クローズか、変身してる万丈の性質もあって正に近接特化というイメージのライダーですね!
ビルドもまだ新しいフォームやライダーも出るし、どんなのが来るか待ち遠しいですね。
銃身が回りながら火花を撒き散らす、弾頭を失った薬莢が音を鳴らしながら吐き出される、放たれた鉄火の雨が空を奔る機械の塊を落としていく。
「流石に数が多い……トイボックス。 敵の残数をカウント。」
<< 了解。 敵性反応、残リ153。>>
「多ッ。」
撃ち落とし続けるG4の直線状から飛んで来るクッキー達は分断して方向転換しだす。
左右に分かれ、四方を囲んでくる陣形を取って来るクッキーに対し、G4は…。
「トイボックス、自動迎撃!」
<< 了解 >>
G4の音声コードを認識したトイボックスの両サイドからケルベロス程の大きさのマシンガンが取り付いたアームが出て来た。
アームに付いてる二丁のマシンガンがG4の死角から来るクッキーを撃ち落とし、鉄の塊を生み出すペースを早めていくが、クッキー達も四方を囲む陣形を維持しながらブレードを構え、神風の如くG4に特攻を仕掛ける。
「ッ!──ッ。」
迎撃とトイボックスからの援護も間に合わないと察したG4はホルスターに収められたGM-01改 スコーピオンを抜いて、左腕でケルベロスを斉射しながら発砲。
会見でスティールソルジャーを纏っていた時よりスコーピオンは一発で仕留められる程の威力を有してるが、狙いが定まってないのか一発で仕留めきれず、命中精度が会見の時と比べ格段に落ちていた。
(反動が強くて手負いの右腕じゃ狙いが定まらん!)
内心今の状態に毒を吐きながらケルベロスを特攻を仕掛けるクッキー達へ標準を合わせる。 だがそれに対してクッキー達の特攻は止まらず、遂に一瞬の隙を突かれて一体のクッキーがG4の懐へ入る。
「ッ、ヤバッ…!」
気付いて咄嗟の反撃も間に合わず、クッキーの持つブレードが振り降ろされる。
どうにかバックステップでブレードは回避できたが、振り下ろされたブレードは腕に抱えるケルベロスへと振り降ろされレーザーで銃身が焼き切れたケルベロスは装填された弾薬に引火してしまい爆発を起こして使用不能にされてしまった。
舌打ちを吐きながらも追撃を仕掛けるクッキーの剣戟を掻い潜ってミドルキックを炸裂。 倒れたクッキーの腹部を踏みつけ、スコーピオンを頭部に二発。
背後に気配を感じ、ローリングで回避。
スコーピオンを構えた先に居たのは、自身を地上、空中にて取り囲んでるクッキーの軍勢だった。
「……トイボックス。自動迎撃は?」
<< 自動迎撃装備・スイーパー 残弾数・0 >>
「それ普通弾切れる前に言う事じゃねえの?」
<< ……… >>
「…ッチ、一からプログラミングし直しかよ…。
で、残りは?」
<< 敵正反応 43マデ低下 >>
「半数は切ったってか…でもこれじゃあ、なぁ…。」
状況は四面楚歌の絶体絶命…とまでは言わないが、それでも手持ち武器がスコーピオンと左腕に装着されているナイフ、GK-06 ユニコーン改だけ。
武器庫でもあるトイボックスの所に行けばこの状況は難無く突破できるが、生憎と距離を離されており辿り着くにはこの包囲網を突破する必要がある。
この状況下においてG4はある決断を迫られた。
「……仕方ない、強硬突破といきますか…。」
スコーピオンを左手に持ち替え、フリーとなった右腕は本来ならユニコーンを手に近接にも備えておきたかったが、万全で無い右腕ではそれは出来ない。
ならば持つのではなく、腕に付ければいい。
一際ぶ厚い腕の装甲がカシャっと軽い音を立てながら展開されると、そこにはライフルの銃口が前腕部に装備されていた。
