宿泊研修ですね
IS学園食堂
「い、急いでください雲雀さん!」
「大丈夫ですよ、事情を言えばわかってもらえますから」
「それでもですよ!」
「まぁ、事故が起こってしまったんですから仕方ありませんよ」
「あー!いいから急ぎますよー!雲雀さんに遅刻なんてさせませんからね!」
2人...雲雀と楯無は目的の場所に到着した。楯無が雲雀の手を引っ張り目的地のホテル内を走り、宿泊研修のオリエンテーションが行われている広場に向かっていた。
「そこを曲がって真っ直ぐ行けば広場に着きますよ」
「なんで私が連れて行っているんですか!?普通逆ですよね!?」
そう言いながら、広場であろう所の大きい扉の前に着いた。なんとか着き、安心したが実際遅刻していることに気づきまたもや安心できなくなっていた。
「これ入って大丈夫ですか...?」
「大丈夫だと思いますよ。今は確か今回の宿泊研修のゲスト講師を紹介している時間ですから」
「なら、早く入りましょう!」
そして、扉に手を付けた時に楯無は気づいた。
自分は卒業生でもなんでもない部外者。そんな人がここに入っていいのだろうかと。
だが、もう手遅れで扉は開いてしまった。
「し、失礼します......した...?」
何故か疑問系になってしまった楯無。
中にいた大人数の人が楯無と雲雀の方を向き始めた。
中に入り終わり、どうしようかと考えている楯無だったが、異様にもこの場はとても静か過ぎていた。
周りを見るとひそひそと2人の方を向いて喋る生徒らしき制服を着た者たち。
壇上の上に立っている大人たちもこちらをじっと見つめていた。
「あ、あれ...?これってもしかして.............まずい?」
何故、こんなことになっているのはIS学園を出発したすぐのことである。
◇
「準備できましたか楯無さん?」
「はい、昨日の内に荷物はちゃんと確認しましたので大丈夫ですよ!」
2人の足元には、キャリーバックやら大きめのバックが置いてある。これから雲雀のもう一つの仕事場の遠月学園の行事の宿泊研修に向かうところだった。
「楯無さん...荷物が多いようですが..あちらに泊まるのは2日くらいですよね?」
「え?何を言っているんですか雲雀さん?そんなの最初から最後まで私は雲雀さんと一緒にいますよ」
楯無の言葉に雲雀は"何を言っているのかなこの子"みたいな顔をした。
「...え?それは初日から最終日の6日間参加するつもりですか...?」
「もちのろんですよ!当たり前じゃないですか!!」
腕を腰に置きそして胸を張る楯無。そんな楯無にあることを思いついた雲雀。
「ですが、さすがに6日間学校を休むのはまずいのでは...?」
「ふふふ!大丈夫ですよこれでも私は優等生ですから!」
「それってあれですね。妹の本で読んだ"優等生(笑)"ですよね」
「違いますよ!?どんな本ですかそれ!?」
優等生(笑)を否定する楯無は雲雀の妹がどんな本を読んでいるのかすごく気になった。
「違うんですか?まぁ、そんなことは置いておいて休んでも大丈夫なら安心しました。許可が無くて6日間も学校を休むと千冬に怒られてしまいますから」
そんなこと!?っと楯無が落ち込んでいる中、許可が出されていることに安心していた。
「それならそろそろ出ましょうか。奥様方にも6日間の休みは伝えたら食堂は任せてほしいと言われて安心できますしね」
「そうですね...早めに行って損は無いですからねー...」
2人はIS学園を出て近くのモノレール乗り場まで歩いた。そこから乗換えなどを使い遠月の宿泊研修場の遠月リゾートに行く。
「この時間なら生徒さんたちより早めに着けそうですね」
「こう言う時って、何かしらトラブルが起きたりしますよね」
「何を言っているんですか楯無さんったら」
楯無が変なことを言っているのをあまり気にしないようにモノレールに乗る雲雀。その後を追って楯無もモノレールに乗る。
「事故なんてそうそう起こりませんよ。それにここはまだIS学園の敷地内ですし...」
「雲雀さん...その言葉は...」
何かを察したのか楯無が額に汗を垂らす。
その時、モノレールがIS学園と本土を行き来する中間の場所で止まった。
「あはは...嫌な予感がこうも....」
「あらあら...まさか本当に起こってしまうなんて」
雲雀は落ち着いている。このモノレールには雲雀と楯無の2人のみだった。
止まった所が悪く真下は海でどう考えても移動手段がない。
『システム障害が発生しております。もう少々お待ちください』
「システム障害ですか...それなら仕方ないですね」
「で、でも...このタイミングは...おかしいですよ」
落ち着いている雲雀の隣で楯無はこのトラブルについて考えていた。
「まぁまぁ、深く考えてもここから動けないことには変わりませんからゆっくりしてましょう」
