その男が進む道は・・。   作:卯月七日

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お待たせしました。最新話になります。

いやトンでもないですね、ハイパームテキ。いや何が凄いってそのスペック。最強の位置に居た某究極の闇も真っ青になりそう。

そしてアマゾンズ。今後の仁さんに救いはあるのだろうか、下手すれば芦原さん並に壮絶な人生だと思いますよ。


独特

 

 

悠がゴルドドライブを相手に苦戦をしていた頃、古城達はラ・フォリアの案内の元工場地帯へと辿り着いたのだが、街の中では大規模の工場密集地帯によりどの工場で凪沙が捕えられているのか分からず仕舞い。足で一つ一つ確かめるしかなかった。

 

「クソッ、ココも違う!」

 

「これだけ広いと探し当てるのはかなり時間が掛かりますよ…。」

 

「こんな事なら詳しい場所も聞いた方がよかったですね…。」

 

「聞いたとしても絶対答えてくれ無さそうだけど………ん?」

 

ただ時間が過ぎて行く事に焦りを見せるなかこの場に相応しくないであろうバイクのエンジン音が次第に聞こえてくる。

 

「コレって…バイク?」

 

「ですよねぇ………もしかしたら。」

 

「ッ!皆さん、アレ見てください!!」

 

雪菜が三人の後ろへ指を差すと此方に向かって走って来る黒いバイクの姿が。古城と雪菜は警戒したがハルナとラ・フォリアはその正体に気付いて歩み近寄っていった。

二人の行動に驚きながらも黒いバイクも停車して、ヘルメットを脱いでその素顔を曝した。

 

「明石さん!!どうして此処に!?」

 

「いやそれは此方のセリフですよ!?なんでお二人が此処に来ているんです!?それと見知らぬ人たちも…。」

 

「えっと…知り合い?」

 

「えぇ。悠の親戚です。」

 

「またアイツの親戚かよ!!」

 

「…まさかとは思いますけど、灰原先輩の親戚も仮面ライダーの関係者?」

 

「ハイ。皆さんとてもいい人達ですよ。」

 

ライドチェイサーに乗ってきた明石を前にここに来た事情を説明するハルナ。事情を理解した明石は自身も此処に来た理由を語り出す。

 

「少し前に悠さんから指示があったんです。”南の工場地帯に一部隊待機させろ。合図をしたら人質の保護をしてその場を離脱しろ”って。」

 

「人質…凪沙の事か!?」

 

「え、えぇ。部隊のメンバーに那珂ちゃんを入れろって指示が有ったので…。」

 

「でもそれでどうして明石さんが此処に来たの?しかも灰原君のバイクに乗って…。」

 

「相手が悠さんの変身するライダーを知り尽くしてると聞いてコレの出番かと思って持って来たんです。

コレは悠さんにすら知らせて無いですから、有効だと思って。」

 

そう言ってライドチェイサーに積まれてるケースに手を掛ける明石。ここでハッと思い出した顔になってヘルメットを被る。

 

「そういう訳なんで私はこれで!」

 

「あぁ待って明石さん!灰原君達が居る場所知ってるの!?」

 

「はい、この先200mの工場です!先に出た部隊もその近くに居ると言う連絡がさっき。」

 

「なら私も連れてって!ライダーの力を持ってる私が居た方が何かと都合がイイでしょ!!」

 

「えぇッ!?桜井も仮面ライダー!?」

 

「…分かりました。後ろに乗ってください!」

 

ハルナを乗せたライドチェイサーはアクセルを吹かして走っていった。

残された三人も場所が分かったので、目的地に向かって走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<< CHASER! >>

 

「オォッ!!」

 

「グッ──ッ!!」

 

ブーストを使った肉薄したチェイサーの拳を腕を交差してガードしたがその威力にゴルドドライブが後ずさんで行く。

その後のチェイサーの攻めに行く姿勢は止まる所か勢いを増して行く。ゴルドドライブを相手にする場合データを取られる前に叩く短期決戦。

ライダーとなったチェイサーの力を知られる前に倒す千載一遇のチャンスをみすみす逃してはならない。ここでゴルドドライブを倒せば戦況は逆転できると言っても過言ではないのだ。

 

だがそんなチェイサーの考えをゴルドドライブは容易に読んでいた。チェイサーの重いストレートの連打をガードしながら複眼が点滅している。既に分析は始まっていたのだ。

 

(新しいライダーで勝機を見出してるようだが、バージョンアップを施したゴルドドライブのサーチにはすべて筒抜けだ!

それに見た所コアドライピアを使った系統のライダーならすぐに…ッ!)

