その男が進む道は・・。   作:卯月七日

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※注 これから先は適当に思いついた事を載せるだけのおふざけです。気に入らなかったら読み飛ばして結構です…。















「前回のあらすじ紹介!
謎の敵アベルによってばら撒かれたバグスターウイルスによって生まれる怪人・バグスターと戦う俺等チームライダーズ。
学園行事である修学旅行に向かった桜井と剣バカ野郎の前に現れたガンマイザーを相手に桜井は謎の暴走を引き起こした!」

「こっちもこっちで悠がバカして体がボドボド状態…主役交代の時期ですかね?」

「どっから出て来たのオタク?ていうか俺死んでねえし!」

「『その男が進み道は…。』、完!
次回から私、川内が織り成すラブストーリ、『ニンジャに恋は難しい』が始まります!」

「お前もどっから湧いてきた!?ていうか勝手にタイトル変えんな!」

「ダメ?」

「可愛く言ってもダメ!」

「でしたらココは間を取って、次回から『アルティギアの休日』をお送りいたします!乞うご期待を!」

「だから勝手に変るなっての!!ていうかオタクはさり気無く自分の国宣伝しちゃってるし!」

「だって私アルティギアの観光大使を務めていますし。」

「「ウソォ!?」」

「ウソです♪」

「ウソかよ!」

「という訳で未だ主役健在のこの作品。」

「最新話をどうぞ!」

「あ!それ俺のセリフ!!」






 

 

 

 

 

 

「ダメエエエエーーーーッ!!」

 

 

<< DRAGO KNIGHT CRITICAL STRIKE! >>

 

「デェァアァアアアッ!!」

 

怒りの暴走で我を忘れたエグゼイドの放った必殺技が、アスタルテを取り込んだガンマイザーへ向けられ放たれる。

 

既に放たれた必殺技にガンマイザーは敵と見て無いエグゼイドの攻撃を躱す動作も防ぐ動作も見受けられない。真っ向から受け切るつもりだ。

 

ガンマイザーは無事で済むだろうが、中に居るアスタルテの無事は保障できない。最悪命に関わる程のダメージを負う可能性も有り得る。

 

 

故にここから先のブレイブの行動は、的確な技術と奇跡的な運が求められる手段を即座に実行したのだ。

 

 

<< ガッチョーン! >>

 

 

ブレイブはドライバーのレバーを戻し、レベル1の形態へ戻すとガシャットをホルダーへ挿し込む。

 

 

<< ガッシャット!──キメワザ! >>

 

「頼む出て来てくれ!」

 

 

次に、近くにあった宙に浮いてるチョコブロック一個と地面に置いてある宝箱目掛けソードを振るう。

 

中に隠れたエナジーアイテムは、防御力アップの鋼鉄化と高速移動の高速化。

 

「ッ──!」

 

<< 高速化! >>

 

「ハァァアッ!!!」

 

迷わず高速化を選んだブレイブ。最初からそれを目当てに運で引き当てたアイテムを取り込み、その体躯に合わないスピードでエグゼイドの必殺技を眼前にしたガンマイザー目掛け、一気に駆けた。

 

 

<< TADDLE CRITICAL STRIKE! >>

 

「セェエァァアアアーーーッ!!!」

 

 

エグゼイドの必殺技が当たる前に炸裂したブレイブのライダーキック。その直後にエグゼイドの必殺技がガンマイザーへ直撃。辺りは瞬く間に炎に包まれた。

 

 

 

轟轟しく燃える爆炎の中から飛び出る影。ライダーゲージを大きく減らしたブレイブの腕に、気を失ってるアスタルテを抱えていた。

 

「グッ…ゥ…どうにか、間に合ったか…ッ!」

 

先程の即決即断の代償ともいうべきダメージがブレイブの膝を崩す。アスタルテを落とさないよう細心の注意を払うなか、ロスヴァイセとゼノヴィアがブレイブに駆け寄る。

 

 

「アスタルテさん!!大丈夫ですかアスタルテさん!!」

 

「気を失ってるだけだ。外傷は見受けられない…ッ!」 

 

「大丈夫か彩守!? あんな無茶をするなんて、一歩間違えれば死ぬとこだったぞ!?」

 

「そんなヘマはしない…それよりも、ヤツは…。」

 

アスタルテをロスヴァイセに渡したブレイブは、ブレイブとエグゼイドの必殺技をほぼ同時に喰らったであろうガンマイザーへ目をやる。

 

煙が次第に晴れ、その姿が見えて来るとダメージを負った様子ではあるがガンマイザーは未だ健在であった。

 