手持ちの武器が手から離れても大丈夫なように予めスーツにも火器を装備したG4-Xの形態の一つ。
──GA-07 パニッシャー──
トイボックスまでの距離、およそ11m それを阻む敵の数は43機。
「んじゃま…行きますか!」
右腕のパニッシャーと左手のスコーピオンを斉射しながら駆けだした。
スコーピオンで前方の敵を、パニッシャーで空中に居る敵を撃ち落としながらトイボックスへ近づく。
距離5m、残機39。
「ッ──ットォ!!」
左右から同時に斬りかかって来るクッキーの剣戟を、ブリッジの様に上体を反らし足の装甲を上手く駆使して滑る様に通り過ぎる。
そして上体を反らした体制のままスコーピオンで頭部を撃ち抜く。
距離3.19m、残機37。
体勢を直し再び走り抜けるG4の前にクッキー3機が壁となって立ち憚るが、G4は真ん中のクッキーへ狙いを定めドロップキックをかましながら左右の敵をパニッシャーとスコーピオンで撃ち抜く。
キックを喰らわせ、ボードの様に地面を滑走するクッキーの上で頭部に二発浴びせた。
距離1.02m、残機34。
「ぃよぉしッ!」
トイボックスの元まで辿り着く事が出来たG4。
だが、その一瞬の隙を突かれクッキーが斬りかかろうと仕掛けに来るが、G4はトイボックスの背部にある取っ手に手を掛け…。
「ドオォォラァアッ!!!」
何時にも増して声を荒げながら巨体の棺桶を、弾薬や銃火器が積まれたヘビー級の重さの棺桶を片腕一本でハンマーの様に振り回し、クッキーを粉砕した。
──残機33。
そして振りかざしたトイボックスを豪快に、地面が揺れる程の衝撃と轟音を響かせながら立てる様に地に置くと、取っ手の掴みを縦に回し、少し引く事で銃のトリガーの様な形に。
すると棺桶の蓋が両開きに開く。開いた中から外に見せたのは所々に小型ミサイルの発射口、その数は36もあった。
「ターゲットロック。」
<< 了解 ──ターゲットロックオン >>
──強化体携行用追尾式ミサイル ギガント改 ストーム──
「ぶっ飛べ。」
ミサイルの引き金となった取っ手に着けられてるトリガーを引くと、噴射ガスの排出と共に小型ミサイル36発が一斉に放たれた。
放たれたミサイルはそれぞれクッキー達の元へ、クッキー達は被弾しないようバラバラに飛んでミサイルから逃れようとするが追尾式のミサイルはそれを許す筈が無く、どこまでもしつこく追い詰めていく。
次々と空に上がる爆炎。 機械の破片が散らばり行く光景を目にG4は棺桶の蓋を閉めた。
「一掃完了…やっぱいいねぇ、豪快にぶっ放すのは。」
バンバン、と側面を叩きながら空に上がった花火を眺めるG4。
だが視線はすぐソレから目を離さなければいけなくなった。
「ん?……よぉ。」
声を掛けた先に居る人影。
G4の背後に佇む機械の兵士。スティールソルジャーが赤いツインアイを静かにG4に向けていた。
「元気、とは言えないか…意識も完全に乗っ取られてるのか?」
「───」
「…沈黙は肯定、ね。」
ソルジャーはホルスターに収められた拳銃に手を掛けるの見て、G4も右手に持っていたスコーピオンを左に持ち替える。
「…そうなっちまった切っ掛けは、俺をアイツ等を助けたからだろ?……なら助けるよ…大分手荒だがな!!」
「ッ──!」
ガンマンの早撃ち勝負の如く響いた二つの銃声。 同時に放たれた弾丸は、同じ高さ、角度、狙い。寸分違わぬタイミングで弾丸同士が当たり、弾かれた弾丸は見当違いの場所へ跳んでいった。
そしてそれが開戦の合図の役割を果たした。
<< ROUND SHIELD! >>
「ッ──!」
「ッ! チィ!」
