「今回のあらすじ紹介はこれまでの話をまとめて振り返るぞ!
悪行を働く転生者達を抹殺しあらゆる世界を渡り歩くイレイザー、灰原 悠が訪れたのは幾つもの世界が混ざり合った世界。
悠はその世界で悪事を働く転生者達を次々と倒していくが、これはこれから起こる激闘の序章にも過ぎなかった。」
「これが日本のおせち料理ですかぁ。いやー、美味しいですねぇ♪」
「伊達巻美味しい、でした。あ、お兄さんも食べますか?」
「あ、うん。ついでに数の子も…じゃなくて!
悠の前に突如として現れた、仮面ライダーソーサラー、マルス、ゴルドドライブ、オーディン、コーカサスを筆頭にする組織、BABELの介入により戦いは困難を増した。
激化を辿り次第に厳しい状況へ追いやられる悠の前に増援として新たな仮面ライダー、桜井 秋、ハルナが悠の味方へと加わったのだった。」
「おーい悠兄さーん!!これから餅つきすんだけど、杵と臼って何処にあんの?」
「んなのあるか!ていうかなんだそのもち米の量!!町内会で開くレベルの量じゃあねえか!?」
「えー?悠兄さんつきたての餅食べたく無いのー?」
「食べるよ!餡子ときな粉な!!
BABELと繰り広げられる戦争。激闘の末敵のライダーを倒しながら悠達はこの世界との人間達と触れ合い過ごしてく内に悠は敵を倒すと言う使命だけではなくこの世界の未来を守ると決意を抱いていく。」
「……フム。」
「あれ?彩守君筆なんか持って、今年の抱負?」
「あぁ。…………うん。これだな。」
「ふーんどれど、れ…?」
ー 灰原 絶対 KILL ー
「うむ。今年はこれだな。」
「えっと……決してふざけているんじゃないんだよね?ねえ?」
「そんなBABELとの戦争の中突然として現れた謎の男、アベル。ヤツはバグスターウイルスという未知のコンピューターウイルスによって生まれる怪人、バグスターを生み出し混乱を招く。
それと同時に悠たちの前に現れた悠の上司、神太郎と悠にただならぬ敵意を持つ仮面ライダー、彩守 蓮司も加わり、過去のライダー達を苦しめたラスボス達との激闘を繰り広げた。」
「悠ーーーッ!お年玉頂戴っぽいー!」
「妹達のぶんも頂戴にゃしー!」
「悠さん!駆逐艦と一部の艦娘達からお年玉を頂戴との要望が多数出ています!!」
「んなの一気に破産しちまうわ!つーか何でその中に長門混じってんだ!?あげる側に回れやビックセブン!
残るバグスターは5体。アベルの目的、BABELの狙い、クソ剣バカの抱える過去の出来事。多くの謎を抱えながら14体目のバグスターを倒すべく向かった悠達の前に、BABEL最強のライダー、コーカサスが現れたのだった。
一体どうなる最新話!?」
「さぁ無事新年を迎えたことだし、ここはいっちょ皆でかくし芸大会を、「いい加減にしろーーッ!!」あばぁ!?」
「テメェ等前回の週が休みだからってたるみ過ぎだろうが!!