コレを確認したエグゼイドは、傍にあったチョコブロックを壊し中のエナジーアイテムを取り込んだ。

 

 

<< マッスル化! >>

 

「ハァアアーーッ!!!」

 

マッスル化のアイテムを取り込み両腕のブレードとガンを駆使してガンマイザーへ絶えなく攻撃を仕掛けるエグゼイド。

 

ブレイブとエグゼイドの同時必殺技と取り込んだアスタルテが居なくなった影響か幾分か動きが鈍いガンマイザー。

 

エグゼイドの攻撃を受け流し続けたが、ブレードとガンの同時攻撃時、左右から来る攻撃を防ぐためブレードとガンの銃身を受け止めた所為で隙が生じ、エグゼイドは尽かさず至近距離で頭部のドラゴンファングから繰り出される火炎放射をガンマイザーへ浴びせた。

 

『ッ!!』

 

「デェエエィッ!!」

 

至近距離から浴びた炎にたじろくガンマイザー。

 

エグゼイドは勝機と言わんばかりにエグゼイドは背中の尾を勢い良く振り回し、胴に強烈な一撃を叩き込む。モロに喰らったガンマイザーは後方へ吹き飛ばされ、尾が入った箇所を思わず手で抑える位のダメージを負ったのを確認すると、アスタルテの発症の時に見られたノイズが、ガンマイザーの体を奔った。

 

「このまま一気に…!!」

 

追撃を仕掛けに飛び掛かるエグゼイド。対するガンマイザーは奔るノイズの量が収まると、突然体が発光しだした。

 

 

『新タナ能力ノ開花ヲ確認───執行、”薔薇ノ指先”』

 

 

「ッ!?!?」

 

 

謎の発光に包まれたガンマイザーの姿がエグゼイドの意匠を突かせるのに十分過ぎる程に大きく様変わりしだした。

 

 

背中に生えて様に出て来た巨大な虹色の巨腕。先程までアスタルテが使っていたのを間近で見ていたエグゼイドであるから理解してしまった際の衝撃がかなり強かった。

 

 

『排除。』

 

「ッ!──ウァアッ!!」

 

意表を突かれ、その巨腕にて殴り飛ばされるエグゼイド。

相当の威力だったらしく、中々起き上がる事が出来ない。その間にガンマイザーに更なる動きが見られた。

 

ガンマイザーの体から出て来た四つの球体が、それぞれ特徴的な形の武器となって自身の手と虹色の巨腕に合うサイズの大きさとなってその手に収まった。

 

ガンマイザー自身の手には遠距離に有効なボーガンとライフル。巨腕には接近戦用の巨大なハンマーとブレードが握られていた。

 

「うぅ……ッ!!」

 

起き上がったエグゼイドは対面に武器を持って自分を見据えるガンマイザーと目が合った瞬間、自身に向けられた無機質で冷酷な殺意に思わず竦んでしまう。

 

 

機械的な感情の籠められていない殺意の冷たさは今まで遭遇した敵よりも異質な殺意よりも遥かに恐怖をそそられるエグゼイドは銃口を向けるガンマイザーを前に一歩も動けずにいた。

 

『──排除。』

 

「ッ!!!」

 

無慈悲にも放たれるライフルとボーガンからの一撃。

 

的確に狙いを付けて放たれた攻撃を前に、募る恐怖心が足をただの棒切れと化させ動く事が出来なかった。

 

ゆっくりとスローモーションの如く近づいて来る攻撃が明確な”死”を表していた。

 

「あ…ああああああーーーッ!!」

 

 

 

「桜井ッ!!」

 

攻撃が当たる寸前、レベル2状態のブレイブが横から飛び掛かる形でエグゼイドをガンマイザーの攻撃から救い出す。

 

そしてドライバーからガシャットを抜き出し、強制的に変身を解除させた。

 

 

「桜井!おい桜井!!」

 

「ハァッ!ハァッ!ハァッ!…!」

 

「無理か…立て!撤退するぞ!──ダークウィング!!」

 

 

ーKyiiiiiiin!ー

 

 

状況的にこのままの戦闘続行は不利と判断したブレイブは大声でダークウィングを呼び出す。

 

 

モール内のガラスから出て来たダークウィングはガンマイザーへ体当たりを仕掛ける。だが、ガンマイザーの持つハンマーによって弾き返され、ミラーワールドへ帰されてしまう。

 

だがその一瞬の内に、ブレイブ達はロスヴァイセの手も借りてモール内からの退却を済ませていた。ガンマイザーが気付いた時には既にブレイブ達の姿は消えていた。

 

