その男が進む道は・・。   作:卯月七日

128 / 187
連休明け最後の日、とても鬱です。


焦燥

 

最初は遠回しな告白のつもりだった。

 

 

 

素直に”ずっと一緒にいたい”等と言える柄でも無く、尚且つあの時の自分は上手い言葉を言える程出来の良い頭でも無かった為、咄嗟に出てしまった言葉がこうだ。

 

 

 

 

 

ーお前だけのヒーローになって、ずっと守ってやるよ…ー

 

 

 

 

 

同じ施設の年端もいかない子供達に付き合わされ毎朝叩き起こされながら見ていた特撮番組の影響で自分が思い描いた下手な告白よりも最悪な告白になった。

 

 

 

 

 

だが隣の彼女はそんな告白に対して笑いながらも素直に受け止めてくれた挙句にこう言って来たのだ。

 

 

 

 

 

ー悠は、アタシだけのヒーローだけじゃなくて、出来るだけ皆のヒーローに成ってあげてー

 

 

 

 

 

返された言葉に思わず、なんだそれはと言いたくなった。だが、その時の彼女の笑顔が今でも忘れられない。

 

 

 

 

 

彼女は家に帰って直ぐに皆に言い触らした。血の繋がっていない兄弟達は目を輝かせてカッコいい!やスゴイ!など迫り。

 

 

 

俺を人として育ててくれた恩師も困り果てる俺に微笑ましい笑顔を向けていた。

 

 

 

 

 

 

 

この場所が好きだった。共に生きる家族が好きだった。共に笑いあう彼女が好きだった。

 

 

 

この瞬間を一時でも長く過ごすというのなら喜んでヒーローになろう。

 

 

 

的外れな告白が少年の生きる目的となった時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの夜が訪れるまでは…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シスターッ!!シスタァーーッ!!!」

 

「ゆ、ぅ……あの、子、達を……おね…が…──。」

 

 

 

燃えて火の粉が散る我が家の前、抱き抱えた恩師の体中に穿たれた穴から流れ出ていく生暖かい血と反して徐々に冷たくなっていく。

 

何度呼んでも、恩師が声を返してくれなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飛び込んだ火の海の中は、地獄だった。

 

 

「ッ!!ハッ!、ァア…ゥッ!!」

 

 

老朽で崩れた屋根の下敷きに、恩師と同じ様に小さな体に大きな穴を空けられ、火事の火によって焼け死んでいた兄弟達の死体。

 

 

 

 

 

 

 

目の前の光景に周りが火の海と化してるに関わらず胃の中のモノが全て吐き出された。嘔吐と酸欠によって次第に暗くなっていきかけてる意識が微かに捕えたのは、最愛の彼女の声。

 

せめて彼女だけは、根気だけで動かしていく体が火に当たって火傷を負おうと彼は声の聞こえた外へ飛び出した。

 

外へ出て彼の目に入ったのは昼間出会った男の背後に浮かぶ剣の切っ先が腰を抜かしてる彼女へ向けられていた。

 

 

 

「ヤメロオオォォォォッ!!!」

 

 

 

 

 

それが恩師や兄弟達に体に空けられた穴の正体だと気付く前に彼の足は動いていた。

 

 

放たれた剣は真っ直ぐ彼女の下へ、彼は彼女の前に立ち、その身で剣を受けた。

 

 

 

 

 

「ッ!!……ァ…ゴフッ!…。」

 

 

口の中が先程吐いた胃液と違った鉄の味に、目を下にやると、剣の”柄元”まで刺さった赤く染まっていく自分の腹部。

 

 

刺さった剣越しに伝わってくる感覚、彼は首だけをゆっくりと後ろに回した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゆ…悠…。」

 

 

 

 

 

彼の体を貫いた剣の切っ先は、後ろに居た彼女の胸元に突き立てられていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───ガハッ!? ゲホッゲホォ…!!」

 

過去の悪夢から目を覚ますと、勢いよく湯水の中から上半身を起こす。

 

咳き込みながら辺りを見渡すと、ラボの下にあるドックの湯船に自身は浸かっていた。まだ完全に治ってないのか体にはまだ傷と痛みが残っている。

 

目覚めたばかりでモヤが掛かった頭が次第に記憶を呼び覚ましてくる。あの時自分ともう一人重傷を負った人間が居た事を。

 

 

 

「ッ! 秋…!!」

 

 

 

若干痛みで顔が歪むが浸かっていた湯船から立ち上がる悠。その時、隣にあった湯船を見て目が見開く。

 

 

 

隣の湯船で横になり、口元にマスクを被って頭からつま先まで湯に浸かっている秋の体は肉が抉れたような深い傷が胸に刻まれ、どれほど危うい状況だったか物語っていた。

 

悠は湯水の中で眠る秋を見て、心底呆れ様に、尚且つ安堵の色を含めた視線を飛ばす。

 