何時まで正月休み気分だ!?もう最新話始まるっての!!」
「「「「「「「「……え?」」」」」」」」
今年も一年よろしくお願いします。
by 卯月 七日
街の街道では、三つ巴による睨み合いが起きていた。
ボロボロでありながらも凄まじい敵意を辺りに撒き散らすバグスター・カッシスワーム。
数では有利に立っていながらも対面する二人の敵に一切の油断も見せない悠、秋、蓮司、ハルナの四人。
そして、カッシスを単独で瀕死の状態に追いやったであろうBABELの仮面ライダー、コーカサス。
「………フゥ。」
「「「「ッ!」」」」
緊迫したて張り詰めた空気の中、コーカサスが口を開いて語り出した。
「体の具合が良くなってショッピングでも決め込もうとしたら、突然店の中で人から怪人が出るわ暴れるわで散々な休日だわ。
…でも少し気が晴れたわ、だってやっと貴方達とこうして巡り合えたのですもの。」
「…悠兄さん、コイツ……オカマだ。」
「それは今どうでもいい…。」
「失敬ね!体は男だけども、心は生粋の女よ!」
「いや、それを世間一般はオカマって…。」
「秋、黙ってなさい。」
コーカサスと悠達の何とも言えぬやりとりに、蚊帳の外扱いであるカッシスはコケにされた思ったのかコーカサスに怒鳴りつける。
『貴…様ァ!!この私をココまでしておいて、蚊帳の外扱いにするなぁ…!!』
「あら、思ったより元気ねぇ…。」
『このッ…こんなふざけたヤツ等にイイイィィイッ!!』
カッシスはコーカサスに対する怒りを見せながら折れた剣を構えコーカサスに向かって行く。
コーカサスは向かって来るカッシスを前に腰を落とし、半歩引いた状態で両手を前に構えた。
「あの構え…あのライダー、武術を扱うのか。」
「………。」
蓮司がコーカサスの構えを見て武術家であると見抜くなか、距離が2mを切った時に勝負は動いた。
カッシスが折れた剣が届く領域に入った瞬間素早く振り下ろした時、今だコーカサスは構えを解かずそのままの姿勢。
明らかに防御も回避も間に合わないタイミング。カッシスは剣がコーカサスの頭部に当たろうとした瞬間。カッシスの体が、くの字になって後ろに吹き飛んだ。
『ッ!!───ガァアッ!?』
殴られたと気付いたのは、コーカサスが右腕を突き出した姿。
自分は目に見えない位の早さで殴られたと全てを察した頃にはカッシスは、もう限界を超え、消滅しだしていた。
『何故、だぁ!?何故私が!!、私がァアアアァアッ!?!?!?』
カッシスは最後まで納得がいかない叫び声を上げるも、その思いは虚しく届かずに爆散していった。
<< GAME CLEAR! >>
爆炎の中から、カブトのレジェントガシャットが地面に落ちる。
悠達は今まで自分達が苦戦を強いられたラスボスバグスターをただの正拳突きで、無傷で圧勝したコーカサスの強さに唖然とするなか、構えを解いたコーカサスは、何を思ってか変身を解除し、悠達にその素顔を見せた。
「ッ!」
「え!?」
「自ら変身を解いただと?」
「…厳ついオカマだ!」
「何よ、そんなに可笑しい事かしら?後そこの茶髪のボウヤ。アンタ覚えておきなさい。」
どうにも考えが読めないコーカサスの行動に四人はただ困惑するばかりだった。
「…アンタ、何考えてんだよ?」
「そんな怖い顔しなさんな。アナタ達の素顔見てワタシが見せないのは、不公平でしょ?
