「前回のあらすじ!
俺の前に性懲りも無く現れた赤髪悪魔ことリアス・グレモリーからの勧誘を嫌味付きで返した途端感染していたウイルスが発症しDr、真木こと恐竜グリードが現れる!
変身出来ない俺の変わりに剣バカが向かって行くが、あっさりやられるわで良い所無しで終わるかと思いきやアホ上司が持って来た新たなガシャットでレベル50に!はてさて剣バカ自体どうでもいいがどうなるこの勝負!?」
「折角悠と放課後デートで出来るかと思った矢先この始末…許せんバグスター!」
「オイオイそんな大袈裟な…。」
「これを機会に良い雰囲気で遊んで食事して最後に既成事実を作りメインヒロインに昇り詰める私の野望が…ッ!!」
「この娘涼しい顔してトンでもねぇ野心抱えてたよ!?」
「そういう事で悠、今後のラブストーリー面で話しあいたい事があるからそこのホテルで朝までじっくり語り合わないか?」
「………………遠慮しとく。」
「今の長い間はなんだ?」
「──参る。」
<< ガシャコンソード! >>
新たなガシャット、ガシャットギアデュアルβでファンタジーゲーマーレベル50となったブレイブは手元にガシャコンソードを召喚し恐竜グリード、Dr,真木と対峙する。
Dr,真木はドラゴンブレードの時と同じように体に薄っすらと”滅びの魔力”を張らせた攻防一体の鎧を身に纏った。
『私に物理攻撃が効かないという事は身を以って知った筈ですがね。』
「…ならば次の一太刀も黙って待っているがいい。」
『フゥ…無駄な事をするのが相当お好きなようで。』
「生憎、剣を振るうしか出来ないのでな!」
Dr,真木の言葉に意も介さず、刀身に魔力と炎を纏わすブレイブ。対するDr,真木は多少の警戒はすれど”滅びの魔力”の出力を先程よりも増やし、剣を構え向かって来るブレイブを待ち構えた。
「ダメだ!!アレでは先程の二の舞だぞ!!」
「…いや、そうでも無い。」
踏み込み、腕を上げ、呼吸を止め、振り下ろす。
上段からの振り下ろし、Dr,真木を纏う”滅びの魔力”の衣が剣先に触れると、魔力の衣が紙を裂く様に切り開かれる。
「セェァアッ!!」
『ッ!?──グウゥッ!!』
瞬時に反応し僅かに後ろに下がったが切っ先が体を奔り僅かな切れ目が体に刻まれる。大したダメージを与えた訳では無いが、Dr,真木の鉄壁の鎧を打ち破ったのだ。
「ッ!!攻撃が決まった!!でも何故!?」
「簡単なハナシ。”滅びの魔力”っつう大層な名前でも基は高密度のエネルギーの塊。ならそれ以上のエネルギーで迎え撃てばいい。」
「あのフォームは”滅びの魔力”以上の魔力を扱えるって事ね。」
「もうその衣はオレに通じない。観念して首を差し出すのなら今の内だ。」
『…どうやら先に貴方を倒さなければ後々面倒になりそうですね!』
自身の目的を果たす事からブレイブを排除する事を優先する事にしたDr,真木は紫の波動をブレイブに向けて放つ。周囲に広がる波紋状では無く、対象を狙いを定めて放つ放射線状のタイプを。
ブレイブは左手を前に翳し、魔力でバリアを出し紫の波動を防ぎながらDr,真木へ肉薄する。
ブレイブが袈裟懸けにソードを振るうのをDr,真木は腕を出してガード。金属同士のぶつかり合う音が響く。
「──ッ!!」
『ッ!!──グッ!」
ブレイブはソードの刀身に黒みがかった炎を纏わせる。刃を受け止めていた恐竜の鱗は豆腐に包丁を入れるかのように刃が鱗の下にある肉に沈み込んでいく。
Dr、真木は体から再度紫の波動を放つ。ゼロ距離の波動に回避も防御も間に合わないかと思われたが、ブレイブの姿はDr,真木の前から一瞬の内に消えてしまう。
『何処に!?…ッ!!』
「……。」
ブレイブを見失い周囲を見渡すと背後に静かに佇むブレイブの姿が。
手にした剣を構えず此方を見るだけ。一見すると隙だらけの様に見えるがDr,真木は攻めなかった。いや、攻めに行けなかった。このまま攻めに距離を詰めようが遠距離から攻撃を放とうが全てが無効にされるビジョンしか浮かばないからだ。
