オラリオにドラマを求めるのは間違っているだろうか 作:龍神王聖人
愛咲姫から聞かされた町の噂は衝撃的なものだった。
「はあ!?、オラリオの討伐隊が!?」
その内容に俺は思わず声を上げてしまった。
なんせ、その噂の内容はグランドクエスト(世界四大冒険者依頼)の一つ、秘境主討伐でオラリオの討伐隊が六回も敗走したのだ。
しかも、敗走したオラリオのファミリアはゼウスとヘラと呼ばれる神々のファミリアらしく、あの迷宮都市オラリオで最強を誇る最大派でそのファミリアは今回の討伐で敗北し武器や防具は破壊され(不壊属性(デュランダル)を除く)、ポーションなどの回復薬も割られていた(・・・・・・)らしい。さらに奇妙なのは今回の討伐隊で死者がゼロ(怪我人は多かったらしい。)。さらにその魔物は冒険者達を気絶させてその場を去ったらしい。
因みに、怪我をしていなかった討伐隊のメンバーの殆どはサポートを専門とするサポーターとして参加していたメンバーだけだったらしい。
これらの噂に関連して、オラリオのファミリアが今年の春に秘境主討伐の為にこの町を訪れるらしい。
この噂、実はオラリオから来た商人達が噂を流していて、信憑性も高い。
そのため、町中にその噂が新たに広がり始めているらしい。
「でね、どうやらアマツマラ様のファミリアには既にそれ関連の依頼が来てるらしいよ。」
「へぇ~、そうなんだ。大方サブウェポンの装備か、サポート用の装備を作っているのだろう。余り邪魔しないように気を付けないとな。」
「うん、そうだね。あまり私達にできることは少ないだろうし、それに私は精々、料理を振る舞うくらいだしね。」
どこか自信ありげにチイセェ胸を張る愛咲姫の姿に俺は微笑ましく思いながらも、ふと、ある疑問が浮かんでしまった。
「あれ?お前って、料理できるのか?」
俺の問に愛咲姫は心外とばかりに此方をひと睨みすると、「もちろんよ!!」と答えた。
「ふーん、ソーナンダー。」
「何よ!!信じてないの?ひどくない?」
頬を膨らませて、上目遣いを(意図的に)しながら抗議の声を挙げる愛咲姫。
「酷くない酷くない。大体、料理しているところ見たことないし。」
俺は愛咲姫から目線を外して片手をヒラヒラと振りながら再び前を歩き出した。
「あるもん!あるもん!、いっっっつも、たまに料理手伝いしてるもん!!」
後ろから抗議の声を挙げながら、背中をポカポカとダメージにならない攻撃をしてきながらもついて来る愛咲姫のその姿に微笑ましく思いながら、買い物をするために一つの商店に入る。
「いらっしゃいませーーー!!」
黒っぽい和服を着た店員が元気よく掛けている声に軽く手を挙げて無言の挨拶を交わす。
この土地に住み着いてからよく買い出しの寄り道によく寄る店で、すでに店員とも顔見知りとなっている。
ーーーザワザワ
和気あいあいと愛咲姫と共に買い物をしていると何やら外が騒がしい。
何かと思い、店のレジで会計を済ませて、先に出て行った愛咲姫を追いかける。
「オイ、愛咲姫。何があったんだ?」
店を出ると、辺りは騒然としていて人々は殆ど、ある方向を見ていた。
「よくわからないけど、何でも、オラリオから冒険者達が下見に来とかどうとか。」
恐らく、人づたいに話を聞いたのだろう。あまり、はっきりしていないようだ。
「へえ~、オラリオのねぇ~。物資の調達に来たのかね~。」
吞気に辺りの喧騒を眺めながら、そう呟くと、愛咲姫は納得した表情を見せる。
「ふ~ん、そうなんだ~。じゃあ、さっき話した噂は本当だったのね。」
愛咲姫はぴょんぴょんと飛び跳ねながら人混みの先で大通りの真ん中を通るオラリオの冒険者達を見ようとしていたが、
「ジャンプしても背が届かなくて見えない~!!」
涙目と上目遣いのコンボで俺になんとかしろと言わんばかりに文句を言ってくる愛咲姫。
「はぁ~、屋根に登ればいいだろう。
ここ辺りにある瓦屋根の一軒家は他の土地にある村の一軒家に比べて丈夫だし、二階建てが多いこの辺りはジャンプして着地の衝撃で屋根が壊れることはない。」
俺は肩をすくめながらそう答える。
「むぅ~、そんなことぐらい分かってるから、そんなに細かく説明しないでよ。
まるで私が馬鹿みたいじゃない。」
拗ねるように愛咲姫は淡い桃色の唇を尖らせる。
「いや、そんなことないぞ?
それより、早く登らないと見逃すぞ?」
愛咲姫にそう忠告し、俺は先にチャクラコントロールを駆使して脚力を底上げして、瓦屋根の二階建て木造建築の1階部分の屋根に飛び移り、次に二階部分の屋根に飛び移る。
「ああっ!!待ってよ!置いてかないでよ~!!」
愛咲姫はそう叫びながら1階部分の屋根に飛び移り二階部分の屋根に飛び移った。
「わわっ」
「おっと!・・・大丈夫か、愛咲姫?」
足が縺れて(もつれて)、バランスが崩した愛咲姫を着物の袖を掴み、それを引っ張りながら抱き寄せた。
抱き寄せた愛咲姫に声をかけると愛咲姫は色白の肌の顔を真っ赤にさせながらも、しっかりと俺の両脇の下に腕を通して帯を両手でがっちり掴んでいた。
「はあ、いつまでそうしてるつもりだ?
もうそろそろこの下を冒険者達が通る筈だ。見逃すぞ?」
あきれ気味に目下に見える大通りを眺めながら愛咲姫に声を掛ける。
「え!?、嘘!?」
愛咲姫は慌ててーーーしかし、俺の帯を掴みながらしっかりとしがみつきながら、大通りに眼を向けた。
すると、そこには人混みで賑わう大通りの中央に道が出来ていく光景が広がっており、それを引き起こしている冒険者達がゆっくりと街の風景を眺めながらこちらに近づいていた。
感想、指摘ありがとうございます。
徐々に直していくしょぞんであります。
徐々に文の性能を上げているつもりですがまだまだ、ご覧の通り未熟ですので、引き続き、アドバイスや指摘をお願いします。