ワタシは黒咲 一心。よろしくねボウヤ達。」
胸に手を当てて優雅にお辞儀するコーカサス、黒咲 一心と名乗る屈強な男は敵である悠達を前に、悠然とした態度を振る舞っていた。
「随分堂々とした振る舞いだ事で…舐められたもんだ。」
「いやぁねぇ。敬意を見せてるだけよ。武道を歩むものとして礼儀は通すものよ。
……今の所はね。」
「「「「ッ!!」」」」
先程まで態度とは打って変わって纏ってる空気がガラリと変わった。
朗らかな表情から一変、目を細めまっすぐと四人を射止めるような視線を向ける黒咲の周りを金色のコーカサスオオカブト、コーカサスゼクターが飛び回り、ゼクターが黒咲の右腕に嵌められたブレスに自ら嵌りに行った。
「スゥーー──変身ッ!」
<< HENSHIN >>
<< CHANGE BEETLE >>
左足を半歩引き、右腕を曲げ、左腕は引いて腰の所に置いて構えるコーカサス。目の前に対峙してるのが目にしてるより遥かに大きく見える錯覚を感じながらもコーカサスは悠達に気迫を籠めて言葉を投げた。
「これより先は言葉は不要。強さを語るはただ拳のみ!来るならば心して掛かれ、若人共!!」
コーカサスの放つ圧倒的な威圧に若干呑まれた四人はこの言葉に気を持ち直し、ハルナはゲーマドライバーを、蓮司はサソードヤイバーを、悠と秋はライダーベルトを腰に巻く。
その中で一人、悠はコーカサスのベルトに着いた強化アイテムゼクター、ハイパーゼクターに目をやった。
「オイいいかお前ら、奴の腰に付いてるハイパーゼクターを絶対使わせるな。」
「ハイパーゼクター?…何よソレ?」
「簡単に言えば、オレ達のクロックアップよりも速く動けるインチキアイテム。」
「なんだソレは。使われたら一方的ではないか。」
「だから言ってんだよ。いいか、数はコッチが上だ、とにかく攻めて攻めて攻めまくって奴にゼクター使うヒマ与えんな!そんで出来ればヤツのハイパーゼクターを奪い取れ!」
「作戦にしては随分大雑把だな。」
「他にあるのなら是非とも聞きたいね。」
「オレは悠兄さんに乗った!アレは冗談抜きでマジヤバい相手だし…。」
「私も灰原君に賛成。腰のカブトムシを奪えばいいのね?」
<< MIGHTY BROTHERS XX >>
「…フン。まぁ今回だけは従ってやる。」
<< STANDBY >>
渋々了承する蓮司の元に地面から出て来たサソードゼクターが蓮司の手元へ。続けて悠や秋の元にもダークカブトゼクターとガタックゼクターが飛来し手元に収まると、四人は一斉に駆けだした。
「「「「ッ──変身ッ!!」」」」
<<<<<< HENSHIN >>>>>>
<< ──Mighty Brothers!──X! >>
「「「キャストオフッ!」」」
「だーいッ変身ッ!」
<<<<<< CAST OFF >>>>>>
<< CHANGE BEETLE >>
<< CHANGE STAG BEETLE >>
<< CHANGE SCORPION >>
<< DOUBLE UP! >>
<<──Mighty MIGHTY BROTHERS "Hey!"──XX! >>
「オォラァッ!!」
「デェァッ!!」
「ハァアッ!!」
「「シャアァンラァッ!!」」
「ッ───イヤァッ!!」
「…うーむ。コレはまた予想外の展開ですね。」
手元に置いてある水晶玉に写る映像を見て大臣は首を捻っていた。
買い物程度ならと許した仲間の外出がまさかの敵一団との戦闘状態に入ってしまった事にどうすれば良いかと悩むも、彼はそこまで重く考えてはいなかった。
「……まぁ少し暴れさせた後に回収するんでいいでしょう。よくよく考えればこっちの方が彼のストレス解消にいいでしょうし。」
そういって大臣は水晶玉に視線を移した。
「ウラァッ!!」
