でもなんとか書けました!
IS学園食堂
楯無と話した次の日のお昼
「おばちゃーん!塩ラーメンください!」
「あ、私は野菜炒めをお願いします!」
「あいよ~!雲雀ちゃんお願いしていいかしら?」
「大丈夫ですよ。この注文数にも慣れてきましたから」
そう言いながら、雲雀の周りには1個2個と料理が出来上がっていく。
その異常な速さに生徒たちには雲雀が何人にも見えていた。
「よっ!さすがだね~!"厨房の千手観音"って言う名前も伊達じゃない!」
「え?おばちゃんそれって何ですか?」
渡辺さんが言ったことに新入生が聞いた。
「ん?あ~...新入生は知らなくて当たり前よね。雲雀ちゃんの調理は、とても速く一気に何人前もの料理をこなしちゃうのよ。
「すごいですね...プロってます!」
「その姿がまさに千手観音の様って、織斑先生が仰ってね。そこから広まっちゃったのよ」
雲雀曰く、女性の発想ではない。女性に付ける名前でもない。などと思われている名前だ。
「確かに、私たちが見ても速いと思いますね。普通の人じゃできませんよね」
「そうね。確か、どこかの有名な料理学校から来たって言っていたけど...雲雀ちゃんが来てから、随分と楽にもなったしここも賑やかになったのよね」
「私たち生徒にも織斑先生と並ぶくらい人気って言われていますし。あの優しさがいいんですよね」
渡辺さんが生徒と話していると、雲雀が食券を持って近づいてきた。
「渡辺さん、これとこれをお願いします」
「あいよ、ほら、あんたたちも冷めないうちに速く食べちゃいなさい」
「あ、はい!」
生徒たちは慌ててテーブルに向かいだした。
こうして、お昼タイムは何事もなく終わった。
◇
1週間後の朝
今日もいつもと変わらない食堂だが、生徒たちは、イギリスの代表候補生と織斑一夏の勝負の話題で持ちきりだった。
「1組の試合見たいけど、私のクラスは教室で授業なんだよね...」
「私は移動教室...あー..見たいよね」
アリーナで試合が行われるが、時間が限られているため、授業の中で行う。
そんなことを、まったく気にしていない雲雀は、食材の整理などをしていた。
「何だか騒がしいですね。あ、そう言えば今日は、IS勝負と楯無さんが言っていましたね怪我なく無事に終わればいいのですが...」
試合の心配をしている雲雀だが、調理のスピードはさらに上がる。
「相変わらず、すごいですね雲雀さんとてもじゃないですけど真似できません...」
「コツなどを掴めば意外と簡単ですよ?はい、A定食お待たせしました」
「こ、今度教えてもらってもいいですか...?」
「ええ、構いませんよ」
雲雀は、ニコリと笑顔で答えた。その笑顔を見た生徒たちは、すごくいい笑顔で倒れた、
朝食の時間が終わり、雲雀は暇になり学内のモニターで、今始まろうとしているISの試合を見ていた。
「一夏くんの相手は、セシリア・オルコットさん。遠距離タイプのISですか...私の予想では、一夏くんは銃などの経験は千冬に聞いたところないですから、そうなると必然的に近接特化のISを渡すと思いますね」
モニターを見ながらこれからどうなるかを考察している。
「おや、珍しいですね。あなたが試合を見ているなんて」
その時、後ろの方から声が聞こえた。
「活気の良い若者を見たくなりまして、轡木さんはどうしたんですか?」
そこにはIS学園の用務員の轡木 十蔵が歩いて食堂に入ってきた。
「いえ、少し小腹が空いてしまいまして。久しぶりに桜花さんの料理でも食べてみたいと思いまして」
「あら、嬉しいことを言ってくれますね。わかりました、轡木さんのお願いですから断る理由がありません」
「いきなりでどうもすみません。聞いたところ、雲雀スペシャルはお題を言っても良いと聞いたのですが?」
厨房で食材を出し、準備をしているところに、轡木さんが聞いてきた。
雲雀は楯無が話したのかなと思いながらも答えた。
「ええ、一応そうですね。高校の時にそう言うのはたくさんあって慣れてしまいましたから」
「そうですか、ならこの後少し出かけるので軽めなものをお願いします。あとは...ご飯もので卵が好きなので卵料理でお願いします」
「それはそれは...難易度がお高いことで...でもわかりました。少々お待ちを」
何かを思いついたのか厨房の奥のほうに行ってしまった。轡木さんは、テーブルに座りモニターを見始めた。
