オラリオにドラマを求めるのは間違っているだろうか   作:龍神王聖人

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こんばんは。
何とか間に合いましたが変な所があるかと思いますが、読んでいただけると幸いです。


第十三話 残された者たち

 秋初めの風が頬を優しく撫でている。

 

 あの戦いから早くも一週間が過ぎ、あの日より俺はだいいぶ落ち着いてきた。これも前世から引き継いだ精神年齢の高さからくる業であるともいえるだろう。

 あの日の翌日にはとても実感を持つ余裕はなかったがそれから日が経つに連れて、肉体に引っ張られる形で再び涙が溢れ、悲壮感が溢れて止まらなくなっていた。

 そして、その感情だからか、それともこの世界で最も大切で大好きだった(今の精神年齢でこんなこと言う恥ずかしいので言わないが。)両親をなくしたからか、瞳に宿って間もないはずの写輪眼が上位型の万華鏡写輪眼に変化を遂げていた。

 村の友や両親の死、そして居場所を奪われ、泣き続け、ガーレさんの胸の中で泣き疲れて恥ずかしさも忘れて眠った。そんな日を何日か繰り返してようやく落ち着いたのだった。

 ていうか、当初は余裕が無くて気づかなかったが、よくよく考えると『万華鏡写輪眼』開眼早くね?もっと後かと思ったんだけどな~。マジ、ビビった。チャクラコントロールをミスって滝から落ちた時を思い出したよ。

 

 今回の災害で、生存者は僅か八人(愛咲姫やその一族は救援に来たため含まれない。)

 俺やガーレさん、アマツマラ様と鈴鹿さんの他に四名の生存者は、意識を取り戻した後それぞれ名を名乗った。

   

 一人目は俺が助けたパルゥムの少女で名前をフナラ・ブランディと言っていて、港町『柏』の生まれだそうだ。

 二人目はアマツマラ様達が助けたエルフの女性で名前をフィエラ・チュリエーラと名乗り、海洋国『ディザーラ』にホームを構える『ポセイドン・ファミリア』に所属する団員だそうだ。

 三人目は二人目と同じく助けられたヒューマンの男性で名前をグラン・ティル・ラフティードと名乗り、二人目と同じく『海洋国』の『ポセイドン・ファミリア』の団員だそうだ。

 四人目はフィエラとグランと同じく助けられたウェアウルフ(狼人種)の少女で名前をウィナ・フランクと名乗り、『海洋国』の生まれだそうだ。

 

 三人の話しによると、『ポセイドン・ファミリア』は海洋国周辺の海を守護したり、『迷宮都市オラリオ』との交易船を守るなどして、国から報酬をもらうファミリアで、『海洋国(ディザーラ)』にホーム(本拠地)を構えるファミリアだそうで、今回、オラリオへ向かう交易船に同行していたが向かう途中にグランドクエストを受けていたファミリアとリヴァイアサンの戦闘に巻き込まれ、交易船は同行していたポセイドン・ファミリアの団員達が交戦するも、古代の怪物相手に手も足も出せずにあえなく沈没し、海に投げ出され、リヴァイアサンが海を割るような一撃を最初に交戦していた相手に放つとそれによる余波で起きた津波に流され、フィエラが放った衝撃緩和系の魔法で、フィエラを含む三人は津波に流され運良く陸にうちあげられて助かったそうだ。

 フナラは元冒険者で漁師の父ともに津波、呑まれて、奇跡的に少女だけ打ち上げられたららしい。アマツマラ様の話だと、父親のほうは亡くなっていたらしい。

 それからフナラは塞ぎ込んでいたが、昨日ようやく立ち直りの兆しを見せ、他の人たちと話す余裕ができていた。

 

 

 

 そんな日々を過ごす中、村人たちと両親の遺体(父の写輪眼は回収済み)が葬られた墓に手を合わせ、瓦礫からガーレさんの荷物にあったテントを組み立ててキャンプしながら住んでいる。

 朝食をテントの外で済ませ、薪拾いをしつつ、日が少し昇ったのを確認してテントに戻り拾ってきた薪を置いていき、一週間ぶりの修行場に向かう。

 

「再開するのかい?修業。」

 

向かう途中、切り株で薪割りをしているガーレさんに話し掛けられる。

ガーレさんは麻色のタオルで額に浮かべた汗を拭いながら笑みを浮かべた。

 