 

 

「…バカ野郎……なにカッコつけてんだよ…。」

 

 

「あーーーッ! 悠が起きたっぽい!!」

 

 

ドックの戸が音を立てながら勢いよく開かれ大きな声が浴室内に響き渡る。

 

様子見で来た夕立が駆け足で無事を喜ぶように悠に抱き着いて来た。

 

 

「ぽい~~! 生きててよかったっぽい!」

 

「夕立…今どうなっている?夏音は?」

 

「ぽい~。夏音ちゃんは…。」

 

 

「夕立ちゃん、悠さんが目を覚ましたって…ッ、キャ!!」

 

「吹雪ちゃんどうし…にゃ~ッ!?」

 

 

「ぽい?」 

 

「? どうしたお前等?」

 

 

 

「ゆ、悠さん!その、えっと……お、起きたのなら体を拭いて早く服を着てください!!」

 

 

 

「………あ。」

 

 

「?…ぽい~~。」

 

 

「こら、マジマジ見るな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──改めましてこの度は彼等を助けて頂き、本当に感謝します。南宮先生。」

 

「そこまで言われる必要はない。ただ教師としての仕事をこなしたのに過ぎないのでな。」

 

リビングでソファーに座りながら頭を下げて感謝の意を告げる神太郎の対面で事務的な受け答えをする那月。

 

 

那月一度紅茶の入ったカップに口を付けると、先程まで神太郎から告げられた一連の真相(各所ねつ造有り)を思い返す。

 

 

「それにしても、仮面ライダーの正体が異世界からの技術だったとは…。」

 

「信じられませんか?」

 

「いや、むしろ納得出来る話だ。あれ程の力を有した技術力、この世界のどこを探しても全く見つからなかったらな。」

 

「先程も言いましたが、我々の存在も、その技術も本来ならば決して公言してはいけない真実なのです。

我々はこの世界の他にも存在する世界へのバランスを保つ為に、秘密裏に行動しなければいけないのです。ですから…。」

 

「…いいだろう。一先ずは公言しないと約束しよう……ただ、まだ私は貴様の事は信用出来ない。」

 

「ストレートに言ってくれますね。いやはや、耳が痛い。」

 

「ロスヴァイセをスパイとして送り込んだヤツの上司だからな。その位の警戒はして当然だ。」

 

「あら、気付いていたんですか?」

 

「最初からな。ロスヴァイセ自身も気を付けてはいたようだが、この間酒の席でうっかり喋ってたからな。」

 

「あ~~……これ悠君が知ったら大変な事になっちゃうよ…。」

 

「まぁこの話しは置いとくとして、本題はアレだ。言われた通りに手を出さないよう言っておいたが、これからどうするつもりなのだ?」

 

「それにつきましては…「オイ。」…やぁ、思ったより早いお目覚めだね。」

 

 

神太郎の背後から発した声の主である悠は、那月が居るにも構わず神太郎へと問い詰めて来る。

 

 

 

「吹雪から聞いた。あれから既に5時間程経ったと。

今どうなっているか直ぐに教えろ。」

 

 

「ふぅん…南宮先生。申し訳ないが…。」

 

「構わん。でないと話が進みそうにないからな。」

 

「感謝します。

…さて、知りたいのはアークが今何処で何してるか、だったね…。」

 

 

 

神太郎は那月への説明を一旦保留する許可を貰うと、何処からか取り出したタブレット端末を取り出し悠に見せる。

 

 

受け取ったタブレットには、何処かの巨大企業と思わしきビルから煙が上がっている写真が写されていた。

 

 

「アークは南宮先生が助けたキミ達を見失った後、ある企業へ襲撃を仕掛けた。

メイガスクラフト社。その中の研究施設をアークは狙って襲撃し、中にいた社員は奇跡的に死者は出なかったが…。

…次の写真を見てご覧。」

 

 

「…ッ!!……何だよコレ。」

 

 

 

指で軽くスライドして写真を変えた悠の目が見開かれる。

 

アークが襲撃したであろう研究室の室内か、機材や壁が崩壊されてるより目に付いたのが、胸から食い破られたであろう小柄な女性の遺体が、一つでは無く、十を超える数が研究室内で倒れていた。

 

 

 

「アークは、彼女等の体にあった器官を全て食い破った後に何処かへ姿をくらませた。

だがその約1時間後に発見された。次の写真だ。」

 

 

言われるがままにスライドして画面を変える。写されたのは街外れの山岳地帯の上空に、繭の様に光に包まれて身を縮み込ませてるアークの姿が在った。

 

 

 

「こいつは?」

 

「一種のスリープモードと見ている。食べた器官を自分の力と同化する為のね。その画を見てると、正に蛹から蝶へと変わろうとしてるんだろう。」

 

「腹一杯喰って寝て育つだぁ?…そもそも、コイツは一体何なんだよ!?