始めに打って出たスティールソルジャーは左腕に盾を展開し、銃をG4目掛け乱射。
G4は的にならないようソルジャーの周囲を回る様に走りスコーピオンで反撃。 だが左腕に着いている盾が銃弾を弾き返す。
対してソルジャーの銃弾は駆け回っているG4のアーマーへと着実に当てていく。 当たりはそこまでではないものの、G4の動きを幾らか抑えるのに効果的な足などの下半身を狙った被弾が多かった。
苛立つ気が募りながらも走り続けるG4。そんなG4にソルジャーは銃弾をG4の顔面目掛け放った。
「ッ!」
G4は咄嗟に反射で右腕を眼前に出してガード。怪我を負った腕に銃弾の衝撃が走るなか眼前に腕を翳した事により視界が一瞬遮られる隙をソルジャーは狙い、一瞬の内でG4の懐へ入った。
「ッ! んなろッ!!」
「ッ!──。」
突き出したスコーピオンを盾で弾き、顎元目掛けてソルジャーが蹴り上げるのを寸での所で回避。
だがそれを予期してたかのように躱した直後、至近距離で拳銃を数発発砲、アーマーに被弾し、後ろへと吹っ飛ぶ。
声が僅かに漏れるなかG4は連射の効くパニッシャーを展開し発砲。 盾を翳して防ぐソルジャーを前にトイボックスへ向けて叫ぶ。
「トイボックス! 02!!」
<< 了解 >>
棺桶からG4に向けて黒い筒状のナニかが射出されG4はそれを受け取るとスコーピオンの銃口に合わせて連結させる。
スコーピオンと合わさったソレは拳銃からグレネードランチャー、GG-02サラマンダー改へと変わり、それを盾を翳したソルジャーへ発砲する。
一発がスコーピオンと違い、戦車すら破壊するグレネードショットはソルジャーの盾の前に弾かれたが、その桁違いの威力を表したかのように、銀に輝く盾は大きく凹んでいた。
スライドアクションを起こして排莢、次弾装填をしもう一発浴びせると、凹んでいる部分に当たり盾に亀裂が走る。
最後の一発を放つG4を前にソルジャーはバックステップで後退、亀裂の入った盾を取り外し、フリスビーの様に投げる。
投げた盾と放たれたグレネードが合わさり、盾は激しく爆発しながら粉砕。下がてったソルジャーを前にG4もサラマンダーを取り外してその場から離れ、茂みの中へ隠れる。
残弾をチェックし残りが少ない事から補充の為マガジンを変えながら、今までのソルジャーの動きについて考察しだしある事に気付く。
(アレってどうみても俺の動きまんまじゃねーかよ…ていうか、あんなネチッこい射撃だったっけ?俺…。)
そう、銃の狙い方も、蹴りの動きも、盾を使った戦法も、悠がスティールソルジャーを纏って戦っていた時の動きそのものである事に気付いたのだ。
恐らくスーツに記録されてる戦闘ログから引っ張ってそれを基にスーツが勝手に動いているのだと予測できる。
それはまるで…。
(まるで本来のG4みたいだな………待てよ? あのこじらせ君、俺の動きに体、付いて行けてる?…。)
もしスーツがそれこそ装着者の身体状況を無視してデータを基準に戦っているのだとしたら、スーツを纏っている与一の体は耐えられるかどうか。 普通の男子学生に比べて肉体を鍛えているだろうが、現役バリバリの怪人ハンターと腕の立つ弓矢使いと比べれば、肉体の作りは全く別物である。
(どちらにせよ速く決着つけきゃいけねぇってことかよ…データと言え自分とやり合う羽目になるとは…。)
装填し直したスコーピオンを構え、いざ前に出ようと心構えたが背後に気配を感じてその場にしゃがみ込むと、頭部を背にした木を突き抜けて頭部の上を横切る風切音が。
前に転がってその場から離れ振り返ると、右腕にブレードを展開したソルジャーと先程まで隠れていた木が斬り倒されていた。