「デァアッ!!」
「ンンッ──!」
ダークカブトの振るうアックスモードのクナイガンとガタックのガタックカリバーが無手のコーカサスに容赦なく振るわれていくが、コーカサスは振るわれるアックスの側面に軽く手を添えて力に逆らわず向かって来るダークカブトごと受け流す。後に来るカリバーの軌道も逆の手で同様に流し、一歩も動かず二人の攻撃を捌いた。
「「ッ!?」」
まるで実演の手本の様な一瞬のやり取りに二人は戸惑ってしまったが、コーカサスの背後で無防備な背中を向けるのを許す程敵は甘く無かった。
「シッ!!」
「グォッ!?」
「ノワッ!?」
二人の背中にダンプカーが衝突したかのような衝撃が襲う。コーカサスの押し蹴りが炸裂し二人は前のめりに倒れる。
「「ハァアアーーッ!!」」
「ッ!──フッ!、シッ!──シャアァッ!!」
「「ウワァッ!!」」
次いで左右から挟む様に攻撃してきた二人のエグゼイドの拳を片手で受け止めると、掴んだ左手を引いて右足でエグゼイドRの腹部に膝蹴り、次いでエグゼイドLの腹部に蹴りを。
そして掴んだ腕を上げ、勢い良く捻りを咥えながら振り下ろすとエグゼイド達は宙返りして背中を地面に叩き付けられる。
「セェァッ!!」
「ッ──!」
首を取らんとばかりに振るわれた剣戟をその場から跳ねて躱す。
その先に待ち構えたアックスの一振りを蹴りで弾き、素早い裏拳をダークカブトの顔面に叩き込む。
その隙を狙ってハイパーゼクターを狙いに来たガタックを垂直に跳んで躱した後、踵落としを入れうつ伏せのガタックをサッカーボールの如く蹴り飛ばす。
コーカサスの正面から、瞬発力を全開に間合いを詰めて来たサソードの喉を狙った突きを、両手を合わして止めた。
「白刃取り!?」
押し込んでも引いてもビクともしないサソードヤイバーをコーカサスが蹴り上げた事に手から離さなかったもののガラ空きになった胴に、強烈な正拳突きが突き刺さる。
アーマー越しから伝わる衝撃は骨と内臓が壊れたのかと思わせる位の鈍痛が襲い、口から鉄の味が広がった。
「ッ~~ガハッ!!」
「彩守君!──このッ!!」
「やってくれたわねぇ!!」
「フゥ~~~……カァッ!!!」
「「ッ!!──ウワァアッ!!」」
「……フゥーー…。」
向かって来る二人のエグゼイドにコーカサスは気迫を籠めた喝を入れると、向かって来るエグゼイド達の間合いに瞬時に入り込み、両手から繰り出す掌底をエグゼイド達の胸部に叩き込む。
大きく吹き飛ばされるエグゼイドの二人に、コーカサスは息を大きく吐きながら足を肩幅くらいに開いて両手を腰の位置に置いた。
そんなコーカサスを中心に、ダークカブト、ガタック、サソード、の三人はコーカサスを包囲した。一人が一方から向かってダメなら、全方位から三人で一斉に掛かると言う暗黙の了解を通じて。
三人が一斉に動き出したのは、首を縦に頷いた直後だった。
「「「ウオオオォォッ!!!!!」」」
「………フン。」
ーガキィィィィンッ!!ー
「「「「「ッ!?」」」」」
コーカサスを囲う様に集まった三人は目の前の光景に言葉を失う。
コーカサスの正面から見て右左のガタックの振るったカリバーとダークカブトのアックスを掴まれ、背後のサソードの振ったヤイバーの上段は右手に掴んだガタックの腕を引っ張ってカリバーで受け止めていた。
「…まだまだ未熟ね、ボウヤ達。」
掴んだ手を払い、背後のサソードに肘鉄、ガタックとダークカブトに蹴りを入れ吹き飛ばす。
「「「ガッ!?」」」
「フゥ……少しギア上げるわよ…!!」
コーカサスが目を着けたのはガタック。蹴られた個所を抑え蹲ってるガタックに近づくと、それに気付いて顔を上げた瞬間中段の回し蹴りがガタックの頭部に直撃。片方のガタックホーンで蹴りで折られ、地面をバウンドしながら転げ回った。
