読んで楽しむデモンズソウル   作:ヨイヤサ・リングマスター

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神殿2

 「パパ~♪待って~♪」

 

 

 朝になって目覚めた俺は、かぼたんに聞いていた隠し部屋に用意された水場で顔を洗っていたのだが俺のすぐあとに起きたルカがついてきて俺の服の裾を掴んで話そうとしないのだ。

 

 とてとてと俺のあとをついて回るルカ。

 

 この愛くるしい姿には戦いに身を置いている俺からすれば何を置いてでも守りたくなる庇護欲がかき立てられる。

 

 

「ルカ。

 パパはどこにもいかないから離してくれないか?」

 

 

「いや!

 パパ今日もデーモン倒しに行くんでしょ?

 ルカも一緒に連れてってよ。

 連れてって連れてって連れてって!!」

 

 

 いや、まぁ可愛いんだけどね。

 

 でもデーモンって強いし、危険だから連れていきたくないんだよな……

 

 

「こらぁ、駄目じゃない!

 ルカったら、パパを困らせたらだめでしょ!」

 

 

 助かった。

 

 かぼたんが来てくれればルカもあきらめるだろう。

 

 しかし かぼたんも俺のこと普通にパパって言うなんて案外俺のこと好きだったりして……

 

 いやいや、それはない!

 

 あんなに可愛い かぼたんが俺に恋愛感情を抱くなんてあるはずがないさ。

 

 最近いい人ばからに会ってるから忘れてたけど、俺ってば前の世界では嫌われ者だったからな。

 

 きっと かぼたんが優しいから俺達のことをパパやママと呼ぶルカのために言ってるだけに違いない。

 

 そうに違いない!

 

 

「ルウソさんどうしたんですか?

 一人でぶつぶつ言って。

 何か悩み事があるなら相談に乗りますよ?」

 

 

 あー、かぼたんの優しさとルカの愛らしさで今日も俺は頑張れる。

 

 じゃあそろそろデーモンぶっ殺してこようかな♪

 

 

「それじゃそろそろデーモン退治にでも行ってこよう「「ダメ!」」……はい」

 

 

 うわ、二人とも怖い。

 

 俺なんかしたっけ?

 

 

「ルウソさんはこの楔の神殿に来てからまだ2日しか経ってないのにデーモンを8体も倒したんですよ。

 たまには休むべきです!」

 

 

「今日は一日中遊んでくれるってパパ、夢の中で約束してくれたじゃない!」

 

 

 いや、はやいとこデーモン倒さないとこの世界滅びちゃうんですけど。

 

 というか夢の中の俺もなんでそんな約束してるんだよ。

 

 でもまあいっか。

 

 

「わかったよ。

 デーモン退治は休むことにするよ。

 それじゃ一緒に遊ぼうか」

 

 

 この二人には敵わないしな。

 

 

「うわーいパパ大好き♪」

 

 

「じゃあパパと一緒に遊びましょうねルカ♪」

 

 

 

 

 そして俺たち三人は一緒に遊ぶことになった。

 

 かぼたんがどこからかトランプを取り出し、それを遠目に見ていたトマスとボールドウィンも誘って5人で楽しく遊んだのだが、物陰から怪しい視線を向けてくるやつがいた。

 

 そういやフレーキの奴も神殿に帰ってきてたんだな。

 

 仲間に入りたいのかもしれないが、その視線に気づいたルカが怖がってるし無視しよう。

 

 もしかしたらあいつルカを狙ってるのかもしれん。

 

 

 

「うわ、また俺がババ引いちゃったよ」

 

 

「パパ弱ーい♪」   

 

 

「私はこれで上がりです♪」

 

 

「ワシはそろそろ抜けるとするぞ。

 ちょっと用事ができたのでな」

 

 

「なんか死んだ娘を思い出すな。

 ルカちゃん、俺は君のパパの友人だからいつでもおいで。

 遊んであげるよ」

 

 

 ババ抜きをしたんだがなぜか異常に かぼたんはトランプが強かったのであっという間に最初に上がり次にボールドウィンが上がって仕事に戻る。

 

 

 トマスも子どもが好きみたいなので楽しそうだ。

 

 これからも誘ってやるか。

 

 そしてルカの可愛さは凄過ぎる!

 

 俺がパパになるときがくるなんて思いもしなかったよ。

 

 

 あ~、この世界にきてよかった~。

 

 最高神さまさまだな♪

 

 

 そのあとルカと、かぼたんははしゃぎ疲れて眠ってしまったので毛布を掛けてあげ、トマスは荷物番の仕事に戻り、俺はユーリアに会いに行った。

 

 

「ようユーリア。

 あんたはさっき寝てたようだけど俺に子どもができたんだ。

 といってもデモンズソウルで誕生したからデーモンに近い存在なんだけどな」

 

 

「ああ、見てたよ。

 なかなかに可愛らしい子じゃないか。

 大切に育てるんだよ。

 …………それはさておき、ルウソさんは『沈黙の長』ユルトを知ってるかい?」

 

 

 

「いや、詳しくは知らないな。

 確か暗殺者なんだっけ?」

 

 

 最高神から少しは聞いてるがあまりかかわり合いになりたくないものだ。

 

 

「二本のねじれた角を持つ真黒な鎧を着込んだ男だ。

 ユルトがボーレタリアに現れたあと、多くの英雄が彼の手にかかったと聞く。

 目的はわからないが敵であることは間違いない。

 ルウソさんも十分気をつけてくれ。

 敵はデーモンだけじゃないのだ」

 

 

 なるほど確かにデーモンでありながら人間よりも人間らしいルカみたいなデーモンがいるなら人間の敵となる人間がいてもおかしくはないだろう。

 

 気をつけるとするか。

 

 

「ありがたい。

 そういやユーリアが以前言ってた賢者フレーキを助けたんだが奴はどうだ?

 なんか危ない奴みたいだが」

 

 

「……少し昔話になるのだが。

 私は幼い時から魔女と呼ばれ、人々から忌み嫌われ、さげずまれてきた。

 だがそれは正しい有様なのだ。

 神たる何かは魔術のためでなく人の思考のためにソウルを下された。

 魔術は禁忌でよい。

 これは人を救う業などではない。

 ……ボーレタリアに入った後、そう思う。

 そう考えると私はフレーキ様が怖い。

 あのお方は魔術にとらわれている」

 

 

 たしかにフレーキは会った時から変な奴だったしな。

 

 

「じゃあユーリアもなんかあったらすぐに俺に言えよ。

 フレーキの奴、ルカを変な眼で見てたからな。

 俺の娘に手を出してきそうだし、今のうちに殺しておくかな」

 

 

「あまり物騒な事は考えない方がいい。

 フレーキ様もああ見えても、したたかで頭の回転と魔術の腕は一級品だからね。

 それはさておきルウソさんはまたデーモンを倒しに行くのだろう?

 娘さんが寝ているうちに行ってくるといい」

 

 

「ああ、そうだな。

 それじゃあ行ってくるからもしもフレーキが何かしてたら俺に行ってくれよ。

 俺はこの神殿のみんなを守るためにデーモン退治をしてるんだからな」

 

 

 そうしてユーリアと別れたあと俺は再びデーモンを倒しに向かうのだった。

 

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