退却を許したガンマイザーは目標を切り替え、自身の存在を完全にする為に必要な行動を起こそうとするが、背中の巨腕が透けて実態を保てなくなり、やがて消失してしまった。

 

『………新タナ能力ノ不備ヲ確認。修正、及ビ完全ナル同調ノ為、一時休眠状態ヘ移行。』

 

 

アスタルテの眷獣を自分のモノにする為にガンマイザーは一時行動を中断し、その場から姿を消していった。破壊の後が見られるモール内に途中から蚊帳の外扱いにされていたグレムリンだけが残されていた。

 

「オイオイオイオイオイィ!気付いたらボクちゃんボッチってヒドくねぇ!?結局この後どうすりゃいいですのぉ!?帰ってイイのぉー!?」

 

モール内にグレムリンの叫びが木霊しただけであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如として起こったバグスター騒動は生徒達の修学旅行を大きく変えた。

 

 

ロスヴァイセの報せにより教師陣は自由行動中の生徒を大至急ホテルへ全員呼び出し一切の外出を禁じさせる等の事前に決めておいた緊急マニュアルに乗っ取って行動を起こした成果か、生徒全員を呼び戻すのにそれ程の時間は掛からなかった。

 

ホテルの外では緊急時に対応出来る教師と武偵クラスが警備に当たっており、その所為で楽しい思い出を作る筈だった生徒の顔に不安な色が立ち込められていた。

 

 

 

ホテル内の一室では、息を荒げて苦しそうにベッドに眠るアスタルテの部屋を急遽拠点として居座る蓮司とハルナが居た。

 

蓮司が携帯で通話をしてるなか、ハルナは部屋に備え付けられてる椅子に頭を項垂れながらジッと座って居た。

 

「あぁ………何?………そうか、分かった。それならコッチでどうにかする。そっちは此方に構わず専念してくれ。では……。フゥ。」

 

 

通話を終えた蓮司はハルナの対面に座り、先程の電話の内容を事務的に話した。

 

「向こうにもバグスターが出た。しかもさっきのヤツと同じ新しいタイプのだ。

…ソイツの対処の所為で、此方への増援は期待出来そうに無い。」

 

「………。」

 

(…弟の事は伏せた方が良いな。)

 

神太郎から聞いた秋の負傷を言うべきではないと判断した蓮司。この精神状態では追い打ちをかける様な事だ。

 

だからこそこの要求は彼女の負担を減らす為にも必要な事だと、蓮司は口を開いた。

 

 

「桜井……持っているガシャット、オレに渡せ。」

 

「…………うん。」

 

少しの間を置いて何の躊躇いも反発も無くガシャットを全て卓上に置いたハルナ。蓮司はそれを静かに自分の懐に仕舞った。

 

「…後の事はオレが引き受ける。お前は自分の部屋に戻れ。」

 

「うん……彩守くん。その……ごめんなさい。」 

 

「…気に病む必要はない。オレの注意が足りなかった結果でもある。」

 

「………ごめんなさい。」

 

重く思い詰めた表情でハルナは部屋を退室しようとする。その際、アスタルテの様子を見に来たロスヴァイセと入れ替わりで遭遇したが、ハルナは黙ってロスヴァイセの横を通り過ぎた。

 

「桜井さん!……彩守くん、桜井さんは…。」

 

「戦線から外した。さっきの暴走が起きた以上アイツにガシャットを使わせる訳にはいかない。…

それに今の桜井は、オレが懸念していた現実に直面して心に大きな傷を負ってる。そんな状態では自滅してしまうのが簡単に見えてしまう。」

 

「現実?…さっきの暴走の事ですか?」

 

「いや。ただ単純な、”死”の恐怖だ。

アイツはこれまでも危機的状況に幾つか遭遇してるらしいが、前線に立って、敵の殺意を対面に受けて感じる死の恐怖はコレが初めての筈だ。

何より、今までのアイツはこれまでの戦いをゲームと言ってバグスターと戦ってきた…命がけの戦いだと認識を軽く見ていた分余計に感じたんだ。

明確な、”死”の恐怖を…。」

 

「…アナタの言いたい事は分かりました。でも!それなら彼女の傍に着いててあげなければいけませんよ!!