 

改良に改良を施した機能の性能を信じて疑わないゴルドドライブは内心余裕の姿勢を崩さないでいた。

 

あと少しで全ての解析が終わる。脳裏に浮かぶ光景はボロボロとなったチェイサーの姿。希望が絶望に変わる瞬間を間近で拝めると期待したゴルドドライブだが、出て来た結果に言葉を失った。

 

 

 

 

 

ーERRORー

 

 

「なん……だと…。」

 

「ドゥラァッ!!」

 

「ングゥッ!?」

 

想いも寄らない結果に動揺した所為かガードが甘くなった所を破られ、チェイサーの拳がゴルドドライブの顔面に入る。

 

殴り飛ばされ転げ回るゴルドドライブの脳内は表示されているERRORの文字に理解が追い付かず、困惑に満ちていた。

 

「バカな!?エラーだなんて、あり得ないッ!!!

ましてやコアドライピアの解析など、バージョンアップを施したゴルドドライブなら楽に……なんなんだソレは!?その姿は一体……どういう事なんだァ!?!?!?」

 

「んなの……知るかぁッ!!」

 

「グハッ…!」

 

起き上がりのゴルドドライブに対し、追い打ちと言わんばかりの飛び膝蹴りを頭部に叩き込む。

 

地面を転がり回るゴルドドライブは八つ当たり気味に手を地面を叩きつけるとチェイサーに向かって行く。

 

(何故だ!?何故コイツの分析が出来ない!?

ジャミングによる妨害か!?それともさっきの消火剤でシステムに可動不良が起きたのか!?)

 

殴る蹴るの組み合いをながらサーチを掛けるも出て来る結果はエラーという現実にゴルドドライブは次第に感情的になってしまい、それが体にも現れ攻撃が単調になりチェイサーの攻撃を受ける羽目になる。

 

「ハァッ!」

 

「グッ!───(何故だ、なぜ今になってコイツが……今まで分析できなかったもの等、一つも……?)」

 

 

 

何一つとして分析できなかったものは無い?

 

いや、あった。

 

そう、それはまだ自分がデータの塊になる前、目の前の怨敵とやり合う前に見た小さな爆撃機と未知の力を持った少女達…。

 

 

 

 

 

(そうだ………あの時の小さな爆撃機と妙な女共。アイツ等にだけはゴルドドライブの分析が効かなかった!!)

 

一人言葉に出さず結論付けると遠くからラルクと共に離れて見てる明石に目が行った。

 

(あの女はあの時の奴等と同類と見ていい…きっとアイツ等は科学とかでは解明できないオカルトの類だ、彼が今使っているのがソイツ等と同様の技術、或いは現代科学では知られてない素材で造られているのだとしたら…。)

 

 

「ドラァッ!!───ッ!」

 

「──フンッ!」

 

チェイサーの蹴りをその身で受けながらも足を掴み、そのまま投げ飛ばしたゴルドドライブ。

 

先程までの焦燥は無くなり、平然とした態度でチェイサーを見据えていた。

 

「フゥ………分析出来ない仕組みが分かった所で、ボクの勝機は揺るがない…何故ならァ!!」

 

今度は打って変わってゴルドドライブの猛攻が始まる。

 

チェイサーの繰り出す攻撃より速く、強く、的確に。一時有利に戦況を進めてたチェイサーがゴルドドライブの猛攻を防ぐのに必死であった。

 

「データを取れずとも、ゴルドドライブにはキミ等の戦闘データ以外に、BABELのライダー達の戦闘データも入ってる!!正にキミは今、この世界で確認された仮面ライダー全員と戦っているんだ!!勝ち目など割り出さずとも、0%は必須!!」

 

「…へぇ、そりゃ良い事聞いた。」

 

「ナニィ!?──ッ!」

 

ゴルドドライブのフックを受け止めて肘固めを決めて組み合う形になり、チェイサーは振り解こうとするゴルドドライブに言葉を投げ続ける。

 

「つまりだ。ここでお前を倒せばテメェ等倒すのに大きな一歩って事だろ?…俄然やる気が出て来るね。」

 

「ッ!!!……キミって男は……何処までも減らず口をォ!!!」

 

チェイサーの固め技を体内のコアのエネルギーを解放して放った衝撃波で解いたゴルドドライブ。

 

衝撃波で飛ばされたチェイサーは直ぐ起き上がり、体から金色のエネルギーを放ってるゴルドドライブに溜息を吐く。

 

「……せめて武器があればなぁ…。」

 

「悠さん!!」

 

ボソっと吐いた言葉を耳に入ったのか遠くから見ていた明石がチェイサーに向かって叫ぶ。

 

「チェイサーの専用武器も造ってあります!!バイクの中に収納されているので、呼び掛ければ──!!!」

 

「──成程。」

 

明石の言う通りに近くに停めているであろうライドチェイサーに向けてシグナルを発すると工場の外で停めていたライドチェイサーの中から一振りの長物がチェイサーの手に渡った。

 

「…………ナニこれ?」

 

──だが、それはとても武器と言うには些か独特すぎた。

 

経常的には大振りの片刃の斧であるが、斧と言うよりも外で良く見掛ける歩行者信号機に刃を付けたようなモノ。更には刃と信号の間に[ライダー専用]と書かれた文字があり持ち手の方にも押しボタン等、斧と言うより信号機を持っているかのような気分だった。

