歌姫と宝石の姫と共に頂点を目指す者!(調整中)   作:シュリーダ

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前からアニポケを見て書きたいと思っていました。
批判が多かったりしたら削除しようと考えています。

2020年──小説の文章の可笑しい部分や内容の曖昧な部分を手直ししました。


『プロローグ』

ここはマサラタウン。カント-地方にある町の一つで自然が豊かな町である。

 

だが他の町に比べて田舎と言っても過言ではないくらい何にもない町である。しいて何があるといえばポケモン学の権威であるオーキド博士の研究所があるくらいである。

そしてこれはそんなマサラタウンに住んでいる孤独な少年が大切な二人のお姫様と出会い、自分にない何かを探す物語。

 

ここはマサラタウンの森の中の更に奥にある湖の畔。

そこに一人の少年がただ ぼーっとした表情で湖の先を見つめていた。

 

そこは少年しか知らない秘密の場所で何か嫌な事があると、ここに来て一日中ぼーっとしていた。

 

「……」

 

少年はさっきから一言も喋らずにずっと湖の先を見つめていた。少年は初めてこの場所に導かれるように来た日からずっと何かを感じてこの場所に来ていた。

もしかしたら自分のこの色のない毎日を変えてくれる何かを見つける事が出来るかも知れないと感じていたからだ。

 

少年はまだ赤子の頃に両親に捨てられた。

周りの親切な人達の援助を受けながら一人で生活している。幼なじみの母親から一緒に暮らそうと言われたが少年はそこまで迷惑は掛けられないと言って断り、ずっと一人で暮らしている。

 

 両親に捨てられたその日から少年の心が壊れ…色(感情)が抜け落ちてしまったのだ。

 

 少年は9年前のある日、まだ年端もいかない赤子の時にマサラタウンから程近い森の入口に揺りかごに入った状態で捨てられていたのだ。

 

そこに当時、最近 マサラタウンに引っ越してきた夫婦に拾われたのである。

 

その夫婦は最近、日課にしていた朝のジョギングの最中…ふとマサラタウンから程近い森の入口近くを走っていた時、入口のある一ヵ所に森のポケモン達が集まっていた事に気づいた。気になってポケモン達を警戒させないように近づくとそこには揺りかごの中で気持ち良さそうに寝ている生後1年位の赤子がいたのである。

 

夫婦は驚き、妻の方は驚きながらもゆっくりと優しく赤子を抱き上げる。

 

その赤子は何やら不思議な雰囲気を感じたが、ぐっすりと眠っておりその無垢な寝顔に妻は微笑ましくなり笑みを浮かべる。

 

夫の方がなぜこんなところに捨てられているのか不思議に思い取り合えずジュンサーさんや周りの者達に連絡するために一度マサラタウンに戻る事を提案し妻も頷く。夫が赤子の寝ていた揺りかごを持つ。すると赤子を連れていくのを確認した森のポケモン達はそろそろと森へと帰っていく。

 

その光景に不思議に思った夫婦。ポケモン達のその行動がまるで赤子が安全になるまで守っているように見えたからだ。

夫婦は色々と気になりつつも先ずは赤子をちゃんとした場所で保護しなければとマサラタウンへと急いで戻るのだった。

 

 

その後が大変だった。

マサラタウンの人達に赤子が森の近くに捨てられていた事を報告すると皆大変驚き、通報を受けて出動してきたジュンサーも含めてマサラタウンの住人でこの赤子を捨てた者がいないかと詳しく調査や取り調べをされてその結果……、この赤子は町の住人の子供ではない事が分かった。

ジュンサーは引き続き赤子を捨てた親達を探そうとマサラタウンから近い街の病院を当たり引き続き調査する事になった。

 

 

その間その子をどうするかということになり、ジュンサーが孤児や捨て子を預かる保護施設で預かろうかと最初に赤子を拾った夫婦に提案したが夫婦は相談して決めていたのか結果が分かるまで自分達が面倒を見る事を決めた。

 

互いに話し合いマサラの親しい人達とも相談して決めたのである。こうして赤子は本当の両親が見つかるまで夫婦の元で暮らす事になった。

 

夫婦は初めての育児で大変だったが…不思議と苦とは思わなかった。

何故なら妻は昔、病気の治療で子供を産めない体になってしまい夫婦は子供を持つのを半場諦めていたからだ。

そんなおりに赤子を見つけたのは運命だと思い、例え触れあえる時間は少なくてもそれまでは自分達で面倒を見ようと思ったのである。

 