私の知る勇者は、心に傷を負った女性を放置するなど絶対しません!!」

 

「オレは勇者では無い。剣士だ。

剣士は目の前の敵を斬る。ただそれだけだ。」

 

「それじゃあ桜井さんは救われないじゃないですか!!」

 

「今優先すべきはバグスターを倒す事だ。アイツもそれを分かって何も言わずガシャットをオレに渡した。

…それに目の前で苦しんでいる同僚を前に、戦意喪失した桜井を優先すると言うのか?お前は。」 

 

「ッ!…それは…!」

 

ロスヴァイセは苦渋の思いを顔に出しながらベッドで寝ているアスタルテを目にするなか、蓮司はガンマイザーを倒すべく部屋から出た。

 

長い廊下を歩きながら蓮司はガンマイザーがアスタルテに与えるストレスの正体について考えていた。 

 

(ヤツは何を狙ってくる?彼女にとって大きなストレス……ッ!グレムリンは彼女を発症する為に生徒を襲って来た。

生徒が傷つく事が彼女のストレス要因なら……ヤツはじき此処に来る!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

振り分けられた部屋に戻ってきたハルナは制服姿のままベッドに倒れ込んだ。

 

 

クラスメートは友人の居る部屋に行ったのか、部屋にはハルナ一人だけ。だがそんな事はどうでも良いと思う位に今のハルナの心情は酷く不安定であった。

 

 

嫌でも脳裏に焼き付いた光景。ガンマイザーが自身の命を奪う為に放った攻撃がゆっくりと迫って来るあの場面。

 

 

「ッ!!……ッ!」

 

思わずベッドのシーツを頭から被ったハルナ。

 

今までも命の危機に瀕した場面は幾らかあったが、それよりもハルナが恐れている事があった。

 

それは自分が衝動的にガンマイザーに取り込まれたアスタルテの命を奪いかねない行為をした事に対する罪悪感。

 

今まで変身は性格の変化はあれど意識はあったものの、今回の暴走とも言える行動をまた起こしてしまったら思うと頭が無性に痛くなってくる。

 

だから今回の一件は全て蓮司に任せよう。きっと自分よりも上手くやってくれる。

 

でなければまた自分が、自分でなくなってしまいそうだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──ハハッ、随分と参っちゃてるようだねぇ♪」

 

「ッ!?」

 

 

被っていたシーツが勢いよく宙に舞った。

 

ハルナの耳に聞き覚えのあると同時に聞きたくない声がこの部屋に響いたからだ。

 

 

振り返るとその声の主は部屋に据えられている椅子に足を組みながら座って居た。

 

 

驚愕で大きく目を見開いているハルナをイタズラが上手くいった子供の様な無邪気な笑顔を振り撒く全ての元凶、アベルが。

 

 

「あ…アベル…!」

 

「やっ♪ お久しぶり…って、言う程でも無いか。」

 

「……何のようで来たの?言っとくけど私、今ガシャットは持っていないわよ…。」

 

「そんな身構えなくてもイイよぉ。ボクはただキミと話しに来たんだよ♪」

 

「私と?」

 

「そ。キミと………取り敢えず座りなよ。ここで下手に抵抗する程、キミは無謀な人間じゃないだろ?」

 

「………。」

 

ハルナは恐る恐ると言った風に対面する形で座った。アベルの言う通りガシャットが無い今の自分では目の前の元凶を相手に勝てる見込みなどゼロに等しいからだ。

 

そんなハルナの心情など大して気にする素振りも見せずアベルは会話を切り出してきた。

 

「見てたよさっきの戦い。 随分とはっちゃけた暴れっぷりだったねぇ♪」

 

「ッ……だからなんだって言うの…。」

 

「いやぁなに感想が聞きたくってね。

どうだった?理性なんか捨ててやりたいように力を振るったカンジは?……気持ち良かったろ?」

 

「ッ!!!………ふざけないで!!」

 

二人を挟むテーブルに思わず手を叩きつけて立つハルナ。その顔が怒りに染まるが、アベルその反応すらも面白そうにニヤニヤと笑いながら口を開く。

 

「そう怒るなよぉ。事実じゃないか。

”止めて”と言う声を聞き流し、止めに入った仲間を邪魔だったから攻撃した。全てキミが起こした結果である事に変わりはないさ。」 

 

「あ、アレは……変身すると、性格が変わるから、それで…。」

 

「アレは自分の意志では無い、と?…。違うね。

性格が変わろうが、人が変わろうが、キミが見せたアレは、キミの中にある本質なんだよ。」

 

「本質…?」

 

 

「あぁ。表も裏も無い。本当のキミの姿がアレだ…。

他人の命なんて気にせず、戦いと言う名のゲームを心行くまで楽しみたい!