 

「…………明石…コレって……。」

 

「ハイ!!量産型の合間に造った私の最高傑作!!その名も──!」

 

 

<< シンゴウアックス! >>

 

 

武器の方から名前が出た斧、[シンゴウアックス]を手に未だ微妙な気分のなか構えるチェイサーに、ゴルドドライブが怒りを表すかのように体を震わせてた。

 

「そんな……そんなふざけたモノでボクを倒すゥ?…………ボクを、バカにしてるのかあぁああぁぁぁッッッ!!!」

 

これ程までに無い怒号を撒き散らしながらチェイサーに駆けてくゴルドドライブとは対象にチェイサーは冷徹な姿勢でシンゴウアックスを手に駆けて行った。

 

「死ィィねェェええ!!!」

 

「ソォㇻァッ!!!」

 

エネルギーを纏って突き出した拳に対し袈裟懸けにアックスを振り降ろす。

 

一撃が必殺技と同等の威力を持ったゴルドドライブの拳はチェイサーの胸部に当たる前にリーチを差でゴルドドライブの前腕部に直撃した。

 

「グァァアッ!!……ッ!こ、コレは!?」

 

斬られた個所を抑えてた手を退かすと今日何度目になるかの驚愕の事実を突きつけられる。

 

バージョンアップにより強化されたスーツの防御力は勿論の事、素体となってる強化態ロイミュードの強度も下級と比べれば倍に近い数値を叩きだしており、ゴルドドライブは絶対の勝利を約束されたと確信していた。

なのに今斬られた腕にはでかでかと大きな切口が残され、中の配線や血の代わりに出てるスパークが確信から過信へと様変わりさせていた。

 

「バカな……何故だ、何故だ!!!

圧倒的な進化を遂げたゴルドドライブが、何故そんなふざけた武器にィ!?」

 

「甘いわね!!見た目で判断するってのが大きな間違いよ!!!

そのシンゴウアックスは、例えるなら戦艦十人力のパワーを籠めたトンデモ兵器なのよ!!!」

 

「見た目の割にスゴすぎじゃない!?」

 

「むしろ何故こんなデザインにしたんだ…。」

 

「おのれェ…!認めない、こんなの断じて認めるモノかァアアアァア!!!」

 

明石の解説に思わず突っ込みを入れるラルクとチェイサーの余所にゴルドドライブの怒りは頂点にまで達していた。

 

最早冷静の欠片も見られない姿にチェイサーは思わず口にでる。

 

「ハッ……やっぱアンタこういった荒事に向いてねえなぁ…。

…また同じ敗因を繰り返そうとしてるぜ。」

 

 

最早チェイサーの言葉を耳に入らない状態のゴルドドライブに対し、チェイサーは攻めに行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場面は変わり、目的地の工場内を目指している古城達一向。

 

結構な離れの為走ってるのに関わらず結構な時間が掛かったがようやく目的地まであと僅かと言った所で、この場には似つかわしくない集団を目に古城と雪菜は咄嗟に物陰に隠れた。

 

「なんだありゃ?……女、か?」

 

「ですね。でもなんでしょうか、この、ハッキリ見えてるのに見えて無い矛盾した感覚は……まさか、認識障害の術?」

 

「アイツ等もBABELも仲間か?……ってオイ!?何出て行ってんだよラ・フォリア!!」

 

「大丈夫ですよ二人共。あの人達は味方ですから。」

 

謎の集団に駆け寄ってくラ・フォリアを呼び止めようとしたが一切効く耳を持たずに近づくラ・フォリア。

すると集団の内一人、小柄な体格の少女らしき人物がラ・フォリアに気付いた。

 

「ぁ!ラ・フォリアだ!!オーイ!」

 

「え、ラ・フォリアさん!?どうしているんですか!?」

 

艦娘の一人である駆逐艦のリベッチオが手を振りながらラ・フォリアの元まで駆け寄り、それに続いて重巡のザラがこの場に居る訳を聞いて来た。

 

「ここに凪沙が居ると偶然聞いたので……悠はこの先に?」

 

「はい。先程から戦闘らしき物音が…。」

 

「さっきもズッドーン!って音が鳴ってたよ!!」

 

「明石達は?私達より先に向かった筈ですが。」

 

「えぇ。ハルナさんを乗せて向こうに居ます。」

 

事の出来事を聞くラ・フォリアの後ろでは追い掛けた古城と雪菜はこの状況に追いつけず、説明を求めようと声を掛けた。

 

「なぁラ・フォリア。その人?達は………?」

 

「あーー!あの時のお兄さんとお姉さんだ!!なんでここに居るの?」

 

「え?あの…あの時、って……?」

 

「あ、そうだった。艤装着けてるから…バァ!」

 

「ッ……お前…リべ!?」

 

「えへへー!びっくりした?」

 

艦娘達の艤装に着いてる認識阻害の術が解け灰原家を訪れた際に知り合ったリベッチオと気付くと驚きを隠せない二人。

 