そんな夫婦をマサラタウンの人達は称賛し、何か困った事があれば親切に協力しマサラタウンに住むポケモン研究家として有名なオーキド博士や夫婦の家から程近い近所に住んでいる奥さんも色々と親切にしてくれた。

 

その奥さんにも生後1年の赤ちゃんがいて、オーキド博士にも生後1年の孫がおり成長して仲良しになれたら良いなと微笑み合う。

 

そして色々な人達から助けられて赤子を育てていた夫婦は数ヶ月後にジュンサーからの連絡で赤子の両親についての調査について報告を受けた。

様々な病院に赤子についての記録があったら提供するようにお願いし、ジュンサーも色んな人脈を使ったりしたが赤子の事について全く分からなかった。それどころかカントー中のどの病院にも赤子の出生記録事態存在しなかったのである。

 

どうやら赤子はカントー地方で産まれたわけではなくどこか別の地方の病院で産まれたのだろうという結論になり、そうすると捜査は困難となってしまい長い時間が掛かってしまうので赤子は養子となる事となり、数ヶ月過ごして慈しみ愛情も湧いていた夫婦は赤子を正式に養子としてもらい赤子は晴れて夫婦の子供となり二人は喜び、名前を付ける事も許されたので夫婦は考えて赤子に名前を付ける。

 

赤子の名前は『シュン』。

 

そして赤子はシュンと名付けられ夫婦の元で愛情いっぱいに育てられてスクスクと成長していった。夫婦はシュンを本当の子供のように優しく愛情をかけて育てた。そのおかげでシュンは優しい子へと成長した。

そして同い年の子供二人とも仲良くなり、楽しく遊んだりもしてシュンも自分が養子だと気づかず両親を本当の親だと思いあまえていた。

 

しかしシュンは不思議な子供だった。赤子の頃から不思議とポケモンが近くに来て懐かれる事が多かった。

最初、野生のポケモンに囲まれているのを見た時は夫婦は驚いたがポケモン達は何もせず優しく触れあう様子を見て取り敢えず安心して見守るようにしていた。

 

赤子から成長しても変わらずそれどころか益々ポケモンを惹き付けるようになり、シュンもどんなポケモンでも怖がる事なく仲良くなっていた。

 

ポケモン達もシュンが怪我しないようにしてくれている様子が夫婦にも分かり、最初は野生のポケモンは危ないと思っていたが今は安心して仕事や家事で忙しい時は家の庭で遊んでくれているのでむしろ助かっている程である。

 

夫婦は最初、マサラタウンに住む有名なポケモン研究家であるオーキド博士に相談したがオーキド博士もシュンがどうして野生のポケモンと直ぐに仲良くなれるのか分からず、マサラタウン付近にはそこまで狂暴な野生のポケモンはいないとはいえ…そこまで野生のポケモンと仲良く触れあえる事例はこれまでにない。

現にシュンの親である夫婦(義)には多少の警戒を解いている野生のポケモンだか博士には警戒して近づこうとするとあからさまに威嚇する者までいた、しかしシュンが一言大丈夫と言うと不思議な事に威嚇を止めてシュンとじゃれあい始めたのだ。

 

博士は大変驚いたがシュンがどうしてこんなにポケモンに好かれるのかは分からずにいたがポケモンに好かれるのは良いトレーナーになれる証だと笑みを浮かべ、夫婦も問題がないならと納得した。

 

 こうして少年『シュン』は夫婦の元で愛情いっぱいに育てられて幸せな毎日を過ごしていた。

 

しかしそんな幸せは長く続かなかった──。

 

シュンが夫婦に拾われてから4年後──。

シュンが5歳の時、シュンや夫婦の周りで不穏な事が起こり始めたのだ。

買い物に出掛けて家に帰ってくるとシュンは気づかなかったが夫婦は気づいていた。自分達が不在の時に何者かが自分達の家の中で何かを探していた形跡があると。

夫婦は自分達の過去の過ちからそうされる試み当たりがあった。その日から家の周りで誰かが自分達を見張るような視線を感じたりしていた。

夫婦はその自分達を監視するように見張る存在に心当たりがあり、このままでは自分達や周りの人達が危険だとある決断をする。

 

