とある反則の能力窃盗者   作:林檎

6 / 21
Episode.5 光と闇(修也side)

 

俺は現在第七学区のとある病院から飛び出し、第七学区を歩き回っているけど………。

「まずは、どうしようか………?」

ほんとにどうする?俺は警備員(アンチスキル)でもなければ風紀委員(ジャッジメント)でもない。

情報収集なんてしたことないし………。どーしましょ?

「涼音を探すのは大前提だけど……どうやって探すかが問題だ……。」

言い忘れてたけどいや書き忘れてたけど俺は2日も寝込んでいたみたいだ。

研究所に行こうとも思っても遠いし、もう証拠なんて消されてるに違いない。

もう、ホントに八方手づまりってやつですか?

「んー、とりあえずネットがあればそこからハッキングでいろんなところにアクセスできるけど………。」

そのインターネットもその前にパソコンもてかお金もない。

ホントにどうすればいいの?

しかも服もびりびりに破れてるし……。

「あー、不幸だ。」

「何、朝っぱらから変なこと言ってるの?」

俺が声のする方を振り向くとそこには

「吹寄!?」

「何驚いてんのよ?」

「いや、だってお前の寮ここの学区じゃねぇーだろ?」

「そうだけど、今日は柵川中学に入学決まったからこっちの寮に引っ越しするために来たのよ。」

そ、そうですか………。

「てか、何その服!?何したの!?」

「いや、えっと……こけました………。」

「どんなこけ方したらそうなるのよ?」

色々、すごいこけ方だよ。

「あれ?涼音は?また迷子?」

「………。」

言えるわけねぇよな………。

誘拐された。なんて……。

「……なにかあったの?」

「……いや、何にもねぇよ。今は研究所の方に留守番してもらってる。」

すると、吹寄は俺の顔をじーっと見つめる。

「……な、なんだよ?」

「嘘ね。」

へ?

「あの子とはあってちょっとしか経ってないけど、涼音は迷子になる以外貴様から離れないわ。」

「そ、そんなことわからねぇだろ………。」

「わかるわよ。だって、北里嘘つくの下手だからね。」

「いや、わからねぇだろ………。」

「わかるって言ってるでしょ?」

………はぁ、ホントに困ったよクソ……。

俺は今まで起きたこと、俺がなんでここにいるのか、そして能力のことも全部話した。

「………涼音がさらわれた??」

「あぁ、すまねぇ………。」

謝ることしかできねぇ。

俺は何もできなかったんだから。

俺は重い口を開き、しゃべりだす。

「能力とか俺たちの立場とかわかっただろ?もう、これ以上、俺達に関わるな。」

「え?なんでよ……?」

「俺の近くにいたら吹寄も傷つくかもしれねぇだろ……。俺はこれ以上、友達をなくしたくもないし、傷つけたくもない。」

「何言ってんのよ……?こんな時こそ友達を頼りなさいよ!!」

「相手は学園都市の上層部だぞ!?暗部もかかわってんだぞ!?死んでも証拠隠滅されるだけだ!!しかもお前には他の友達、それに家族がいるだろ!?」

「死ななきゃいいだけの話よ!大体、友達が困ってるのに手を貸さないのは私のプライドに関わる!」

「プライドで命を捨てるのかよ!?それに――――」

 

     

 

 

 

「――レベル0の吹寄に何ができるんだよ!?」

「――――っ!?」

………ごめんな。吹寄。

まぁ、これだけ言えばもう、なんもいわねぇだろ。

「………じゃぁな。」

俺は吹寄に背を向けて歩き出す。

「………何もできないわよ。」

俺はか細え声を聞き、後ろを振り向く。

「確かに私はレベル0で弱くて粋がってるだけのただのガキよ……。でも、でも!涼音は私の友達なの!北里も友達なの!友達ががんばって戦ってるっていうのに………、ほっとける訳ないでしょ………。」

吹寄は目から大粒の涙を流していた。

「吹寄…………。」

バカだ。俺は。

俺だって吹寄と同じ立場だったらこう言うに違いない。俺は何も考えてなかった。

ただ、大切なものを頑丈な金庫にしまいたかっただけなんだ。

でも、それじゃぁ、大切なものがなくなってもわかるわけがねぇ。俺は大馬鹿野郎だ………。

「ごめんな………。吹寄………。」

「グスッ……わかればいいのよ……わかれば……。」

「じゃぁ、早速だが、手伝ってくれ!」

「……うんっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは吹寄の新居。

うん。前とあんまり変わらねぇーな。

戸棚には健康グッズ。健康雑誌。そして、極めつけが『脳を活性化させる十二の栄養素が入った能力上昇パン』が大量に入った戸棚。

……見なかったことにしよう。

「中学校に上がったから新しく買ってもらったパソコンよ。」

「まじか!サンキュー!吹寄!」

俺は早速パソコンを立ち上げる。

すると、吹寄が声をかけてきた。

「ねぇ、北里。」

「なんだ??」

「北里って、学校くるの?」

また痛いところをついてくるなこの子は……。

まぁ、察してるだろうな吹寄は。

もし、俺が涼音を見つけたら学校に来るか?それは皆無に等しいだろう。

もちろん。他人を巻き込むかもしれないからだ。

学校に来るやつら全員が吹寄みたいな心の広いやつならまだしも。

下手をしたら自分も命を狙われるかもしれない奴と友達になりたいか?絡みたいか?

