翌朝。目を覚ました俺は、かぼたんが用意してくれた朝食を食べながら今日の予定について話す。
「さて、俺と かぼたんも夫婦になったわけだしルカやタカノや他のみんなも連れてどこかに遊びに行かないか?」
トマスやボールドウィンは神殿に籠りっきりだし、たまには外に連れ出してやらないとな。
ユーリアも怪我はすでに完治してるし。
「いいですね。
やっぱり海というと嵐の祭祀場ですか?
以前泳いだ時はストーンファング坑道の溶岩でしたからね。
普通の人は溶岩で泳げませんし」
「え!?普通の人って溶岩の中で泳げないの?
俺はてっきり、それくらいなら普通だと思ってたよ」
「確かに私はデーモンであることを隠していましたが、私やあなたと違って普通の人は溶岩に触れたら蒸発しちゃいますよ」
まだ慣れない呼称で俺を呼ぶ かぼたんは恥ずかしそうに頬を赤く染めるがその表情はとても幸せそうに見えた。
「ルカは溶岩でも大丈夫だよー♪
ねー、タカノちゃん♪」
「そうだね。
私もルカちゃんもデモンズソウルを体に取り込んでいるので溶岩くらいなら平気ですよパパ♪」
一緒に食事をしているルカと鷹の娘も答える。
というかこの子たちよく食べるな。もうご飯三杯はおかわりしてるぞ。
「じゃあ今日はみんなで海水浴に行くぞー♪」
「「「おー♪」」」
嵐の祭祀場3
かつては影人の司祭が治めていた地で、出てくるモンスターも骸骨やらなんやらのモンスターばかりなのだが、ルウソ達にはそんな事は一切気にならなかった。
「そーれいきますよ~♪」
「えい、きゃはは♪」
「これも人の体だからこその楽しみの一つですねぇ~♪」
かぼたん、ルカ、鷹の娘の三人はボールで遊んだり、きれいな貝殻集めをしたりと、バカンスを満喫していた。
そしてそれを横眼に見ながら俺はかつてなほど集中力を発揮していた。
「トマス。
俺は勝負事には一切手を抜かない主義だから、手加減抜きで潰しにかかるぜ」
「ルウソさん。
俺も戦闘では敵わないけどこういう作業なら決して負けるつもりはないよ」
かぼたん達とは別に、俺とトマスは砂の城作りで熱い男の勝負をしている。
意外なことにトマスの奴は手先が器用なので砂の城が本物の城のように立派なものだった。
しばらく作業を続けていると少し離れたビーチパラソルの舌にいるユーリアがトマスに何やら熱い眼差しを向けているのに気づいた。
やっぱユーリアってトマスに気があるんじゃないかな。
俺もこの二人がくっつくように手回ししてやるべきだろうか。
そんな事を考えながらも砂の城作りには手を抜かない。
可愛い娘たちの尊敬の眼差しを得るために勝たせてもらうぞトマス!
そうしている内に昼になり、一旦勝負は中断。今日のお弁当は、かぼたんとルカだけでなく、ユーリアも参加して作ったらしい。
「はい、あなた。
あーん♪」
「あーん♪」
「パパ、こっちも♪」
「あーん♪」
今日も今日とて相変わらず旨い!
そしてかぼたんもルカも可愛いよ。
本当にこの可愛さは反則だろう!!!
となりを見てみればトマスとユーリアも甘酸っぱい空間を形成している。
「あ、あの、トマスさん。
どうですか?
これ、私が作ったんですよ」
「うん、美味しいですよ。
ユーリアさんは料理も上手なんですね」
「そ、そんなことはない。
黒衣の火防女さん、いや、ズンモデ夫人の指導のおかげだよ。
私は今回初めて料理を作ったのだから」
「それでも美味しいですよ。
ユーリアさんと結婚する人はきっと幸せなんでしょうねぇ」
「…………」
ユーリアはトマスの話なんか聞いちゃいないな。
なんかもう真っ赤になって俯いてしまって途中からもう上の空になっちまってるぞ。
とりあえず二人のことは静観するしかないかな。あまり手助けしても悪いし。
さってと、俺も泳ぐとしますか!
そのまま俺達は遊びまくり、キャンプをして魚を素潜りで捕まえたり、ルカにユーリアが魔法を教えたりと色々と楽しんだ。
スイカ割りもしたかったのだがこの世界にスイカはなかったので代わりにそこらで拾った頭蓋骨を代用してみた。
うん、なかなか面白いなこれ。
その後でキャンプファイヤーを囲んだりしながらデーモン退治という仕事のことなんかすっかり忘れて遊びまくった。
……そしてそれは1か月にも及んだ。遊びすぎたかも!