故に攻めの手を変える。
手を頭上に上げウイルスであろう粒子を撒き散らす。すると粒子は集まりやがて三つほどの積もった山が出来あがる。
山は形を作りだし段々と人に近いシルエットへ、やがてそれぞれの姿が明らかになって来る。
両腕に翼が付き頭部がプテラノドン、全身が強固な表皮に右手がトゲ付きの鉄球、足の蹄と頭部から生える角と鬣が特徴的な馬の頭。
Dr,真木が生み出したメダルの怪人、恐竜系ヤミーのプテラノドンヤミー、アンキロサウルスヤミー、ユニコーンヤミーがブレイブの前に現れる。
「怪人が!?灰原君アレって!」
「ヤミーだ。しかも全部恐竜系…屑ヤミーじゃねえのかよ。」
「多対一で来るか…。」
『これが最善と思いましてね…行きなさい──。』
Dr,真木の命令に即座に反応し、プテラノドンヤミーが翼を広げ空へ飛び、その他の二体はブレイブへ駆ける。
空からプテラノドンヤミーが光弾を発射。しかも広範囲に撃ちだしてる為下手に動くと被弾する。その為ブレイブが魔力のバリアで防いでる間にアンキロドンヤミーが右手の鉄球とユニコーンヤミーの蹴りが繰り出される。
二つの物理攻撃をソードの刀身で受け止める。だが余りの威力に僅かながら下がらせられる。
「ッ…!」
剣越しに伝わる衝撃がブレイブの腕に電撃が奔ったかと思わせる位の痺れを与える。尚も空から急襲してくるプテラノドンヤミーをどうにかすべくブレイブはファンタジーゲーマーになって新たに獲得できた能力である念動力をプテラノドンヤミーに当てる。
プテラノドンヤミーの体に黒いモヤが包まれその動きを止められる。ブレイブの手が下ろされるとプテラノドンヤミーが勢いよく下へ落ちていく。
地面へ叩き付けられるプテラノドンヤミーを余所にアンキロサウルスヤミーとユニコーンヤミーが再度肉薄する。ブレイブはソードを振るい二体のヤミーと近接戦となる。
パワーのあるアンキロサウルスヤミーの振るう鉄球を受け流し、ユニコーンヤミーに横一閃の斬撃を見舞わす。背後から来る尖った氷柱を背中のマント、ウォーウェアマントを振るって氷柱を叩き落とす。
その直後に落とされたプテラノドンヤミーとユニコーンヤミーがブレイブに襲い掛かってくるのをブレイブがソードを振るって応戦した時だった。
(ッ!足が!!)
ブレイブの両足が何時の間にか氷で拘束され身動きの取れない状態になっていた。地面に貼っている氷の跡を辿ると離れ所でDr,真木が地面に氷を張り巡らせていた。
そうしている内にも二体のヤミーは挟み込んで襲い掛かってくる。ブレイブは瞬間移動で二体の間から姿を消し、離れた所で足の氷を魔力で溶かした。
僅かに息が上がるブレイブ。間髪入れずアンキロサウルスヤミーが先程より物量も大きさも増した氷柱を放ってくる。ブレイブは弾幕とも言える氷柱の連射を刀身に炎を纏わせ横に振るった。
「セェエアッ!!」
振るった剣閃は強化された炎の斬撃となって迫る氷柱を瞬く間に溶かしながらアンキロサウルスヤミーと他の二体へダメージを与えた。
声や表情は出て無いが、悶えている様子からかなりのダメージを与えられた。この勢いに乗って剣を構え直し踏み込んだ時だった。
「ッ!───ッ、グゥ…ッ!」
突然胸を抑え苦しむブレイブ。片膝が着き、肩で息をする程消耗しておりコレを見てDr,真木が足を動かした。
『思っていたより早く限界が来たようで、嬉しい誤算ですね。』
「貴様ッ…コレを狙って…!」
『その通り。見た所その力は強大故に消耗が激しいと思いましてね。まして初めて扱う力ではペース配分も分からずに使うだろうと踏んでヤミーを差し向けました。』
「…まんまと策に嵌められたか。」
Dr,真木の策は的確にもブレイブの弱点を上手く突いていた。
ブレイブの胸部にある鎧、ダークロードキュイラスには搭載された装着者への負担を前提にした戦闘能力強化システムが組み込まれており戦闘が長引く程装着者であるブレイブにも相当な負担を強いられるのだ。