あの時確かに倒したし、ガシャットだってちゃんと手にした!! なのに復活するわ、バリア張るわ、オルフェノクとは別モンの攻撃を出すわ、コイツは一体…「模造天使。」…は?」

 

「三大勢力の天使とは別物の天使を人工的に生み出す魔術儀式だ。その力は下手すれば神代の域にまで到達されると言われてる。」

 

「なんだそりゃ…何だってそんなもんがアークに…。」

 

「そんな事を言って、薄々気づいているんじゃないかい?

…あの子が、今回の感染者である夏音ちゃんが、その模造天使である事に。」

 

「ッ!!」

 

 

頭を殴られたような衝撃的発言に、悠は思わず手からタブレットを床に落としてしまう位であった。

 

 

「恐らくだが、夏音ちゃんに感染したバグスターウイルスが模造天使の核となる器官も浸食したんだろう。あの光からバグスターウイルスの波長を観測出来た。」

 

「…だったらまだ夏音は…。」

 

「…ウイルスの脅威から、まだ助かっていない。今は、ラボの下にある医療施設で経過を看ている。

彼女の友達がついているが、キミも行ってあげて、勇気付けて挙げてやってくれ。」

 

「そんな事よりもアークを倒すのが先決だろう! 活動を停止している今なら容易に倒せる!!」

 

「無理だ。今のヤツにどのような攻撃をしたところで、天使の光は易々と突破できない。」

 

「加えて今のアークは他の模造天使の被験者13人分の力を持っている。

それと更に最悪なのは、ヤツは天使であり、バグスターでもあるという事。基のガシャットが無い今のアークにはゲーマドライバーで変身するライダー以外の攻撃は通じない。」

 

「でもこのまま何もせずに…!!」

 

「悠君ッ!!」

 

 

神太郎が声を荒げて立ち上がる。

 

そして、今の悠を見て彼の中で懸念していた事が的中した為、上司としての命令を出した。

 

 

 

「悠君…今回のバグスターの対処。キミには外れて貰う。」 

 

「ッ…何の冗談だ…!!」

 

「冗談では無いよ。今のキミは冷静を欠いて普段のパフォーマンスが出来ない以上、前線には出せない。」

 

「何を言ってる、俺の何処が…!」

 

「その焦りが! 秋君を危うく死に陥れたというのが分からない時点で、キミは正常じゃない。」

 

「ッ……。」

 

「…兎も角、キミは待機だ。指示があるまで、勝手な行動はするな…いいな?」

 

「…ッ!!」

 

「…悠君。」

 

「…何だよ。」

 

 

 

神太郎の指摘に何も言えなかった。悠の脳裏には、あの時、自身を庇って前に立つレーザーとドックの湯船で未だ意識の無い秋の姿が交互に浮かんでいた。

 

 

 

何も言い返せずその場を立ち去ろうとする悠。そんな悠を、神太郎は去り際にこんな言葉を投げた。

 

 

「キミが今抱いているのは、焦りだけじゃない…恐怖だ。キミが今立ち向かうべきは、過去との自分だ。」 

 

「………。」

 

 

 

その言葉を聞いた悠は、その場から去っていった。

 

 

 

「……フゥ。」

 

「…随分と立て込んだ話を聞いてしまったようだな。」

 

「すみません。お見苦しいのを見せました。」

 

「構わん。

…それで、内容はイマイチ理解しかねないが、ほぼ手詰まりだというのは分かった。何か策はあるのか?」

 

「えぇ。とは言っても、大分リスキーな策ですけどね…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーキミが今抱いているのは、焦りだけじゃない…恐怖だー

 

 

 

ーキミが今立ち向かうべきは、過去との自分だー

 

 

 

 

 

「………。」

 

<…脳波の乱れが診られるね。この波長を見るにキミが今抱いてる感情は…。>

 

「止めて…分かっててもそこは言わないのがお約束だよ。」

 

<そうか…それは済まなかったね。>

 

 

悠はネクストライドロンの中でハンドルに顔を伏せながら項垂れていた。

 

 

 

中に居るクリムが悠の心情を読み取って声を掛けようも、悠はそっとして欲しいとの返ししか返さない。

 

<悠。こうしてる間にも叶瀬 夏音はウイルスによる症状で苦しんでいる。此処で時間を潰すより彼女を励ますのが最善だと思うのだが…。>

 

「…俺にそんな事出来っかよ……戦って、壊す事しか出来ねえ野郎が、何を励ませって言うんだよ。」

 

<…悠……ム?>

 

「?」

 

 

 

項垂れている悠の耳に、コンコンとガラスをノックする音が聞こえる。

 

少しだけ顔を動かすと、ラ・フォリアが窓越しからこちらに顔を覗かせていたので、悠は窓を開けて声が聞こえるようにした。

 

 

「何?」

 

「いいえ。夏音の見舞いにも行かず、暇そうにしていたんで声を掛けただけですよ?」

 