続いてザラも解き姿が認識出来ると、更に驚く古城を余所に二人程離れて此方を見ている人物に対しあの時居たリットリオとローマの二人ではないかと推測する雪菜であった。

 

「これって、どういう事なんです?どうしてリべちゃんやザラさん達が…。」

 

「それの説明は後にして…ザラさん、凪沙は?」

 

「それでしたら、あそこに…。」

 

「ッ。凪沙!!」

 

古城が真っ先に駆けてった所では、体育座りで顔を膝に埋めてる凪沙の傍に付いている那珂の姿が。

 

「あ、凪沙ちゃんのお兄さん。」

 

「那珂、さん。だったよな。凪沙は…。」

 

「うん。指示が送られて直ぐに保護はしたけど、ずっとこの調子で…。いくら話し掛けても何も答えてくれなくて…。」

 

「…凪沙。」

 

凪沙の前に立ちしゃがんで優しく声を掛ける古城。

兄の声と気付いたのかゆっくりと顔を上げる凪沙だが、その顔は涙で目元が赤く腫れており滅多に見ない顔に古城は戸惑う。

 

「大丈夫か凪沙!?どこか怪我でもしたのか!?」

 

「…古城くん……凪沙…ゆーくんを、怖いって思っちゃった…。」

 

「ッ。凪沙…。」

 

「あんな…あんな傷だらけになって、血も一杯出てて……助けてくれたのに、それを……突き飛ばして…!」

 

「凪沙……。」

 

「「……。」」

 

凪沙には一種の後悔の感情に包まれていた。

あの時は自身のトラウマ症候群によって突発的な行動をとったが後になって自分の危機を救ってくれた事の大きさに気付いた分それに対する罪悪感に凪沙の心は塞ぎ込んでしまったのだ。

 

どう声を掛けるべきか悩んでいる古城であったがこのような事態にどういった言葉を掛けるべきか、下手したら逆効果も考えられるこの場面。

 

ーこんな時、アイツはどうする?-

 

今回の中心人物でもある男の顔を思い浮かべた時だった。

 

 

ードガァァアンッ!!!ー

 

 

「キャアァ!!」

 

「ッ!な、なんだ!?」

 

 

突如工場の壁が内側から突き破られ外に転がる様に飛び出て来た二つの影。

 

 

 

「カァアァアメェェン、ラァアイィダァアアアァアーーーーーッッ!!!」

 

片や奇声に近い威嚇を叫びながら、膨大なエネルギーを放出するゴルドドライブ。

 

 

「チッ………このヒステリックベルトが…!」

 

巨大な斧を手に毒を吐くチェイサー。

 

 

「アイツはあん時の…!てことはあの斧持った奴は…灰原?」

 

「…ラ・フォリア王女。灰原先輩は一体幾つの仮面ライダーに成れるんですか?」

 

「それは私にも分かりませんよ。あの人は必要以上の事を言う人じゃありませんから…。」

 

 

 

向かって来るゴルドドライブを前にシンゴウアックスで受け止めて行くチェイサーの目に此方を見ている古城達に気付いて声を荒げる。

 

「何をやっているッ!!!

死にたくなかったら早く此処から離れろ!!!」

 

ゴルドドライブを壁に追い詰め、アックスの持ち手で首を抑え付けて動きを止めるチェイサーに対し古城達は。

 

「…先輩。一先ず此処は凪沙ちゃんを連れて離れましょう。

凪沙ちゃんの前じゃ私も派手に動けません。」

 

「でもッ…!でも、オレは…。」

 

「ちィッ!……お前等!そいつ等を無理矢理にでも連れて行け!!」

 

「で、でも悠さん!」

 

「早くしろォ!これは命令だ!!──。」

 

「グウゥ───ヌアァアアアッッッ!!!」

 

「ガッ──!!」

 

「灰原ッ!!」

 

抑え付けていたゴルドドライブがチェイサーの腹部に膝蹴りを入れ、姿勢が崩れた瞬間アックスを払いチェイサーの顔面を殴った。

殴られたチェイサーは詰まれていたドラム缶の山に突っ込み、チェイサーに崩れたドラム缶がチェイサーに降り掛かる。

 

「消えろォ!ボクの前から…消えてしまえエエ!!!」

 

ベルトのイグニッションキーを捻って特大のエネルギー球体を造りチェイサーに向けて放つ。

起き上がったチェイサーの元で着弾した球体は凄まじい轟音と火柱を立てて爆発し、熱風が古城達を襲う。

 

「ハァ、ハァ、ハァ……キミ達もォ…みんなァ……消えてしまえェェ…!」

 

次いで古城達に目を付けたゴルドドライブがエネルギー球体を古城達に向けて放とうとする。

 

リットリオとローマは後ろの古城達を守ろうと前に、ザラとリベッチオも艤装を身に付け一番近いラ・フォリアと雪菜に覆い被さり、那珂が古城と凪沙の腕を引いて下がらせようと引っ張り。

