろよ!ドラム缶が自走してるぞ!!」
「しゅうくん。じそうってなに??」
俺と涼音は今見学に向かうための専用のバスの中だ。
中には俺らと同じ年だと思われる子供たちが乗っていた。中にはもともと住んでいた奴もいたり
初めて学園都市に来たみたいなやつもいるようで騒がしいのが止まらない。
まぁ、俺と涼音にとってはどれも初めて見るもので俺は常時興奮状態。涼音はいつも通りにボケーってしてるけど……。
それにしてもやべーな。
バスってのも初めて乗るし、その前に車に乗るのが初めてだからめっちゃうれしい。
ん?なんで車も初めてだって?
そりゃ、研究所を移動するのにいちいち車は乗らないだろ?そう言う事だ。
それにしてもこのスピードでずっと走ってるのになかなかつかないって遠いのか?
世界は広いなぁー。
『えーっと、見学者の皆さん!もうすぐ柵川中学につくんで荷物を持って準備してくださいね!』
おっ。もう着くみたいだな。
「涼音?話は聞いてただろ?準備しろよ。」
「……ほぇ?」
………なんか急に不安になった。
涼音のキャラが難しい。