そのようなデメリットは当然初めて扱うブレイブが知る筈も無くヤミー三体にファンタジーゲーマーの能力を使わざる得なく誘導させられた為にブレイブは今ドライバーに挿してるガシャットに苦しめられているのだ。
『キミは実に厄介でしたが、限界が来た以上最早これまで…これで終わりです。』
Dr,真木の手に集められた”滅びの魔力”がブレイブに向けられる。三体のヤミーもそれぞれ攻撃のモーションに入りブレイブを確実に仕留める気満々であった。
「大変──変し「手を出すなッ!!」ッ!彩守君?…。」
ブレイブの危機を救おうとハルナがゲーマードライバーを着け変身しようとした時だった。当の危機に直面しているブレイブが手で制しながら叫び止める。
「二度も後を任せるのはご免だ。コイツは、オレが最後までやる!」
「…はぁ!?何バカな事言ってんのよ!!意地張って死ぬ気!?」
「死ぬ気など毛頭無い!──ッ!!」
『ほお。まだ立てる力は残っていましたか。』
「真木、とか言ったか…確かにオレはお前の策にまんまと嵌められた。正直に己の失態を認めるよ…。」
『そうですか。何処ぞの未熟な悪魔君とは違って己の過ちを認めるのは素晴らしい事です…そういう人間こそ、美しい終わりが迎えられるでしょう。』
「彩守君!!」
「彩守ィ!!」
「……。」
『では、良き終末を──。』
Dr,真木が特大の”滅びの魔力”を放つ。それと同時に三体のヤミーもブレイブに向けて攻撃を放った。
爆撃とも思う程の盛大に巻き上がる爆炎が上がる。離れて見ていた三人はその爆風によろめく程の威力だ。
『流石にこれで……?』
通常に見て弱った状態であれ程の攻撃を受ければ一溜りも無い。思慮深いDr,真木も何の疑いも無くブレイブが倒れたと思うほどのだ。だが目の前の不可解な光景によってその確信が揺らぎだした。
轟々と音を立てて燃えている炎が意思をあるかのように集まると、渦を巻きだし炎が空へ向かっていってるのだ。
『何ですかコレは!?……まさか…!』
「…フン。」
炎の渦が全て空へ向かって飛んでいくと、渦の中心に居たであろうブレイブが傷一つない状態で立っていた。
『馬鹿な…!キミは既に限界にまで達していた筈!なのに何故まだ…。』
「お前が一つ見誤ったからだ──。」
<< KING OF POKER BLADE >>
「限界の壁など、その気になれば幾らでも切り開いて超えられる、強くなれる!師匠に教わった剣の心得の一つだ!」
『ッ!?…なんですかその馬鹿げた理屈は…!!』
Dr,真木がブレイブの理屈も何も無いただの根性論にしか過ぎない暴論とも言える理由に絶句するなか、ブレイブの呼び出した武器にも変化が現れていた。
ブレイブが起動させたブレイドのガシャット。アイコンに触れ手にしたソレはブレイラウザーとは違った。金色の刀身が神々しいオーラを纏っているような錯覚を思わせるその大剣は…。
<< キングラウザー! >>
「私が前に使ったのとは違う!?」
「アレは…聖剣?」
「レベルが上がれば強化形態の武器が呼べるのか…レジェントのガシャットにこんな使い方があったとは…。」
ブレイブが呼び出した大剣[重醒剣キングラウザー]を片手で軽々と振るうと、ガシャコンソードを手に構える。
「勝負を付けるぞ、真木!」
『ッ…キミみたいな無茶苦茶な人間に下手な策は通じないようですねッ!!』
Dr,真木が手を翳すとヤミー達が一斉にブレイブに襲い掛かって行く。ブレイブは向かって来るヤミー達に向かって駆けた。ソードに炎、ラウザーに雷を纏わせ拳を振るうユニコーンヤミーとぶつかる。
「──ゼアァァッ!!」
踏み込んだ足を軸に身を回転。一瞬刀身を見失わせると共に回転によって生じる遠心力を活かし二刀の袈裟懸けを通り過ぎ様に一閃。肩口から腰までの炎と雷を刻み込みユニコーンヤミーを撃破、背後からの爆風に乗り跳躍する。