顔は笑っているものの、発している言葉には何処か含みのある言い方をする彼女に対し、早くどっか行ってほしいという気持ちで一杯だった悠は目を合わせなかった。

 

「そういうアンタこそこんな所で油売ってるヒマはあるんだな。」

 

「私はこれから出かける用事がありますので…なんでしたら送ってくれません?どうせおヒマなんでしょう?」

 

「…何処まで?」

 

「特区警備局まで。」

 

「自首しに行くの?」

 

「面会ですよ。しかも今回の騒動についての関係者に。」

 

「…どういう事?」 

 

「バグスターがメイガスクラフトを襲撃したのは聞きましたよね?それが切っ掛けに違法な研究をしていた事が表に出て、研究の関係者達が特区警備局へ拘留されているんです。

…その中の夏音に模造天使の儀式を掛けた張本人が。」

 

「ッ!!…誰だ?」

 

「…叶瀬 賢生。夏音の、父親です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──では、我々は外で待機しておりますので、何かあったら…。」

 

「えぇ、ありがとうございます。さて…。」

 

局員に通された応接間の扉が閉められると、緊迫した空気が漂う。

 

 

 

部屋に置かれたソファーへ座るラ・フォリアの後ろに悠が壁に寄りかかって立つ先にテーブルを挟んで同じくソファーへ腰掛ける眼鏡を掛けた年配の男性を見据える。

 

「お久しぶりですね賢生。変わらずで何よりです。」

 

「えぇ。そう仰る殿下は会う度に美しさに磨きが掛かっておられますね。」

 

「お世辞は結構ですよ。それよりもこうして私がアナタの下に直接顔を出した理由は、言わずとも知っていますね?」

 

「…大方の予想は…ですが、そこに居る彼は?」

 

「…お気になさらず。」

 

「私が彼に夏音を身を任せた者です。私や夏音にとって最も信頼できる人なので。」

 

「…そうか、キミが灰原 悠君か。娘から良く話すを聞いていたが、まさかアルティギアの者だったとは…。」

 

「……。」

 

「話を戻しましょうか賢生。

アナタ、ご自分がした事の意味を分かっているのですか? 私の血族に、自分の娘に何をしたのか。」

 

「えぇ。充分に理解していますとも。だがアナタは勘違いなさってるようだ。

確かに私は夏音に儀式の術式を施した。だが、それは娘を愛しての行動です。」

 

夏音の父、賢生は声色が低いラ・フォリアと黙って睨み付けている悠を前に平然とした態度で自身の夏音に対する愛情を主張する。

 

「理解できませんね。それならば何故あのような…。」

 

「人間を超えた力を持てば、あの子を傷つける者は誰一人としていなくなる。

…あの子はこれまで十分と言って良い程の不幸に見舞われた。ならば親として、あの子を幸せにしてあげる事が私の義務なのです。」

 

 

「………ハッ。」

 

「…何が可笑しい?」

 

「アンタの話しが嘘偽りない話だったら…皮肉だなって。」 

 

「何だと?」

 

「分かんねぇかな…アンタが夏音に力を与えた所為でアイツは苦しんで消えちまう寸前なんだよ!!」

 

「な…ど、どういう事だ!?……まさか、研究室を襲ってきたあの化け物が、夏音に…!?」 

 

「…クリム。」

 

<あぁ。この部屋に盗聴器の類を仕掛けられていないよ。備え付けられているカメラも音を拾えるタイプの機種では無い。>

 

「念の為、ダミーの映像とすり替えておいて。」 

 

<OK。>

 

困惑する賢生の前でラ・フォリアを目配りする悠。彼女も悠の意図を分かってか首を縦に頷いた。

 

「教えてやるよ。今アンタの娘がどうなっているか…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───そんな…夏音が、消滅する、だと…?」

 

「………。」

 

「賢生…。」

 

 

悠は賢生に包み隠さず話した。夏音が置かされている病原体の存在を、模造天使の力がそれを娘の命を蝕む要因となっている事を。

 

 

賢生は先程の態度とは打って変わって絶望に包まれていた。そんな賢生をラ・フォリアは思わず同情の念を向けてしまうが、悠の賢生に向けている冷ややかな視線を相変わらずであった。

 

 

 

 

 

「何故だ…何故、こんな事に……私はただ娘を…夏音を、幸せにしたかった、だけなのに…!!」

 

「……ふざけんなよッ!!」

 

「悠ッ!?」

 

悠は堪忍袋が切れたと言わんばかりの形相で賢生の胸倉を掴み持ち上げた。悠は持ち上げられて顔を歪めている賢生へ問い詰める。

 

「あんな力が、容易に他人を傷つける力をアイツが欲しいなんて聞いたのかよ!?あ゛ぁ!?」

 

「それしかッ、無いと思ったからだ! この不条理な世界でッ、あの子が幸せになる為には、人を超えた力がッ!