「秋ッ!」
「次はアナタよ、カブトムシのボウヤ!」
向かって来るコーカサスにダークカブトは反撃にクナイガンをガンモードにして発砲。放たれた弾丸を前にコーカサスは走りながら弾丸を拳で弾きながら徐々に間を詰めていく。
「ッ!なろッ!!」
間合いを詰められた事によりガンモードからアックスへ持ち変える。
横薙ぎの一振りをコーカサスは持ち手の部分で受け、弾き返し、足を踏み込んでの肘鉄を胸に入れる。尽かさず腕と腰を引き鳩尾に正拳突きを叩き込み、ダークカブトも大きく吹き飛んだ。
背後から奇襲を仕掛けにサソードが剣を振るうより早く背後に向けて上段の回し蹴りを叩き込まれ蹴り飛ばされてしまう。
<< ダブルガッシャット!──キメワザ! >>
「ん?」
突然の機械音にコーカサスは音のした方へ目をやると、二人のエグゼイドが刀身にエネルギーを籠めた二本のガシャコンキースラッシャーを手に構えていた。
<< MIGHTY BROTHERS CRITICAL FINISH! >>
「「ハァアッ!!」」
二人の放った斬撃が合わさり巨大な☓状になってコーカサスに迫っていく。
コーカサスは迫る斬撃を躱せないと判断したのか、腕を交差して防ごうとし、斬撃はそのままコーカサスに直撃して爆発が起きた。
「…やった?」
漂う爆煙をジッと見つめるエグゼイド達。やがて煙が晴れて見えてきたのは、腕にくっきりと斬撃を受けた跡が残ったコーカサスが立っていた姿だった。
「う、そ…。」
「本気で出したのに…!」
全力を以って放った必殺技も通じない。エグゼイド達が今まで戦って来た敵は途轍もない能力を有しているのもあって苦戦を強いられてきたが、目の前の敵は今までの敵より遥かに次元が違う。
コレといった武器も、能力も、悠から聞いたハイパーゼクターも使っておらず、ただ鍛え身についたであろう武術のみで五人を相手に上回っているのだ。
技も、力も、必殺技を受けても平気でいられる強固な体。至ってシンプル。故に自分達が束になっても敵わないという現実が嫌でも思い知らされてしまう。
「何を呆けているの?」
「「ッ!!」」
声を掛けられるまで間合いに入られている事に気付けなかったエグゼイド。そんなエグゼイドにコーカサスが喝を飛ばすかの如く声を荒げる。
「コレは試合では無く実戦!命懸けの戦い!なのにボーっと突っ立てるなんて……舐めるにしても度が過ぎるッ!!」
「ッ!!──ォ、オァァ…!」
「グッ…グェェ…ッ!!」
呆然と立ち尽くすエグゼイド達にコーカサスの素早く力強い正拳突きがエグゼイド達に見舞われ、手にしてた武器を落とし胃から込み上げてきそうなモノを堪える。が、コーカサスの洗礼は一発だけで済まなかった。
「イィィヤァアッ!!!」
「ブッ…!?」
「ガッ…ッ!!」
顔に、胸に、腹部に、次々と打たれる拳。容赦無く繰り出す拳は戦地の厳しさをその身に刻み込む様ににエグゼイド達へ叩き込まれていく。
「アナタは戦い方より…心を鍛えて出直しなさいッ!!カァアッ!!!」
「「ウガァァッ!!!」」
二人の鳩尾に同時に叩き込まれた拳に二人は大きく吹き飛ばされる。地面を転がりながら変身は強制解除され、ハルナは倒れながら口から吐瀉と血が混じったモノを吐き出し顔が苦痛に歪んだ。
「ォェエッ…!ゥア゛ァ…!!」
「…フン…もう少し戦いの厳しさを教えて…アラ?」
倒れて蹲るハルナに近づくコーカサス。だがそれを変身が解除された悠と蓮司が立ちはだかる。
「勇ましいわねぇアナタ達。クワガタのボウヤは…あぁ、頭を蹴っちゃったから気を失ってるのね。」
コーカサスの視線の先には同じく変身が解除されて倒れてる秋の姿が。頭部に強い衝撃が与えられた為に脳震盪を起こして気を失っているのだ。