ブレイブは空を飛んでいるプテラノドンヤミーに狙いを付ける。プテラノドンヤミーはブレイブへ光弾を発射。剣を交差して光弾を防ぎながら飛行するブレイブは炎と雷の斬撃を飛ばす。
斬撃は連続で来る光弾を全て両断しながらプテラノドンヤミーへ直撃。爆発に呑まれ地上に落ちていくプテラノドンヤミーを追いかけ、ブレイブは二刀の剣先をプテラノドンヤミーの胸部へ突き刺す。
地上へ叩き付けられると同時にプテラノドンヤミーは爆散。爆炎で視界が一瞬失われるブレイブの背後をアンキロサウルスヤミーが鉄球を振るう。
脳天目掛け振り下ろされる鉄球を振り返り様にラウザーで両断。鏡の様に綺麗な断面に僅かな雷が奔る。
武器を失い動揺で一瞬動きが止まるアンキロサウルスヤミーに滅多切りをかますブレイブ。炎の横薙ぎと返しの袈裟切り。雷の上段から炎の突き。そしてトドメと言わんばかりの二刀を☓状に交差しての上段。アンキロサウルスヤミーは体中に斬られた跡を刻まれ爆散していった。
『手こずっていたヤミー三体を容易く…。』
「…次はお前だ──ハァッ!」
『ッ! フッ!!』
ブレイブは炎と雷の斬撃をDr,真木へ放つ。Dr,真木は両手から特大の”滅びの魔力”を放って迎え撃とうとするが、”滅びの魔力”以上の魔力で放たれたブレイブの斬撃は”滅びの魔力”を打ち破り、Dr,真木へ直撃する。
『グァアッ!!……グッ、ゥウッ!!』
「ッ……コレで、最後だ!──ハァアッ!!」
ブレイブはキングラウザーを投げ捨てると魔力で編んだ竜巻を起こす。黒い竜巻に呑み込まれたDr,真木は渦巻く魔力の奔流に翻弄されていく。
『グォォオォァァアアアッッ!!』
<< ガッチョーン!──キメワザ!──ガッチャーン! >>
「この一太刀、受けてみろ!」
両手で握るソードの刀身に黒い魔力が纏わせながら、ブレイブは待つ真木に呑まれているDr,真木へ向かって跳んだ。
<< TADDLE CRITICAL SLASH! >>
「デェェァアッ!!」
『グアァアアァアッッ!!!』
<< VICTORY!>>
竜巻毎Dr,真木を横一線に斬ったブレイブ。腹部から真っ二つに斬られたDr,真木は二つに別れながら消えていく。
『あぁ……この終わりも私の目指した、完全、な…──。』
消えていく感覚を実感しながらDr,真木は二度の終わりを迎え炎に包まれて消えていった。
<< GAME CLEAR! >>
<< ガッシューン! >>
手元に落ちて来たガシャット、オーズのレジェンドライダーガシャットを手に取ったブレイブは変身を解除した。
頬に僅かな傷が付いた蓮司の顔に脂汗流れ出す。やがて顔が苦痛の表情で歪み出し、糸が切れた様に膝が崩れた。
「クッ…ヌゥゥ……ッ!」
「なぁ~にが限界を超えるだ。結局は只の痩せ我慢じゃあねえかよ。」
俯く蓮司に人影が覆われる。声から聞いて蓮司の大嫌いな人間である悠が自分を見下ろしながら呆れた顔で見ながら蓮司の持つデュアルガシャットへ手の伸ばすが、蓮司はその手を振り払った。
苦痛の色に染まりながらも眼光だけは悠を睨む蓮司に、悠は客観的な意見を物申す。
「分かってんだろうが、お前にそのガシャットは荷が重すぎる。現にお前の体がそうなってんのがいい証拠だろうが。」
「荷が重すぎて扱い切れぬのなら、扱えるよう心身共に鍛えればいい。さっきのでこのガシャットのクセは大体把握した。
ッ…鉄は熱いうちに叩く。そして強い剣に鍛え上げる…だからガシャットはお前に渡さん。」
「…脳筋バカめが。」
消耗しきっている体を無理に立たせ、正面から宣言する蓮司に一層呆れながら蓮司の元から離れる悠。入れ替わる様にハルナが蓮司に駆け寄り、よろめく蓮司の腕を掴んで支える。
「っと!…もう、酷い顔色じゃない。ほらとりあえず治療するからそこに腰掛けて。」
「………すまない。」