その為の犠牲ならば、私は幾らでも払う覚悟で費やしてきた! お前に、娘を思う親の気持ちが分かるか!!」

 

「ッ、アンタなぁッ!!」

 

「悠ッ!!」

 

 

賢生の激情に言葉では表せない感情に包まれた悠は拳を握りしめた。引いた拳を賢生に向けて放つのをラ・フォリアが止めようとするが間に合わない。

 

 

 

 

 

 

 

「ッ……?」

 

 

 

思わず目を瞑って身構えた賢生であったが、一向に何も起こらない。目を開けると、自分の眼前スレスレに悠の拳が止まっていた。

 

 

 

顔を俯いて表情の窺えない悠は賢生を放して降ろした。

 

 

 

「…何故殴らない?」

 

「……俺も聞いてるよ。アンタの事。」

 

「何?」

 

「仕事で殆ど会えなくて、口数も少ない。でも自分をここまで育ててくれた、大好きなお父さんだ、ってな…アイツ、アンタの話ししてる時いつも笑ってたよ。」

 

「……。」

 

「…なぁ、アイツが幸せになるのにどうしても人を超えなきゃダメか?

好きな猫に囲まれて、同じ年代の友達と楽しく笑いあう平凡な日々じゃ、ダメなのかよ?…。」

 

「………。」

 

「悠…。」

 

「…アンタの言う通り、俺は親の気持ちなんて分かんねえよ…だからこれ以上アンタ等親子の問題について、何も言わねぇよ。」

 

 

沈み気味に賢生へ訴えた悠は応接間を後にした。

 

 

 

ラ・フォリアは突然感情的だった悠が打って変わり憂いを帯びた様子が気になり後を追い掛けようとする所に、賢生が口を開いた。

 

「殿下……彼は…あの少年は…。」

 

「…そうですね。多くは語れませんが一つだけ…彼は大きな力を持って、その苦しみを知っている人間です。」

 

「………そうですか。」

 

「…失礼します。」

 

 

残された賢生は唯一人、血の繋がっていない娘の笑顔が頭に浮かんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………。」

 

「…悠。いい加減何か言ってくれませんか?」

 

<ふぅむ。完全に意気消沈と言った所だね。>

 

悠達はネクストライドロンで何時もの高台へと訪れていた。

 

着くや否や悠はまたしてもハンドルに顔を埋めて意気消沈の有り様。

 

 

コレに見かねたクリムは行動に出た。

 

<あー、悠。私はそろそろプログラムのアップデートに入るから、少しの間スリープモードに入るよ。

何かあったら、再起動を掛けてくれたまえ。>

 

「え? あ、ベルトさん!?」

 

 

 

ラ・フォリアがドライバーのディスプレイを叩いても何の反応も示さない。

 

ラ・フォリア自身も滅多に感じない気まずい空気にどう声を掛けるべきか試行錯誤をするなか、悠が不意に口を開いた。

 

 

 

「…脇腹の傷、なんでついたかまだ言って無かったな。」

 

「え?…あ、そうでしたね。以前聞いたらはぐらかされましたっけ。」

 

「………弱さの証だ。」

 

「弱さの、証?」

 

「聞いてるよな?この仕事する前俺の居た施設が襲われた事に。」

 

「えぇ。 それでアナタ以外は、皆…。」

 

「死んだ。恩師も、血の繋がっていない兄弟達も…愛した女も。

これな、その女を庇って剣が刺さった傷………でも、剣は俺の体を突き破ってアイツの胸に刺さった。」

 

「そんな…。」

 

「……守れなかった。恩師も、ガキ共も……せめてアイツだけは…カナだけは守ろうと命捨てる覚悟で身を盾に庇った……そこまでやっても、オレは女一人守る事出来なかった。」

 

「………。」

 

「それ以来オレは誰かを守るなんて考えは捨てた。守る守られる両者の為にな…それで出来たのがこんなんだ。」

 

 

自傷気味に語る悠の隣でラ・フォリアは悠と初めて会った時の事を思い出していた。

 

自分を魔族の追ってから逃がす際にこう言っていたのだ。”守りながらやるのは性に合わない”と。

 

「もう誰も守らねえ。只々戦って壊すしか能のねぇクソ野郎で終える。そういう生き方を決めてた。筈だった…。

……この世界に来てかららしくねぇ事ばっかりしちまった。

うるせぇのに、暑苦しいのに、重っ苦しいのに……失くしたくないって思うのを気付かな内に出来てた。」

 

「……。」

 

「……怖いんだよ。また失くしちまうのが!オレは!…また…!」

 

俯いて肩を震わせる悠が告白した真実を前に、ラ・フォリアは黙って悠を自身の胸へと抱き寄せる。

 

トラウマとも言える過去の話しを切り出したからか、今抱きしめている悠は脇腹の傷を痛い位に掴んでいた。

 

