はやく福音の所までいきたいですね~(白目)
遠月リゾート
「ん...朝ですか..」
「ひみゃり...しゃん...」
「......」
朝起きたら隣のベッドで寝ているはずの楯無が自分のベッドに寝ていることに疑問を持つ雲雀だったが過去なんか以下同じ経験をしており、仕方ないと思っていた。
「まだ、こんな時間ですか。少し外の空気でも吸ってきましょうか」
楯無が起きないようにそっとベッドから降り、服を着替えて部屋から出た。
外は霧が少しかかり肌寒い風が吹いている。雲雀は外で体操をしたり少しランニングをしてリフレッシュしていた。
「ふぅここは空気がおいしいです。気持ちがすっきりしますね」
雲雀はランニングを終え、ベンチに座り休憩していた。気分もすっきりして心地よく仕事を行える気分だった。
「さて、そろそろ部屋に戻りましょうか...」
「まぁ、もう少しくらいゆっくりしていたらどうだ?」
「堂島さん...ですか、おはようございます」
部屋に戻ろうとした雲雀を止めたのは、ここの総料理長である堂島だった。スーツをビシッと着こなしてなんともいえない威圧を放っていることは本人は知らない。
「ああ、おはよう。それにしても君もずいぶんと早い起床なのだな」
「たまたま起きてしまったんですよ。堂島さんもお早いですね」
「私は仕事でいつもこの時間には起きていないとだめなのでな。それにこの時期はいろいろ忙しくて大変だ」
堂島もベンチに座り込み、雲雀に缶コーヒーを渡した。
「それに、今年の新入生は玉の世代らしいじゃないか、そっちもいろいろ大変だろう...君はもう一つの学校でも働いているのだからな」
「いえ、私はそこまで...十傑のみなさんが頑張ってくれていますので、私は安心して自分の仕事をこなせていますよ」
「ならいい、お前が倒れたら心配する者が多いからな。せいぜい体を大事にしろ」
「そうですね、倒れないよう頑張ってみます」
「そうか、むっもうこんな時間かすまないが私はこれから仕事なので先に行かせてもらおう」
ベンチから立ち上がり、そのまま本館のほうに歩いていく堂島。雲雀も楯無を起こして朝食にしようと部屋へと戻った。
朝食を食べ終わり、生徒たちは次の課題の場所へと移動し始める。
「雲雀さん、これからどうしますか?」
「今日は、各課題場所へ向かい生徒さんたちの様子を見に行きます。楯無さんも来ますか?」
「そうですね、ここにいても暇ですから~」
部屋に戻り、出かける準備をする2人。雲雀たちは生徒と一緒ではなく別の車で移動し、各課題場所へ行く。
「さて、そろそろ行きましょう。課題場所は数十個と多いですから、遅いと日が暮れて間に合わなくなってしまいます」
「よしっ、準備OKですー!さぁ行きましょう!」
雲雀と楯無が出発して2時間がたった。課題場所はあと1箇所だった。
「うぅ~...あと1箇所...つ、疲れた....」
「あと少しですから頑張ってください。ほらもう着きますから」
最後の1箇所に着き、車を降りる雲雀と楯無。何事もなければいいと雲雀は心で思っていた。
「ここは四宮さんが任されている所ですね。早速見に行きましょう」
「あ、待ってください雲雀さーん!」
建物の中に入った雲雀たちは、試験が行われている場所に向かって歩いていた。試験場所に向かっている最中にないている生徒や喜んでいる生徒が多くいた。
「さて、そろそろつきますね。この時間ですと試験は終わっていそうですね」
「これで今日も終わりですね...移動だけなのにこの疲労感...」
「まぁ、この仕事は慣れが大事ですからね」
「どんな仕事ですか...ん?なにか奥が騒がしいみたいですけど...」
「......そうみたいですねちょっと急ぎましょう」
「は、はい」
「お、おい...あの転入生四宮シェフに食戟申し込んだぞ!?」
「なんかやばくね?」
奥の試験場の厨房では、生徒たちがざわざわと騒いでいた。
雲雀は詳細を聞くために生徒たちに詳しく聞いた。
「すみません、ここで何があったのでしょうか?」
「ひ、雲雀先生!!そ、それがですね...転入生が四宮シェフに食戟を挑んだんですよ!」
「そうなんです!田所 恵が退学だと決まった時に転入生がなにか割って入って...」
「そうですか...ありがとうございます。みなさんは先にバスに戻っていてください」
雲雀は生徒を先にバスに戻し、3人がいる部屋へと向かった。
「美味しいじゃないですか田所恵さんが作った品...!これなら合格にしてあげてもいいでしょう~?四宮先輩の頑固者~!頭でっかち!ナルシスト~!」
「黙ってろヒナコ」
「ごっ...ごめんなさいー」
四宮が日向子の頭をつかみ上げていた。その光景に雲雀たちは何が起こっているのかわからずにいる。
「む、雲雀か...」
