クローズマグマって絶対同時変身とかに向いてない強化フォームですよね。あのマグマって万丈以外が浴びたらどうなるんだろう…。
<< Redey >>
「オォゥラァッ!!」
『──ッ!』
開幕早々オーガは長剣、オーガストランザーを片手で軽々しく振り回しアークの立っていた場所に巨大なクレーターを造り上げる。
飛び散った石礫が飛び退いたアークに当たる直前、放たれた光球で全て蒸発され消える。
オーガは向かって来る光球を避けるのではなく、オーガストランザーを両手に持って受け止める。
「ッ!!───ンラァァァァッ!!!」
『ッ!!』
ストランザーをバットの如く振り回して光球を跳ね返したオーガ。
返した光球はアークが放った時より凄まじいスピードアークの元まで、オーガの型破りな行動に一瞬動きが止まったアークは腕を前に交差してガードの体制へ。
光球はガードしたアークへ直撃。牽制程度で軽く放った光球でも相当の威力を持つ攻撃だったが、自身の放った攻撃でダメージを追う程アークの防御力は軟では無い。
光球で視界が一瞬奪われたアークの目の前には、ストランザ―を上段に構えてるオーガが居た。
アークの耐久力を知っていた為に光球が当たった瞬間、間合いを詰めていたオーガ構えたストランザ―を振り下ろす。受け止めた衝撃でアークの立つ地面が陥没し、亀裂が走る。
更に一撃、また一撃と絶えなく剣を振るう。とても重量のある大剣を振るってるとは思えないくらいの速さで振るわれる剣戟にアークは両腕から火花を散らしながら受けに徹していた。
「ドラァァッ!!」
『ッ!!!』
連撃の最後にバッドスイングでアークを吹っ飛ばしたオーガ。
荒々しいスタイルだが上級クラスに値するアークに確実なダメージを与えていた。
「まだまだ行くぞゴラ゛ァッ!!」
『ッ──ッ!!!』
向かって来るオーガにアークは光球、光の鞭を振るう。
「しゃらくせぇッ!!」
オーガはストランザーに送られるフォトンブラッドを上げる。一層輝きを増した大剣の一振りで掻き消される。
「オラァアアーーーッ!!!」
『ッッ!!!』
間合いを詰めて威力を底上げした大剣の突貫がアークの胴に入る。
籠められた力を表す様にアークの背後の岩壁が大きく罅割れて崩壊を起こした。
「うっわ…悠兄さんマジになっちゃってる?」
オーガの狂乱ともいえる戦いぶりに離れて見ていたレーザーは圧巻と共にオーガのその変わり様に竦んでいた。
身近に見て来た者として今のオーガはこれまでの冷静な時とは違い、溜めんでいた感情を爆発的に吐き出してる様な暴れ振りだった。
「あーらら、彼相当カンカンにお怒りのようだねぇ、あれは下手に首突っ込んだら味方諸共吹っ飛ばされるイメージしか湧かないね。」
「ッ、アベル!」
「このまま眺めてるのもお互い退屈だろう?だから…。」
<< PERFECT PUZZLE >>
<< What's the next Stage?── >>
「ボク等はボク等で遊んでいようよ♪──変身」
<< DUAL UP! >>
<< Get the glory in the chain!──PERFECT PUZZLE! >>
「…イイぜ。このままジッとしてるのは性に合わねえし、それに…。」
<< GIRIGIRI CHANBARA >>
「夏音ちゃんにした事、悠兄さんに変わってオレが後悔さしてやんよ!──三速!」
<< ガッチャーン!──LEVEL UP! >>
<< ──BAKUSOU BIKE!──アガッチャ! >>
<< ギリ・ギリ──GIRI GIRI CHANBARA! >>
「フフ♪ さぁ、おいで♪」
指をクイクイと曲げ挑発をしてくるパラドクスを前にレーザーの心の中ではオーガ程では無いが憤りを感じ始めていた。
バグスターウイルスという元凶撒き散らし夏音を、これまでの感染者に対し何の感情も抱いていないアベルの軽薄な振る舞いに普段は怒りなどの感情とは縁遠いレーザーも全てがゲームだと思っているパラドクスへの怒りを隠しきれずにいた。