それ程にまで精神的に弱まった悠を、ラ・フォリアはあやすかのように声を掛けた。

 

 

 

「悠。アナタは自分がこれまでやって来た事が全て間違いだった。そう言いたいのですか?」

 

「…胸張って正しい事したとは言えないね。」

 

「私はそうだと思いませんよ。現に私は何度もアナタに守られてこうして満足に生きてます。

私だけじゃない、凪沙や、ゼノヴィアや一子、古城達もアナタが傷つきながら戦ってるお蔭で彼等の今があるんです。

アナタのその考えを改めろとは言いません。ですけどこれだけは覚えてください。」

 

「……。」

 

「今苦しんでる夏音を助けられるのは…アナタしか居ないんですよ?」

 

「………ズルい女だなぁ、おたくは…。」

 

「…えぇ。そうですね。」

 

 

 

暫くの間、気が済むまで胸を貸したラ・フォリアだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガレージ地下ラボに設立した特別医療室。

 

 

 

神太郎がバグスターウイルスの感染者を隔離検査をする為に急遽造られた真っ白な室内では、中央のベッドに寝かされ苦しんでる夏音を姿を、吹雪達に加え雪菜、凪沙が傍に着いていた。

 

 

 

 

 

「夏音ちゃん、しっかり…。」

 

「熱、また上がってる…どんどん悪くなってる…。」

 

「睦月ちゃん! 本人の前でそれを言っちゃダメだよ!」

 

「ご、ごめんにゃしぃ!」

 

「でもこのままじゃ本当にマズイですよ。一刻も早く手を打たないと、夏音さんの命が…。」

 

「雪菜ちゃんもそういう話はココでしちゃダメ!」

 

「ご、ごめんなさい!つい…。」

 

「ぽい~。悠は何してるっぽい?」

 

出来る事が無く、ただ夏音の前で段々焦りが増していく五人。

 

そんな空気を破るかの如く、病室の扉が開いた。病室に入って来た人物を見て場の空気が変わる。

 

「悠さん!? 今まで何処行ってたんですか!?夏音ちゃんがこんな状態にも関わらず!」

 

「吹雪ちゃん、吹雪ちゃんも言っちゃいけない事言ってるぽい~。」

 

「………ごめんなさい。」

 

「………すまないが、皆少しだけ外せないか?夏音と話したいんだ。」

 

「ゆーくん………分かった。皆外で待ってよ?」

 

「え、凪沙ちゃん?」

 

察してくれた凪沙が皆の背を押して病室から出て行く際に、悠は凪沙と目が合い、申し訳ないと目で語る悠に対し、凪沙は気にしないでと目で送り返した。

 

 

病室には悠と夏音の二人になり。悠は夏音の寝ているベッドに近づき腰を下げる。

 

苦しそうに息を荒げている夏音に悠は意を決して声を掛けた。

 

 

 

「……夏音。」

 

「………あ…お兄さん。」

 

「……よっ!元気…じゃねえよな。悪ィ。」

 

「…大丈夫です。大した事、無いでした。」

 

「ッ…そ、そうか?なぁんだ、思わず早とちりしちゃったよ!もう!」

 

 

本当は想像を絶する苦痛を味わってる筈なのに、夏音は大した事無いと告げた。此方を心配させまいと無理を言ってるのが直ぐ分かった。

 

話しに乗って笑みを見せる反面、自分の不甲斐無さに心が締め付けられる程の苦しさを感じた。

 

そんな悠の顔に、夏音の手が触れた。

 

 

 

「お兄さん…怪我、してるです。」

 

「あ…これか? ちょっと転んだんだよ。ド派手に、ズドーン!ってな。」

 

「…それと、辛そうに見えます。」

 

「…あぁ……ものすっごく、苦手な問題抱えてさ…ちょっと、参ってる。」

 

「そう、ですか…。」

 

「…あぁ。ホント参っちゃう…。」

 

「……大丈夫ですよ。お兄さんなら。」

 

「夏音…?」

 

 

 

酷く冷たい手が悠の頬を優しく撫でる。起き上がれず首だけを動かして見つめる夏音は慈愛の目で微笑む。

 

 

 

「お兄さんならきっと出来ます…私はそう信じていますから…。」

 

「ッ……。」

 

「私も、頑張って病気、治しますから…お兄さんも、頑張って、欲しいでした…。」

 

「………。」

 

 

頬に添えられた手を取って、悠は優しく握り返した。

 

冷たい彼女の手に熱を送る様に、今まで過去に捕らわれて逃げていた自分に彼女から勇気を分けて貰う為に。

 

 

 

「…あぁ。頑張る……だからお前も頑張れ!元気になったらそん時はお祝いだ。」

 

「ハイ…楽しみです。」

 

悠の顔に、憂いも迷いも無くなった。

 

あるのはただ、過去に捨てた筈の本心からの笑みを見て、夏音は笑って返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、悠さん!」