…それが、桜井 ハルナという人間の紛れもない本質なのさ。」

 

 

「………。」

 

アベルの言葉を聞いてハルナの中で何かが崩れたような音がした。

 

反論しようとしても口から言葉が出て来ない。”違う!”という言葉を目の前に居る男に言えばいいのに、喉元まで消えいるソレが口にする事が出来なかった。

 

愕然とするハルナを前に、アベルは席から立ち上がるとテーブルにあるモノを置いた。

 

「ッ!!…コレって…。」

 

「あげるよ。キミが少しでもゲームを楽しめる為のささやかなプレゼントさ♪」

 

 

ハルナの前に、黒のブランク状態のデュアルガシャットを置くとアベルは背を向けて、小さく呟いた。

 

「キミの試験結果も、楽しみにしてるよ♪」

 

その言葉を最後にアベルは黒い霧となって部屋から消えた。

 

 

部屋の中にはアベルの置いたガシャットと、本質を見抜かれ呆然とするハルナだけを残して。

 

 

 

 

 

 

 

『────最終調整ノ完了ヲ確認。コレヨリ、完全ナル存在ヘノ昇華ノ為ノ行動ヲ開始。』

 

突如として虚空から姿を現したガンマイザー。その眼下には学園の生徒達が宿泊してるホテルがあった。

 

 

ガンマイザーの背後から生える様に出て来たアスタルテの”薔薇ノ指先”。完全にモノとした証しか本来の虹色の光を放っておらず、赤黒い光を纏った不気味な色合いを見せていた。

 

巨腕の掌に黄色い電気のエネルギーとブラックホールの様な重力のエネルギーが集まる。

 

『標的多数、排除。』

 

 

<< STAGE SELECT! >>

 

 

二つのエネルギー体から放たれる電撃と重力波の塊は真下のホテルへと放たれる。だが、電撃と重力波がホテルへ当たる前に風景が変わりだし、攻撃を放ったホテルの姿が無くなり辺りは渓流が流れる森の中へガンマイザーは閉じ込められた。

 

気配を感じ下を向くガンマイザー。視線の先には自分を此処に閉じ込めた張本人であろう蓮司が姿を見せた。

 

「やはり来たか。お前はこの場で斬る。」

 

『…行動ノ障害対象ト認定。即座ニ排除ヲ実行。』

 

「やれるものならな。」

 

 

<< TADDLE QUEST >>

<< DRAGO KNIGHT HUNTER Z >>

 

 

「段位・五段──変身!」

 

<< ガッチャーン!──LEVEL UP! >>

 

 

<<───TADDLE QUEST!──アガッチャ! >>

<<───DRAGO KNIGHT HUNTER──Z! >>

 

 

「ぐッ…ァアッ!」

 

初めてのフルドラゴン形態で変身したレベル5の力に一瞬悶えるブレイブだったが、持ち前の強い精神力を以ってレベル5の力を制御した。

 

宙に浮いていたガンマイザーが地上に降りると、両手にブレードとライフル。巨腕には巨大なスピアーとハンマーを持ってブレイブと対峙する。

 

 

「いざ…参る!!」

 

『速ヤカニ、排除。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃のハルナは、未だ部屋に籠り先程のアベルに突きつけられた言葉が楔となって苦悩に満ちていたが、時間が経つにつれ少しづつ落ち着きを取り戻しながらアベルに言われた言葉の意味をもう一度思い返していた。

 

 

 

──他人の命なんて気にせず、戦いと言う名のゲームを心行くまで楽しみたい! それが、桜井 ハルナという人間の紛れもない本質なのさ──

 

 

 

「……私って、力を持つべき人間じゃなかったのかな…。」

 

不意に溢した言葉と共に目の前の黒いデュアルガシャットに目をやる。

 

コレを使ったら自分はどうなってしまうのだろうか?そもそもなぜアベルは敵である自分にこのガシャットを渡したのか。

 

罠だとしてもこんなあからさまな手を使うとも思えないし、何より今の自分相手に罠を仕掛ける程の脅威を持っているとも思えない。それなら悠や蓮司に使う筈だ。

 

 

そんな考察をしながら時間がだけが過ぎていくなか、部屋の外で何やら騒がしい事に気付き気になって様子を見る為にドアを開けて見てみる事にした。

 

「ダメですよアスタルテさん!!部屋に戻って安静にしていなきゃ!」

 

「ハァ、ハァ……否定。生徒の安全を確保する為に、行動、を…ぅぅ。」

 

「ッ! な、何やってるの!?」

 

