塔のラトリア3をクリアしたあと神殿に戻ってきた俺は、かぼたんとルカが要石の近くにいなかったので驚かせてやろうと思いこっそりと気配を消して捜索を開始したのだった。
探し始めると神殿の二階で二人は編み物をしているのを見つけた。
かぼたんが教えながらルカが小さい手で一生懸命に編んでいるのはマフラーだろうか?
必死になって編むルカとそれを教えてあげる慈愛に満ちた かぼたんを見ていると俺の心はさっきの塔のラトリアで倒した悪質な黒いファントムのことなんかすっかり忘れてしまった。
やっぱこれだよな~。
このために俺は生きてるんだ。
俺は二人に声をかけようと階段の陰から出ようとしたのだがそれをトマスに止められてしまった。
「ちょっとルウソさん。
あんたが今出てったらだめだ。
あのマフラーはあんたへのプレゼントなんだから」
なに!?
かぼたんとルカが二人して俺のためにマフラーを編んでくれてるのか!
確かにそれならここで俺が出ていくのは無粋というものだろう。
「そうだったのか、ありがとうトマス。
危うく二人の計画を台無しにしてしまうところだったよ」
「気にするなよ。
俺とあんたの仲じゃないか
……ところであんたに言っておきたいことがあるんだ。
謎の仮面の男には注意した方がいい。
俺も詳しくは知らないが、あんたがデーモン退治で留守にしている間にルカちゃんに乱暴しようとした謎の仮面の男が出たらしい。
黒衣の火防ッ娘が飛び出して行って事なきを得たようだが、その男は魔術も使えるようだ。
用心することだ。
俺はその時寝てたんだがルカちゃんの声で目が覚めてね。
黒衣の火防っ娘はあんたに心配かけないように黙っているつもりらしいから俺が言っとこうと思ったんだ」
かぼたんの奴、まだ俺に心配かけたくないとか考えてたのかよ!
俺は絶対に、かぼたんを見捨てねえ!
絶対にどんな事が起きようと助けてみせる!
それにルカに乱暴しようとしただと!?
仮面の男め、ぶっ殺してやる。
と言っても仮面の男が誰かはわからないし、この神殿にいる誰かなんだろうが証拠も無く攻め立てるわけにもいかないので結局は現状維持と かぼたんとルカの守りを強化するとしかないか。
いま、かぼたんとルカは俺のためにマフラーを編んでくれてるみたいだしどうしようかな。
……そういえばこれまで利用したことはなかったがソウルサインを使って二人の護衛として別世界の青いファントムでも召喚して警備させてみようかな。
「お、ちょうどソウルサイン発見。
こいつらでいいか」
すぐ近くにあったソウルサインを通して俺は無造作に選んだ青いファントムは召喚した。
神殿内で青いソウルサインを出すなんてこの神殿で死んでいった無念の魂でも漂っていたりするのかもしれないな……
「私はオデッサ。
魔界の女王」
「俺はキラー。
ただの忍者だヨー」
「僕はブリーズ。
ただのしがない化粧品メーカーの社員だ。」
「某はグレイマン。
ただのエクソシストなのさ」
まぁ、こんな感じかな。
適当に選んだだけなのだがなかなかに強そうな面々じゃないか。
……一人だけ他の奴らと違う奴もまじってるけど。
「俺の名前はルウソ・ズンモデ。
この楔の神殿で怪しい仮面をつけた幼女性愛倒錯者がいるから警備をしてもらいたいんだ。
俺の娘が狙われたんだが俺はデーモン退治で忙しいからな」
「「「「サーイエッサー!」」」」
うむ、素直で助かる。
これでルカだけでなくこの神殿に暮らすみんなも安心して暮らせるだろう。
さて、俺は一眠りして時間をつぶしたら かぼたん達に会いに行くとしようかな。
……
…………
………………
ふわぁ~あ、よく寝た。
あれからずいぶんと寝てしまったみたいだな。
腹が減ったが かぼたん達はどうしてるだろうか。
青いファントムを召喚したあと眠りについたが腹時計から察するにあれから三時間くらい寝ていたのかもしれん。
俺は起き上がり視線を巡らすとすぐ隣には かぼたんとルカがいた。
しまったぁー!
起きたら二人を驚かせに行こうと思っていたのに寝ている間に二人の方が俺に気づいてしまった!
「パパおはよう♪」
「おはようございますルウソさん」
ああ、俺としたことが二人を待たせてしまったのか。
「……すまない。
二人の姿が見えなかったので一眠りしようと思ってたら熟睡してしまった」
なんとか手編みのマフラーを見たことだけはばれないようにしなければな。
「そんなお疲れのパパにいい物があるのです」
「いい物?
なんだいそれは(知らないふりしとかないとな)」
「ふふ、ルウソさんもきっと気に入ってくれますよ」
そして二人はたっぷりと溜めを作った後に後ろ手に持っていたマフラーを取り出した。
「パパにプレゼントがしたかったからママと二人で編んだの。
どう?」
「私もルウソさんのために何かしたかったもので……」
ルカは自信満々だが、かぼたんは恥ずかしそうにうつむいてしまった。
うぉぉぉぉぉ!これヤバい!
二人とも可愛すぎ!
「あ、ありがとう二人とも。
大切にするよ」
嬉しさのあまり声が震えてしまうがマフラーを受け取り、首に巻いてみる。
二人はマフラーを半分づつ編んだらしい。
半分は店で売ってるかのように丁寧だがもう半分は手作り感があふれていた。
たぶんルカだろう。
初めての編み物で俺のために一生懸命に編んでる姿を想像すると鼻血が噴き出そうなほどだ。
「それでねパパ。
お願いがあるの。
……ルカも次のデーモン退治に連れてってほしいんだ♪」
「ルカったらパパについていくって聞かないんですよ♪」
うーん、ここで断ってもいいんだが、マフラーもらっちゃったし断りづらいしなあ。
「でもルカはまだ子どもじゃないか。
俺もルカを守りながらはきついなぁ」
「大丈夫なのです!
ルカはこれでも魔法が使えるのです!」
そう言ってルカはユーリアあたりからもらったのか『木の触媒』を取り出し呪文詠唱をする。
そうして『愚か者の偶像』並みにでかい魔法『ソウルの光』を撃ちだした。
「すごいでしょ♪
ルカは一応デーモンだからこれくらいできるのよ」
確かにこれなら自分の身を守るくらいならできるだろう。
エリアにはソウルを奪われた亡霊がいるだろうがそれくらいならこれだけの威力がある魔法なら相手にもならないはずだ。
「よし、行くか。
かぼたんも一緒に行くんだろ?」
「はい、ご迷惑でなければ!!」
「それじゃあ三人で行くか!」
かぼたんの実力はすでに『竜の神』との戦いで見ているからな。
こうして俺達は家族そろってのデーモン退治へとエリアに向かうこととなった。
青ファントムはギャグとして出しました。原作と違って4人同時召喚ですしそもそも神殿内での召喚とかありえませんからね。名前も単純すぎますしわかるかな?
原作ではたまにバグで青ファントム3人召喚や黒ファントム2人同時侵入もありますしこれくらいなら問題ないでしょう。それよりもいまさらですがファントムやデーモンを喋らす方が問題かな……
あのゲームはオンなのに会話を一切必要としないゲームだからこそ、ここまでの人気が出たんだとも思いますし。まぁ、面白ければいいか♪