「堂島さんこれは一体...?」
「それはだな...」
堂島からこれまでの経緯を聞き、田所恵と幸平創真が四宮と非公式の食戟をすることになったらしい。
いくらなんでもそれは無謀すぎると雲雀は思った。雲雀は2人の料理への技術・思いを間近で見て感じていた。だからこそここで退学にはしたくなかった。今はまだつぼみの段階かもしれないが将来花に開花し立派な料理人になると雲雀は思っていた。
「それで、退学は取り消さないのだな四宮」
「ええ、確かに工夫はしたのは評価に値しますが、それだけで生き残れるほど料理人は甘くは無い。いかに状況を理解し行動できるかが問題ですよ。俺はそうゆう努力を人一倍頑張っていた奴を間近で見てきた」
四宮が雲雀のほうを一瞬見るが当の本人は頭に"?"のマークを浮かべていた。
「だが、日向子はそうは思っていないらしい。これでは埒が明かないと食戟になったのだが」
「それは、私の立場的にも認められません。そして、2人は料理のスキルに私は評価に値します。ここで散らせるわけには行きません」
「なんだ雲雀生徒を信じていないのか?」
「そうではありません、まだあの子達にはまだ早すぎるのです」
「だが、これでは両方とも納得はいかないだろう」
状況は悪化していた。このままでは時間が時間で田所は退学になるだろう。その時、1人外野で見ていた楯無が入ってきた。
「え~と...話的に田所ちゃんが認められれば良いんですよね・なら勝負じゃなくてもう一回田所ちゃんの料理を評価すればいいんじゃないでしょうか?」
「つまり、食戟ではなく田所さんの作った料理を食べて退学かどうか見定めるのですね?」
「まぁそうですね」
「どうですか堂島さん?」
「....まぁ、よかろう。審査員はどうするつもりだ?」
「そうですね...あまり大事にはしたくないですねそうなると教師のみなさんには知られてはいけませんから...卒業生ではどうでしょう」
「ふむ...まぁそれが妥当か...」
「ではそうゆうことで...」
話が決まり、今日の午後の課題が終わった後に田所恵が料理を1品作り、卒業生がそれを食べ合格か不合格を決めることになり、田所恵が不合格(退学)になった場合それに協力した幸平も退学することになった。
話がまとまりこの場に幸平、田所、雲雀の3人が残っていた。楯無は空気を呼んだのか先に外に出ている。
「創真くん...私なんて謝ったらいいか...」
「...別に俺が勝手にやったことだし謝る事ねーけど」
「それに...何で勝負を挑んだか?って決まってんじゃん」
「え....?」
「田所がこんなところで落ちていいやつじゃないからだ」
「創真くん...」
幸平はそのまま歩いていった。幸平が行った後、田所の後ろから雲雀が歩いてきた。
「幸平くんかっこいいですね...ですが彼の言っていることに私も同意ですね。田所さんの良いところは私や極星寮のみなさんが知っていますから」
「で、でも...」
「それに田所さんは料理で一番大事なものを持っていますから」
「え...?」
そう言い雲雀は手の平にある桜餅を田所に渡した。
「それは私が作った和菓子です。それにはちょっとした魔法を入れてるんですよ」
「ま、魔法...ですか?」
「ええ、食べた人がほんのちょっぴり笑顔になれる魔法です」
「食べた人が...あっ....」
雲雀の言葉に何か気がついたのか田所が雲雀の方を向き笑顔になった。
「雲雀さん...!私...今何ができるのかわかった気がします!」
「ふふ、そうですか。気張る必要なんて無いのですよ普段通りの田所さんでいいんです」
「はい!雲雀さんありがとうございました!!自分なりに頑張ってきたいと思います!」
「私も審査の時はいますので応援していますよ」
「い、いえ...雲雀さんは悠姫ちゃんたちと一緒に待っていてください...!」
田所の言葉に驚いた雲雀。
「ここからは...自分で頑張っていきたいと思います...雲雀さんがいたら...私は雲雀さんに甘えてしまうと思うんです...」
「田所さん...わかりました...それが田所さんの決めたことなら私が口を出すわけにはいきませんね」
「ありがとうございます...雲雀さん...私は自分の力で...悠姫ちゃんたちの所に戻ってきます..!」
「ええ、私も戻ってくることを信じていますよ」
覚悟を決めた田所は幸平の所に向かっていった。1人残った雲雀は田所の背中を見ながら呟いた。
「そうです...あなたが持っているのは...食べてくれる人への思いですよ田所さん...それがあなたの料理の良いところです」
雲雀も楯無が待っている外へと向かい歩き出した。
はい、次回で田所ちゃん編は終わりですね。思ったより遠月編が長い...
はやくISの本編に戻れるよう頑張ります!!