<< ガシャコンスパロー! >>
「マッハでぶっ潰してやらぁ! ゥオラァァッ!!」
<< Exceed Charge >>
「ドッ、セェェァッ!!!」
バグスターとなったアークとの一騎打ちを続けているオーガは懐に潜り込んでグランインパクトをアークの顎元目掛けアッパーカットとして叩き込んだ。
大きく吹っ飛び地面へ倒れるアーク。だが何事も無かったかのようにムクリと立ち上がるもグランインパクトの衝撃が頭部にまで効いたのか動きが若干鈍かった。
未だ立ちあがってくるアークを前にオーガの猛攻は感情と共に勢いを増していった。
「オ゛ラ゛ァァァアッ!!!」
絶叫をしながらアークへと突っ込んでいきその拳を、容赦なくその顔面に叩き入れた。
「アベルの、クソ野郎がァッ!!──」
『ッ!!──』
吠えながらオーガは更にボディブローを入れ…。
「夏音にィッ!、よりによってェ! あんなモン見せつけやがってェッ!!──」
『ッ!!!──』
ヤクザ蹴りを腹部に叩き入れ…。
「アイツにッ!!…トラウマでもォッ!!…出来ちまったらよォッ!!」
『ッ!!…ッ!!!──』
首元のマフラーを掴み、顔に三発…。
「どォおしてくれんだこンの野郎がァァアアアーーーッ!!!!」
『ッッッ!!!!!』
マフラーを放し、渾身のストレートを叩き入れ…。
「許さねェ……ぜっってェ許さねえェぞォッアベルゥッッ!!!!──ドラ゛ァッ!!!」
最後に飛び膝蹴りをアークの頭部へとクリーンヒットさせた。
胸の内を吐き出すごとに繰り出される拳。
その威力はアークの体を曲げる程までに次第に上がり、アークを凌駕していた。
「フッ!……へ?ボク?」
「余所見してんじゃねェ!! セリャア!!──」
「おっと危ない! ハァッ!」
オーガの叫びは傍で戦っていたパラドクスの耳にも届き、その怒り様に少し引いていた。
<< Redey >>
<< Exceed Charge >>
「終いだァ──ハッ!」
『ッ!?』
ポインターを着けた右足を回し蹴りでマーカーを放つ。マーカーはアークを動きを止め、オーガは高くジャンプした。
「喰らえやァァァアアアアッ!!!」
突き出した足がマーカーへ吸い込まれ、オーガは光となってポインターへ。
マーカーと共にアークの体を貫こうとするオーガ。それに対しアークは抵抗する事無くただオーガの攻撃を受けていた。
「これで…エンドだアァァァッ!!!」
『ッ!!!!』
オーガの必殺技、エンドスマッシュが決まろうとしていた。
もしも、オーガが普段通り相手を冷静に見ていれたなら、アークに対する”違和感”を感じ取れたのかもしれない。
『───ッ!!!』
「ッ!?何だッ!?…ッ、グァァッ!!!」
これまでオーガの攻撃を受けていたアークは一瞬目が光ったかと思うと、自身を捕えているポインターを掴み、オーガ諸共彼方へと放り投げた。
地面に転がり回るオーガを余所目にアークはポインターが刺さったと思われる箇所から吹き出る青い炎を払うとその傷が自然と治っていった。
立ち上がるオーガを前にアークは堂々と胸を張って向かい合う。その雰囲気は少し前とは違い、確固たる姿として見れる。
「んの野郎…ッ!ウラァッ!!」
オーガはアークの急変した態度に臆せずに再度殴りかかっていく。
突き出した拳はアークの顔面を捕えた。先程のラッシュに出てた当たり判定の”HIT!”という文字も確かに出ており確かな手応えも感じ取れる。
だが当のアークにはダメージを受けたという様子は全く見て取れなかった。
「ッ!…だったらッ!!」
<< Redey >>
<< Exceed Charge >>
オーガは立て続けにグランインパクトをもう一発見舞わせる。が、今度はアークに軽々しく受け止められ、パワー重視のオーガを上回る力で掴んだ腕を押し返していた。
「ッ!…どういう事だ…!?」
『……ッ!!』
「ガッ!? ァァアアアアッ!!」