廊下に居たのは発症をしてかなりの苦痛を感じてる筈のアスタルテが部屋に戻るよう呼び止めているロスヴァイセの静止を振り切って壁伝いに歩いていたが、力尽きて倒れてしまい慌てて彼女の元に駆けよって治癒を掛ける。

 

苦痛を和らげるだけの気休めにしかならない処置であるが、やらないよりはマシだろうと思いながらも治癒を掛ける傍らで、ロスヴァイセが無茶をするアスタルテに叱責を飛ばした。

 

「何をバカな事をしてるんですか!?普段のアナタらしくも無い、今のアスタルテさんは命に関わる病を患っているんですよ!?」

 

「私の、体調については既に把握。”薔薇ノ指先”も私の制御下から完全に離されて、います。

それでも、教官からの、命令を実行しなければ…。」

 

「それで死んだら元も子もないじゃないですか!!命令の為に死ぬなんて馬鹿げてますよ!」

 

「……否定、これは命令だけの理由ではありません。私は今、自分の意志で、動きたいんです。」

 

「自分の意志?…。」

 

「私は…与えられる命令を、実行するだけに造られた人造人間です。だから私の命には、価値が無いものと思っていました……あの人達に、会うまでは…。」

 

「「………。」」

 

「造られた私を、彼等は助けてくれました。人として見てくれました。だからでしょうか、私も、誰かを助けたいなんて、心から思うように、なったのは…ッ!」

 

「アスタルテさん!」

 

ウイルスによる症状が悪化した現象としてみれるノイズがアスタルテの体中に奔り回る。

 

 

そんななか、アスタルテの話しを完全に聞き入ってたハルナはアスタルテの放った”意志”という言葉に何故か衝撃的なフラッシュバックを思い起こさせた。

 

 

 

───一つの誓いを立ててこの戦いに身を投じた。どれ程の修羅が待ち構えていようとな───

 

 

───これからはオレが守るからさ、姉ちゃんも、この世界も───

 

 

───人間完璧に出来て無いんだ。いくらでも路線変更してもバチは当たるまい途中で止めようが最後までやり遂げようが、まだ残されてる道が山程ある───

 

 

 

「……何やってたのよ私……一番近いトコで見てたのに…。」

 

「桜井さん?…。」

 

「………先生。彼女の事、頼みます!」

 

「え!?さ、桜井さん!!」

 

 

 

取り残されたロスヴァイセを置いてハルナは部屋へ戻ると、アベルの置いて行ったデュアルガシャットを手に取り部屋から飛び出て行った。

 

先程まで抱えていた苦悩を吹き飛ばすかの如く、自分に叱責を入れながら。

 

 

「今までアイツ等の何を見ていたのよ私! アイツ等は…あのバカ男共は!何言われようが!どう思われようが!自分のやりたい事やっていただけじゃない!!なのに私ったら、勝手に自分と比べて、勝手に落ち込んで…!あんな、あんな小さい子に言われて今初めて気付くなんて!!」

 

 

ハルナが思い浮かぶのはどれだけ傷つき、倒れても諦めずに立つ、彼女の見て来た仮面ライダー達の姿。

 

彼等は使命でも運命付けられた生き方を全うするでも無く、ただ自分がやりたいと思ったからやってるだけに過ぎない連中。

 

 

それがハルナの知る仮面ライダーであった。

 

 

「私の本質が何だってのよ!そんなもの今の私がやりたい事にしたらねぇ…全然知ったこっちゃ無いってのよぉ!!」

 

新たなる決意を胸に、ハルナは走るペースを上げていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「──ハァアアッ!!!」

 

一方のブレイブは、ガンマイザーの振るう巨腕を掻い潜って懐に入り、ブレードを駆使しての接近戦でガンマイザーを僅かに優勢となって押していたが、ガンマイザーはブレイブの剣戟を捌きながら冷静に対処方を分析する。

 

『───対象ノ分析ヲ完了。中・遠距離ノ戦闘ヘ即座ニ移行。』

 

「ッ!させるか!!」

 

後ろへ下がり距離を空けようとするガンマイザーの意図を読んでブレイブは詰め寄って行くが、ガンマイザーの前に波動を放つ群青色の球体が現れると、懐に入り込むブレイブの体が磁石どうしの反発の如く弾かれたように後ろへと吹き飛ばされた。

 

「グァアッ!!──何だ、今のは!?」

 

『排除。』

 

ブレードからボウガンに変え、ライフルとボーガンの銃口をブレイブに向け一方とな連射をブレイブへ放つ。

ブレイブは放たれた矢と弾丸をブレードとガンを盾に防ぐが、次第に押され出していく。

 