「オイオイ…正直今接近戦は勘弁して欲しいんだけど…ッ!」
接近して振りかかって来たブレードを、腕に収められたユニコーンを起動させて受け止める。
ユニコーンを持っているのは右腕な為に上手く力が入らず受け止めるだけで精一杯。 つば競り合いで刃先から削れる様に火花が散るなか右腕のパニッシャーを発砲して一瞬気を逸らし、腹部に蹴りを入れて突放す。
突放されたソルジャーは右足のホルスターに収まってる拳銃を左手で抜いて発砲。
G4もその場からスコーピオンとパニッシャーを発砲。互いにアーマーに被弾し、距離を取った。
<< FINISH ATTACK! >>
ソルジャーは拳銃にベルトから抜き取ったマガジンを装填しエネルギーをチャージ。
特大の一撃をG4目掛け発射。 放たれた光弾はG4の眼前で爆発し、爆風の衝撃で吹き飛ばされるG4。
そこへ追い打ちと言わんばかりにソルジャーが肉薄し、ブレードでG4に斬り付けた。
「グゥッ──!」
斬られたG4は追撃に側頭部に回し蹴りを喰らい地面へ倒れ込む。
ソルジャーは倒れ込むG4の左腕を狙い撃ちスコーピオンを手から弾き飛ばし、右腕を踏みつけて上げる事が出来ない様に抑え付け、ブレードを引いて切っ先をG4の顔面部に向けた。
「ヤッバ…!」
「ッ!──」
ブレードを顔面に突き刺そうとするソルジャーに焦燥の声が漏れるG4。
「……なんてね。」
絶体絶命かに思われたが、G4の左腕がパニッシャー同様展開されると、大口径の銃口が顔を出しそれをソルジャーへ向けた。
「ッ!!」
「右にあるなら左にもあるっての!!」
盛大に響く銃声。 ソルジャーのアーマーに所々小さな銃創が刻まれた事から放たれたのは散弾、ショットガンであることが分かる。
──GA-08 ギルティ──
破壊力のあるショットガンをほぼゼロ距離で受けた事により大きなダメージを負ったソルジャーは大きな隙を生み出す。
ソルジャーの手にある拳銃を奪い取り、両手でしっかりと持ち狙いをベルトのクリスタルへ。
引き金を引こうとしたがG4の脳裏に浮かぶ光景が不意にそれを引き止めた。
『──僕達の手掛けたスーツがこの街の平和を守る。 そう考えると俄然やる気が出るじゃないか!』
『──うん! キミにそう言われちゃ、ますます手を抜くわけにはいかないね!!』
『──装着者に全力のパフォーマンスが出来る様に調整すれば生存率が自然と上がるからね、この課題も僕達にとっては大きな課題なんだよ。』
引き金を掛けている指の力が抜けてしまう───だが、それでも撃たねばならない。
「………悪いな。」
不意に出た言葉と共に放たれた弾丸は真っ直ぐソルジャーのベルトへ。
弾丸がベルトに嵌められているコアを砕くと、目の色が消えスーツが解除され気を失った与一の姿に戻る。
近づいて安否確認をすると大した怪我は見えないが、無理に動かした所為できっと体は悲鳴を上げてるだろう。暫く与一には筋肉痛と言う地獄を味わう事になる。
「フゥ……ッ、鎮痛剤が切れたか…まぁいいか。 後は楽な仕事だし…。」
意識の無い与一を肩に担いで人目の突く所へ運び出すG4。
「──ッ! シ、システムが戻りました!!」
「やっとかい……で、今どうなっているんだい?」
「はい……ッ、ス、スティールソルジャー、コアの反応無し…機能停止です…。」
「ッ!? そんな…バカな…!?」
スティールソルジャーの機能停止の報せは九鬼の方へも伝わり、最高傑作であるスティールソルジャーがハッキングでシステムを奪われただけでなく、その動力源であるコアを破壊されて機能停止されたと聞いたら開いた口が塞がらない位に驚くのは当然である。