少し前までのアークとは打って変わり攻撃が通じなくなった事に困惑するオーガを前にアークの全身から発せられた光がオーガのボディに火花が散り始める。
全身の血が湧き立つような熱線の浴びせられながらのた打ち回るオーガ。
そんなオーガに追い打ちをかけるアークは光球を二つ造りだしオーガへ向け放つ。
「グァァアアッ!!!」
避ける術が無いオーガに容赦なく放たれた光球はオーガに大きなダメージを与える。
大きく吹き飛ばされ仰向けになって空を仰ぐ形で倒れるオーガ。体中に激痛が駆け巡っているが、それが吉となったのか頭を支配していた怒りが吹き飛び、いつもの冷静な思考回路へと元に戻りつつあった。
今のアークは要因は分からないが通常攻撃はおろか必殺技も通じなくなっている。しかもあの様子だと与え続けていたダメージも今ではゼロとなっている可能性が高い。
そんな状態で放つ必殺技は通じないと見ていいだろう。
それならばとオーガは寝転んだ状態からベルトに嵌ったオーガフォンを取り出しコードを打ち込んでいく。向こうが常識外れの存在になったのなら、こちらも常識外れの行動で迎え撃つ。
<< Jet Sliger Come Closer >>
「フゥ…ゥッ!!」
オーガフォンをベルトに戻し一息吐くとアークに首を掴まれ宙に浮かぶ。
『……ッ!?』
「…来たか。ゲームエリアの中だから不安だったが…。」
此方に向かって来ている轟音とも言えるブースターとエンジンを混ぜた騒音の正体を見たアークは顔色は何の変哲も無いが端から見れば驚いている様に見えた。
<< GIRIGIRI CRITICAL FINISH! >>
「セェェリャァアッ!!!」
一方のレーザーは弓モードのスパローにガシャットを挿し込みパラドクスへ必殺技の矢を放つ。
向かって来る無数の矢を前にパラドクスは能力であるエナジーアイテムの組み合わせを行っていた。
「んーと…これかな?」
<< 高速化! マッスル化! 透明化! >>
三枚のエナジーアイテムを取り込むとパラドクスの姿が周囲の景色に溶け込んで見えなくなりその場から目で追えない速さで移動する。
「ッ! 何処に…ガァッ!?」
姿が見えないのに加え攻撃力が増した状態で四方八方から一方的に攻撃を受けるレーザーはさながらサンドバックの状態と化していた。
「グゥッ!……ァ、ァア…!」
「フフフ♪ どうしたの?まさかもう終わりとか言わないよね?」
「ッ…ったりめぇだよ!こんチクショウッ!!…ん?」
「?…何だこの音?──うわッ!?」
「のぉォッ!?」
レーザーとパラドクスの耳にも聞こえてきた轟音の正体は、その巨体から二人の間を通り過ぎオーガとアークの下へ。
巨体は前後に取り付けられているホイールを180°に倒すとサイドのブースターが点火し大きく旋回。回転しながらオーガ諸共アークを吹っ飛ばした。
『ッ!!』
「オォォッ!?」
「えぇぇぇッ!?」
「あら~…。」
吹っ飛ばされて転がるオーガに思わず声を上げるレーザーとパラドクス。
オーガの呼び出した巨体な二輪ビークル。車体後部と両サイドのブースターと360°展開できるオールレンジホイールの車輪が取り付けられた超高速アタッキングビークル、[ジェットスライガー]は腰を擦りながら起き上がるオーガの横に静かに止まった。
「イツツ…ったく俺毎吹っ飛ばしやがってこんのッ…!」
返事が返って来る筈の無い愚痴を溢しつつオーガはジェットスライガーのシートへ座る。
操作パネルを操りオートからマニュアル操作へ、レバーを持ち発進させた。
猛スピードでアークへと駆けるジェットスライガーへアークは光球を連続で放つ。
放たれた光球を前にオーガはホイールを180°倒しサイドブースターを点火。すると本来の二輪車では不可能な水平移動や旋回で光球を躱し続け、再度アークへ体当たりをかました。
オーガはジェットスライガーの操作パネルを操作しアークへとターゲットロック。するとカウル部からおよそ32発の追尾式フォトンミサイルが顔を見せた。
