要人の話を聞いたあと、俺は階段を降りて次のデーモンを殺しに行こうと思ったんだが、かぼたんがいたので再び声を掛けた。
「やあ、要人に会ってきたよ。
なんか自分の失敗を人に押し付けるような嫌な奴だったけど」
「……確かに嫌な人ですよね。
わ、私もここに長い間縛られているのでよく知ってます」
「もしかして何か嫌なことされてんじゃないのか?
だったら俺に相談しろ。
いつでもあんな奴ぶっ飛ばしてやるからよ」
「あのそのえっと、いえ、要人はあれでも必要な方なのでそんなことをされては……」
やっぱ駄目か。この娘は本当に優しいんだなぁ。あんな嫌な奴を庇うなんて。
「ところであなたもソウルの力を求めるのですか?」
ん?ソウルの力というとさっきのボーレタリア王城で敵を倒したら体に吸収されていった力のことか?
「いや俺はいいよ。
力はすでに持っているから。
ところで君はここで何をしているんだい?」
「私、ですか……?
あなた方デーモンを殺す方々のためにこの神殿の灯をまもっています。
これからまたデーモンを殺しに行くのでしょう?
またお待ちしております、デーモンを殺す方。
私はただ「あー堅苦しいよ」へっ?」
「俺の名前はルウソ・ズンモデ。
気軽にルウソと呼んでくれよ。
俺はあんたのことが気に入ったんだ。
これから長い付き合いになりそうだし、もうちょっと砕けて話そうぜ」
俺が思うにこの娘は今まで誰からも人として扱われたことがないのだろう。
眼がつぶされて服もボロキレしかないんじゃ、初対面の者には嫌われてしまうとでも思ってるのかもしれねえが俺は断じてそんなことは認めねえ!俺がこいつの友達になってこいつを幸せにしてやる!
「はい、ありがとうございます。
ではルウソさんとお呼びしますね」
「その辺は好きにしてくれ。
俺はあんたの笑顔が見てみたいんだ。
これからもよろしく頼むな(ニカッ)」
俺自身笑顔になるなんていつ以来だろうか……。やはりこの娘には人を元気づける力があるようだな。
最高神のことなんかもうどうでもよくなってきたな。この娘のためなら何でもできそうな気がする。
「ではルウソさん。
いってらっしゃいませ。
私はただあなたのためにいるのですから」
そう言われるとうれしいな。では言ってくるとしようか。
そうして俺は再びボーレタリア王城の要石を使ってデーモンの跋扈するエリアへと向かっていった。