オラリオにドラマを求めるのは間違っているだろうか 作:龍神王聖人
ある夜の事。
俺は目を開けると真っ白い空間の中にいた。
辺りを見渡しても真っ白い光景が続くだけで、転生時に見た光景にひどく酷似していた。
「やあ、ひさしぶり。十年振りぶりだね。」
不意に掛かった声。聞き覚えのある声に反応して振り返って見ると、自称『神』がいた。
「誰だよ、アンタ。キャラがおかしくなってんぞ。」
性格や口調などがガラリとかわった神が。
「やあ、ひさしぶりにあったってぇのにヒドくないか?」
「いや、全然。寧ろ、キャラが改竄しまくっていて、ドン引きだわ。」
「そうか、まあ、いい。「よくねぇだろ!」・・・兎に角、その件は置いとけ。
今は、時間が無い。この世界に干渉出来る時間は短い。手っ取り早く要件を済ませる。」
「・・・・・まあ、言いたい事は山ほどあるが、横に置いとく。要件ってなんだ?
未だに発現出来ない、転生特典の『写輪眼』や『又旅(二尾)』のことか?」
自称神が言う要件に付いて心当たりを出してみる。
すると、案の定そうだったらしく、自称神は一つ頷くと口を開いた。
「・・・話が早くて助かる。
君に授けた転生特典は、そのまんま授けた(・・・・・・・・)のではなく、厳密に言えば、可能性を授けた(・・・・・・・)と言った方が正しい。」
「・・・・・・・・どういうことだ?」
「普通に考えれば分かることさ。
君は転生者とは言え、周りから見れば、あくまで一般人と変わらない生まれ方をしている。
そんな普通な人間の中に何かが封じられていればどう思う?」
「そんなの、決まっている。
不自然な上に気味悪いだろうな。」
何となく、言いたい事が分かった俺は自称神の問いにわかっている答えを返す。
「そう、気味悪い上に不自然なことこの上ない。そして、この世界には神が居てしかも、暇を持て余して下界に降りてきている。
もし、その神たちに目を付けられたら、君が思うような人生は送れない。それにそんな人生になってしまう場合があり得ると判断された場合、自然と発現する可能性にすることを義務付けられている。
あくまで我々、転生神はその世界の自然の流れに基づいて能力を渡さなければならない。
もし、不自然と判断される場合、あくまで可能性の問題に降格する。
チャクラや忍術などは、系体という形で出現させれるし、バーサーカーの宝具の中でアロンダイトだって、誰かが打ってくれたと言えば不自然ではない。実際に古代に人と精霊が協力して作ったことになってる。問題はあくまで不自然な流れ。
人は、尾獣を封印したまま生まれないし、写輪眼だって、開眼したままうまれたりはしない。
こういった点を考慮して、あくまでも可能性としたんだ。」
「じゃあ、覚醒はするのか?」
「必ずとは言えない。あくまで本人しだい。因みに尾獣は世界のどこかにいる。そして君には認められる可能性がある。認められる確率は他と比べても圧倒的だし、うずまきナルトのように仲良くなれる確率も高い。しかも、その副次効果で、あらゆる存在を惹きつける可能性も高い。ただし、あくまで可能性であって必ずじゃあ無い事を忘れルでないぞよ。」
自称神が話すのを終えると一つ頷く。
「分かった。覚えておく。」
「ああ。時間だ。それじゃあ良い人生を」
「ああ、ありがとう転生神。」
そうして、再び意識が再び途絶えた。
しばらくして、目を開けるとここ十年間、慣れ親しんだ天井が見えた。
しばらく、天井を眺めていると、一瞬だけ空気がピリッとした。
部屋の空気が悪い訳でもなく、険悪もない(といっても、部屋には俺一人しか居ないから当たり前だが。)、だがしかし、確かに空気に一瞬だけ緊張が走ったのだ。
未だに尽きぬ違和感に戸惑いつつ、確かめるように開閉式の窓を開けるために、閉じている扉に手をかける。
徐々に開かれる扉の隙間から射し込む光。明るさから、月明かりだとすぐにわかった。
そして、俺はそのまま窓の扉を開け放った。
「なっ!!」
光に導かれるように空を見上げると、俺は驚きの声をあげた。
「赤い・・・月?」
茫然と呟きをよそに、空には不吉な予感を感じさせる赤い月が浮かんでいた。