そしてある日、夫婦は愛する息子のシュンやマサラタウンの人達に何も言わずに姿を消した。 

シュンやマサラタウンの人達、仲良くしていた幼なじみのお母さんやオーキド博士は夫婦がシュンを置いて消えた事に驚いてあちこち探したが見つからず、ジュンサーに通報して捜索してもらっても見つける事が出来ずに手掛かりの一つも見つけられなかった。

マサラタウンの人達はあの夫婦の人となりを知っておりあの息子を愛し優しい夫婦が子供を捨てて夜逃げなどあり得ないと…何か危険な事に巻き込まれたのだと思い、自分達でも色々と調べたが消えた夫婦の所在はようとして分からなかった。

 

こうして何も手掛かりも見つからず時だけが過ぎた……。

マサラタウンの人達や幼なじみのお母さんやオーキド博士が親切にまだ幼いシュンのお世話をしてくれた。

 

最初は両親がいなくなったという自覚はなく、幼馴染みの母親やオーキド博士に両親は急な仕事で遠くに行っていてその間シュンのお世話を自分達にお願いしたのだと説明し、まだ幼いシュンはその言葉を信じて自分に何も言わずに行ってしまい寂しい思いはあったが素直なシュンは良い子で両親の帰りを待つのだった。

 

シュンは両親の帰りを待ちながら毎日を過ごした。時に仲良しの二人の幼馴染みと遊んだり、オーキド博士にポケモンの事について教わったり、お世話になってる幼馴染みの母親とお買い物に出掛けたりと色々な事をして、楽しい毎日を過ごしながら両親が自分の元に帰って来てくれるのを待ち続けた。

 

 何日も……何週間も……何ヵ月も……何年も……シュンは両親が帰って来るのを待ち続けた……。

 

そしてシュンの両親が姿を消してから3年が経過した。自分の元に帰って来てくれる事を信じていたシュンも数年も何の音沙汰もなく両親が帰って来なければ嫌でも気づいてしまう。

 

自分は両親に捨てられてしまったのだと……。

両親は自分を捨てて消えたという残酷な現実に気づいてしまった。幼馴染みの母親やオーキド博士が君は捨てられたのではないと熱心に説得してもまだ幼く心も未熟な子供にはその残酷な現実だけを受け入れてしまうのだった。

 

それ以来──シュンは笑うことも少なくなり、幼なじみもずっとそんなシュンを元気付けようとするがシュンはそんな幼なじみの気遣いに感謝するも笑うことはなかった。

 

そんなある日……いつもと同じように何もなく色の抜け落ちてしまった自分の日常──。

両親に捨てられた絶望と孤独の悲しみの中を迷う毎日。

 

気晴らしのために日課のマサラタウン近くの森へと出かけていた。勿論、子供だけで森に行ってる事がバレれば注意されてしまうので内緒でこっそり行っている。

 

シュンは昔からポケモンに懐かれやすくポケモン達もシュンから感じる不思議な魅力に惹き付けられ襲う事もなく すり寄って来るのでシュンも安心して森の中を歩いていける。

静かな森に風で葉が揺れる音を聞きポケモン達と触れあっていると、一瞬だけでも両親に捨てられたという悲しみを忘れられる気がした。

 

しかしそう思えるのは一瞬でやはりその辛い想いは消える事はなかった。

 

そんなある日、今日も日課の森に出かけると何か違和感を感じた。森の様子がいつもと違う感じがする事に気づき森の奥を進んで行くと、神秘的な雰囲気の漂う湖の畔へと辿り着いた。

 

マサラタウンから近いこの森の中にも湖はあるが…そことは明らかに周りの景色や漂う雰囲気も違うのでその湖ではなく…何回も森に通っているシュンも初めて来た場所である。

 

神秘的な雰囲気と透き通る程に綺麗な湖。その綺麗な景色に見とれてしまうシュンだが、湖の奥から感じる不思議な気配を感じていた……。湖の奥は不自然な事にそこだけ深い霧が立ち込めて見る事が出来ない。しかしシュンは湖の奥から感じる気配に不思議と引き付けられる感覚がした。

 

 その日から…シュンは感じた不思議な気配の正体を知るために毎日この場所に通っている。

 

「………」

 

シュンは最初にこの場所に訪れたその日から湖の湖畔に座り湖の奥を見つめる──。

不思議な気配の正体が現れてくれるのをじっと待ちながら…何日も何日もずっと座って待っていたが現れる事はなかった。ここに訪れて2年も経過していたがその不思議な気配の正体が出てきてくれる事はなかった。