 

病室から出た悠を五人は待ち構えていたかのように詰め寄って来た。

 

 

 

 

 

「夏音ちゃんとはちゃんと話せた!?」

 

「灰原先輩、私に何か出来る事はありませんか!?」

 

「戦うのなら夕立も戦うっぽい!」

 

 

 

 

「…ちょっと待ってろ。」

 

 

 

詰め寄ってくる彼女達を前に悠は懐から取り出したのは、どういう訳かガイアメモリだった。

 

 

「?悠さん何でメモリを?」

 

「いいから待てって。」

 

 

<< ZONE >>

 

 

 

 

 

「ッ!?き、消えた!?」

 

「ど、何処行っちゃったにゃし!?もしかして、バグスターのとこに…!?」

 

 

 

 

 

突如として消えた悠。

 

単騎で策も無しにアークの元まで跳んだのかと思った矢先、五人の立ってる場所から少し離れた位置に悠が姿を現した…もう一人連れて。

 

 

 

「お、おい!何処だココは!? 私を連れて何をするつもりだ!?」

 

「いいから黙ってとっとと来いっての。」

 

 

襟首を掴んで無理やり連れて来た賢生を見て、雪菜はワナワナと顔を青くして悠に詰め寄って来た。

 

 

 

「は…灰原先輩!その人、拘留中の叶瀬 賢生ですよね!?連れて来たんですか!?」

 

「え、夏音ちゃんのお父さん?」

 

「簡易なダミーを置いて来た。それにセキリュティーもとっくに掌握済み。コイツ戻す前にバレなきゃ問題ねぇだろ。」

 

「問題大アリですよッ!! 特区警備局から脱走させた事になりますよ!?」

 

「今までしてきた事の中じゃ軽い方だろ。」

 

 

悠の取った行動に騒ぐ雪菜を放っておいて悠は賢生を引きづって夏音の居る病室の前で、ガラス越しにベッドに寝ている夏音を賢生を見せ付けた。

 

「か、夏音!」

 

「…一つ、約束しろ。」

 

 

 

賢生はガラス越しで弱まってる夏音を見て狼狽える賢生に悠は目を合わせて話し掛ける。

 

「アイツが元気になったら、アイツに今までの事全部洗いざらい話せ。二人きりで、嘘偽りなくな。」

 

「そ、そんな事…。」

 

「今まで娘の為にしてきたんだろ! アイツを愛しているから、やって来た事じゃ無かったのか!?」 

 

「当然だ!私は娘の幸せを一番に考えて…!」

 

「…それはアイツも同じだよ。アンタを、一人の父親として愛してる。だったら尚更、面と向き合って話し合え。

…これ、アンタの娘の受け売りだよ。」

 

「ッ……夏音…。」

 

「…それまでは、親バカな父親として頑張って戦ってるアイツの傍に居てやれよ。人間を超えさせるより、簡単だろ。」

 

「………ありがとう。」

 

 

悠は掴んでいた襟首を放した。

 

賢生は小さく礼を述べると、たどたどしい足取りで病室に入っていった。ガラス越しに賢生が夏音の手を掴んでいる光景を目に、傍らで見ていた吹雪達に話しかけた。

 

 

 

「お前達もアイツについててやってくれ。バカ騒ぎ、まではいかなくていいから少しでも明るめの話しをしてやってくれ。」

 

「悠さん……了解しました!」

 

「任せるにゃしい! 何なら妹達も連れて来るにゃしよ!」

 

「楽しいパーティーにさせるっぽい!」

 

「いや流石にパーティーはちょっと…灰原先輩、ご武運を。」

 

「ゆーくん…。」

 

「…あぁそうだ。凪沙ちゃん、これ終わったら時間作って貰って良いかな?…俺も、面と向き合って話したい事、あるからさ。」

 

「…うん。分かった…ちゃんと帰って来てね?夏音ちゃんも、ゆーくんも。」

 

 

「……おぅ。」

 

 

 

「ぽい~……ねぇねぇ。これって俗に言う、死亡フラグっぽい?」

 

「ゆ、夕立ちゃん!!流石にそれは…。」

 

「うぅ、夕立ちゃんの所為でイヤなイメージついちゃったにゃし…。」

 

「フラグ、ねぇ…。」

 

悠は思い掛けない夕立の一言に怒らず、夕立の頭をワシャワシャと撫でた。

 

 

 

「じゃ、今からそのフラグ壊して来るわ……約束、守りにいくのがメインだからな。」

 

それだけ言って悠は歩を進めていく。その後ろ姿は、目にしているよりも大きく頼もしく見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歩いてく悠の前に、立ち塞がる様に神太郎と那月が待ち構えていた。

 

那月は病室に居る賢生を目に、顔を顰め悠を睨めつけた。

 

 

 

「アレはどういう事だ?私の見間違いでなければ、拘留中の叶瀬 賢生が居る様に見えるのだが?」

 