「汚ぇ花火散らせや!」
パネルを押すとミサイルが一斉に発射。ミサイルはアークの下で着弾し大爆発を起こし、これには流石のアークも大きなダメージを負う。
その様子は遠く離れていたレーザーの目にも写っていた。
「悠兄さんめ、ジェットスライガーなんてモン今まで隠しやがって……だったらオレも、とっておき使うか。」
そう言いながら取り出した一本のガシャットの起動スイッチを押した。
<< SPACE GALAXY FORZE >>
「んん? そのガシャットは…。」
<< ガッチョーン!──ガッシャット! >>
「見せてやんよ、レジェンドライダーの力をな!──変身ッ!」
<< ガッチャーン!──LEVEL UP! >>
<< ROCKET!ROCKET! SWITCH ON! SPACE!SPACE!──GALAXY FORZE! >>
戦利品であるレジェンドライダーガシャットを使用したレーザーの姿は、宇宙の力コズミックエナジーと絆の力を用いて戦う宇宙の戦士、仮面ライダーフォーゼの姿に似た姿となった。
ゲートを潜り抜けた後、レーザーは大きく息を吸い込み…。
「宇宙ッ、キターーーーーーーーッ!!!」
「うおッ!?…え、なに?」
「しゃあ! マッハでタイマン、張らせて貰うぜ!」
胸を数回叩いて拳を突き出すレーザー。すると突き出した手が何時の間にかオレンジのロケットモジュールを纏ってブースターを点火させていた。
「ライダァーーッ、ロケットパァァアーーンチッ!!」
「うわ危なッ!!」
ロケットの推進力を活かした特攻を寸での所で避けるパラドクス。
身を捻って躱しきり振り返ったそこには、ロケットを外したレーザーが手に赤い銃火器、ヒーハックガンと共に右足にロケットランチャー、左足にガトリングの砲門を此方に向けていた。
「ちょ…!」
「喰らえ全弾発射ァ!!」
銃火器の炎とミサイルと弾丸がパラドクスへと襲い掛かる。余りの急な攻撃にアイテムの操作すら忘れてしまうパラドクスはレーザーから放たれる銃火器の砲火に呑み込まれる。
「グゥ!!グアァアァアアアーーッ!!」
「ォオ~、スゲェ…こりゃ下手したらハマっちまうぜ…。」
マジマジと手に持つヒーハックガンを眺めながら今使っているレジェンドライダーの力の規模を実感するレーザー。これならレベル2でもレベル50を相手に十分に渡り合える。
「ハ、ハハハハッ! いいねぇ、ゲームはこれぐらいやり応えが無くちゃ!」
「言ってろ! 今のオレは最高にノリに乗ってんだよ!!」
ヒーハックガンから高圧電流が流れるスタンロッド、ビリーザロッドを手にパラドクスへ肉薄して行った。
そしてジェットスライガーを駆けるオーガは光球を放ち続けるアークへと接近。光球を躱しながらその手に長剣モードのオーガストランザーを構え、切っ先をアークへと向けた。
「──ソラッ!!」
『ッ!?!?』
「掛かったァ!!」
ストランザーの切っ先の窪みをアークの首に引っ掛けて持ち上げたオーガはジェットスライガーのブースターを全開にしながらストランザーに引っ掛けたアークを地面に押し付けた。
ジェットスライガーの最高時速は1300km。最早音速の域に達するスピードで地面に引き摺り回されてるアークには、西部劇で馬に回されるワンシーンより言葉では表しようのない衝撃を味わっている。加えてオーガストランザー越しに送られる高圧のフォトンブラッドがアークの体を構成する細胞をジワジワと死滅させていっている。
<< Exceed Charge >>
『ッ~~~!!!』
「コイツは痛ぇだろ?いくら頑丈でもよ!」
ストランザーの刀身が金色のフォトンブラッド一色に包まれていく。フォトンブラッドの圧が一層高まり、アークへ伝わるダメージも相当なモノだと表してる様に、刀身を掴み足掻きもがくアークの抵抗が強くなっていく。
『ッ~~~!! ッ!!!』
「ッ!!──ッ、ヤベッ!」
