読んで楽しむデモンズソウル   作:ヨイヤサ・リングマスター

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ルカinストーンファング坑道2

 ストーンファング坑道最下層、竜の墓。

 

 そこにボールドウィンとエドはいた。

 

 

「「ボー爺ちゃーん♪」」

 

 

 ルカとタカノはボールドウィンの背後から飛び付いた。

 

 

「うぉう!な、なんと!!」

 

 

 あまりにも突然の展開だったからか驚きの色を隠せないボールドウィン。

 

 

「えへへ、ボー爺ちゃん久し振り♪」

 

 

「爺ちゃんに会うためにこの国に来たんだよー♪」

 

 

「こ、こら、離れんか!

 久し振りじゃと言うのにお前ら子どもの頃と変わっておらんじゃないか!」

 

 

 ツンデレのボールドウィンは照れくさいやら恥ずかしいやらで直になれないでいるがどうやらまんざらでもないようだ。

 

 

「あー、ボールドウィン様。

 では私は下がっておりますので何か用がありましたらなんなりとお申しつけください」

 

 

「そ、そうか。

 それじゃあまたあとで頼むぞアシタカ」

 

 

 アシタカもボールドウィンがツンデレなのは知っているので邪魔をしないように静かに下がった。

 

 この辺が割と長く仕えているアシタカの観察眼でもある。

 

 彼が『タカアシ鎧蜘蛛』というデーモンの時は前に向かって炎と糸を飛ばすだけで背後に回られたら何も出来なかったのは『古い獣』による人格支配が原因だっただけであって本来は思慮深さとそれなりの実力を兼ね備えたデーモンだったりする。

 

 

「……ボールドウィン。

 儂の紹介は無しか?」

 

 

 アシタカが去ったことでこれでも王としての政務に忙しいボールドウィンは久しぶりの可愛いルカとタカノと一緒に遊ぼうと考えていたがその思惑を邪魔する者がいた。

 

 

「エドよ。お前さんは二人とは面識がないんじゃから紹介なんぞいらんじゃろ。

 そのまま王としての政務を続けておれ。しっしっ」

 

 

「何を言うんじゃ!

 お前さんこそ『古い獣』が現れて真っ先に楔の神殿なんぞに逃げ込んだ臆病者のくせにそんな可愛い子達とずっと生活してたんじゃから儂に代わってくれてもいいじゃろうが!」

 

 

「ワシは別に臆病だから逃げたわけではないぞ。

 あれは神殿の方が人の通りが多いと思ったからあっちで仕事をしとっただけじゃ!

 『デモンズソウル』を使った武器の強化はエドのみの技術なんじゃからいいじゃろうが!」

 

 

 何とも醜い年寄り同士の喧嘩。

 

 ルカとタカノはただ眺めているしかできなかった……訳ではなかった。

 

 

「ちょっとちょっと!

 二人とも喧嘩しちゃ駄目ですよ!」

 

 

 下手なデーモンよりも最強と言われる二人の喧嘩の仲裁をしたのはタカノ。

 

 

「そんなに喧嘩するんだったら鍛冶で勝負したら?

 ルカとタカノちゃんに何かプレゼント作ってよ♪

 デモンズソウルも好きなように使っていいからさ」

 

 

 そしてちゃっかり自分達の得となるように話を持っていくルカ。

 

 この辺りは父親であるルウソに散々教育されているのでちゃっかりしたものである。

 

 

「確かにそうじゃのう。

 よしエド、ワシと勝負じゃ!」

 

 

「ふふん、まずはその自信を根底から打ち砕いてやるわいボールドウィン!」

 

 

 かくして二人の鍛冶屋にしてこのストーンファング坑国の王による熱い戦いは始まったのだった。

 

 

「ルカちゃんこれが狙いだったの?」

 

 

「ふふっ♪ この先の旅を楽しく楽に過ごすための発明が欲しいんだよね♪」

 

 

 ボールドウィンとエドはそれぞれに工房に籠り炉に火を入れる。

 

 

「エドよ、儂はお前とこのように勝負をする時が来ると……全く思っていなかったぞい」

 

 

「奇遇だな、ワシもこのような展開なんぞ予想しておらなんだぞ」

 

 

 そしてとくに開始の合図もなく、だが同時に慣れ親しんだ金槌を手に取った二人は鍛冶仕事に取り掛かる。

 

 二人ともすでにルカとタカノが目に入っていないようだ。

 

 

「ルカさん、タカノさん、お二人にお話があるのですが少しよろしいでしょうか?」

 

 

 エドとボールドウィンが鍛冶を始めてすぐにあらわれたのはアシタカ。

 

 

「お二人は人助けの旅をしていると聞いたのですが少し助けてほしい人がいるのですよ」

 

 

「いいわよ。

 ルカとタカノちゃんに任せればどんな問題でもたちどころに解決してあげるわ♪」

 

 

「そうね、なんてったって依頼達成率100%だもんね♪」

 

 

 まだボーレタリア王国でアリオナ王を一人救った(?)だけなのだが二人にとってはすでにこの旅は成功しかない旅という認識となっているのだった。

 

「それではこちらへ。

 我が主は鍛冶を始めると周りの声も聞こえないので気にしないでください。

 ボールドウィン様もエド様も鍛冶馬鹿でさえなければいいのですが……」

 

 

 ぶつぶつと文句のようなことを言うアシタカ。

 

 ボールドウィンに心酔している彼でもボールドウィンの鍛冶馬鹿と兄エドとの勝負に熱くなりすぎるところにうんざりしていたのだろう。

 

 

「ところで誰を助ければいいの?」

 

 

 ルカのこの質問にアシタカはためらいながらも答えた。

 

 

「私たちと同じ人間界で生活するデーモン、『炎に潜む者』です」

 

 

 それは父から聞いていたデーモンの中で最も気持ちのいい漢の名だった。

 




 鍛冶屋兄弟の発明はどうなるのか!?

 そして『炎に潜む者』はどうなってしまったのか!?

 次話に続く!
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