 

そんなある日、シュンは10歳になり今日もシュンだけが迷う事なく行ける不思議な湖を訪れて座り同じように目線をずっと湖の奥へと向けている。

 

そしてシュンが湖の奥を見つめてふとした瞬間……気づけばシュンの横にどこから現れたのか二つの小さな影がシュンの左右に現れる。

 

「こんにちわですわ♪」

「………」

 

「こっ…こんにちわ…」

 

シュンの左右に現れた者達、右にいるのはピンクに輝くダイヤモンドの体をした可愛らしいポケモン?と左にキラキラと五線譜のような綺麗な髪をした美しくも可憐なポケモン?がいた。

 

宝石のようなポケモン?はにっこりと微笑みシュンに挨拶し、シュンも突然現れた存在に驚きながらも挨拶を返す。

一方もう一体の綺麗なポケモン?はジト目でシュンを見ている。

 

「あなたは毎日ここに来ていますけど、ずっと座って何をしていらっしゃるの?」

 

「初めてここを訪れた時からずっと座って湖を見ていましたね」

 

座っているシュンの両隣からそ聞いてくる二つの小さな影が座っているシュンに近づき声を掛ける。

 

「やっと出てきてくれたんだね!ぼくがずっと感じてたのは君達だったんだね」

 

シュンは初めてこの場所に訪れたその日からずっと感じていた不思議な気配の正体が自分の前に出て来てくれたことに嬉しくなって喜びの声を上げる。。

 

「それはあなたが毎日この場所に来るからです。普通はわたしの力でここには人はおろかポケモンすら近づけないはずなのにどうしてあなたは毎日ここに来れるのですか?」

 

シュンの左にいる綺麗な髪の小さいポケモン?が自分の力で人やポケモンが来れないはずのこの場所に迷う事なく毎日通えるのか不思議に思い尋ねる。

 

「さぁ? いつもみたいに森に向かってたら不思議な感じがしてそこに向かってたらこの湖に出たんだ。

そしたら湖の奥から君達の気配を感じたんだ。どうして入れるかはぼくも分からない…。でもここに来ると不思議と安心するんだ…何もないぼくの心を満たしてくれる何かがある気がして……」

 

シュンはいつも行く森とは何か異なる違和感を感じてその違和感の感じる方に向かうと不思議な湖の畔へと辿り着いた。湖の奥だけ霧で覆われた神秘的な雰囲気が漂う不思議な場所…しかし不思議と引き付けられる何かを感じた。

 

どうしてここに訪れる事が出来るのかは分からないが…以来、シュンは毎日この場所へと訪れてあの日感じた者が何なのかを確かめるためにここに来ている。

 

空っぽの自分を満たしてくれる何かがあるかもしれない事を期待して──。

 

「そうなのですか?この場所に入れるということはあなたは心の優しい方なのですね♪」

 

シュンの言葉を聞いて右にいる綺麗に輝く宝石のようなポケモン?は人やポケモンですら入る事の出来ないここに入れたシュンは心の優しい方なのですねと嬉しそうに微笑む。

 

「まったく!あなたはそうやってすぐに人間を信じるのですね。 それがあなたのいけないところです!あなたは人間に非情なまでに襲われてここに来た事を忘れたのですか!」

 

左のポケモン?がシュンを心の優しい方だと言うのを聞いて人を簡単に信じてはいけないと言う。かつて人間に非情なまでに襲われたのを忘れたのかともう一人を叱る。

 

「それは……ですがこの方があの時の人間と同じとはわたくしには思えません。あの時と同じ わたくしを襲った人達と同じならここに入れるはずがありませんもの…」

 

片方のポケモン?に注意されたもう一方のポケモン?が…前に自分を襲った人間のような非情な心の持ち主ならここに来ることは出来ないともう一方のポケモン?に言う。

 

「それはそうですが……」

 

そう言われたもう一方のポケモン?が返答に困った様子で呟く。

確かにこの場所に普通の人間やポケモンを近づけないようにさせているのは自分であり、そんな醜い心の人間は絶対に入る事など出来るはずはないからだ。二人のポケモンがそうやって話していると──。

 

「ごめんね…」

 

シュンは二人?の話しを聞いていて詳しい事情は分からないが……かつて自分と同じ人間が二人?に酷い事をしたという事は分かり申し訳なさそうに謝る。

 