それを遠くから覗き見る様に眺めていた人影があった。 コアの技術を九鬼に公開した張本人であるアザゼルである。
アザゼルはかかしの様に呆然と立ち尽くすマープルを見ると人知れず部屋から退出する。
(まさかこうなっちまうとはな……まぁコアの事はまだ大した問題じゃねえ、現にこうしてサンプルはオレの手元に…。)
「──やぁやぁ、こんな所で会うなんてすごい偶然だねぇ、堕天使総督殿?」
「ッ!?…テメエッ…!」
突然後ろから声を掛けられるアザゼルの耳に、忘れもしない、いや、忘れたくとも忘れられない声が過去に刻まれた傷口を撫でられた感じを奮い立たせながら振り返る。
そこには忘れもしない顔が此方をニヤケ顔で腕を組みながら立ち尽くしていた。アザゼルがその存在を認識すると男はそそくさと逃げる様に通路の影に隠れていく。
「ッ! 待て!!」
男を追い掛けるアザゼル。 途中此方から遠ざかるその背中を所々見かけて追い掛けたが、その際に何処か違和感を感じながらも胸に宿る怒りがその違和感の正体を見極められず、遂に本社ビルの屋上にまで辿り着いた。
湧き上がる感情を抑えながら屋上のドアを開けると、追い掛けていた男が手すりに背中を預けながら此方を待っていた姿勢を見せて声を掛けて来た。
「随分必死だねぇ、そんなに私との再会が嬉しいのかな?」
「あぁ嬉しいね、お前がどうしてオレの前に姿を見せたかどうかは知らねえが、一体どういう用件だ、えぇ?…戦極 凌馬!!」
アザゼルは叫ぶ。 自分の歴史に汚点を刻みつけられた張本人である戦極 凌馬に。
「全く乱暴な口ぶりだなぁ、久しぶりに会ったのに険悪なムードとはね。」
「自覚無しってのが一番腹立つなオイ…。」
「アレに関しては先に手を出してきたソッチの落ち度だろう? 私はあくまで対話で済ませるつもりだったんだ。」
「コカビエルの事をあんな風に言われて湧き立たねぇって思ったら大間違いだって事だよ。
…んなことよりもいい加減言え、一体何しにココに来た?」
「そうだねぇ、さっさと本題に入って帰るとしよう…その前に。」
「ッ!?…ッ!!、グッ…!」
凌馬が指を鳴らし、突然の行動に身構えるアザゼルだったが後ろから首に何か巻き付かれ一瞬呼吸が出来ず意識を失いそうになったが上手い具合に緩み出し多少は苦しくもあるも楽になる。
すると今度は左右から腕を掴まれ拘束されてしまう。 突然すぎる不可解な事に落ち着いて状況を分析しようと周囲を見渡す。
背後にはアザゼルの首を長い舌で巻き付けているバイオグリーザ。 両側から腕を掴んでいるのアビスラッシャーとアビスハンマーがアザゼルの動きを完璧に抑え付けていた。
「グッ…こいつ等確か、リュウガの使い魔! どうしてお前が…!?」
「いや悪いね、前の様に手を出されても困るからね少々手荒な真似をさして貰ったよ。
さて、本題だが…。」
「答えろ戦極 凌馬!! 何でお前がリュウガの使い魔を操ってる!? コイツ等は元々お前の使い魔か!? それとも居るのか!?この近くに、リュウガが!!」
アザゼルは凌馬の話しを聞かずバイオグリーザ達の事についてしつこく聞いて来る。
アザゼルにとっては凌馬の事もそうだが、一番に怒りを感じているのはコカビエルを殺したリュウガである。表面はそうでない様に振る舞っていたが、身内とも言って良い仲を殺されて黙ってるほど情が無いわけでは無い。
コカビエルが間違った戦争を起こそうとした報いとも言えるのはアザゼルも承知だ。 だがそれでも長く共に戦った仲間を殺された感情に理性が勝てなかったのだ。
そんなアザゼルの心情は掴めないがこのままだと話が進みそうにも無くどうするか悩んだ凌馬だったが、時間の関係もあって仕方なく、本来の姿を見せる事にした。
