恋心短編集。   作:冴え渡る

1 / 18
幼馴染からスタート


心の繋がり。
気に入らないあいつ。


私の家のとなりにはある男の子が住んでいる。

その男の子は昔から隣にいて、私とその子は所謂『幼馴染』というやつだ。

 

いつも一緒いる、とか

 

あだ名で呼び合うほど仲がいい、とか

 

そう言う事はないのだが、それでも偶に廊下とかで会ったときに話すくらいには気を許している。

 

 

中学は女子校に通っていたのでその子とは離れ離れになってしまったのだが、高校は同じ所になり数年ぶりに再会した。

 

 

彼は昔から面倒臭い事が嫌いで、やれば出来るのにやろうとしない。

運動や勉強はその気になれば学年一位ぐらい簡単に取れるのではないだろうか?

その上自分の身の回りの事は必要最低限しかしない。

 

休み時間は机に寝そべっているし、授業中は教科書は机の上に置いたまま。

ノートは取らないで黒板を丸暗記するのだそうだ。

昼は水筒のお茶を飲むだけで後の時間は図書室へ行ったまま授業が始まるまで戻ってこない。

 

そのズボラさから一時期いじめの対象になっていたが彼は全く気にしておらず、いつもと同じように学校生活を送っていた。

 

私が助けようとしても『いらない』の一言で済ませてしまい、私は何もできなかった。

 

2年に上がった頃に彼から『涼宮ハルヒ』に似ていると言われた。

私は今まで髪を伸ばしていたが彼にそう言われた日、なんとなく髪を短くし丁度ハルヒと同じ長さにした。

 

 

 

 

髪を短くしてから告白される事が多くなった。

私は自分の目から見てもスレンダーという体型には程遠い。

男の友人曰く、少し肉付きが良いこの体ぐらいが一番男子の目から見てエロく見えるのだとか。

一週間後、その友人からも告白された。

 

 

特に理由は無いのだが告白は全て断った。

何故だか受け入れる気にならないのだ。

 

 

 

 

ある日の事、私の体育着が盗まれた。

 

クラスメイト曰く、犯人は幼馴染のあいつだそうで。

私は彼に本当にそうなのか問い詰めたが、彼は少し考える素振りをした後に自分がやったと言い、全く否定しなかった。

 

 

担任は私に、すぐに親を呼び迎えに来てもらうように言った。

おそらく私の精神衛生上良くないと思ったのだろうが、不思議と私の気分は悪くなっていなかった。

 

 

次の日、学校に行くと彼は3週間の停学処分を受けていた。

クラスメイト達は各々、自業自得だの天罰だの言っていた。

私は少し気分が悪くなり、仮病を使って保健室で1日を過ごした。

 

 

 

 

 

 

彼の停学処分が解ける1日前、担任の職員ロッカーの中からわたしの体育着ての下が見つかった。

担任はその日から学校に来なくなり、クラスメイトはその日は何も喋らなかった。

 

 

彼が戻ってくると、みんなはそれぞれ彼に向かって謝った。

彼は『別に』とか『そうか』とかばかりで、クラスメイトの謝罪なんてちっとも聞いていなかった。

彼は昼休みに職員室に呼ばれた。

何故嘘をついたのかを聞かれたそうだ。なんとなく、と答えた彼を先生達は寄ってたかってみんなで叱った。

 

彼は何事も無かったように自分の席に着いて眠りについた。

 

 

彼は自分が損をするのを気にしない人間のようだ。

だから私は彼に聞いた。

 

どうして平気でいられるのか、と。

 

彼は答えた。

『自分がした行動で一番簡単に問題が解消できるなら、その行動は間違っていない』と。

 

私はその答えを聞くと何故かはわからないが涙が出てきた。

そのまま走って家まで帰った。

 

 

 

 

彼は次の日もいつもと同じように学校に来ていた。

まだ昨日と同じように思っているのか聞くと、彼は肯定した。

 

私は彼の考えを認めたくない。

彼の考えは間違っていると思う。

だから

 

 

 

 

 

 

彼の隣でいつか認めさせるのだ。

 

 




これで終わりじゃないぞ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。