オラリオのある所
「ここどこだよー!この地図本当にあってんの?」
1人の神様が迷子になっていた。親友であるヘファイストスに貰った教会とは反対の位置に存在するはずである新たなホーム。しかしウラノスから貰った地図では、着くこと出来ない。日が暮れるにはもう少し時間はあるが、ヘスティアは歩き疲れていた。それはもう野宿の準備をするぐらいには。
「おい。なにをやっている?」
そこに突然不機嫌そうな声をかけられ、ヘスティアは飛び上がり落ちる勢いそのまま土下座をした。
「ご、ごめんなさい!べ、別に怪しいことをしているわけではないから見逃して!」
「はぁー。そうじゃない。何故未だにこんな所に居るんだ?いや、あいつの地図で辿りつける方がおかしいのか。まぁいい付いて来い。案内してやる」
ヘスティアは恐る恐る顔あげると見た事のない美女が自分を見下げていた。そして言い終わるやいなや後ろ向き歩き出した。
「ちょっ!ちょっと待って!待っててば!」
それを何とか追いかけてヘスティアは遂に目的地に辿り着く事がてぎた。
「えーと。貴女はだれ?や、案内してくれた事は感謝して居るけど。まさかウラノス様がここまで用意してくれる訳ないと言うかなんと言うか。べ、別にウラノス様を貶すとかじゃ無いんだけど」
「そうだな。あれはそこまでいい奴でも無いからな。ただここにいる奴の兄の方がオレの可愛いがってるやつでな。少し新しい主人を見たくてな。それとあれの思い通りにもしたく無いから初期装備は用意させて貰う」
ヘスティアは再び混乱していた。自分達の中でも別格とされるウラノスをあれ呼ばわりする目の前の女性が何者なのか。恐らく自分のファミリーになる可能性があった超絶クールな最強美人だと思うが、借金の取り立てにも来るらしいから。でも仲が悪いのかと思ってしまう。
「どうした?オレの顔に何か付いているのか?」
無意識のうちに見つめていたのか睨まれてしまうヘスティア。
「べ、別に、ななな何も付いて無いです!そその、名前を教えて欲しいと思いまして」
「ああ。そうだな。……そう言えばここでの名聞いてないな。師匠とでも呼んでくれ。……そろそろ起きるだろうから神の恩地を与えてくればどうだ?部屋は二階の一番奥だ」
「う、うん。そうしようか」
ヘスティアは混乱しながら言われた部屋の前に立ち心の準備をする。
「よし!開けるぞ!僕の初めての家族だからしっかりとしないと」
ヘスティアは自分に言い聞かせるように呟きドアを開ける。そして見たのは自分に迫る白い何か。
「へぷっ!?」
何かが顔にぶつかり変な声を出しながら後ろによろける。そして勢いよくドアは閉められた。
ヘスティアは呆然とし師匠のいる部屋へとフラフラと歩いて行った。
「もう終わったのか?意外と早く終わるな」
「ち、違うんだ。部屋を開けたらいきなり何か顔にぶつかったから。またぶつかるのが怖いから戻ってきたんだ」
ヘスティアは自分の身に起きた事をそのまま伝えると、師匠は何か納得した顔をした。
「それはお前がファミリーを手に入れるための最初の試練だ。あんたも神様ならそれぐらい乗り越えてこい。それにソロソロ飯だ、作っといてやるから早くして来いよ」
「わ、わかったよ」
ヘスティアはそう言い再び二階へと上がって行った。
……まな板を片手に持って