数十分後
「できました。どうぞ轡木さん」
「ほうほう...これは...」
テーブルに置かれたその料理を見て、轡木さんは一つの料理を思いついた。
「これは見た感じですと、卵かけごはんですか?」
「ええ、少し工夫をした卵かけごはんです」
そこには、ごはんに卵をかけた普通の料理があった。
しかし、匂いを嗅いだ時にある匂いがした。
「この匂いは...ニンニクですか?でも卵は生ですし...」
「そうです。これには、ニンニク・ネギ・ごま油・焦がし醤油をフライパンで炒めた後、卵をフライパンの上で走らせるようにして、この調味料の風味を卵に閉じ込めました」
「さすがですね...私がしたら卵が半熟になってしまいますよ...では、いただかせて貰います」
箸を持ち、卵かけごはんを食べ始めた。
「...!!この濃厚なニンニクと焦げたネギの匂いにこのとろみもたまりませんね...!そして、噛む度に焦がし醤油とご飯が絡み合って極上です..!」
これまでの卵かけごはんとは、比べ物にならないくらいな美味しさに轡木さんは、箸を止めることができなかった。
「お粗末さまです。さて、試合の様子は....「試合終了!勝者セシリア・オルコット!」...あら?」
モニターを見たときには、空中で刀をあと少しのところで振れなかった一夏と何か納得がいかないような顔のセシリアが映っていた。
「あ、あらあら...まぁ仕方ありませんね。轡木さんそろそろ生徒が来ますから、速く食べてくださいね?」
「そうですね、食べるのが惜しいですが仕方がありません」
卵かけごはんを携帯で撮っていた轡木さんが、少し残念そうに、しかし食べたら美味しそうにと忙しくしていた。
こうして、雲雀の休み時間は終わり、お昼・夕方と時間は過ぎていった。
◇
「ふぅ、今日も頑張りましたね」
食堂で雲雀は、1人休憩していた。
備品の修理の申請などを書いて疲れた様子を得いていた。
「ここも、ここでいろいろと疲れるんだな」
「あら千冬。どうしたんですかこんな時間に珍しいですね」
食堂の入り口から、千冬が入ってきた。姿はジャージ姿で運動をしていたように見える。
「なに、少々暇でな寝るにしても早い時間だからな」
スポーツドリンクを飲みながらテーブルに座った。
「そう言えば、今日のISの試合内容はわからなかったけど、セシリア・オルコットさんが勝ったらしいですね」
「ん?ああ...あれはあの馬鹿が自分の武器の特性を理解していなかったから負けただけだ」
「最近まで普通の男子中学生だったんですから、それが当たり前ですよ」
湯飲みのお茶を飲みながら、一夏について話した。
「お前が一夏をカバーするとはな。少し妬ける」
「何言っているんですか...あなたも一夏くんにだけ特別に厳しくしているでしょう。照れ隠しにしては、少々厳しいですよ」
さらっと、とんでもないことを言う雲雀。
その時、空になったペットボトルがクシャクシャに潰れた。
「そうやって物に当たるのは良いですが、学校の備品などに当たらないでくださいね?」
「....っく」
「それで、1組のクラス代表はセシリアさんに決まったんですか?」
「いや、あいつは辞退してクラス代表は織斑になった」
「ここには誰もいませんから、名前で呼んでもいいんですよ」
ズズっと湯呑みを飲み、周りを確認する。
「...わかった、わかった...たくっ、お前といるといろいろ調子が狂う」
「ふふ、こんな姿を生徒が見たらどう思うか、少し気になりますね」
「おいおい、変なことを言うな」
頭に手を置き、疲れた顔をする千冬。その顔を楽しく見ている雲雀。
「ふっ、お前と話をしたら疲れがとれた。この気分のまま寝るのも良いものだ」
「そうですか?それならよかったです。私も今日は快眠がとれそうですね」
「そ、そうか...それならよかった...」
「....?」
「い、いやなんでもない。長いも悪いし私はもう行く」
千冬は立ち上がり、食堂を出て行った。
「なんだったのでしょう?」
最後の千冬の行動に疑問を持ちながら、雲雀は食堂に鍵を閉め、今日の仕事を終えた。
千手観音像か阿修羅で悩みましたが、いろいろあり千手観音像になりました。
次は、やっと一夏と接触すると思います。
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