読んで楽しむデモンズソウル   作:ヨイヤサ・リングマスター

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ルカin腐れ谷2

 爽やかな香りが鼻腔をくすぐり、スプーンで掬って口に入れるまでの間をその色鮮やかな輝きで魅了し、一口食べれば天にも昇るほどの甘味。

 

 腐れ谷名物『腐れトマト虫プリン』は絶賛発売中である。

 

 材料は知らない方がいいと思います♪

 

 

「お味はどう?」

 

 

「もう最高ですよアストラエアさん♪

 私たちなんかのためにこんなにしていただいてありがとうございます」

 

 

「なに固くなっちゃってるのよタカノちゃん。

 ルカ達は世界の英雄にしてアストラエアさん達の個人的友人関係でもあるパパとママの子どもなんだからもっと自然にふるまったら?」

 

 

 さて、現在腐れ谷の『アストラエア王国』にて女王アストラエアも交えたお茶会をしているルカとタカノ。

 

 アストラエアは二人を親友の子どもとしてだけでなく、自分にとっても娘のような存在として扱っているのでタカノももう少し気楽にしてもいいのだろうがこの辺は母親である かぼたんに似たのだろう。

 

 反対にルカは自分の家のようにふるまっているが。

 

 

「ところでルカ達がラトリアで受けた依頼なんですが、ラトリアに最近越してきた腐れ谷出身の方の妹さんと連絡が取れないから確認するように言われてきたの。

 あ、これがその人の住所ね」

 

 

 スプーンを片手に、懐から無造作に取り出した依頼内容の書かれた紙をアストラエアに渡すルカ。

 

 

「……あぁ、この娘ね。

 この娘ならこの城で私のメイドとして働いていたけど、この間から休暇中なのよ。

 だったわよね、ガル?」

 

 

「はい、有給休暇を使い、一か月ほど休んでいたかと思います。

 今日も休みの予定になっていますね」

 

 

 アストラエアの突然の疑問にも資料を見ることもなくすぐさま応えるガル。

 

 アストラエアは女王として人を引き付けるカリスマ性は持っているのだが以外と抜けているところも多いために、ガルは人事などの本来の騎士としての職務とは違うことまでも幅広くこなすのでメイド達一人一人の顔と名前も全て記憶していたりするのだ。

 

 

「一か月の休んでるなんてちょっと異常じゃない?

 というかそんなに休んでも大丈夫なんですか?」

 

 

 大分雰囲気にも慣れてきたタカノがそれに対して質問するがアストラエアは何が疑問なのか分からないといった風にガルに尋ねる。

 

 

「一か月も休んだら異常なの? ガル」

 

 

「陛下、この城で働いている者は有給休暇が有り余っていますのでこれまで休みなく働いてきていた彼女には問題ないレベルだと思います。

 まぁ休んでいる理由に関してはこの間ボーレタリア王国の王との見合い話を会う前に断られたことが原因かもしれませんが」

 

 

 アストラエアは詳しいことは知らないがガルは問題ないと言う。

 

 このアストラエア王国は実におおらかな国民性でもあるために余所から来た人は戸惑うかもしれないが時間や金銭の感覚に乏しく、腐れ谷の住人達は基本的に好きな時に働いて好きな時に休むという感じでやっている。

 

 それでも城で働く者は皆、アストラエアに惹かれて志願してやってきたこともあり、人間よりもずっとタフな『腐敗人』という種族なので怪我でもしない限り毎日休みなく出勤しているが。

 

 ……大半の人は予想出来ていると思うがルカ達の依頼人の妹さんが休んでいる理由は見合いを断られたのが一番の原因だったりする。

 

 ちなみにその時に今だに復興作業が遅々として進まないボーレタリア王国はアストラエア王国だけでなく他の国からの援助も絶たれていたりするのだが。

 

 

「あー、そういえばボーレタリア王国ったらお見合い話を自分達から持ち掛けておいて断っちゃったんだっけ。

 それで資金援助もストップしちゃったしそろそろ国が崩壊するかもね」

 

 

 終わったことには興味を失くしているアストラエア。

 

 瑣末なことにはこだわらない子どもっぽい女王は最愛の騎士に食べかけのおやつをスプーンですくって差し出す。

 

 

「とりあえずガル、あ~ん♪」

 

 

 

 バカップルというのは最高の褒め言葉だとアストラエアは思っているのでこれは本人にとっては日常でしかないのだ。

 

 

「くっ、陛下。

 それはさすがに人前ではその……」

 

 

「はい、あ~ん♪」

 

 

「……あーん」

 

 

 結局根負けしたのはガル。

 

 武勇に優れた騎士であり、この国の兵士の中でも一番強いガルだが、それでもこの可愛らしい妻であり、女王であるアストラエアには勝てないのだった。

 

 というかその凄まじい眼力は百戦錬磨のガルを圧倒した。

 

 

「……なんか邪魔しちゃ悪いですし、その人の居場所も分かったことだしルカ達はこれからすぐに向かうね」

 

 

「あ、それなら私たちも付いて行こうかしら♪

 ガル、今日のこの後の予定ってなにがあったかしら?」

 

 

「はい、今日の予定はこのあと何があったとしても陛下はルカちゃん達に着いていくだろうと思い、全てキャンセルしておきました」

 

 

 この辺がさすがと言える腐れ谷アストラエア王国一の騎士ガル・ヴィンランドの先読み能力。

 

 アストラエアの考えなら全てお見通しなのである。

 

 そしてアストラエアはその読み通り今日はもう仕事をする気はない。

 

 

「決まりね。

 それじゃ私たちも一緒にいくからそんな問題さっさと片づけちゃいましょうよ♪

 ラトリアとも国同士の仲が良いに越したこと無いしね」

 

 

「……女王ってそんな簡単に休めるんですね」

 

 

 タカノのツッコミは見事にスルーされ、ガルは「これがこの国の女王ですので」と半ば諦めたような顔で言ったのだった。

 




 ~オリジナル『デモンズソウル』活用武器第一段~

 『終わらせる苦痛の針』

 この武器は使い道が名前の理由を嫌というほど理解させる武器マンイーターのデモンズソウルで作られる『終わり無き苦悩の針』の改良版として考案。

 攻撃の時に所持ソウルの一割を消費してソウル量に応じたダメージを与える(つまり10回しか攻撃は出来ない)。

 ソウル量=ダメージ量となればまさにチート武器に早変わり♪

 『刺剣』、必要能力値:筋力6、技量20、魔力20。 攻撃力:物理10、魔法50。

 こんな武器なら欲しいなぁ♪
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