「えっ?」

 

「…どうしてあなたが謝るのですか? あなたがしたわけでもないのに…」

 

二人はシュンがいきなり自分達に謝罪した事に驚き、どうしてあなたが謝るのだと不思議そうに尋ねる。

 

「うん…でもぼくと同じ人間が君達に酷いことをしていたって知って謝らなきゃって思ったんだ…。本当にごめんね。

君達に酷いことをして……」

 

シュンは二人に頭を下げて謝ると二人はさも可笑しそうに笑みを浮かべる。

 

「フフッ♪やっぱりあなたは心の優しい人なのですね。あなたがしたわけでもないのに謝るなんて」

 

宝石の体をしたポケモン?が微笑み、シュンにやっぱり優しい人だと嬉しそうに微笑む。

 

「ハァ~。あなたみたいな人間は初めてですよ。

…昔から色々な人間を見てきましたが、あなたのような自分が悪いわけでもないのに他の者を思いやり、頭を下げる事の出来る人間と出会ったのは初めてですよ……確かにあなたならここに入ることが出来でも可笑しくなさそうですね。フフッ♪」

 

五線譜のような模様の綺麗な髪のポケモン?もシュンのような人間と会うのは初めてだと思い、良く分からない事を呟いてシュンならここに入ることも出来ると納得し嬉しそうに微笑む。

 

「そうなんだ。あっ!そろそろ帰らなきゃ…」

 

シュンはその綺麗なポケモン?の言う事は理解しきれなかったが、空が夕焼け色に染まっている事に気づいてそろそろ帰ろうと立ち上がる。

 

「もう帰るのですか?」

 

宝石の体のポケモン?が今日はもう帰るのかと立ち上がったシュンに聞く。

 

「うん、良かったらまたここに来てもいいかな?

ここに来ると何だか心が安らいで落ち着ける気がするんだ……ダメかな?」

 

シュンは二人のポケモン?にまたここに来てもいいかなと尋ねる。

 

「えぇ、かまいませんよ。また来て下さいね♪」

 

「まぁ、あなたならいいでしょう。ですがこの場所の事は絶対に他の人間には言ってはいけません!」

 

二人はシュンなら再びここに来る事を認め、そしてここの事は絶対に他の人間に言ってはいけないと念を押してシュンに約束させる。

 

「うんわかったよ。絶対に誰にも言わない!それじゃあ また明日会おうね、じゃあね!」

 

シュンは二人にまた明日と言って、霧の中を走っていきやがて見えなくなった。

 

「フフッ♪不思議な子でしたわね…」

「そうですね。まだあんな心の優しい人間が残ってるなんて驚きましたね…」

 

二人はシュンが入れないはずのこの場所に毎日来ている事を知っており、2年近くもずっと通っているシュンの事が気になり、今日 初めてシュンの前へと出て来てどうしてここに来ることが出来るのかを尋ね そしてシュンが心の優しい人間だという事を知る事が出来た。

散々人間の残酷な姿や行いなど醜い部分を見てきた二人。

宝石のような姿のポケモン?はともかく、五線譜模様の美しい髪のポケモン?はとっくに人間への信頼を無くしていたが、シュンのような心の優しい人間が残っていた事に意外そうに驚いている。

 

そして二人はまたシュンが明日、自分達に会いに来てくれる事を楽しみに思いながら湖の奥へと消えていった。

 

シュンと二人のポケモン?が初めて会ったその日からシュンは毎日 その場所に通い二人と会って色々な事を話した。

 

シュン達は楽しく話しをして、二人と毎日 話しをしていると、自身の何もない心に…少しずつ何か暖かい物が溢れてくるように感じ、そんなシュンの純粋な心に二人も段々と心を開いていき、シュンがこの場所へと来てくれるのが二人の楽しみとなっていた。

 

そしてシュンと二人が直接出会った日から数ヶ月がたったある日……その日はその場所にシュンが来る事はなかった。

 

「どうしたんでしょう?あの子はいつもだったらここに来て、今頃は楽しくお話しをしていますのに…」

 

「何か用事が合って来れないのでしょう。いくらあの子が子供とはいえ、そう毎日ここに来れると言うわけでもないでしょうし今日は帰りましょう」

 

