~心折れた戦士~
あの男、ルウソは王城から帰ってきたが俺に何も言わずに要人に会いに行ったようだ。
まぁ、どうでもいいか。
あの男、ルウソはさらに多くのデーモンを倒したみたいだが結局最初以外俺に話しかけることはなかったな。
まぁ、俺には関係ないか……もう何も考えられない。
神殿の他の連中も俺に気づかない。
誰も俺を見ようともしない。
……あぁ……俺は誰だ?
全部忘れてしまったよ……
そこで俺は何も考えれなくなった……
~ブライジ~
俺は発掘者ブライジ。
こう見えてもあちこちを歩き回り商売をしてるのさ。
そんな俺は現在『嵐の祭祀場』にて地下牢に幽閉されている。
ガシャガシャガシャ
「ブライジさん、ご飯ですよ」
「ああ、すまないね」
食事を届けてくれたのはここの警備を行っているローリング骸骨のイコ・ガーツさん(女性)だ。
彼女は昔からの付き合いでこうして地下牢に閉じ込められたあとも俺の食事の世話なんかをしてくれる……恋人なのさ。
たまに見せる女性らしい仕草に惹かれて一目惚れしてしまったんだよ。
「貴方も本当に馬鹿ね。
酔った勢いとはいえ、今は亡き影人の司祭様の後継者の一人息子、サツキ様に殴りかかるなんて。
サツキ様は貴方のことを殺せと息巻いているけど私達ローリング骸骨衆は貴方が商人として定期的に仕入れてくれていたアイテムにはとてもお世話になってるからなんとか庇えたけど、下手したら死ぬまでこの地下牢に閉じ込められちゃうかもしれないわよ」
まぁ、それはそれで仕方ないさ。
それでもこのイコは俺の恋人でいてくれるんだからね。
「確かに馬鹿だったよ。
普段はあまり酒なんて飲まないんだけどな。
でもサツキさんが許してくれなかったとしてもいつかは俺を助けてくれる勇者が現れるさ。
だからそれまでは気長に待つ、それにイコはずっと俺の恋人でいてくれるんだろ?」
「ええ、私はブライジさんが大好きなんですもの。
こんな骸骨の姿になっても私を異性として好いてくれるのはブライジさんだけだから。
……じゃあ食器はあとで下げにくるからしっかり食べなさいよ。
残したら死刑だから♪」
彼女はそう言うとそっぽを向く。
彼女は骸骨の体だしそれだけで誤魔化せたと思ってるんだろうけど俺にはそれがテレ隠しだとわかったさ。
「何から何まですまないな。
いつか俺が許されてここを出ることができたら君と一緒に他のエリアへの行商もしてみたいんだ。
世界は広いんだぞイコ。
君はこの島で一生を終えたあと、こうして骸骨の姿になって島の警備員になったみたいだけど世界にはもっともっと美しい景色や美味しい食べ物があるんだ。
だから俺はイコと一緒に旅がしたい」
俺だって本当に心を許せるのはイコくらいしかいないんだ。
いつかはこいつと二人で世界を周ってみたいんだよ。
「ふふっ、いつになるかはわからないけどブライジさんと世界を周る旅が出来る日を楽しみにしているわ。
それじゃあ私はサツキ様と一緒に一番目の門の警備に行ってくるから」
そう言ってイコは俺の入れられた牢屋の前から消えて行った。
そしてこれがイコとの最後の言葉となった。
そのあとすぐに島の入り口の要石の近くでサツキさんの悲鳴を聞いたあとローリング骸骨達があわただしく動き回っていた。
騒ぎが収まるとしばらくして他の骸骨が現れサツキさんの死を知らされた。
俺は地下牢から無事に出ることは出来たがイコの行方は誰に聞いてもわからなかった。
「イコ……お前はどこに行ったんだ」
俺はお前との旅を楽しみにしてたんだ。
こうして地下牢からも出ることが出来た。
それからしばらく足が棒になるまで祭祀場の中をイコを探し回ってついに見つけた。
だがようやく見つけたイコは島の入り口付近にある要石の近くに無残にも魔法で身体を貫かれて殺されていた。
死後も何度も何度も執拗に蹴られたのだろう痕跡のあるイコの死体を見つけた俺は泣いた。
誰が俺の恋人を……なぜ殺した……
「う……うぅ……うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉー!」
さんざん泣いたあと、俺はイコの……恋人の死を理解した。
「イコ…………俺もすぐにそっちに行く。
お前との約束はそっちの世界で一緒にしような。
今度こそ二人でいつも一緒に行商をしよう」
……
…………
………………
その後、サツキ亡きあとも警備を続けていた骸骨たちによってブライジの死体が発見された。
イコの死体の側に寄り添うようにして首をかっ切って死んでおり、二人の左手の薬指にはブライジが地下牢にいる時に作ったのだろう、粗末な指輪がはめられていた。
嵐の祭祀場のほかの骸骨達はこの二人の死体を同じ場所に埋葬し、供養した。
その後島を訪れる冒険者は誰もいなかったが骸骨たちはその二人の墓を眺めながら、島を、墓を守っていくのだった……
~ミラルダ~
「誰かー!