アークは片手をオーガへと向け光球を放った。間近で放たれた光球は自棄に撃ったのもあってオーガへは当たらなかったが、内数発がジェットスライガーへと当たってしまい操作パネルから電流が流れ、白煙が上がる。
ブースターの勢いが落ち、次第に制御も効かなくなるのを見越してアークはストランザーの切っ先から抜け出す。
パネルを操作するも、一向に言う通りに動かないジェットスライガーは真っ直ぐ岩壁へ直撃するコースに入った。
「ヤベェぞオイ!頼むから言う事聞けって!!───オォッ!?」
オーガの必死の願いも通じずジェットスライガーはそのまま岩壁へ激突していった。
「ガッ!?──ッアア………ざっけんなよ、まだそんな乗ってねぇんだぞコレェ…。」
ぶつけた頭を抑えながら、完全に大破したジェットスライガーを見て悪態を吐くオーガ。
黒煙を上げるジェットスライガーを宙に浮いて見下ろすアーク。アークはこれまでの仕返しと言わんばかりの特大の光球を作り、下に居るオーガへと放った。
未だジェットスライガーへ腰掛けてるオーガ。向かって来る特大級の光球が迫っている事に気付いたのは、アークが放った直ぐの事だった。
「?…ッ!! あぁクソッタレ!!」
腰のベルトに手を掛けて直ぐ、光球はジェットスライガーを炎に包ませ、粉々に大破させた。
「デェァアッ!!」
「クッ──ハァッ!!」
一方のレーザーは、ビリーザロッドと足に水色のチェーンソー、緑のスパイクのモジュールを纏いパラドクスへの攻めの手を休めず詰めに詰めていた。
怒涛の勢いで繰り出される攻撃にパラドクスは能力であるエナジーアイテムの組み合わせをする時間を奪われる挙句、近くのアイテムを取りに行こうとするもレーザーの攻めの手によって阻害される始末。
「あぁもうやり辛いなぁ!!」
「今度はコイツだ!」
レーザーが踏み出した右足にはチェーンソーに変わってピンクの噴出器がパラドクスへ向けてスモークを撒き散らし視界を奪った。
「なッ…!?」
「からのぉ……更に目潰しィ!!」
「ぐわァッ!?」
煙幕を張ったレーザーは右足のモジュールを変え、今度は先にインクが付いた筆。
その足をパラドクスの頭部目掛け蹴りを放ち、パラドクスの目が黒のインクに塗りつぶされた。
「み、見えないッ!? 目に、何かが…!?」
「おらッ、トゲトゲキックッ!」
「ガッ!!」
視界を封じられたパラドクスにレーザーは左足による蹴りを見舞わせる。モロに入ったパラドクスは吹き飛ばされ、かなりのダメージが入った。
起き上がったパラドクスは、手探りで腰のギアホルダーに収めてるデュアルガシャットを手に取る。
「この…ッ!」
<< KNOCK OUT FIGHTER >>
「大変身──ッ!」
<< DUAL UP! >>
<< ────KNOCK OUT FIGHTER! >>
「…ふぅ、見えるようになった──ハァ!!」
パラドクスはパズルゲーマーからファイターゲーマへ変わる。インクで目を塗り潰されたパズルゲーマーの顔が切替わった事で視界が良好になると、マテリアライズスマッシャーに炎を灯し、レーザーへ跳びかかって行く。
「そっちの方には…これっしょ!」
そう言ってレーザーが向けた左足に着いていたのは、巨大な蛇口だった。
「なぁッ!?」
「火には水ってなぁ!!」
殴り掛かって来るパラドクスに蛇口から高圧水流が放出され、パラドクスは吹き飛ばされてしまう。
「ぷはッ!…次から次へと、ぶふぅッ!!!」
「おらおらおらぁ!!」
飛ばされても尚、水攻めを喰らうパラドクスはファイターゲーマの性質上近づいて攻めるのが主体な為、遠くから放たれる遠距離にはどうしても分が悪い。
炎を飛ばすという戦法もあるが、今パラドクスが浴びているのは水な為に放ったとしてもすぐ掻き消されてしまう。
戦況が一方的にレーザーへと変わりつつ、パラドクスへの水攻めを続けるレーザーの右足に冷蔵庫の扉のようなモジュールが着くと、扉が開き、中から冷気が放たれた。
「ぷはぁ!!こんの…!──あ、あれ?」