二人はシュンに会えなかったことにしょんぼりと残念そうにしながら湖の奥へと帰っていった。

シュンが来なかった日から二人は毎日 湖の奥から出てきてシュンを待っていたが…その日から湖へと来ない事が続き、その日から十日ばかりが過ぎていた。

 

「あの日からずっとあの子は来てくれませんね…」 

「そうですね。いったいどうしたのでしょうか…」

 

初めてシュンが湖に来なかった日から十日が経過し、シュンが自分達に会いに来てくれなくなった事に寂しさを感じていた。

 

たった数日前に直接 会ったばかりだというのに…互いに色んな事を話し、いつしかお互いにその時間が楽しいと思えるようになっていた。

そして楽しい時を過ごす内に二人?にとってもシュンは大切な存在へとなっていたのである。

 

「やっぱり今日も来ないようですね…戻りましょう」

「…そうですね…」

 

二人は今日もシュンは来ないと思い、諦めて湖の奥へと帰ろうとしたその時──。

 

ザッザッ……向こうから足音がこちらに近づいて来る音と共に自分達の知っている少年の気配を感じた。

 

「この足音…それにこの気配はもしかして…」

 

「えぇ…来てくれたんですね…」

 

二人のこの場所の入口の森の方から歩いて来る気配の方に視線を向ける。そして霧から二人が会いたかった少年……シュンが姿を現す。

 

「ごめんね二人共。会いに来るのが遅くなっちゃって…」

 

シュンは久しぶりに二人に会えたことを嬉しそうに笑みを浮かべて会いに来るのが遅くなった事を謝る。

 

「いいえ……良いんです。こうして今日 会いに来てくれたことが嬉しいんです!」

 

「えぇ…でもどうして今日まで会いに来てくれなかったのですか?」

 

二人はシュンが自分達に会いに来てくれたことが嬉しいと笑顔を浮かべ、シュンにどうして今日まで会いに来てくれなかったのかと尋ねる。

 

「うん…。君達と最後に会った次の日から風邪で寝込んじゃってね。今日まで全然体調が良くならなくて、今日 やっと良くなったから会いに来たんだよ。…風邪の間 君達に会えなくて本当に寂しかったよ(涙)」

 

シュンは二人に最後に会った次の日、重度の風邪をひいてしまい39度の熱を出し家で幼馴染みの母親に看病されていたが今日まで全く良くならず、数日前に少しずつ熱が下がってきて今日やっと良くなったので二人に会いに来たのだ。

シュンは二人に会えずに寂しかった事を告げる。

 

数日前に初めて直接出会い、毎日一緒に楽しく過ごしたりしている内にシュンにとって二人の存在はいつしか大切な者へとなり、かけがえのない存在へと変わっていたのだ。

 

自分の…何もかも失い…暗く空っぽになった心を満たしてくれる大切な者へとなっていたのである。

 

「…それはわたくしたちも同じです。あなたに会えなくてこの数日どれだけ寂しかったことか(涙)」

 

「…その通りです。わたしたちにとっても…もうあなたはかけがえのない人です。あなたに会えなくてどれだけ悲しかったか…寂しかったですよ…」

 

いつしか二人にとっても少年はかけがえのない存在へとなっていた。初めて出会ったあの日、シュンと直接相対し、人間という事で最初は警戒していたが話してみると…その見た目通りに清く誠実で優しさを持つ少年で心も綺麗な少年だった。だが…その心の中には暗く寂しいという想いがある事にも気づいていた。宝石の姫はそんなシュンの優しさと内側に潜む寂しさを感じて、気になり出てきてしまったのをきっかけで直接相対し話しをするようになった。

 

シュンと互いに色々と話し、お互いの事を知った。

毎日来るシュンとその日あった事を話したり、楽しかった事、面白かった事など時に楽しく話しをして過ごしたり、辛い事や悲しい事があった時は互いに励ましあったりと過ごす内にシュンの存在は二人にとって大切な存在になっていたのだ。そんなシュンに久しぶりに会えたことに嬉し涙を流してシュンに抱きつく。シュンも久しぶりに会えたことが嬉しくて涙を流しながら二人を抱きしめる。

 

「ぼくも二人に会えて嬉しいよ(涙)……キミたちと出会えて本当に良かった……」

 

シュンは抱きついてくる二人を優しく抱き止めて自分の空っぽな心を暖かい何かで埋めてくれる二人に感謝し、二人に出会えて良かったと心の底から強く思えた。

 

