「ここが教室棟です。そして、ここが―――」
んー。すっげー楽しいもんかと思ったけど結構退屈だな。
研究所よりかは作りは簡単だし、これくらい地図一回見たら覚えれるな。
「ふゎぁ~。暇だな。なぁ涼音?」
俺が後ろを振り向くと涼音の姿はなかった。
………ん?
「前かな………?」
俺はあたりを見渡すが涼音の姿が全く見えない。
「いい加減にしてほしい。」
思わず言葉に出ちまった………。
とりあえず、探しに行くか………。
俺は団体とは逆方向に歩きを進める。
「待ちなさい!」
「ん?」
後ろから肩を掴まれたので後ろを向くと目の前には小学生にしてはちょっと胸が大きめでデコをさらけ出してる女の子がいた。
「なに?」
初めて話す涼音以外の同じ年。俺らしくもなくちょっと緊張しちまったぜ。
「皆が行ってる方向と逆よ!団体行動は一人が勝手に動くだけで全体が止まるの!」
どうやら、皆を困らせたくない。
勝手に行動している人を見てるとイライラして注意したくなるって感じの人みたいだ。
「わりぃ。俺の友達が行方不明なんだ。まぁその辺うろうろしてると思うし、すぐに見つけて合流するよ。」
「え?そんな事なら早く言いなさい!今、ここの先生に言って――――」
女の子が後ろを向くとそこには誰もいなかった。
「………えっと…………一緒に来るか?」
「………うん。」
「へー、つまり小学校から学園都市に?」
「そうよ。超能力者に憧れて入ったのはいいけど入った最初にあなたには才能がないって……。」
俺たちは涼音を探しながらしゃべってうろうろしている。
この子の名前は
「そう言う北里はどうなのよ?学園都市初めて?バスの中では一番はしゃいでたわよ?」
え……?俺って他人から見ればそんなにはしゃいでた?
うっわ。はっずかしっ!?もうあのバスのれねぇーよっ!!
「えーっと、初めてだけど……。んー、なんていえばいいのやら……。」
「どういう事なのよ?」
「説明しにくいってやつかな?」
まぁ、いきなり「俺って
そんな感じの会話をしていると前のほうにキョロキョロしている涼音っぽいやつがいたので名前を呼んでみることにした。
「涼音ぇ~。」
「馬鹿、そんな小さい声で聞こえるわけがないじゃない。」
「聞こえるよ。あいつなら。」
すると、涼音っぽいやつがこっちに走ってくる。
「しゅうくん!迷子になっちゃダメでしょ!」
な?聞こえただろ?
「迷子になったのはお前だ。」
「えー、違うよ!後ろ見たらしゅうくんがいなかったもん!」
「それは俺が前にいたからだ。」
「あ!前か!」
涼音は『あぁそうか!』みたいな顔で手のひらの上でポンッとする。
まぁ、吹寄は想像以上にビックリしているみたいだ。
「気にするな。吹寄。こういう性格なんだ。」
「北里。いろんな意味で尊敬するわ。」
ありがとう。でもなんか要らない尊敬だな。
この後、俺の能力を使って見学組の場所を特定して何とか追いつく事は出来た。
初めての外はハプニングが起きたり、初めての友達が出来たりと大変な事ばかりだ。
だけど、面白い。友達と話すとか知らない事を知るとかはやっぱり面白い。
さて、話は戻すが今は俺と涼音、そして吹寄と一緒に帰ってる。
「ホントにいいのか?」
「いいわよ。これも何かの縁だし。」
「せーちゃんありがとぉー!」
今日は吹寄が晩飯を作ってくれるらしい。だから今は吹寄の寮だ。
まぁ、今まで飯とかは完全栄養管理だから手料理ってのは初めてだ。
涼音も楽しみにしてるみたいだ。
「でも、しゅうくん。帰らなくていいの??」
「大丈夫だ。博士だってそれくらい許してくれるし、いざって時は記憶の改竄すればいいしな。」
「博士?」
一応、吹寄には黙っとくか。ややこしい事は嫌いだしな。
「気にすんな。」
「いいじゃない教えてくれたって。」
「まぁ、何時かだな。」
「何よそれ。」
少し、しかめた顔で言う吹寄。
とりあえず、飯が食いたいです。
「はいはい。ちょっと待っててね。」
「あ!私も手伝う!」
「じゃぁ、お願いするわ。」
「じゃぁ、俺は皿でも用意するよ。」
俺は食器棚から皿を出して机に並べていく。
ん?何か忘れてるような……?