 

 

「死ねェ!!!」

 

 

ゴルドドライブの光弾は、無情にも放たれ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<< ズーット・CHASER! >>

 

 

 

「ゥオォッ!!!」

 

 

ードォオオオオンッ!!!ー

 

 

着弾するよりも前にリットリオ達の前に出て来たチェイサーがシンゴウアックスで光弾をあさっての方角に打ち返した。

 

 

「お前ェエエ…!」

 

「悠さん!」

 

「大丈夫なんですか!?アナタさっき…。」

 

「あれくらいで死ぬか…「悠さん!!」…ん?」

 

リットリオとローマの問いかけを軽く流したチェイサーの耳に、物陰から顔を出して叫ぶ明石の声が聞こえる。

 

「シンゴウアックスにシグナルチェイサーを入れてください!!それで必殺技が出ます!!」

 

「なに?……これか…。」

 

明石に言われシンゴウアックスに丁度シグナルバイクを挿しこめる窪みを見つけたチェイサーはマッハドライバーからシグナルチェイサーを抜き、窪みに挿しこんだ。

 

 

<< ヒッサツ! >>

 

 

「そして持ち手のスイッチを押してください!」

 

「分かった。」

 

 

指示通りにスイッチを押し、いざ必殺技をゴルドドライブに…。

 

 

<< マッテローヨ! >>

 

 

「……………は?」

 

 

<< マッテローヨ! >>

 

 

信号機の赤に光が灯り謎の音声にチェイサーどころか、後ろのリットリオ達や古城達も唖然としていた。

 

 

「………ねぇ明石さん。アレ……ナニ?」

 

「チャージです!」

 

「……うん。チャージってのは分かった。で?あのマッテローヨって、ナニ?」

 

「私の趣味です!!」

 

 

 

 

 

「……ラ・フォリア王女。アレは…。」

 

「えぇ……礼儀正しい武器ですね。」

 

「いえ、そういう事を聞いてるんじゃなくて…。」

 

 

 

 

 

「……あァそうかァ………キミはボクを……そこまで怒らせたいのかァァアアアッ!?」

 

 

「ッ、悠さん、来ます!」

 

「分かってる!!」

 

 

<< マッテローヨ! >>

 

 

イグニッションキーを回し溢れ出るエネルギーがゴルドドライブの脚部に集まり出す。

 

対するチェイサーは未だ待機音(?)の為るシンゴウアックスを手に待ち構えるしか出来なかった。

 

「オオオオォォオォオォッッ!!!」

 

「ッ!、お前等下がれ!!クソッ、まだか!?──。」

 

 

跳び上がるゴルドドライブがキックの体制に入り、右足をチェイサー目掛け突き出す。

 

チェイサーはアックスを構え、その時が来るのを待ち──。

 

 

<< イッテイーヨ! >>

 

 

「ッ!やっとか!」

 

 

「ヌァアァアアァアッッ!!!」

 

 

赤から青に変わり、紫のエネルギーが刃先に集まったアックスをチェイサーは高々と構える。

 

 

そして、突き出されたキックと勢いよく振り下げたシンゴウアックスがぶつかった。

 

 

「オオオオォォオォッッッ!!!」

 

「ヌゥゥゥウウゥゥウッッッ!!!」

 

 

合わさり合った技が二人を中心に余波として周囲に広がり、工場のガラス等が割れるなか結果は──。

 

 

「────オォォオォラァアッ!!!」

 

 

「ヌァアアッ!?」

 

 

一歩左足を前に出し、背負い投げの要領で上体を毎アックスを振り降ろしたチェイサーの一撃はゴルドドライブのキックを上回って弾き飛ばした。

 

弾かれたゴルドドライブは壁にぶつかり、右足には膝まで届くほどの傷跡が刻まれた。

 

 

「バカな……こんな事……一度にならず、二度までも……!」

 

 

「これで………決める!」

 

 

<< Full Throttle! >>

 

 

勝負を付けるべく駆けるチェイサー。

 

距離を詰め寄り豪快に横薙ぎに振るったアックスは、横断歩道の軌跡を描いてゴルドドライブを腰から両断。

横一文字に刻み込んだチェイサーの必殺技[アクロスブレイカー]が決まった。

 

「ガッ……グゥ!………グァアアァアアアアアァアッッ!!!!!」

 

 

雄叫びを上げながらゴルドドライブは後ろ倒れになる途中で爆散。

 

その際にボディから出た謎の浮遊物体が弾けた音がチェイサーの耳に聞こえた。

 

 

 

 

「────フゥ。」

 

 

 

 

「…勝った?………いやっっったぁーーーーーーーっ!!!!

