一旦神殿に帰ってきた俺たちはトマスとボールドウィンも誘って昼飯を食べることにしたんだがその時ボールドウィンが懐から何かを取り出してルカに手渡す。
「ほれルカ。
さっき仕事が終わって余った材料でこいつを作ったからお前さんにやろう。
勘違いするなよ。
余った材料で適当に作った手遊びの品なんじゃからな」
最近付き合いの悪かったボールドウィンは実はサプライズプレゼントを用意していたらしい。
昼食の席でルカに渡そうと以前から計画していたようだがなんともいい爺さんだ。
どうやらプレゼントはペンダントみたいだな。
「うわーキレー♪
ありがとうボー爺ちゃん。
大事にするね♪」
「そ、そんなに気にするでない。
そんなもの、ただのつまらんガラクタじゃ!」
ルカの笑顔にボールドウィンは顔を背けてしまったが、その場にいる全員にその真意はばれてしまっているのだ。
まったくボールドウィンの爺さんは素直じゃねぇなぁ。
耳まで真っ赤になってるぞ。
「ところで鷹の娘。
せっかくだし、この神殿で暮らしてみないか?
俺もルカには友達がほしいと思ってたところだし、警備員(青いファントム×4)もいるからむしろ嵐の祭祀場よりも安全だぞ。
それに君は家族がいないみたいだし俺の娘として暮らしていかないか?」
「そうですね。
確かにそれは魅力的な提案なんですけど遠慮しときます。
ここで暮らすには私は普通の鷹よりも体が大きいですし」
「なんだ、そんなことなら心配いらないさ。
こいつを使ってみればいい」
そう言って俺が取り出したのは先ほど『審判者』を倒して手に入れた『肥大したデモンズソウル』。
こいつを使えば鷹の娘も人の姿になれるだろう。
「なるほど。
では私もお手伝いしますね」
俺からデモンズソウルを受け取った かぼたんが鷹の娘の中にデモンズソウルを入れてソウルの操作を行うと辺りは眩い光に包まれ、次の瞬間そこには可愛らしい女の子が座っていた。
「これが人間の姿の私ですか。
なんかえらくむっちりむちむちした体型ですね」
「なかなか可愛らしいじゃないか。
これからもルカと遊んでやってくれよ」
「タカノちゃんあそぼー♪」
「うん行こっかルカちゃん♪
それじゃ改めてこれからもよろしくお願いします。
ルウソパパ、かぼたんママ♪」
二人は勢いよく階段を登り、神殿の三階まで登って行ったようだ。
たぶんあの二人のことだから要人でも殴りに行ったのかな。
以前ルカが来たばかりの時にいくら殴っても死なず、反撃しない要人の存在を教えたらたまに殴りにいってたからな。
元気があっていいことだ♪
「じゃあトマス。
警備員として青いファントムもいるけど二人の面倒を見てあげてくれ。
俺はこれからまたデーモン退治に行って来るからさ」
「わかったよ。
頑張ってきてくれ。
俺は戦えないから、せめて子守りと君たちの応援はさせてもらうよ」
「ルウソさん。
私もまたついていきますね。
今度はルカもいないし、フルパワーで戦闘に参加しますから」
「まぁ、そんなに気負わなくてもいいけどさ。
のんびり行こうか」
神殿の上からはポコポコと何かをたたいているような音が響き、その後には爆発音のような音も聞こえてくる。
が、それは放っといて俺と、かぼたんは再び嵐の祭祀場へとやってきたのだった。
嵐の祭祀場2。
そこはまさに天空にそびえる城のような場所であった。
「ん?ここの扉は仕掛け扉があるみたいだな」
スイッチのような石の出っ張りがあったのでその上に立つと石が沈み込み目の前の扉が開いた。
「俺の体重は100㎏もないんだが何で開くんだろうな。
こんな仕掛けの扉だったら石の自重で勝手に扉が開いてもおかしくないだろうに」
「ルウソさん。
そういうのは疑問に思ったら負けなんですよ」
そんなものなのか。
とりあえず俺は、かぼたんの言うとおり仕掛けを気にせず先へと進む。
扉の中へと進んでいくといかにもな死神の姿をした敵がいたが、かぼたんが触れた瞬間ソウルを全て奪い取られ絶命した。
やはり本気を出した、かぼたんは最強のようだ。
またも石のスイッチを踏んで扉を開き先へと進もうとしたところで何者かの声が聞こえてきた。
「おい、誰かいるのか?