「…ハァ、全く。 コッチはさっきから腕痛いから早く帰りたいってのに…仕方ないなぁ。」
「なッ…!?」
凌馬に怒鳴り散らしていたアザゼルは突然糸が切れた様に黙り込み開いた口が塞がらなくなった。
目の前で恨みの対象である戦極 凌馬が姿を変えたのだ。 先程技術開発の一角で疑いの目を向けていた悠の姿に。
そんなアザゼルの事などお構いなしに悠は拘束されてるアザゼルに近づき、アザゼルの懐を左手で探りだす。
探していると目当てのモノを見つけたか、着物の中に手を突っ込みそれを掴み取る。
「うん…回収完了。」
「お前、それ…ッ!」
「そ、何の為にココに来たかって言ってましたね? 理由は全部、コレ。」
悠の手に日差しが反射して輝くソレは金色のバイラルコア。アザゼルが九鬼に提供したコアの大本である。
「後はココに残ってるコアのデータをクリムが消してくれればコアの技術は完全に消失。 二度と使われる事は無くなる。」
「何だと…!? これはどういう事だ灰原!!……まさか、お前仮面ライダー側のスパイだったのか!!」
「まぁ似たようなものですね。 実際はもっともーっと深いトコに居ますけど。」
「何?」
「頭良い先生なら、さっき見たのとソイツ等見れば分かっちゃうんじゃないんですかねぇ? 俺が一体、何者か。」
「…他人に成り代わる術………リュウガの使い魔………仮面ライダーの技術の回収に、高い戦闘力…………ッ!?
ま、さか……灰原、お前が…!!」
「えぇ、想像通り。俺ですよ。戦極 凌馬も、大道 克己も、リュウガも、本音言うとウチのとこそこまでデカい組織でも何でも無いんで、大きく言ってやったんですよ。」
衝撃の真実を告げられたアザゼルは驚愕の表情を浮かべ口から言葉が出て来ない。だってそうだろう、今まで世間や三大勢力を騒がせた張本人が世間を欺けてこうして目の前に居るという事実が素直に受け止めきれないのである。
そんなアザゼルを前に悠はバイラルコアを手に事の事情を説明しだす。
「最初は驚きましたよ。前々から変な動きをしていた九鬼財閥に目を付けていたら、先生がコレ持って来てスーツの開発が進んじゃったんですもん。
慌てましたよ、まさか先生がコアドライピアを持っていたなんて………あの時ですか? オーディンの爺さんの警護の時、コレを手に入れたの。」
「オーディンだと…まさかあのジジイも…!?」
「いえ、あの爺さんは俺の正体を知ってる”だけ”。 コレといった関係は無いですよ…。
話しを戻しましょう。 スーツはともかくコレの技術流出だけはどうしても避けたかった。 モドキとは言えコアドライピアは重加速を引き起こす事を除けば、永久機関の駆動核。
それはアナタも十分知ってるでしょう?」
「……あぁ。 解析した時ソイツには肝を抜かれたぜ。 こんな代物がこの世にあるなんてな…。」
「だからこそ流出を避けたかった…特に、こんなのに使われる訳には絶対避けなければね。」
そう言いながら取り出した携帯の画面をアザゼルに見せる。アザゼルは今日何度目になるのか分からない驚愕の事実を叩きつけられる。
「”Project Soldier Army”
スティールソルジャーの量産計画。正規装着者の戦闘データを特化型クッキーにインプットし九鬼財閥の更なる防衛、特に対人外の防衛を主とする兵器開発。
尚、可能なら前々から計画していた武士道プランの成功確率を上げる為に導入も考慮する…。
武士道プランってのが未だ何なのかは分かりませんけど、こんなの導入するくらいだから、大分荒っぽい計画なんでしょうねぇ…。」
「あのババア、何か企んでると思ったらそんなのを…。」
