ビヨールside
フンムゥゥゥゥゥー!私はビヨール。
ボーレタリアでは王の双剣とも呼ばれる騎士だ。
今日はそんな私の捕まるまでの活躍を語ろうではないか。
ではスタートだ!
~ボーレタリア王城近くの森にて~
……いま私は道に迷っている。
わが友にしてもう一人の双剣の騎士、ヴァラルファクスが命がけで国の危機を知らせてくれたというのに私がこんな所で道に迷っていては仕方がないな。
さてどうしたものか。
……そうだ、まっすぐ走ればどこかに辿りつく!
私としたことが深く考えすぎていたようだ。
がっはっはっはっは!
バキバキバキバキ!
目の前の樹木は全て薙ぎ払い、ようやくボーレタリア王城へとたどり着いた。
最初からこうやってれば良かったんだ!
「陛下のためにも急がねばな。
がっはっはっはっはっは!」
さらにしばらく城を走り回っているうちになんだかんだでボーレタリア王城4へとたどり着いた。
がそこにはかつて共に戦った仲間、『塔の騎士』アルフレッド、『つらぬきの騎士』メタス、『長弓』のウーランという『ボーレタリアの三英雄』の黒ファントムとドラゴン2体がいた。
「貴公らはなぜに仲間の私を攻撃するのだ。
真に陛下のためを思うなら一緒に陛下の名を語るデーモンを倒しに行こうではないか!」
黒いファントムとなってしまってはこの程度で説得できるとは思わんが彼らも元は仲間だったのだ。
できれば穏便に済ませたいのだが、三人とドラゴンは同時に襲ってきた。
「私に敵うと思っているのかこの大馬鹿者がぁー!
騎士としての誇りはもうないのかぁー!」
愛剣のグレートソードが襲ってくるドラゴンを二頭同時に吹き飛ばし壁に叩きつけて気絶させる。
そして左手に持ったボウガンで残りの三人の足を石畳に縫い付け、一番手前にいたアルフレッドに両手持ちに切り替えたグレートソードで斬りつける。
ガキィン
流石だな、塔の騎士アルフレッド。
私のグレートソードの両手持ちによる一撃を防ぎきるとは。
「まだわからぬか!
この国が滅びに向かっていることが!
貴公らはなぜ陛下のためになぜ闘おうとしない!」
口ではそう言うが私はすでに三人の説得を内心諦めていた。
黒いファントムになっているということはソウルの業にとらわれてしまい、もう元には戻れないということなのだろうからな。
もう一度剣を振って今度は盾ごと三人を……かつての仲間の胴体を真っ二つに切り裂いてソウルの業から解放してやろうと思ったのだが、アルフレッドが最初の一撃を防いでいる隙にメタスとウーランは足に刺さった矢を抜き、こちらに構えていたのだ。
「ぬぅん!」
私も慌てて盾を構えメタスのつらぬきに備えたが、なんとメタスの一撃は私の盾を貫通し、そのまま私の鎧まで貫通した。
幸い当たった場所は肩なのでそこまで支障はないがこの三人、以前よりも強くなっている。
ウーランも弓の連射というとんでもない超人技で私に矢を撃ってくる。
しかもその全てが私の盾を貫通し、メタスの剣と同じく私の体を傷つけていく。
「ぐおぉぉぉ!」
だが、亡くなった友ヴァラルファクスとの約束を果たすためにも!
黒きソウルに魅了されてしまった三人のためにも!
「陛下をお救いするためにも!