「はい、大切なものを失いたくないので・・・。ところでガーレさん、怪我はもう大丈夫なんですか?」 

 

無意識にガーレさんの右腕に視線を移す。右腕には包帯が巻かれ、血痕が所々あるが傷はポーションで塞がっている。が、昔からある古傷が開いたらしく暫く安静にしていたわけだが。

 

「ああ、大丈夫だ。流石に両手斧とか重い物は持てないが薪割りくらいはできるさ。」

 

「・・・そうですか。」

 

「あんたこそ、大丈夫なのかい?あまり無理はするんじゃないよ。」

 

「はい、大丈夫です。ありがとうございます。」

 

「ああ、別に気にするんじゃないよ。あたしはあんたの両親に託されたんだ。あたしを親と思って慕っといてくれてもいいんだ。それと、何時までも硬っ苦しい言葉使いはやめな。もうあんたはあたしの家族なんだ。幼いころに両親を無くしたフナラと一緒に家族をやっていこうじゃないか。」

 

「はい、分かりました。」

 

思わず笑顔で返事をすると、ガーレさんは徐(おもむろ)に小突く。

 

「『分かった』だろ?あと、呼び捨てでいいよ、リキト。」

 

そう言うとガーレさんはニカっと笑って、薪割りを再開するために戻って行った。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

  

 

 秋風によって紅葉が舞い、近くに落ちる滝はこの場に音をもたらし続けている。

 

 俺はそれを聞きながら近くの岩の上で座禅を組みチャクラを回していた。

 

「・・・リキト。」

 

トントンと肩をつつきながら話しかけてきた愛咲姫は俺の隣りに座り俺は目を開く。

 

「愛咲姫か。修業に来たのか?」

 

「うん、そうだよ。リキトに修業を付けてもらおうと思って」

 

「自分の修業はいいのか?」

 

滑らかな自分の金色の髪を撫でながらそう言って微笑む彼女に一瞬、見惚れるがすぐに正気にもどって、疑問を投げかける。

 

「うん、妖術の修業はもう基礎ができたから。」

 

ルナール(狐人族)は妖術を得意とする種族で種族数は他の種族に比べて少ない。彼女はその種族の中でも名門の家の出身で妖術の修業を五歳の時からしていたが、今年で十三歳の極東で言う成人を迎えた彼女は個人で修業をしていたが、どうやらチャクラの修業に興味を持ったらしく、俺に接触を図ってきたほどだ。

 

 俺は、「俺で良ければ」と了承の意を愛咲姫に伝えると彼女は綺麗な笑顔を浮かべてドキッとしたのは内緒だ。

 

 

 

 それから数日は彼女にチャクラやチャクラコントロールについて教えたり、千裏家の倉庫にあった書籍を見ながら忍術の勉強をしていると、「私たちもお願いしたい。」と鈴鹿さんと災害で親を失ったパルゥムのフナラも混ざって四人で修業して、それからさらに五ヶ月が経った今では滝をチャクラコントロールで登れる程になっていた。

 

 因みにこの中で唯一、ファミリアに所属している鈴鹿さんのレベルはあの災害で経験値(エクセリア)が溜まっていたのか、この期間中にレベルは3から、4に上がったらしい。

 確か、原作ではオラリオ以外でレベル3で凄腕らしいので、オラリオに行った事のない鈴鹿さんはそのレベルを超えて、オラリオに行ったことの無い者では最高峰にあたるだろうレベル4に到達したのは凄いことだろう。

 

 アマツマラ様と鈴鹿さんはこのレベルを隠すことにしたらしい。

 何でも、この事を知られると他の神々にも知られ、要らぬ厄介事を招く懼れがあるためだ。

 神々の程々は暇つぶしのために神の力(アルカナム)を封印してまで降臨しているため、娯楽に飢えているのだそうだ。そのため、今回の事が神々に知られると、娯楽に飢えた神々にちょっかいをだされたり、その影響で周りに迷惑を掛けてしまうためだ。それにオラリオのファミリアではないアマツマラ・ファミリアにレベル4が出たことはそれほどに凄いことなのだそうだ。

 

 そんな凄いことになっても、生活はあまり変わらず、この5ヶ月を過ごしていた。

 

 そんな日常が変わったのはある日、何時も通り修業をしていた鈴鹿さんからの提案だった。

  

 

 

 




これでこの章は終わりになります。
次章は一応一週間後に予定しています。
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