「コレが先生の気になってたメールの正体。今頃はウチの相棒がコレに関するデータ全部消していますよ。
後消しておくのは…コレについて一番詳しい、先生の記憶。」
「ッ、殺すってか……ハッ、なんだかんだ言っておきながらテメエもBABELの連中と変わりねえってか。
互いの都合で暴れるだけ暴れて、余所に迷惑掛けて、終いには人類の希望と成り得る力を奪い取って…お前も見ただろ?スーツの開発に情熱注いで取り組んでいた技術者達をよ。」
「………。」
「どんな気分だよ? 好き勝手暴れてよ。 暴れるだけ暴れて、壊して通った跡を見た事あんのか!?自分のやってる事が正しいと信じ込んで見てねえってか!?お前は…ッ!?」
アザゼルの言葉を遮る様に、額に挿されたメモリーメモリ。
悠はアザゼルの…いや、恐らくこの街の住民の気持ちを代弁を受けて尚、その眼には動揺も気の迷いも無い眼差しを向けていた。
「分かってますよ。俺等がどれだけ迷惑モノか…この世界に仮面ライダーなんざ必要ねえって位。」
「なに…?」
「恨みたければどうぞご自由に。自己満足でやりたいように力を振るってるのは確かですし。」
「……分からねえな。テメエは、お前以外のヤツ全員…世界が敵に回ろうと構いやしねえってか。」
「そんなの気にするくらいなら、こっちはもう止まってるんだよ……それに安いじゃねえか、たった一人の男が恨まれ、嫌われてちょっとは世界がマシになるなら……突き進むさ。コレは俺が……オレが自分で決めた道だ。」
<< MEMORY >>
挿したメモリを抜くとアザゼルは糸が切れた様にグッタリと意識を失い倒れ込んだ。
それをバイオグリーザ達が喰らい付こうと滲み寄るが悠がそれを阻止してミラーワールドへ返し、一人屋上で日が沈む様子を眺めながら腰を下ろし、黄昏た。
「……イツツ…治す前に、労災、貰っておくか…。」
この男。やるだけやってちゃっかり金銭要求しようと企てる辺り突き進んでる道は真っ当では無い。むしろ蛇の道まっしぐらで駆けている…だが。
迷い無く走るその姿は、時に見ていて気持ちのいい時もある。
次回は後日談+新章スタートの前書きです。どうぞお楽しみに…。
解説コーナー
AI搭載型支援装備 トイボックス
形状は大型の棺桶にG4-Xのマークである髑髏が描かれたデザイン。
スコーピオン、ケルベロス等の武装や弾薬を収納しており音声入力によって武装の取り出しやロック解除をなす。時にその巨体と重量でハンマーの代わりとして扱う事も。
搭載されてるAIデータは元々G4のスーツに搭載されていたのを、戦闘の支援型として悠がトイボックスに写したが、基のプログラムと大分メカニズムが違う為にまだ改良の必要がありとの事。
トイボックス自動迎撃装備 スイーパー
棺桶の上部から伸びたアームに取り付けたマシンガンでG4ーXのサポートを行う。
GA-07 パニッシャー
威力はケルベロス以下、スコーピオン以上という右腕部内蔵型アサルトライフル。
イメージはマーベルのウォーマシンを参照。
GA-08 ギルティ
左腕内蔵型のショットガン。直線状の広範囲の敵を殲滅する為従来のより大きく改造され、至近距離で撃てば威力はサラマンダーと同等のを発揮。
イメージは雨宮版ハカイダーのアームショット。名前もハカイダーが愛用するバイクからとっている。
強化体携行用追尾式ミサイル ギガント改 ストーム
G4の主要武器とも言えるミサイル火器をトイボックスに搭載。棺桶内に次弾も含めて計72発のミサイルを搭載。支援AIがロックしミサイル群が追尾して敵を殲滅する。
ちなみにギガントの改良版はもう一種在り、それもトイボックスに積まれている。