木にもたれ掛って素直にハルナの治療を受ける蓮司。そんな光景を横目で見ながら悠は大きく溜息を吐いた。そんな悠にゼノヴィアが声を掛けた。
「…心配か?彩守の事が。」
「ハァ?何であんな脳筋剣バカ心配せにゃいけないのさ。その辺の勘違いだけは見逃せないね。」
「だって彩守を見るキミの目が…………いや、やっぱ止そう。」
「なんだよそんな間を空けて!気になるから教えなさいっての!!」
「ハハ、断る!」
「ぶ、部長ォ…。」
悠とゼノヴィアがはしゃぎ回ってるのを余所に、Dr,真木にやられ意識を失っていた一誠が起き上がって来た。
よろよろと足取りが覚束ない状態で戻ってくれば、端から見ればイチャついている悠とゼノヴィアの二人と、辛そうな表情の蓮司を手厚く介抱するハルナの二人を見て無意識の内に黒い感情が湧いてしまう。
だが次第に冷静になって記憶がハッキリと思い出してくるにつれ一誠はDr,真木に突きつけられた言葉がハッキリと鮮明に浮かんでくる。
リアス・グレモリーはもう自分を必要としていない、と。
「あ…あんなの嘘だ!あのバケモノの言った事は全部デタラメだ!…嘘、なんだ…。」
かつて自分が裏切られた初恋の彼女の事が脳裏に浮かぶ。裏切られて殺されて心に大きな傷を負った消えないトラウマ。
それが今またしても裏切られた。自分の主に、命を懸けて守ると誓った女性に。
「嘘だ……嘘だ!ウソだ!!オレは、オレはぁああああああッ!!」
[相棒!?……ッ!!な、なんだコレは!?い、意識、がァ…!!]
「うわぁッ!?」
「よっし捕まえたぁ!さぁて何を何を言いつもりだったか…。ん?…ッ!オイオイ、冗談にしちゃ最悪過ぎんぞ!」
抱き上げていたゼノヴィアを下ろして叫ぶ一誠に目をやると信じられないと言った声を上げる。これに気付いた蓮司達も一誠を見ると、驚きで目を見開く。
「まさか…!」
「兵藤のバカも感染していたの!?」
一誠の体から溢れるノイズと粒子が一誠の頭上に形となって現れた。
従来のバグスターとは違い人型では無く異形の形となったソレは一言でいうなら巨大なトンボ。本来の色では無く赤い外骨格に包まれ緑色の複眼が地上に居る悠達を睨み付けた。
「灰原君アレって!!」
「ハイドラグーン…でも体の色が違う。本来は青だ。」
「恐らく感染者であるあの男の力と関係があるんだろう。」
「ってことは…赤龍帝、倍加の力が使えるって事!?それ一番最悪なバグスターじゃないの!!」
「オイ、あのトンボ自身はどんな力を持っているんだ。」
「見たまんまトンボだ。とにかくすばしっこい…まぁ本当に厄介なのはもっと別物だが…。」
「見て!!アレ!」
[Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!]
「やっぱり倍加を!」
「桜井ゲームエリアだ!なるべく障害物のある…市街地だ!!」
「分かった!」
<< STAGE SELECT! >>
悠に言われハルナはゲーマドライバーを身に着けステージセレクトで辺りを高層ビルが並ぶ市街地へ。少しでもハイドラグーンの制空権を狭めるための処置である。
「ゼノヴィアはあのバカ男引き摺ってビルの中に隠れててくれ。」
「分かった。悠は?」
「当然やるさ。幸いガシャット使わなくても戦えるし、相手が倍加しようがこっちはそれ以上に手数がある。
つうことでこっからは俺一人でやらせて貰うわ、その方が手っ取り早い。」
「悠…。」
「そこまで自信があるのなら任せるけど、油断して足元掬われないでよね?」
「任せろ。五分も掛からず削除してやる。」
「…ッ!オイ見ろ。奴の様子がおかしいぞ!」
蓮司の指摘に一同が目を向くと、そこには未だ倍加するハイドラグーンの背中が不自然に盛り上がっていた。肥大していく背中の外骨格が縦に割れ始め、そこから青い何かが見えて来る。
[Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!]