「あー、アレはですねぇ…叶瀬 賢生の弟です。夏音の叔父にあたる人で。」

 

「弟? ヤツの血縁者に弟など居なかった筈だが?」

 

「疎遠状態らしくて、一応夏音の身内みたいなんで連れて来ました。」

 

「ほぉ?」

 

まるで犯罪者を睨み付ける刑事の様な眼光で悠を睨む那月。

 

暫く続き場の空気が次第に重くなって来るなか、那月は深い溜め息を吐いた。

 

 

 

「賢生の弟で身内か……まぁ、そういう事にしてやろう。

私はそろそろ戻らなくていけないのでこれで。拘留中の賢生の様子も見なくてはいけないんでな。」

 

そう言い残して那月はその場から姿を消した。

 

その場に残された神太郎は那月の去った跡を見て悠に話しかける。

 

「イイ先生だねぇ。キミはホント、周りの人間に恵まれている。」

 

「もうちょっと愛想良かったら好きになってたがな。」

 

「おやおや、キミはああいう女性が好みだったの?」

 

「ぶっ殺すぞ…と、言いたいけど。

…アークを倒すのに力を貸して欲しい。アンタの事だ、何か策の一つあんだろ?」

 

「………。」

 

 

「………無いの?」

 

「あるよ! ただもう大丈夫だなって、安心しただけだよもう!」

 

「そういうくだりはイイから早く教えてくれ。」

 

「やれやれ……この作戦の要だけど、これはかなり地道な作業と言って良いな。それこそ焦って冷静を欠くと余計困難な、ね。」

 

「…上等。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は山岳地帯。

 

 

 

溢れだす光が繭の形となってその力を蓄えていたアーク。その時が今やって来た。

 

 

 

 

 

ーピキィ!ー

 

 

 

 

 

繭から罅割れた音が空に響いた。

 

 

 

 

 

繭の光が次第に晴れ、中にいるであろう存在の姿が見えて来た。

 

 

灰色に帯びた体の色が穢れの無い白に。靡いていたマフラーは六枚の翼へと変わる。

 

その姿は、正しく天使と呼ぶに相応しい姿をしていた。

 

 

 

『……ga……aaaaa…。』

 

 

 

生まれ変わったアークまだ埋められていない空白を埋める為に神々しい翼を広げた。

 

 

 

狙いは唯一つ。憑代となっている一人の少女の命と魂を。

 

 

 

 

 

 

 

<< STAGE SELECT >>

 

 

 

 

 

アークが飛立とうとした途端、野外である筈の風景が閉じ込められた地下空間へ変わる。

 

 

 

この景色の変わり様を見るのは三度目だ。ならこれから来るであろう小さな障害。

 

 

 

 

 

『gaa!……kyaaaaaaaa!!!!』

 

 

 

 

 

空の無い空間に向かって吠えた先に居たのは二人。

 

 

 

 

 

ゲーマドライバーを身に着けた悠と神太郎が威嚇に吠えてるアークを前に見上げていた。

 

 

 

 

 

「…ハハ。」

 

「何が可笑しんだよ。」

 

「いやね。こうしてキミと肩を並べるなんて、今まで想像しなかったからついね。

にしてもまた随分様変わりしたもんだ。」

 

「害虫が害鳥になっただけだ。カラス並の。」

 

「…いや白いカラスなんていないよ?」

 

「探せばどっかいんだろ。」

 

「いや絶対いないと思うだってあれ…。」

 

「よし緊張は解れたな、本番行くぞ。」

 

「えアレ緊張解す為の会話だったの?キミ等いつもこんな事してんの?…まぁいいや。」

 

 

 

<< BANG BANG SHOOTING >>

 

 

<< MIGHT ACTION X >>

 

 

 

 

 

「第弐戦術──」

 

 

「グレード0──」

 

 

 

 

 

「「──変身ッ!」」

 

 

 

 

 

<< ガッチャーン!──LEVEL UP! >>

 

 

 

<<──BANG BANG SHOOTING! >>

 

<<──MIGHTY ACTION──X!──! >>

 

 

 

 

 

 

 

<< ガシャコンマグナム! >> 

 

<< ガシャコンブレイカー! >>

 

 

 

 

 

悠が変身したスナイプがマグナムを構え、神太郎が変身したゲンムがブレイカーを手にする。

 

アークは眼下のスナイプとゲンムを滅ぼさんと勢い着くばかりの咆哮を上げた。

 

 

 

 

 

「削除、開始ッ!」

 

 

「コンティニューしてでも、クリアするッ!」

 

 

 

 

 

今、人智を超えたバグの駆除作戦が開始された。

 




今回のビルドを見て、エボルドライバーってハザードレベル5が使用条件なのかな?万丈がドライバーを使えるレベル5に至った時に体乗っ取るとかそういうカンジの。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。