「グッ、グゥゥッ!!」

 

『排除。排除。排除。』

 

巨腕の持つリーチある槍の矛先がブレイブのガードを崩し、無防備なブレイブへ矢と弾丸の容赦無い連撃が突き刺さる。仕舞いには大振りで振るったハンマーがブレイブの横から現れ、重量感のあるパワーによってブレイブはピンポールのボールの様に吹き飛ばされていった。

 

「ウァァアアアーーーッッ!!!」

 

<< ガッシューン! >>

 

 

木々にぶつかりながら止まった矢先、変身が強制解除されてしまった蓮司の元に、ガンマイザーはトドメを刺すべくライフルの銃口を向ける。

 

『脅威判定、皆無ト認定。優先事項完全遂行ノ為、完全ナル排除ヲ遂行。』

 

「ッ…舐め、るなッ!」

 

ハンマーの一撃を受けた右腕が完全に折れていると分かるぐらいに折れ曲がった腕を抑えながら立ち上がる蓮司の目には未だ闘志の火が消えていなかった。

 

落ちたガシャットを拾い、再度変身を試みる。だがそれよりも早くガンマイザーがライフルの引き金を引こうとした時だった。

 

 

 

「待ちなさい!!」

 

『………。』

 

「んなッ!?」

 

 

声のした方へ視線を向けると、そこに居たのはゲーマドライバーを着けたハルナがいた。

 

何故此処に?と叫びそうになる蓮司だが、ハルナが身に着けているドライバーの機能でゲームエリアへ入って来たのだと察するとあの時ガシャットだけでなくドライバーも取り上げるべきだと後悔しだした。

 

『…対象。脅威対象外。』

 

「何しに来たんだお前は!?戦う術も何も無いのに!!」

 

「…術なら、ある!」

 

そう言いながら取り出したのは、アベルが置いていった黒いデュアルガシャット。蓮司は見覚えの無いガシャットを持つハルナの行動にイヤな予感を感じだし、速攻止める様に呼び掛ける。

 

「桜井!!今すぐそのガシャットを捨てて逃げろ!!コイツはオレがやる!!お前はホテルに戻って生徒の避難させるんだ!!」

 

「…彩守くん!アナタ言ってたわよね。私の戦う理由……。」

 

 

 

ガシャットを握る手が強くなる。並び立つだけじゃ無い。確かな決意を以って戦地に立つ為に。

 

 

「…私もアナタと同じよ!自分のやりたい事をする為に私は戦う!!……あの子の命を助けてみせる!!」

 

「桜井…。」

 

「……ウオァアアアッ!!」

 

<< ガッシャット! >>

 

 

叫びながらドライバーにガシャットを挿し込んだハルナ。レバーに手を掛けて開こうとした時、彼女顔が一瞬にして苦痛に歪んだ。

 

「ガッ!ァァアッ!?ァ…ウァアアアーーーーッ!!!」

 

「桜井!?」

 

 

ドライバーに挿したガシャットから吹き出た黒いモヤがハルナを体を蝕んでいくように包み込んでいくと、もがく苦しむハルナ。

 

身が侵されていく感覚が彼女の意識を次第に奪い、このまま気を失う方が楽になってしまうそうになる位の苦しみを味わうハルナ。

 

力尽きてその膝が地面へ着こうとしたが、見開かれた赤い目が、オレンジとグリーンに変わり出すと、ハルナを包んでいた黒いモヤがの色がオレンジとグリーンの二色に変わり出した。

 

「あれは…!?」

 

 

「こんな事で!……負けていられるかァァアアアッ!!!」

 

<< ガッシューン! >>

 

独りでに飛び出たガシャットにオレンジとグリーンのモヤを吸い込んだソレをハルナが掴み上げたガシャットに変化が起きた。

 

 

黒かった表面が塗装が剥げる様に色を変えて、オレンジとグリーンの二色のガシャットととなり、パッケージにはマイティアクションXのキャラクターであるマイティが二人描かれたガシャットの起動スイッチを押し、そのゲームタイトルがゲームエリア内に響き渡った。

 

 

<< MIGHTY BROTHERS XX >>

 

<< ダブルガッシャット! >>

 

 

 

「───変身ッ!」

 

<< ガッチャーン!──LEVEL UP! >>

 

 

レバーを開き現れるキャラクターアイコンの中に紛れている、?マークのアイコンを選ぶとアイコンにキャラクターの画が現れ、そのキャラクターへと姿を変えようとしていた。

 