冷気は水を浴びてるパラドクスに、すると水と冷気によってパラドクスの足元が徐々に凍結し始め、パラドクスの首から下が氷で完全に包まれていった。
「よッし! 動き止めた!」
「ハッ、これでかい?この程度の氷すぐに溶かして…!」
「ちょっとだけで十分なんだよ、テメエをぶっ倒すにはさ!!」
<< ガッシャット!──キメワザ! >>
レーザーはガシャットをキメワザホルダーへ装填すると、右腕にロケット、左足にドリルのモジュールを着け空高く舞い上がった。
<< SPACE GALAXY CRITICAL STRIKE! >>
「ライダァーーッロケットドリルキィィィーーーーックッ!!!」
「ッ、ハァアアーーーッ!!!」
ロケットの推進力とドリルの穿孔力を合わせて放つフォーゼの必殺技がパラドクスへ放たれる。
パラドクスは身を封じていた氷をスマッシャーから放出される高熱によって溶かし、炎を灯した拳をレーザーへ放つ。
「ダァアーーーーッ!!!」
「グァァアアアッ!!──ガアァッ!!!」
レーザーのドリルはパラドクスの拳より早く懐に入り、キックを決められたパラドクスは悲痛な叫びと共に後方へ大きく吹き飛ばされる。
「グゥゥ…我ながら、とんでもないモノを創ったものだね…。」
「見たか! コレがレジェンドライダーの力だぜ!!」
地面へのたうち回るパラドクスはレーザーの使っているレジェンドライダーガシャットの力に脅威されるが、初めて使ったガシャット、武器・能力で、ここまで自分を追い詰めて来るレーザーの潜在的な才能に見方を改めていた。
「流石カインが目に掛けた才能の持ち主、ってトコか…。いいねぇ。それでこそボクの舞台は盛り上がる!」
「生憎だけど、おたくの言う舞台ってヤツは今日でお開きにしてやんよ!」
「フフフフフッ♪…それは無理な話だなァ!!」
レーザーは新たにクロー・シールドのモジュールを身に着け、再度パラドクスへ接近していった。
『…………。』
アークは宙に浮かびながら、大破して見る影も無くなったジェットスライガーの残骸が燃えるのをジッと見下ろしていた。
先程放った光球は今日一番の力を籠めた最大の技。まともに喰らったら影すら残さない程の威力、それは確実に決まった風に見えた。
先程まで自分を散々痛め付けた人間は鉄塊の屑と共に燃え尽きたのだと見るアーク。
<< FINAL ATTACK RIDE─── >>
背後から聞こえる電子音声が耳に入るまでは。
<< ───De,De,De,DECADE! >>
「デェエアァーーーーーッ!!!」
アークが後ろを振り返ると、そこにはカードの幻影を潜りながら右足を突き出すディケイド激情態の姿が在った。
何時の間にあの場から抜け出し、尚且つ自身の背後から不意を突いて来たのか、言葉に出す事はしなかったが瞬間的に出た疑問は理解するより前に、その必殺技を身に喰らうのだった。
<< GAME CLEAR! >>
「………フゥ。」
背後に浮かぶ爆炎と手にしたガシャットの後に聞こえてきた勝利のゴングとなる電子音声が、ディケイドの張り詰めていた感情を徐々に解していった。
ディケイドは大破して燃えるジェットスライガーの残骸を名残惜しげに見つめる。神太郎に設計図を貰い、パーツから手掛けたモンスターマシンは乗る機会は少なかったが、作り手側としては目の前の光景はかなりショックが大きい。
「………まぁ、これで夏音が元気になるなら安いモンか……さて。」
ガシャットを弄びながら自身に無理矢理言い聞かせるディケイド。
少し空けてディケイドはライドブッカーをガンモードにすると、視線をジェットスライガーからレーザーの振るうバリズンソードを躱すパラドクスへと移した。
「次はあのクソ野郎の駆除だ…。」
銃口を此方に全く気付いていないパラドクスへと向けるディケイド。
狙いを定め、後は指に掛けた引き金を引く、その時だった。
『ky……kyeeeeeeeeeee!!!』
「ッ!、何だッ!?」
「ッ!? な、なにこのイヤなカンジの叫び声!?」