私の造ったライダーシステムが、勝ったぁーーーーーーっ!!!!」

 

「ちょちょちょっ!?」

 

 

 

「Fantastico!(素晴らしい!)ナイスファイトです!!」

 

「えぇ。……色々と疲れましたけど。リアクションに。」

 

 

 

「Evvai!(やったー!)ユウが勝った!ユウが勝った!」

 

「あ、えと、あの、リべちゃん?」

 

「フゥ………良かった。」

 

「ハイ。……」

 

 

 

「やったーーーっ!ユウちゃんカッコいいーーーッ!!!流石将来のお義兄ちゃん!!」

 

「………。」

 

「………。」

 

 

興奮のあまりラルクに抱き着く明石や、雪菜の手を取って跳びはねるリベッチオ等、チェイサーの勝利に歓喜を見せるなか古城と凪沙は只ジッとチェイサーに視線をやる。

 

 

「………。」

 

対するチェイサーも二人の視線に気付いて、顔を向けて来るが一向に言葉を発して来ない。

 

暫くして、チェイサーの足が動きだしそれに反応する二人だが、踵を返してその場を去って行く。

 

「ッ!オイ待て!!灰原ッ!!!」

 

「ゆ、ゆーくんッ!!」

 

「先輩!?凪沙ちゃんも待って…!?」

 

後を追い掛ける古城と凪沙を止めようとした雪菜だがそれを制するようにラ・フォリアが雪菜の前に立った。

 

「…何のつもりですか?ラ・フォリア王女。」

 

「別に?ただ空気を読んでの行動ですよ?」

 

「…私は獅子王機関の剣凪です。機関から捕縛を命令された以上この場を見逃す訳には…。」

 

「そうですか……でも、先程の彼を見てアレが果たして本当に危険な存在と言えますか?少なくとも私には先程倒した金色の仮面ライダーの方が危険と思いますよ?」

 

「でもそれだけでは確たる証拠にはなりません!少なくとも今はあの仮面ライダーを…灰原先輩を拘束して話を…「お姉さん。」…ッ、リべちゃん…。」

 

「ユウを…捕まえるの?ユウ、何も悪い事して無いよ?みんな助けて貰ったよ?」

 

「ッ…。」

 

「…雪菜。アナタが組織の一員である以上、私が言ってもどうにも出来ないと思いますからこれだけは言わせて貰います。………アナタが本当に優先すべきモノは、獅子王機関から下される命令ですか?それとも、目の前に起きて見た真実か……もう少し考えても、遅くありませんか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チェイサーは明石が乗って来たライドチェイサーの元まで近寄りエンジンを掛けると、此方に近づいてく気配を察して振り向く。

 

あらかじめ来る事を予想していたが、そこには駆け足で追い掛け来た古城と凪沙がチェイサーと対面する形でやって来た。

 

「えっと、そのよ………お前には聞きたい事や、さっきの頭突きのお返しとか、色々あるけどよ……それより先に凪沙を助けてくれて、ありがとう。」

 

「………。」

 

「ゆーくん……ごめんなさい!!!ゆーくんが助けに来てくれたって、分かってたのにゆーくんの事を…。」

 

「………。」

 

「…なぁ、何か言えよ。オレ等だけ喋ってずっとだんまりとかよ、それはそれで結構キツイぞ?」

 

古城の問いかけに対し、チェイサーは…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…お前達の知ってる灰原 悠は、もう居ない。」

 

「………は?」

 

「ゆーくん?…なに、言ってるの?」

 

「お前達の見てきた灰原 悠は、所詮偽り。その場凌ぎであわせて対応しただけに過ぎん。

それに、ソイツを助けたのはあの場で余計な事を知られる前に追い出しただけ。俺の本当の目的はBABELを倒す事。ソイツの命は、その次いでだ。」

 

「…ウソ、だろ……だってお前公園でオレに…!」

 

「良い演技だったろ?お前みたいなタイプには、あぁ言うセリフで大人しくなりやすからな。」

 

「ゆーくん………そんな…イヤだよ、こんなの…。」

 

「………コレが俺だ。もうお前達に関わる必要も無い。──秋やその他の連中も、もう用済みだ。」

 

「ッ!…オイ。それどういう事だよ…!」

 

「言葉の通りだ。もう利用価値は無くなった。これからは一人で対処可能だ。」

 

眼が見開きっぱなしの古城達を置いてライドチェイサーに跨るチェイサーを前に、未だ理解が追い付かないでいる。

 

「───最後の忠告だ。これ以上俺に関わるな。もし破れば…殺す。」

 

「ッ!」

 

明確に向けられた、殺気。

古城に向けられた殺意は体を金縛りの如く縛り、背中に冷たい感覚が奔るなかチェイサーを脇目も振らずアクセルを回した。

 

殺気を突きつけられた古城は、未だその縛りに動かせず、凪沙は只走り去ってくチェイサーの後姿を涙を流して見ている事しか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(………これで良い。これでもう、アイツ等は俺を見限る…。)

 

道を走るライドチェイサーを操るチェイサー。

 

その最中、チェイサーは先程倒したゴルドドライブの確かな手応えを思い返していた。

 

(残るは三人…………その中で一番に厄介なヤツを今回倒した…これで俺も加減無くやれる。)

 

浮かび上がったのは破壊者の仮面を着けた自分。強力な分デメリットもある上にゴルドドライブのデータ収集によって対策を立てられるのを防ぐため今まで使用を限りなく控えたが、今現在その脅威は無くなった。

 

敵の三人の情報も未だ未解明な所はあるがある程度の対策を元に戦える。そう、誰の手も借りず一人で。

 

(唯一の気掛かりと言えば、アベル。ヤツは十中八九転生者絡みだが、あの日以降目立った動きが無い事から何かを準備している可能性がある……ヤツをぶちのめす前に、BABELの連中を…。ッ!!)