こっちに来てみろよ」
何やら嫌な予感しかしないが かぼたんが乗り気なのでついていくことにする。
はぁ、かぼたんは優しいからなぁ。
困ってる人がいたら放っておけないんだろう。
死神がいた場所のちょうど真下には小部屋のような場所があり、そこに入ってみたのだがそこには槍と楯を持ったいかにもな悪人顔の男がいた。
「どうかなさいましたか?」
「おお、こりゃべっぴんさんだね。
あんたらはまともみたいだな。
てことは貴重な旅の仲間だ。
俺はパッチ、よろしくな。
……そうだ、あそこにお宝が見えるだろう?
あれ、あんたらに譲ってやるぜ、まあ、友情の証ってやつさ」
「ほう、どれどれ」
俺と かぼたんは同時に覗き込んでみたがその瞬間パッチに背後から突き飛ばされ……そうになったが俺は慌てて かぼたんを抱き寄せてパッチの突進を避ける。
「うぁぁぁぁぁぁぁー」
パッチは穴の中に落ちて行った。
「なんだったんだあの男。
人を騙して突き落とそうとするなんてきっと盗賊の類に違いない。
かぼたん、怪我はないか?
まったく誰でも簡単に信じてはだめだぞ」
「すみませんルウソさん。
私てっきりあの人がいい人かと思いまして……」
あぁもう、責めてるわけじゃないんだけどなぁ。
でも可愛いからオッケーオッケー♪
「もうさっさと進もう。
俺達二人が力を合わせればどんなデーモンでも勝てるだろうし」
「はい、そうですね」
そして穴の底に落ちたパッチを放置して先へと進む俺達はまたも襲ってきた死神や金色の骸骨も かぼたんと俺は力を合わせて倒していき、デーモンが待つ部屋に入って行った。
「ウォォォォー!」
出てきたデーモン『古い勇士』は目隠しをした巨人でボロボロの曲剣を闇雲に振り回すだけの雑魚だった。
「一撃の威力はありそうだがこれまで倒してきたデーモンの中でもそこそこってところかな。
かぼたん、ここは俺にやらせてくれ」
かぼたんを後ろに下がらせ、俺は両拳に嵌めたゴッドハンドを打ち鳴らす。
ガッキィィン!
音に気づいた古い勇士がこちらに飛びかかってくるが遅い。
俺は一気に飛び込んで行って『古い勇士』の向う脛を思いっきり殴りつけ、倒れたところをマウントポジションで殴りまくる。
「ちょ、ちょっと待ってください!
勘弁してください。
いやホント、ホントにもう勘弁してくださいって!」
このデーモンも話ができるようだ。
俺は一旦攻撃の手を止め、話を聞くことにする。
「ありがとうございます。
実は僕は『嵐を切り裂く剣』というのを探してここまで来たんですけどその途中で死んじゃってここでデーモンをやらせてもらってたんです。
ほら『古い獣』って名乗るデーモンさんに毎月一定量のソウルを収めればここで『嵐を切り裂く剣』を手に入れるチャンスがくるかもしれないって言われたので」
「デーモンってそんな軽い感じでなれるもんなんだな。
しかし嵐を切り裂く剣か。
かぼたんは知ってるか?」
「私も聞いたことがありませんね。
ここ『嵐の祭祀場』のデーモンの長を倒せば何かわかるかもしれませんね」
「そうか、じゃあ勇士。
俺らと一緒に来るか?
この先にデーモンの長がいるみたいだし、俺は剣なんていらないから見つけたらやるよ」
「ホントですか!?
うわぁ、嬉しいなぁ♪
どうもありがとうございます」
外見とここまで性格が違う奴も珍しいもんだ。
そうして俺は古い勇士を仲間にして先へと進むことにした。
鷹の娘は人化しちゃいましたw
外見イメージはやっぱ「うたわれるもの」のカミュあたりですかね?