「アレは…!?」
その場に居た三人が思わず顔を顰める様な不快な叫び声に釣られ目を向けた先には、先程ディケイドが倒した筈のアークが謎の光に包まれながら口を開き、その不快な叫び声を上げていた。
「どういう事だよ…ガシャットはここに!確かに倒した筈だぞ!?」
『kyaaaaaaaaa----!!!』
「ッ!! グアァッ!!」
「え!?マジか、ってうぉおッ!?」
「ってボクまで!? うわあぁッ!?」
困惑するディケイドを余所に、アークは奇声を発しながら宙へと浮かび上がり、手の平に生み出した光球をあらぬ所へ闇雲に放って来た。
その攻撃は特定の誰かを狙ったものでは無く、一種の暴走に近い攻撃。そんな攻撃をかわしてく内、ディケイドはある事に気付いた。
「この攻撃…ッ! オルフェノクの力とは別モンのヤツじゃねえかよ!!」
「うわッたぁ!?──ちょ、悠兄さん!!これどういう事よ!? アークってもう一個命あったっけ!?」
「分からねえよ!でも一つ分かるのは──もう一回倒さなきゃいけねぇって事だ!!」
ディケイドは暴走してるアークへガンモードのライドブッカーを向け発砲する。
だが、放った弾丸はアークを纏う光がバリアーとなって、弾丸はアークへと届かなかった。
「効かない!?……だったら!」
<< ATTACK RIDE FAIZ BLASTER >>
<< FINAL ATTACK RIDE──Fa,Fa,Fa,FAIZ! >>
「これで…どうだ!!」
ディケイドは大型銃形態のファイズブラスターを召喚し、必殺技であるフォトンバスターをアークへと向け放つ。
強力なフォトンブラッドの光弾ならばあの謎の光も突破すると思っていたが、光はファトンバスターすらも通さずアークは無傷のままであった。
「うっそ。アレって超強力な技なのに、それもノーダメで防ぐのかよ!?」
「復活といい、さっきの攻撃と言い、アイツ、ホントにアークオルフェノクなのか!?」
『kyeaaaaaaaaa-----!!』
「グッ、グァァアアアーーーッ!!」
「ゥウッ、アァアアァーーーーッ!!」
アークから放たれた攻撃にディケイドとレーザーは爆炎に包み込まれる。
パラドクスは、アークに包まれている謎の光について注視していた。見て取れる光の性質から、バグスターとして発現した際に僅かにアークの体から漏れてた光と同一のモノと見受けられる。
「あの光…オルフォノクのモノでも、バグスターのモノでも無い。全く以て別モノの力だ。だが何故そんなものが…?
………待てよ。ひょっとすると……。」
パラドクスはアークに起こっている謎の現象について一つの仮説が生まれる。
謎の光はデータで生み出されたオルフェノクのモノでも無く、かといってバグスターウイルスのモノでも無い。ならば、ウイルスが感染した、”発症者”のモノだとしたら…?
「……これはもしかしたら、バグスターウイルスの隠れた特性の一つかもしれない………ハハッ♪なんだか面白くなってきたぞぉ♪」
パラドクスは歓喜と興奮に震えながら混乱に乗じてこの場から消え去っていった。
「ッァアッ!!」
「ガッハッ!!」
アークの攻撃によってかなりのダメージを負ったディケイドとレーザー。
依然としてアークは奇声を上げながら宙に浮かぶ姿が見れる。そんなアークを前にレーザーはディケイドへ撤退の案を飛ばす。
「悠兄さん、ここは冗談抜きで一旦退こう。相手が訳分かんない以上下手に手は…。」
「……るっせぇ。」
<< BLADE MODE >>
「ゆ、悠兄さん?」
普段からの行いを見てディケイドはレーザーの案に素直に乗ってくれると思っていたが、ディケイドは手にしたファイズブラスターをフォトンブレイカーへと変形させた。
「アイツがまだ生きてる事は、まだ夏音が助かってねぇってかもしれねえだろうが。それにあんな暴走してる状態を野放しにしたら、それこそ大惨事だ…ヤツはココで叩く!!」
「…オイ。待てって悠兄さん!!