 

今後の方針を決めかねている最中、走行中のライドチェイサーに向けて何者かの攻撃を受けた。

 

すぐさま停止し、攻撃が放たれたであろう場所へ目をやるとチェイサーは仮面の下で目を見開いた。

 

「お前は……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………。」

 

悠々と歩いて来るソレは、チェイサーの思考を一瞬止めるのに十分な姿をしていた。

 

全身黒のボディスーツに胸部に格闘ゲームの様なゲージと頭部のギザギザな形の頭髪に見た事も無いベルト。右手には此方を撃ってきたであろうパッド型の武器を取り付けている。

 

そう、チェイサーの知らぬとこでアベルに襲い掛かった、未確認の仮面ライダーであった。

 

「仮面ライダー…?…しかも、俺の知らない新しいタイプの……テメエ何モンだ?BABELの仲間か?」

 

「………。」

 

チェイサーの呼び掛けに対し何も言葉を発さない黒い仮面ライダーは、腰のベルトに取り付けられてるホルダーに挿されてるモノクロのラベルを張った黒いライダーガシャットを見せ付ける様に取り出す。

 

「そのアイテム……テメェ、アベルか!」

 

「………。」

 

以前アベルが手にしてたモノと同形状のアイテムを持っていた事からチェイサーは黒い仮面ライダーがアベルと思い込んで問い掛けるも、これも無言で返され黒い仮面ライダーは取り出したガシャットの起動スイッチを押した。

 

 

<< SHAKARIKI SPORTS >>

 

 

 

「ッ!?」

 

 

<< ガッチョーン >>

 

 

黒い仮面ライダーの背後に突然モノクロの画面が現れ身構えるチェイサー。

 

画面から出て来たモノクロのBMXバイクが黒い仮面ライダーの周囲を囲むように独りでに走る。

 

<< ガッシャット! >>

 

<< ガッチャーン!──LEVEL UP! >>

 

ライダーガシャットをベルトに差し込み、先程閉じたベルトのレバーをもう一度開くと開かれたベルト中心の画面に人型とタイヤの画が描かれたゲートが現れた。

 

<< Mighty Jump! Mighty Kick! Mighty Action──X!>>

 

<< アガッチャ!>>

 

<< シャカリキ!メチャコギ! Hot!Hot! シャカ!シャカ!コギ!コギ! SHAKARIKI SPORTS!  >>

 

周囲を回っていたBMXバイクが宙に浮かび形を変えると黒い仮面ライダーに装着する形で身に纏われ、モノクロの胸当てと両肩のタイヤが特徴的なフォームへと姿を変えた。

 

「一体何なんだそりゃ…。レベルアップだと?」

 

半ば呆然としてるチェイサーを余所に黒い仮面ライダーは黒いライダーガシャットをベルトから抜くと、ベルトのサイドに着けられたスロットに挿し込み、スイッチを入れた。

 

<< ガッシャット!──キメワザ! >>

 

「ッ!」

 

左肩に着いてるバイクの車輪を取り外すと、車輪にベルトからモノクロのエネルギーらしきモノが纏わり、黒い仮面ライダーはそれを投げる構えを取る。

 

「何が何だが分からんが、アレはマズイ!」

 

<< シンゴウアックス! >>

 

<< マッテローヨ! >>

 

長年の経験から黒い仮面ライダーが投げて来る車輪に危機感を感じ即座にシンゴウアックスを手に必殺技の用意をするチェイサー。

 

対する黒い仮面ライダーはスロットのスイッチをもう一度押した。

 

<< SHAKARIKI CRITIKAL STREIKE! >>

 

「ッ!──」

 

エネルギーを最大にまで纏った車輪は高速回転しながら不規則な軌道を描いてチェイサーに迫る。

 

対するチェイサーはまだ技のチャージ中だった。

 

<< マッテローヨ! >>

 

「あぁもう!遅い!──。」

 

<< イッテイーヨ! >>

 

「ッ!──ウラァッ!!」

 

<< Full Throttle! >>

 

迫り来る車輪をバットスイングの要領で打返しに行くチェイサー。

 

ギャリギャリと削る音と派手に飛び散る火花に全力を以って迎え撃つチェイサー。

 

やがて拮抗状態が続くと、事切れた様にチェイサーと車輪が同時に弾かれる。

 