誰も他人のために命を賭けるなんて馬鹿で無謀なことはしない。そんなバカは俺と吹寄だけで十分だ。

「……できれば行きたくない。だけど、行きたいのが本音だ。」

「素直ね……。」

お前に嘘が通じないってわかったからだよ。

「俺はこれから下手したら学園都市を敵に回すようなことをする。そんなことになったら学校どころか学園都市、いや日本にも居られなくなるかもしれねぇ。」

「そんな……。」

「でも、行くさ。学校。長年の夢だもん。」

涼音はどうか知らないけどね。

俺は立ち上がったパソコンを確認し、そのまま作業に入る。

発電系の能力で頑張るか……。

「えっと、電話線のセキュリティはランクDだったな……。」

まぁ、俺の手にかかれば学園都市の統括理事会しか見れない極秘資料も見れるのさー!

俺は情報の結合に成功したのでその情報をパソコンのウィンドウに写す。

「なにこれ?」

「んー?あぁ、暗号化してんだろうよ。」

「そんな……。読めれないじゃない!?」

「だーいじょうぶだ。もう解けたから。」

「はやっ!?」

俺は暗号化された文章を吹寄も読めるようにメモ帳に打っていく。

「えーっと……。『今月の学園都市美人トップ10』!?」

「当たりみたいだな。」

「外れよ馬鹿!!なんてもの探し当ててんの!?」

「いやいや!?ホントに統括理事会の一人の奴のメールボックスから適当に盗ってきたんだぜ!?内容見てなかった俺も悪いけどこんなのを毎月報告させてる理事会も悪いよ!!」

「いいから早く探しなさい!」

「はいはい。」

俺はまた統括理事会のメールボックスからこの2日で送られてきたものを無作為に盗り出す。

「これはどうだ?」

「これも暗号化されてるわよ?もう解けてるの?」

「当たり前だ。」

俺はメモ帳にまた書いてあることを打っていく。

てか、読みづらいしな。

「……ビンゴよ。」

「ホントか!」

えっと何々……?

『綾崎涼音 音の女神(アポロ)捕獲作戦の最終報告』

ホントにビンゴだな。

ここに書いてあることは次の通りであった。

『綾崎涼音を天上研究所から回収することが成功。第0位の攻撃もあったが、垣根帝督により撃退。協力者のスクールには多額の報酬を振り込むことも完了。綾崎涼音の能力を研究するため、第一学区にある村上博士が率いる超能力総合研究所に搬送―――――。』

「つまり、第一学区の研究所に行ったってことか………。」

「どうするの?行くの??」

「当たり前だ。」

「……私はここで待ってるわ。」

え?

「なんでだ!?一緒に来いよ!」

「駄目よ。殴り込みになるとレベル0の私は足を引っ張るだけ……。人質になって北里を困らすだけなのが目に見えてるわ。それなら行かない方がましよ。」

そうだけど……。

「その代わりに絶対に涼音を連れてきてね。夕飯作って待ってるわ。」

 

……ホントにありがたいよ。友達って。

「あぁ!行ってくる!!」

俺はパソコンで研究所の場所を確認して家を飛び出し、テレポートで研究所に向かう。

待ってろよ……!涼音!!!

 

 

 

 

 

 

「はぁはぁ………この辺かな……。」

だいぶ息が上がる。

今までこんな長距離テレポートなんてしたことがなかったからな。

第一学区は第七学区からも近いとはいえ、やはり距離が距離だ。相当疲れる。

「……えっと、超能力総合研究所だっけな?」

これからは気を付けていかねーとな。

名前からして親玉がいそうな所だ。この前のアイツじゃないが別の強い能力者がいるかもしれない。

油断は禁物だ。ベクトル操作の能力でデフォで常に反射に設定。

……完了。これで何が来ても大丈夫……かも。

俺は覚えた地図を頼りにその場所を探す。

「……あそこか?」

遠目で見える大きな建物がある場所。

たぶんあそこで違いないだろう。

俺は走ってその場所に向かう。

だが、近づいて行くにつれどんどん違和感を覚える。

「……警備員(アンチスキル)が多い?」

そう。ここは第一学区。

経済や司法関係の大学が多いが、生活感が極めて希薄で住み辛い区域だ。

こんなこんなところに警備員(アンチスキル)が多いなんて明らかにおかしい。

何か事件があったとしか考えられねーぞ……?

そんなことを考えてるうちに施設近い場所にいた。

だが、俺が見たものは一番災厄な展開だった。

大量の警備員(アンチスキル)が黄色いテープを張って道路を封鎖してるのだ。

俺は近くにいた警備員(アンチスキル)に声をかける。

「……何かあったんですか?」

「あぁ。なぜかは知らないがここの先の研究所の施設の一部が木端微塵に吹き飛んでたんだ。」

な……!?

俺は説明している警備員(アンチスキル)を無視して黄色いテープを飛び越え中に入っていく。

「あ!?ちょ、コラ!!待ちなさい!!」

俺は前に立ちふさがる警備員(アンチスキル)を押しのけ研究所の門の中に入る。

「涼音……無事でいてくれ……。」

俺が付いた時にはもう地獄としか言いようがなかった。

何人かは瓦礫の下敷きになり完全に息をしていなかった。警備員(アンチスキル)により先に怪我人の方が優先され死体の方はまだであった。

死体の中には何かに触れてその部分が消え去っているような切断面をしていた。

俺は膝から地面に倒れる。

「涼音……。」

絶望

この言葉が俺の頭の中によぎった。

俺は自然と周りと見渡す。

すると、一部だけ瓦礫が全く落ちてない場所があった。

俺はその場所へと駆け寄る。

そこには血と涼音が付けていた髪飾り。俺はその髪飾りを手に取り、強く握った。

「くそぉ………。」

俺は自然と涙が溢れて出てきた。

また、助けれなかった。

 




この真相は次のお話で。
あと、涼音は髪飾りつけてたってことでお願いします。
形は♪のやつってことで。。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。