俺は再びこのボーレタリア王城に来た。
要人が最後におまけとして他のエリアも解放したので別に攻略する順番はここじゃなくてもいいのだが何となく左から順番の方が気持ちいいのでここを選んだのだ。
ファランクスの要石からまっすぐ進む最初にはぐれファランクスの群れが大量発生していた。
どうやらここに大量発生したものがさっきのでかいファランクスになったのかもしれないな。
その先も道中かなりの数の奴隷兵がいたが全部適当にあしらいながら進む。
「それにしてもここは長城か?えらく長いな。
とりあえず向こうに見える門をくぐればこのエリアのデーモンに会えるのだろうし、ひたすらまっすぐ進むしかないか」
俺は少し面倒に思いながらもひたすら歩いていたのだが、その時背後からデーモンの気配を感じて慌てて道の端に避ける。
「ギャォォォォォォォォォォォォォォォォォ!」
「うおっ!
こいつはさっきボーレタリア王城に来てすぐに見かけた奴隷兵を食ってたドラゴンだな。
こいつもデーモンのようだし、殺しておくか」
俺は近くに転がっていた奴隷兵の死体から折れた直剣を拾い、ドラゴンに投げつけた。
「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
ドラゴンはそのまま落下してきて死体を残さずに消えた。
「やはりこのドラゴンもデーモンか。
しかしデーモンってのはなんで死体が残らないんだろうな?
肉体をソウルで形作ってるから死ぬと同時にソウルを肉体として維持できなくなるから死体が霧散するのだろうか?」
元人間だったような奴隷兵は死体を残すのでこの疑問の答えなどこんなところだろう。
そしてついにデーモンが待つ門の前まで来た。
最後の守りのつもりなのか弓兵が大量にいたがあっさり撃破する。そのあと青い眼の騎士が二人して襲ってきたがそれも俺の拳であっさり鎧に大穴を開けられて絶命した。
「ん?こんなところに鍵のかかった扉が……」
青い眼の騎士を撃破したところで妙な扉を発見した。
「まぁ、人の気配もするし、生きてる人間でもいるのだろう。
覗いてみるか」
とまぁ、そんな軽い気持ちで鍵を破壊して階段を降りていく。
人助けもとい、神助けとしてこの世界に来たんだし、困ってるなら助けてやろう。
ふむ、どうやらここは地下牢のような場所らしい。
そう考えながら辺りを見渡していると突然炎が飛んできた。
「ウヘヘヘヘヘヘヘヘ」
なんとも下卑た笑い声を上げるのはいやらしい笑みを浮かべたデブだった。
こいつは話に聞いていた『王の公吏(こうり)』だろう。
王の権威を勝手に振りかざして民衆を苦しめていたという話を聞いている。
のそのそと接近してクレセントアックスを振りかざしてくる。
だがあまりにも動きが緩慢だったのでその太った腹を拳で貫通させたらあっさりと絶命した。
そして再び牢屋を見てみると一人の男が閉じ込められていた。
鍵を壊して中に入ってみると、
「私は解放されたのか?
フンムゥゥゥゥゥ……
そうだ!あのブヨ虫め。許さんぞ!」
中にいたのはゴツイ鎧に長大な剣と盾を携えた大男だった。
俺も背は高い方だがこの男は俺よりもでかいな。
「おいアンタ、ブヨ虫ってのはあのデブだろ?」
俺はさっき殺したデブの死体を指差した。
「ん?貴公は?……そうかあのブヨ虫を殺して私を救ってくれたのか
我が名はビヨール。
オーラントの双剣の一。
貴公には感謝する」
なるほどこの人があの双剣のビヨールか。
最高神や神殿などでの知識を総合すれば確か最後まで勇敢に戦ってこの牢屋に捕まってたんだっけな。
「とは言え、何も出ないぞ。
何も持っていないからな。
さぁ、私は眠る。先に行け。
グォォォォォォ……」
寝た
この人はずいぶんと豪快な人だな。こんな場所で眠れるなんて。
まぁ、俺も本来の目的のデーモン退治にでも行くとするか。
そして再び階段を登り、色のない霧で遮られたデーモンのいる場所へと入っていった。
ガチャガチャガチャガチャ
場所は四方を高い壁に囲まれた場所でその中心には見上げるほどでかい騎士の姿をしたデーモンがいた。
そして左右の壁からは弓兵がこちらに狙いを定め、先ほど殺した微笑みデブの仲間らしき公吏もいた。
「なるほど最高神が俺に頼んだのがわかってきた。
この世界のデーモンが相手では最高神であっても勝つのはきついだろうからな。
俺でさえこの世界のデーモンには殺されかねないからな」
弓矢くらいなら俺の体に刺さるとも思えないがうっとうしいので、一気に壁を駆け上がり弓兵を皆殺しにした。
そして邪魔者を始末したあとでこのエリアのボス、塔の騎士と向かい合う。
王の公吏は弓兵に指示を出したらさっさと逃げてしまったようだ。
「かかってこい塔の騎士。
俺の拳でお前の呪われたソウルを解放してやる」
ズドォォォォォン!
塔の騎士は何も言わず、その自慢の盾を地面に叩きつけてきたが俺の動きを捉えることはできないようだ。
そして一撃。
まずはそのご自慢の巨大な盾を思いっきり殴った。
するとただ殴りつけただけで塔の騎士の持つ全身を覆い隠す巨大な盾がたった一撃で粉々に砕け散った。
だが俺の攻撃はまだ止まらない。
二撃目で足を殴り転倒させ、三撃目をその頭蓋を叩きつけた。
その瞬間塔の騎士と目があったがその目はなぜか誇らしげで、俺に感謝をしているようでもあった。
「さらばだ塔の騎士。
出来ることならお前が人間であった頃に一度正々堂々と闘いたかったよ」
塔の騎士はそのまま霧となって消え、それと同時に現れた要石を使って俺は神殿に戻った。