夏音ちゃんが心配なのは十分判ってるけどよ!!今のアンタ何時もと違ぇよ!!そんなんで勝てる訳が…!!」
「うるせぇ!!バカは引っ込んでろ!!」
「ウォッ!!…ッ、悠兄さん!!」
「オォォオオ――――ッ!!」
レーザーの制止を振り切ってフォトンブレイカーを手にアークへと飛び掛かるディケイド。
フォトンブラッドの出力を最大にまで底上げしたフォトンブレイカーの刃がアークを纏う光に触れると、最初こそ阻まれたが、次第に刃が光を突き破っていき、遂にはアークの体にまで触れる事が出来た。
「このままァッ!!」
『ッ───kyeeeeee!!!』
「ッ───!?」
ードガアァァァンッ!!!ー
だがディケイドはレーザーに言われた通り冷静では無かった所為か一つの重大なミスに気付いていなかった。
遠距離による攻撃が通じないなら、接近戦による力押しで光のバリアーを突破するというのが今ディケイドが行っている戦法。
だがそれは、未知の敵の前に無防備な状態で懐に入っているという失策であった。
「ゆ、悠兄さぁーーんッ!!!」
「ガァアッ!! ァアッ!!ッ~~ガハッ!!」
至近距離で攻撃を喰らってしまったディケイドの変身は解除され、地面に叩き落とされる悠。
かなりの重傷を負ってしまった悠にアークは狙いを定めて謎の光で出来た光球を作りだし、トドメの一撃を放った。
「ッ!! やべぇ!!」
<< ガッシャット!──キメワザ! >>
レーザーは重症の悠を庇うように前に立ち、頭の上にU字磁石状の超電磁砲をアークへと向ける。
<< SPACE GALAXY CRITICAL STRIKE! >>
「ライダァーーッ超電磁ボンバァァアーーーーーーーッ!!!」
レーザーの放った電磁砲がアークの光球とぶつかり合い拮抗する。
だが、次第にレーザーの攻撃が押され始め、光球は勢いを失わず進んでいく。
「オオオオォオォーーーーッ!!!」
「ッ…この、バカが!…バカな事してねえで、逃げろ!!」
「出来る訳…ねぇだろ!! このッ、バカ野郎ォォオオオッ!!!」
光球が距離を詰めていくにつれレーザーの抵抗も必死になっていくが、それに反する様に徐々に勢いを増していく光球は、その距離をゼロにした。
「グゥッ!!!ガァアァアァアアアーーーーーーッ!!!」
「秋ッ!!」
身が焼き切れるような激痛を前にレーザーはそこから避けなかった。悠はただレーザーがその身で光球を受け止める後姿を見るしか出来ない。
そうしてる内にもレーザーのライダーゲージが下がり、そして…。
ードガァアアアアアンッ!!!!ー
大爆発と共にゲームエリアが解かれ街の風景へと戻っていく。
悠は爆発の衝撃で体中が鞭で撃たれた様な痛みが走りながらも、地を這いながらある場所へ進んでいた。
服が破け、光球を受け止めたであろう上半身が酷く焼け爛れ倒れている秋の下へ着くと、残ってる力を振り絞って秋の肩を掴み揺らした。
「…オイッ……オイ目ぇ、開けろよ…ッ!
…こんなんで、死ん、で…んじゃ……──。」
糸が切れた様に意識を失う悠。
どちらも瀕死の重症を負った二人の前に、アークは静かに地面へ降り立つ。
その手を光に包ませ、剣の様な形を作るとその切っ先を悠へと向け、突き刺してった。
ーガッ!ー
だが、剣が貫いたのは悠では無くアスファルトの地面。
悠だけでなく秋も忽然と姿を消えてしまい、アークは獲物を逃したと気付くと天に向かって口を開き、叫び子を上げた。
何処かのビルの屋上でアークの前から姿を消した悠と秋の姿がそこにあった。
二人共依然と瀕死の重傷を負っており意識不明。そんな二人の前にゴシックドレスを纏った小さな影が二人を覆った。
「騒ぎを聞いて駆け付けてみれば……とんだ問題児共め。」
二人の危機を救った那月は、目の前の厄介事に頭を抱え、二人と共に再びその場から転移をいようとしたが。
「ん?…お前は…。」
「…初めまして。南宮先生。」
彼女の前に現れたのは、苦しんでる夏音を抱えた神太郎がそこに居た。
これから来る連休に時間が出来ると思うのでまた番外編でも書こうかなと思ってますけど、考えてる候補は…。
正月に出した”怪物”の続き、連載に出すのか?と言う声が少なからず出たので
もう一つが中々本編に出ていない艦娘達の小話を幾つか。
そして最後に思いついたのは、本編でマスター乗っ取り説が出ている全ての元凶ブラッドスタークが主人公の話。
スタークの人格を宿した転生者が、最近よくある異世界転生先でスタァアアクッ!と叫ばせるお話です。
もしかしたらこれら以外の話しを作るかもしれませんが今の所はこんなカンジ。どんなのが出来上がるかお楽しみに。