負けるわけにはいかないのだぁー!」
しかし運悪く先ほどまで壁に叩きつけて気絶していたドラゴン達までもが目を覚まし、起き上がって炎を吐いてきた。
黒いファントムの三人はそれを察知していたのかすぐに離れ、私はドラゴンの炎に焼かれる。
「ぐぅぅぅぅぅぅ!」
私の鎧も盾も炎に関しては最強の防御力を持っているがその勢いに耐え切れず、吹き飛ばされて壁に頭を打ちつけてしまいそのまま気絶したのだった。
……
…………
………………
「……というのが物語の顛末だよ。
そしてそのあと私は君のパパに助けられるまでずっと地下牢にいたのだ」
「そうなんだー、やっぱりルカのパパは強いんだ♪
わーいわーい」
ここは楔の神殿。
ルウソ殿がデーモンとなってしまった陛下を殺したあと、私は他のエリアを渡り歩いていたのだが、することもなかったので剣の修行に打ち込んでたのだ。
決して死んだり逃げたりしていたわけではない。
ただルウソ殿とは顔を合わせにくいのでこうしてルウソ殿がエリアに出向いた時を狙って神殿に帰ってきたわけだが、そのルウソ殿の娘さんから私とルウソ殿の出会いまでの話をせがまれてこうして話をしているのだ。
「じゃあおじさん、次のお話して。
ストーンファング坑道にも行ったんでしょ?」
「あれはそれほど話すことではないのだが……まぁ、いいか。
では最後におまけとして語ろうじゃないか」
~ストーンファング坑道2~
私は陛下を救えなかった失意からあてもなくふらついていたらここに来たわけだが、ここのソウルを奪われた者たちは私を無視して穴掘りに夢中になっていた。
修行には適していなかったのですぐに帰ろうと思ったのだが何やら私を呼ぶ声が聞こえたので向かってみることにしたのだ。
「俺はスキルヴィル。
まだ見ぬ宝を求めてる。
以前にルウソって男にこの下で竜殺しの武器を見つけたら見せてくれるように依頼したんだが、あれから一向に来ない。
あんたはあの人の行方を知らないか?」
この人はルウソ殿の知り合いか。
ルウソ殿はそんな剣の依頼なんてすっかり忘れてるんだろうな。
「ならば代わりに私の剣を見せてやろう。
どうだ竜を壁に叩きつけても壊れることのなかった丈夫さと継ぎ目すらないこの美しいフォルムのグレートソード。
これこそ剣の究極の姿だと思わないか?
まさに竜を殺すための剣だ!」
私がグレートソードを愛用しているのはこの美しさと性能を両立したそのデザインと丈夫さを愛しているからなのだ。
それに見れば見るほど可愛く見えてくるからな、私の剣は。
どうだ、スキルヴィルとやら。
これこそ貴公が探していた竜殺しの剣だぞ。
「……いや、俺が探しているのはそんな剣では(ズドム!)……かはっ」
「可愛いだろ?」
今『そんな剣』と聞こえた気もするが気のせいだ。
このグレートソードこそ剣の極み、剣の究極系だ。
「可愛いだろ可愛いって言え♪」
「か、かわいいです!かわいいです!かわいいです!」
「うんうん、そうだろう、そうだろう。
じゃあお礼は?」
「へっ?」
「貴公はこの剣を見ても何の礼もしないというのか!?
ただでこの剣を拝めると思ってんのかぁ!?」
「ひ、ひぃすいませんでした!
えーっと鉱石くらいしかないんですが……」
「それでは誠意が足らんなぁ、よし感謝の印としてこの『獣のタリスマン』をもらってやろう。
いやー人に親切にするといいことがあるもんだなぁ♪」
「そ、それは大切なものなんですが「あぁん!?」ひぃ!すいませんでいした。
……どうぞ持って行ってください」
がっはっはっはっは!
わかればいいのだよわかれば。
「……という話もあったな。
せっかくだからその時もらった『獣のタリスマン』はルカちゃんにあげよう」
「いいの?
ありがとー♪」
ふふふ、私にも子どもがいればこんなお話を毎日してあげる父親になっていたのかもしれんな。
幼い頃のアリオナ様もこのような愛らしさもあったが今はどこにいるのか……
さて、ルウソ殿に会う前にまた修行に出かけるとしよう。
今度はいつドラゴンに襲われても平気なように鍛えておかねばな。
スキルヴィルのことすっかり忘れてたのでここで出しました。そしてこの先もう一度出ることになりますw
あいつは黒ファンとして出た時、2周目以降だと半端ない強さですからね。
私はNPCの黒ファンは絶対に正攻法で勝たなければ気が済まないのでガチで闘ってギリギリの死闘を繰り広げてます。メフィスト以外で唯一『獣のタリスマン』を持ち、最初のナレーションみたいなのでビヨールやガルと一緒に名前を挙げられるだけあって実はけっこう名が知れている冒険家なのかもしれませんね。