そうして三人は久しぶりに会えた嬉しさ喜びを感じて深く抱き締めあっていると──。

 

「…でも言いにくいんだけど…来週からぼくは旅に出る事になったんだ」

 

そしてシュンは久しぶりに再会したばかりで言いにくそうに来週から旅に出る事になった事を話す。

 

「この町のポケモン研究家のオーキド博士から 最初のポケモンとポケモン図鑑を貰って図鑑を完成させるための旅に出るんだ…。だから残念だけど もうここには来れないんだ。

ごめんね二人とも…」

 

シュンは二人に旅に出る事の経緯を説明する。

ポケモン研究家で有名なオーキド博士からポケモン図鑑を貰って旅に出る。ポケモンを扱うための法律で10歳になればポケモンを持つ事が許されて旅に出る事が出来る。

シュンもその年にマサラタウンを旅立つトレーナーの一人として来週から旅立つ。

 

そのため来週からはもうここに来る事は出来ないのだと残念だと二人に寂しそうな表情で謝る。

 

「そうなんですか…それでしたら大丈夫ですわ。あなたの旅にわたくしたちも着いていきますわ!」

「えぇ、わたしも もうあなたと会えなくなるのは嫌です。

わたしもあなたに着いていきます!」

 

二人はシュンにまた会えなくなることを嫌がりシュンに着いていく事を決める。

 

「えっ!?二人ともぼくの旅に着いて来てくれるの?」

 

 シュンは二人が自分に着いて来てくれると言ってくれたことに嬉しくなり、二人に本当に着いて来てくれるのかと尋ねる。

 

「えぇ、もちろんですわ。もうあなたに会えなくなるのは嫌ですもの…」

「これからはあなたの事をマスターと呼ばせてもらいますね」

 

二人はシュンともう会えなくなる事を嫌がり、シュンの旅に着いていく事を決め、これからシュンの事をマスターと呼ばせて貰うと言う。

 

「そんな…マスターなんて呼ばなくて言いよ。普通にシュンて呼んでよ。その方が嬉しいからさ♪」

 

「フフフ♪分かりましたわ」

「あなたがそれで良いのなら…」

 

二人はシュンの願い通りにシュンと呼ぶ事に同意する。

 

「これからよろしくお願いしますわね。シュン♪」

「どんな旅になるのか楽しみですねシュン♪」

 

二人はシュンにこれからよろしくと挨拶し、楽しい旅になりそうだと微笑む。

 

「うん!これからよろしくね。えっと?」

 

「あぁ!そう言えばわたしたちの名前を言ってませんでしたね…」

「すっかり言うのを忘れていましたわ」

 

二人共自己紹介をするのを忘れていた事に気づいてシュンに自分達の名を教える。

 

「わたくしはディアンシー。よろしくお願いしますわ♪」

「わたしはメロエッタです。これからよろしくお願いしますシュン」

 

眩いピンク色に輝く宝石の体の綺麗なポケモンはディアンシー。

綺麗な五線譜模様の長髪、音符など音楽記号のような部分があるのが特徴。頭に付いた音符がインカム状になっているポケモンはメロエッタ。

 

「これからよろしくねメロエッタ!ディアンシー!」

 

「はい♪」

「えぇ♪」

 

シュンも二人にこれからよろしくねと言うと二人も頷く。

 

マサラタウンの森に捨てられていたシュンは幸運にもマサラタウンに住む夫婦に拾われて養子として家族に迎えられ幸せな日々を過ごしていたが、ある日突如としてその幸せは終わりを告げる。

 

ある日、突然に両親が自分の前から消えて数年経っても帰って来ずに自分は捨てられてしまったのだと絶望し、シュンの心から感情という色が抜け落ち空っぽになってしまった…。

 

そんなある日、シュンは偶然にも不思議な場所に辿り着き、そこにいた不思議な存在と出会った。

 

そしてその不思議な存在…『メロエッタ』、『ディアンシー』といつしか強く絆を結び、互いに想い合う存在になっていた。そしてシュンはメロエッタとディアンシーと共に旅に出る。

 

これは大切な存在の二人と一緒に、両親に捨てられた現実を前に感情という色が抜け落ち、空っぽになってしまった自分の心と…辛くても向き合いながら旅をして様々な人やポケモンと出会い、色々な事を経験したくさんの出会いや別れをしながら成長していく少年とポケモン達の物語である。

 

 




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