………あ!!
「涼音!待て――――。」
ガッシャーン!!!
俺が涼音の動きを止める前に唯はすでに豪快にこけていた。
「しまった………。遅かった……。」
涼音は小麦粉が入ってたボウルをどうやったかは知らないが頭の上に乗っけていた。
あの涼音が手伝いなんか出来るわけがなかったんだ。
俺がバカだった。
「大丈夫?涼音?」
「うー……、ごめんねせーちゃん。」
「はぁ、片付け手伝うから落ち込むな。」
「ありがとぉ?。しゅうくん。」
「涼音はお風呂入ってきなさい。片付けは北里がやるから。」
「はーい!」
涼音は風呂に向かって歩いていった。
俺は吹寄から雑巾を借りて床を拭き始める。
「……………。」
「……………。」
沈黙がつらい。
「大変ね。あの子の世話は。疲れないの?」
突然の吹寄の質問に少し驚いた。
「あー……。まぁ、生まれてからずっと一緒だったからなー。もう、慣れたよ。」
「ずっと?」
んー。言っていいのだろうか?自分と涼音が
こういうのはやっぱり友情が深まったら打ち明けるのがいいかもしれないが
やっぱり、隠すのは面倒だ。
だが、秘密ってのはあまり言うのは引ける。そのせいで自分が傷ついたり
涼音が傷ついてしまうかもしれない。
だけど……吹寄は信用できるかも……。
「なに?黙り込んで?」
「えっと……吹寄って
「えっ?なに?いきなり?」
「いいから答えてくれ。」
吹寄は少し黙り口を開いた。
「えーっと、あれでしょ?学園都市で捨てられた子供たちの事でしょ?それがどうしたの??」
俺は勇気を出して言った。
「俺たちはその
「え……?」
少しの間沈黙が流れた。
吹寄は動きを止めて驚いた表情をしていた。
まぁ、それはそうだろう。
吹寄は少ししてまた料理に取りかかる。
「……そうだったの。」
「わりぃな……。いきなり変な話言って。」
「悪いのはこっちよ。聞いたんだし……。」
「……………。」
「……………。」
再び沈黙。
あー、つらい。この空気が一番つらい。
「……何も聞いてこないのか?」
俺は恐る恐る聞いてみた。
やっぱり、こういうのって何かと聞かれそうで怖いからな。
「聞くわけないじゃない。他人の過去を聞きただすなんてデリカシーのないことはしないわよ。しかも、友達の過去なんて野暮よ。」
友達………か。
改めて聞くといいな友達って言葉。
「ありがとな。吹寄。」
吹寄は料理をしながら少し笑って言う
「どういたしまして。」
やっぱり、友達っていい。
すると、いきなりリビングのドアが開く。
「しゅうくん!!!!!目にシャンプー入った!!!痛い!!!!」
いい場面ぶち壊しだな。おい。
「……って!?全裸じゃねぇーかお前!?せめて前をタオルで隠して来いよ!!!」
「だって!!痛いもん!!」
「ちょ……!?涼音!?は、破廉恥よ!?」
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや!?
破廉恥なのは格好でわかるだろ。男子がいるんだからもうちょっと考えろ!!!
「北里!料理もできたし涼音を何とかしとくから盛り付けしといてね!!」
「お、おぅ……。」
なんと情けない返事だろう。
「てか、何作ってたんだろうな?」
俺はフライパンの蓋を取るとなんと!
そこには!
吹寄特製のハンバーグがあるではありませんか!!
近くにはすでに切ってあるトマトと洗ってあるレタスが置いてある。
そして、ちょうど炊飯器がピーピーとなりご飯ができたぞと教えてくれた。
さて、ここで問題だ。
「なぜ涼音は小麦粉を持ってたんだ?」
そう、涼音はこけた時に小麦粉が入ったボウルをどうにかしてこけてどうにかして頭にかぶったわけですが………。
ここに用意されている料理には小麦粉が使われていない。
「うん。これは気にしないほうがいいだろう。」
涼音が持っていたものが小麦粉ではなくパン粉だったことを祈りながら
俺は盛り付けを始めた。
吹寄さんのキャラってこんなんでしたっけ?