「ひ、雲雀さん...確かに時間はまだありますけど...はぁ...わかりました大人しくしています」
いざとなれば楯無がISを起動させて移動やレールの上を歩いていくことも可能だと楯無は考えていた。
だが1時間経過してもモノレールは動かなかった。楯無は本当にISを起動させようと考えているところだったが、隣で雲雀がすやすやと寝ている姿を見た途端まだこの顔を見たいと大人しくなった。
「ふぅ...なんとかモノレールが動いて降りられましたね」
寝起きなのか少し目をしょぼしょぼさせながら背中を伸ばす雲雀に楯無は慌てていた。
「そんなに落ち着いている場合ではないですよ!もうこれ完全に間に合いませんよ!?どうするんですか!?」
「まぁまぁ、落ち着いてください。こういうことも考えていたのでモノレールの中で学園には連絡しておきましたから大丈夫ですよ。それに学園から車を出してもらえることになりましたからそろそろ来ると思いますよ」
携帯を閉じ雲雀は、道路の方を向くとそこに黒い車が停まっていた。そこからスーツを着た女性が現れ近づいてきた。
「桜花様ですね。お荷物を車にお入れします。さぁこちらにどうぞ」
「ありがとうございます。楯無さん早く車に乗りますよ」
「...え?あ、はい!」
車に入る雲雀のところに荷物を持って向かう楯無。荷物を女性に預け楯無も車に乗り込む。
「桜花様、今から出発ですと着く頃には宿泊研修のオリエンテーションが始まっております。遅れてしまいますが大丈夫でしょうか」
「はい、車で運んでくれるだけでこちらは嬉しいですから大丈夫ですよ」
「了解しました」
2人のやり取りに楯無は雲雀が本当に違う学校の先生をしていることを感じた。
こうして、遅刻はしたが無事遠月リゾートに着いたのだった。
◇
時間は少し進み
遠月リゾートのホテル「遠月離宮」大宴会場
「これより、合宿の概要を説明する」
【友情とふれあいの宿泊研修】
日程は5泊6日
連日料理に関する課題が出される。課題の内容は毎年異なる
初日は980名を20目のグループに分割
説明終了後、各自指定された場所へ移動する。講師による評価が一定のラインを下回った生徒は失格
待機している学園息のバスに乗せられ強制送還
退学となる
「そして、審査に関してだがゲスト講師を招いている」
「ゲスト?」
「多忙の中、今日のために集まってくれた
遠月学園の卒業生だ」
その言葉にその場は騒ぎ出した。
遠月学園で卒業するまでたどり着く者を数えるには片手を使えば足りるほど。
そして、今から来るのはその到達率一桁を勝ち抜いた天才たち。
先生の言葉の後、大宴会場の扉が開き卒業生が入ってきた。
その後、1人が退学となる問題が起こったがまぁ、それは放っておいて大丈夫だ。
壇上の上には.....
フランス料理店
「SHINO`S」シェフ
四宮 小次郎
イタリア料理店
「リストランテ エフ」
水原 冬美
鮨店
「銀座ひのわ」
関守 平
オーベルジュ
「テゾーロ」
ドナート梧桐田
日本料理店
「霧のや」
乾 日向子
遠月リゾート
総料理長 兼 取締役会役員
堂島 銀
全員世界に名を轟かせる有名な人たちだ。
生徒たちの目の前には日本を牽引するスター・シェフが揃い踏みしている。
代表として、ここの総料理長の堂島 銀がマイクを持ち挨拶を始めた。
「ようこそ、我が遠月リゾートへ。今日集まった卒業生たちは全員が自分の城(みせ)を持つオーナー・シェフだ。
合宿の6日間君らの事を自分の店の従業員と同様に扱ってもらう。意味はわかるか?俺たちが満足する仕事ができないヤツは
退学(クビ)ってことだ。講師の裁量で一発退場もありうることは見ての通り。
君らの武運を祈っている!
それでは移動開s...」
堂島が合宿の始まりの開始合図である言葉を言おうとした時、横にある扉が開いた。思わず言葉が止まってしまった。
そこから、水色の髪をした少女ともう1人の女性の方を見た生徒たちと卒業生たちには見知った人物だった。
「お、おいあれって...」
「ああ...確かあの人は....」
「桜花 雲雀さん...だ...!」
桜花 雲雀...学年在籍時代、あの堂島 銀の記録の卒業試験歴代最高得点を軽くあざ笑うかの如く越し、最高得点で合格を出した。その後、遠月初となる特別不定期採用の総帥推薦枠を勝ち取り今の1・2・3学年主任になった。
IS学園食堂責任管理者 兼 遠月学園高等部1・2・3学年主任
「食事処 おうかぁ~」手伝い
桜花 雲雀
「あ、あれ...?これってもしかして.............まずい?」
どうでしたか?雲雀さんの過去が少しわかってきましたね!
そして、ルビを使いたいんですか文字の上にどうしたら小さくできるのかわからないんですよね...
なんとか解決して活用していきたいですね。