「グァッ!!」

 

<< オツカーレ >>

 

変身が解けた状態で地面に転がり回る悠。先程のゴルドドライブの戦闘も有ってかなりの傷を負った姿で疲労も相当溜まっているのが見て取れた。

 

「グッ……ッ!」

 

「………。」

 

倒れ込んだ悠が顔を上げると、そこには最初に出て来た姿で此方にパッドの銃口を向けている黒い仮面ライダーが立っていた。

 

黒い仮面ライダーは悠が顔を上げるとパッドからオレンジ色の粒子を悠に浴びせた。

 

「ッ!?───ガッ!?グゥゥゥッ!!…ガァッ!!!」

 

粒子を浴びてしまった悠は毒かと思い口を手で抑えるも胸を抑え苦しみだす。

それを見た黒い仮面ライダーはそっと離れ、その場を悠々と歩きながら去って行った。

 

「ま、待ちや、が…れ……ァ、ァア…。」

 

立ち上がろうと腕に力を入れるも、強烈な頭痛や発熱の所為で力が入らず、悠自身気付いては無いが体にノイズの様なモノが走り、その勢いは増していっていた。

そんな状態に関わらず悠はどうにか膝立ちの状態まで起きあがり…。

 

「ク、ソォ………まだ、死ねる、かァ!…………ヤツ等…全部……一人残らずッ……殺すまではァ!!!」

 

天に向かって雄叫びを上げる悠。

 

この時悠自身の体にはある異変が起きていた。だが、その事実に悠自身気付くのは、まだこれからの先の事である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、場面は変わりゴルドドライブとチェイサーが激闘を繰り広げた工場地帯。

 

時刻は夜になり、人っ子一人いない闇の時間にその男はいた。

 

黒ローブで全貌が見えない謎の男、アベルが。

 

「ん~~。今回のショウは違った意味で楽しめたかなぁ?

にしてもあんな場面で新しいライダーかぁ、なんとまぁご都合主義というか悪運が強いのか……やっぱりアイツが相応しいって事かな!これからのショーを盛り上げる、立役者として♪」

 

工場の屋上で腕を枕に寝そべるアベル。意味深な発言をしていたが、ここでハッと気づいたように懐を弄ると、黒い仮面ライダーが持っていたパッドを取り出した。

 

「さぁて、そろそろデータの復元は出来たかな?ほんの欠片程度しか集まんなかったけど……お、成功成功♪」

 

パッドの画面を顔を近づけて覗き込むと、データの羅列が次第に形となって画面に現れた。

 

「ほぅら起きなよ、グッモーニ――ング♪…死に損ねた、科学者さん♪」

 

<……ヌ………ヌゥ…。>

 

パッドの画面にはゴルドドライブのベルトに写しだされたデータ体の番堂の顔が写しだされてた。

 

アベルの呼び掛けに次第に番堂の意識がハッキリしだし、遂に倒した筈の番堂が再び目覚めだした。

 

<ゥウ……?…ッ!な、こ、これは一体!?…ッ!お、お前は黒ローブの!?>

 

「ヤッホー♪感謝してよ。チェイサーに壊されたお前のコアの欠片を、ボクが密かに回収して無かったらこうして目覚める事は無かったんだから。」

 

<お前が、ボクを?……お前は、誰なんだ?助けたと言う事はボク達の味方なのか?>

 

「…プッ!、クハハハハ……味方ねェ……冗談も程々にして欲しいな。誰が何度も倒されるヤツの味方なんかなるかよ。」

 

<ッ!?>

 

番堂の質問に逆鱗が触れたのか態度が急変する。番堂は眼前の男の得体の知れない威圧感に圧され底知れぬ恐れを自然と抱いてたが…。

 

<…フン。そう、それが聞けて何よりだ。なら、キミはボク達の敵と見ていいようだね。>

 

「へぇ?」

 

<助けてくれた感謝はするけど、取りあえずはその事だけ知れたのを成果にボクは失礼するよ。敵と見做したお前の事を大臣に…ッ!?>

 

「……ブッ、ハハハハハハハッ!!!出れる訳無いじゃん!!!修復する際にボクに抵抗できないよう弄るなんてオチは最早お約束じゃん?」

 

<グッ………貴様、ボクをどうするつもりだ!!>

 

「なぁ~に、ある作業を手伝って欲しいだけさ。それが終わればちゃんと解放するし、なにも危害は加えないよ……黙って従えばのハナシだけど?」

 

<ッ!?>

 

「……さて、これからのキーマンは手に入ったし、仕込みも万全。後は芽吹くのを待つだけ、と…。

…それまでの退屈しのぎに丁度良いオモチャも見つけたし♪……はぁ~~、ホンット、世界って面白いや♪」

 

その時が来るのを子供の様に無邪気に振る舞うアベルは腕を枕に寝そべって夜が明けるのを待った。

 

 






この間の感想欄に決別する展開が読まれて、ドキっとなりました。
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