「…なんかすっごくイヤ~な予感が…。」
不意に呟いた言葉が合図かのように、その最悪が一斉にハイドラグーンの背中から間欠泉の如く現れた。
次々と出てくる僅かに小さい大量のハイドラグーン。数は既に百を超えても未だ赤いハイドラグーンから湧き出て悠達の空が塗りつぶされたかの如く、青いハイドラグーンによって埋め尽くされた。
「う…嘘、でしょ?こんな、一杯…。」
「倍加の力は、これだけの数を繁殖させる為だったのか!」
「シアゴーストからじゃなくて最初から完全体…。
クッソが!こんなん態々再現しなくてもいいっつうの!!」
「どうするの灰原君!?これでも一人でやるって言うの!?」
「いや流石にコレはな…。予定変更!あのアホも叩き起こして…。」
「私を呼んだかねぇッ!?」
「うわぁッ!?」
「お義父様ッ!?」
「何時の間に居たんだ…。」
「いやぁ今さっき目が覚めてねぇ。ざっとこのカオスすぎる状況を観て事態は大体分かったよ。」
「だったら言わなくてもいいな…仕方ねえから全員で行くぞ。」
「あぁ…蓮司君、キミはゲーマドライバーじゃなくてカードデッキで変身しなさい。ハルナ君はゼノヴィア君とそこの感染している子を守るのをメインに頼むよ。」
「…まぁいいだろう。従ってやる。」
「分かりました。ゼノヴィア、なるべく私の後ろに居て。」
「分かった、よろしく頼むぞ。」
「では行こうか、初めての四人同時変身だ!」
「いや、もうやってるぞ。」
「あぁ、オロチの時ね。」
「アイツにとっては、だろ。いいからやるならさっさとするぞ。」
神太郎はテンションが上がった状態でバグバイザーとガシャットを取り出しバグルドライバーと合わせ腰へ身に着ける。
ハルナもゲーマドライバーを着け、悠と蓮司はカードデッキを取り出しビルのガラスに向けるとVバックルを身に着ける。
<< DANGEROUS ZOMBIE >>
<< MIGHTY BROTHERS XX >>
四人が背中を合わせながら上空のハイドラグーンの群れに目をやる四人の目は、既に戦闘態勢に入っていた。
「「「「変身──ッ!」」」」
<< ガッシャット!───BUGGLE UP! >>
<< DANGER!DANGER! "GENOCIDE!" DEATH THE CRISIS!───DANGEROUS ZOMBIE! >>
<< ダブルガッシャット! >>
<< ガッチャーン!──LEVEL UP! >>
<< Mighty Brothers! 二人で一人! Mighty Brothers! 二人でVICTORY!──X! >>
<<<< SURVVIVE >>>>
「おぉ!」
四人に囲まれているゼノヴィアは思わず圧巻の声を漏らす。
こんな間近で、四人の仮面ライダーが変身する光景は口にし難い凄味があった。
ーGuooooon!!!ー
ーKyiiiiiiin!ー
リュウガサバイブとナイトサバイブの元にブラッグドラグランザーとダークレイダーが駆けつけ、二人はそれぞれの契約モンスターの背に乗る。
<< ガシャコンスパロー! >>
<< ガシャコンキースラッシャー! >>
ゲンムはプロトギリギリチャンバラを起動し鎌モードのガシャコンスパローを手に、エグゼイドはキースラッシャーを手にゼノヴィアの前に立つ。
「いいか!桜井以外はとにかく足止めるな!狙うわ親玉、潰せば即ゲームクリアだ!」
「貴様に言われずとも百も承知だ!」
「フハハハハハッ!!私の手に掛かれば容易い事よぉ!!」
「アンタ等グズグズしてっとアタシがクリアするからね!!」
「さぁってんじゃまぁ…行くぞオオォォーーーッ!!!」
「いざ参るッ!!」
「神の才能を思い知れぇぇッ!!」
「どっからでも掛かって来なさいッ!」
雄叫びを上げながら龍と蝙蝠に乗った騎士達が、後に続いてゲンムがハイドラグーンの大群へ向かっていく。
激闘に続く激闘。最も生存が困難な戦いの火蓋が切って落とされた。
新世界でこれから戦兎と万丈はどう生きていくのだろうか…。
ビルドが終わり来週から遂にジオウか。過去ライダーのオリキャスがどう出て来るか楽しみですね!