たーすけてー!!」
困った。本当に困った。
私は断罪者としての使命を果たすべく処刑場で何人か殺してきたあと、いつものように幽閉中の魔女のユーリアを嬲って楽しもうと思ってたのに処刑場を出るための格子戸には鍵がかけられているのだ。
「私が断罪者と知っての所業かー!
誰でもいいから助けてー!!!」
恥も外聞もなく助けを求めるが誰も助けは来ない。
そうして日は登り、日が落ちて。
そんな事をもう何度繰り返しただろうか。
私の体は朽ち果て、いつのまにかソウル体となっていた。
そしてそれからさらにしばらくすると体がだんだんと黒くなっていき、黒いファントムとなった頃にようやく格子戸が開いた。
ソウル傾向が格子戸に関係していたようだ。
ようやく出れた喜びを噛みしめながらユーリアをいじめに帰る前に鍵を掛けた犯人をとっちめてやろうと思ってファランクスの部屋への門(ルウソが最初に壊した門)を通らず、左へ走って行ったのだが、その途中に脚を滑らせてぽっかりと空いた大穴に落ちてしまった。
「うわぁぁぁぁぁぁー!」
まさかこんな大穴が一番最初のステージである王城1にあったとは知らなかったよ。
次に生まれ変わることがあったら脚元をよく見なきゃね……
~その時のオストラヴァは~
「む、誰かの悲鳴が聞こえたような……
だが私には関係ないことさ、早く誰か助けにこないかなぁ~」
今だに奴隷兵から逃れるために安全地帯に座り続けているのだった。
~古い勇士~
「ルウソさんたち遅いなぁ、もう嵐の王を倒したかなぁ」
あれからどれくらいの時間が経ったかわからないけどもう太陽が30回は登っては降りてというのを繰り返したなぁ。
なんか遠くからルウソさんたちの声が聞こえるけど死んでないならその内僕のことも思い出すよね。
もうしばらく待っていようっと。
……
…………
………………
そうしてその場でじっとしていたら体にコケが生えてきた。
それに死神さんが作るジャンガジャンガしてくる幽霊みたいなのを食べてソウルを吸収していたら身体もさらに大きくなってきて身動きが取れなくなってきた。
どうすればいいんだろう……
こうして僕はさらにじっとしていたら体の中のソウルが石のように固形化してきたのに気づいただがその時にはもう完全に動けなくなっていた。
そしてついに僕は完全に石になってしまったのだった。
後に嵐の祭祀場1で警備にあたっていた骸骨達が男の死体と仲間だろう女性の骸骨の死体を担いで僕の身体を墓石の代わりとして使ったので二人の男女の死体を見守る像、的なものとなり永遠の時を過ごしたのだった。
心折れた戦士はもう完全に空気でも良かったんですが、原作通り段々存在の力が薄れていきましたとさ♪
ブライジの話はなんか暗くなりすぎかもしれませんね。というかルカが悪者みたいに感じる。
ガイコツサッカーの裏ではこういう悲劇もあるということですね。
古い勇士はなんかいらない子になっちゃったけど、とりあえずどうなったのか気になる人もいるかもしれないと思い書きましたw
ルウソ達はすっかり忘れてこの時浜辺の方でビーチバレーや砂の城を作って遊んでいたとさ♪
まぁ、めでたし、めでたし。と、つければ上手くまとまってるでしょう。