読んで楽しむデモンズソウル   作:ヨイヤサ・リングマスター

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ボーレタリア王城3 上

「ふわぁ~、よく寝たよく寝た……って、昨日寝るとき毛布かけたっけ?」

 

 

 

 朝も夜もない楔の神殿だが俺の体内時計では朝だったので目覚めたのはいいが昨日は布団なしで寝たはずなのに見覚えのない毛布がかかっていた。

 

 

 横を見ると安心しきった安らかに眠っている、かぼたんがいた。

 

 

「かぼたんが掛けてくれたのかな?」

 

 

「うぅ~ん……おはようございますルウソさん。

 昨夜は毛布もかけずに寝ていたので風邪を引いてはいけないと思って用意したのですがご迷惑だったでしょうか?」

 

 

 相変わらずその控え目な態度には非常に好感を持つが何もそこまで自信なさげに言わなくとも自分のしたいようにすればいいのに思う。

 

 

「いや、おかげでよく眠れたよ。

 ありがとう」

 

 

 かぼたんは花のような笑顔で俺を見つめてくる。

 

 さすがにこの可愛さは反則だろう。つい襲ってしまいたくなる。

 

 俺は前の世界では周囲の生き物すべてに恐れられていたからこういった純粋な優しさに弱いのだ。

 

 

「今日もデーモンを倒してくるのですね……」

 

 

「ああ、それが俺の使命だからな。……そんな悲しい顔をするなよ。

 大丈夫俺は必ず帰って来るからさ」

 

 

 そう言ってかぼたんの頭を軽くなでたあと、要石に触れ再びボーレタリア王城へと向かった。

 

 

 

 

 

「さて、なんかこれまでとは質の違う霧の壁があるな」

 

 

 前回塔の騎士を倒したあとに出来た要石を使って再びボーレタリア王城にきたのだが今までとは違う霧の壁が道を塞いでいた。

 

 

「まぁ、俺を拒絶できるものなんて存在しないからな。

 ここは強引に力づくで通してもらおうか」

 

 

 俺はとにかく力の限り殴った。

 

 

 するとどこからか声が聞こえてきたが、その声が言うにはこの霧の壁は他のエリアの最奥にいるデーモンの長を最低一匹倒さなければ通れないようになっているようだ。

 

 だがすでにどのデーモンよりも強い俺はその霧の壁を力でねじ伏せることにした。

 

 

 最初は拒絶しようとしていた霧の壁は俺が本気を出した瞬間、それこそ最初から霧の壁からなかったかのように消えた。

 

 

「では通らせてもらうぞ」

 

 

 霧が消え、扉が開き最初に目にしたのは昨日塔の騎士との戦いのときに弓兵に指示を出していた王の公吏だった。

 

 

 王の公吏は俺に一礼するとそのままどこかへ行ってしまった。

 

 別段追う必要がなかったので、そのままにして俺は先を進むことにする。

 

 

「ん?ここにも鍵のかかった扉があるな」

 

 

 入ってすぐ犬が二匹襲ってきたが無視して辺りを散策してみるとその扉は見つかった。

 

 

「また誰か囚われてるのかもしれないな。

 せっかくだから助けることにするか」

 

 

 前回同様に鍵を壊して奥へ奥へと進んでいく。

 その先には周囲から隔離されたかのような塔だった。

 

 

 人の気配もするのでその塔を登っていくとカラクリ仕掛けの階段があったが俺みたいな侵入者相手に階段を下ろしてくれたりはしないだろう。

 仕方がないのでその場で垂直跳びをすることで上の段へと上がる。

 

 

 そこにいたのは先ほど一礼してきた奴とは別の王の公吏だった。

 そして奥には弱りきった一人の女性。

 

 

 王の公吏は突然の俺の襲撃に驚いていたようだが生憎反撃を待つほど俺はおとなしくないので瞬殺して階段からたたき落とした。

 

 

「おい、大丈夫か?

 俺は助けにきた者だ」

 

 

 その女性は憔悴しきった様子で俺を見る。

 

 

「貴方は……解放してくれた……のか…そうか……。

 ありがとう私は魔女のユーリア。

 私なら大丈夫だ貴方は先に行ってくれ。

 今の私では足手まといだ」

 

 

 

「そんなこと言われてあんたを置いていけるわけないだろ。

 ほら、おぶってやるからとりあえず楔の神殿に行こう。

 あそこなら安心だ」

 

 

「え!いやその、私は……長いことここに閉じ込められていたから風呂にも入ってないし、拷問を受け続けていたから見ての通り血で汚れてしまう」

 

 

 確かにユーリアの体は血で汚れているが。

 

 まったく俺がそんなことを気にするように見えるのかねぇ~。

 

 

 

「いいからいいから、俺は人助けがしたくてこの世界に来たんだからここは俺にあんたを救わせてくれ」

 

 

 そうして俺は半ば強引にユーリアを背負うと、いったん楔の神殿に戻ることにした。

 

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