 

<< Mighty Brothers! 二人で一人! Mighty Brothers! 二人でVICTORY!──X! >>

 

 

パネルがハルナへと吸い込まれるとその姿が光に包まれ変わった。

 

形態はレベル1と同じ巨躯な体系であるが、瞳の色と髪型がオレンジとグリーンの二色になり、胸のライダーゲージも増えていた。

 

 

「ハァ~、参った。カインの奴め、次は……お!アレは…♪」

 

 

「──行くわよ!」

 

『迎撃。』

 

新たな姿でガンマイザーへ向かっていくエグゼイドに対しガンマイザーはライフルとボーガンの遠距離攻撃で迎え撃つ。

 

向かって来る矢と弾丸を巨躯な体系に見合わない俊敏な動きで躱しながら突き進んで行くエグゼイド。距離が詰まれ、槍の突きで動きを止めようと繰り出した一撃をエグゼイドは槍を足場にして跳び、ガンマイザーへ蹴りを入れた。

 

「デェェィイッ!!」

 

『ッ!!』

 

「まだまだ!!」

 

 

蹴りを入れた後に、空気を足場にしたかのようなムーンサルトの後に、連続で叩き付ける様なキックを入れガンマイザーを後ろへ蹴り飛ばす。

 

 

「ほぉ~。やるなぁ♪見た所アレのレベルは……ⅹ。カインと同じか♪」

 

 

『…対象ノ脅威判定ヲ変更。速ヤカナ排除ヲ実行。』

 

ガンマイザーは敵として見ていなかったエグゼイドの認識を改め、明らかな敵意を以って攻めに駆けた。

 

ハンマーを勢い良くエグゼイド目掛け振り下ろすも躱されてしまうが、巻き上げた土が煙となって視界を一瞬奪うとエグゼイドへ槍の突きをかます。

 

 

反応が遅れたエグゼイドは躱せないと判断し、腕を交差して槍の一撃をガード。ゲージが僅かに減りながら吹き飛んでいくが、空中で体制を直し、木を足場にしてガンマイザーへ拳を突き出しながら特攻を仕掛けた。

 

「シェアァアアッ!!」

 

強靭な瞬発力を活かした特攻攻撃をガンマイザーはブレイブにも使った群青色のエネルギー体から発せられる磁力の力でエグゼイドを跳ね返した。

 

「うわあァッ!!」

 

跳ね返されて地面を転げ回るエグゼイド。すぐさま追撃を仕掛けるガンマイザーはライフルとボーガンを消し、ブレードを手に突っ込んでいく。

 

「うおァッ!?」 

 

振り下ろした一振りを、転がりながらも躱したエグゼイド。立ち上がり剣を構えるガンマイザーと再度対峙する。

 

 

「やってくれるわね!…だったら!」

 

<< ガッチョーン! >>

 

 

レバーを閉じ、ドライバーから待機音らしき音声が鳴り響くなかエグゼイドは腕を交差した状態で前屈みになると…。

 

「だ~~~~い──変身ッ!」

 

<< ガッチャーン!──DOUBLE UP! >>

 

 

交差した腕を回しながら後ろへ反っていきレバーを開いて現れたゲートを潜ると、エグゼイドのボディパーツが弾けた。

 

光に包まれて全貌が見えない、”二つの”シルエット浮かべながら。

 

 

<< オレがお前で! お前がオレで! "We Are!" Mighty MIGHTY BROTHERS "Hey!"──XX! >> 

 

 

「…ッ!? な…なぁ!?」

 

光が晴れ、その全貌が明らかになった姿を目にした蓮司の顔が驚愕に包まれ開いた口が塞がらない程のリアクションを見せる。

 

 

先程の形態の顔を、”分割”して肩に背負った”二人”の戦士が並んでいた。そう、”二人”だ。

 

 

左肩にオレンジの頭髪側を背負ったオレンジのエグゼイドと右肩にグリーンの頭髪側を背負ったグリーンのエグゼイド。

 

肩を合わせて並んでいた二人は、頭合わせた頭部が離れのを切っ掛けにお互いの顔を見合わせた。

 

 

 

「「ん?…………んん!?………えぇぇぇえええーーーーッ!?!?!?」」

 

 

同じ声の叫び声が、仮想の森の中に木霊となって響いた

 







また出てしまったライダーのショッキングニュース。今度はマジもんの悲報でびっくりですよ…。

ホテルおじさんもまともになったのかなってないのかのあのショッキングセンス…思わず吹き出しちゃいましたよ。
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