だが悠と蓮司もかなりの重傷だ。先程から胸を抑えている悠は胸の肋骨にヒビでも入ったのか息をするたびに痛みが奔り、サソードヤイバーを手に構える蓮司も同様に胸が痛く、おまけに蹴られた際左腕を折られている状態だ。
そんな二人の様子を苦い表情から読み取ったコーカサスは、二人を撥ね退けようと歩み寄ったその時であった。
ードガァァンッ!!ー
「ッ!?──グァァッ!?」
「「ッ!?」」
歩み寄って来ていたコーカサスが突然殴り飛ばされたかのように横に吹っ飛ばされいく光景を前に悠と蓮司は驚いて目を大きく見開いた。
「一体何が…!ッ!!」
吹き飛ばされて即座に体制を戻したコーカサス。原因を探ろうと辺りを見渡した瞬間、本能的に感じた危機察知能力にコーカサスは足を開き、腰を少し落とし完全な防御の態勢に入った直後、体中に無数の強烈な打撃を浴びまくった。
「ぐぅぅッ…ッ!!これは…ひょっとしなくても…!」
最初の一撃と違い攻撃を受けても耐え凌ぎながらコーカサスはこの現象の正体にある目星をつけていた。
それを確かめるべく、腰のサイドに着けているハイパーゼクターを起動させた。
<< HYPER CLOCK UP! >>
ハイパーゼクターによってコーカサスは目で追いきれない超高速の世界に入る。
すると何も無い空間から激しくぶつかり合った衝撃が辺りに幾つも発生しだした。コーカサスがハイパークロックアップの世界で何かと戦っているのだ。
周りを取り囲むように起きる衝撃波に悠と蓮司は困惑しながらも未だ蹲るハルナを守るように立っていると、コーカサスのハイパークロックアップが限界を迎えた。
<< HYPER CLOCK OVER! >>
「「ッ!!」」
「………フゥーー。」
悠達の目の前に姿を見せてきたのは”二人”。
一人は先程まで戦っていたコーカサス。構えを解いて大きく息を吐いて整えてる間でもその立ち振る舞いに一切の隙を見せる余念を見せつけている。
そんなコーカサスと悠達の間に入るように立つ一人の影。その存在は悠達の意識を敵であるコーカサスから完全に移してしまう程に衝撃的だった。
くすんだ銀色のアーマーに身を包み、頭部にはコーカサスよりも一際大きな一本の角。
そして彼の巻いているベルトのサイドにはコーカサスがつけているのと同じアイテム、ハイパーゼクターを身に着けた仮面ライダーがそこにいた。
「あのライダー…誰だ?」
「…カブト?」
「…アナタ、何者?」
「───。」
悠と蓮司が目の前のライダーの正体について考察する中コーカサスは謎のライダーに対し警戒を強めていた。
先程のハイパークロックアップの中で悠達全員を相手に苦も無く圧倒していたコーカサスと互角に渡り合っていたのもあってコーカサスの胸中には謎のライダーに対しての警戒心と自分と同等の強さを持つ強敵の出現に高揚し今にも先程の続きをしようとばかりに構えていた。
だが謎のライダーは構えを取ろうとせずむしろ戦う気配が見られない。すると突然呆然と立つライダーの体に緑の電流が流れ出す。
「「ッ!」」
「ッ、今度は何!?」
突然の現象に驚きながらも謎のライダーに纏う電流は次第に強くなる。謎のライダーは苦しむ様子も見せず、体が光りだすと、次の瞬間には既にその姿を消していた。
「消えた!?どこに行ったのよ!?」
「…今の仮面ライダーは…。」
「……。」
謎のライダーの故を探しているコーカサスを他所に蓮司は隣にいる悠に視線を送る。当の悠も眉間に皺を寄せながら難しい顔で消えた謎のライダーの事を考えていた。
「…ハァ。どうやら探しても無駄みたいね…。
まぁいいわ。思いがけない出会いがあっただけ良しとしましょう。」
「オイ、このままいかせると思ってんのかよ。」
悠はディケイドライバーを手にコーカサスに詰め寄り、蓮司も未だ手にしたサソードヤイバーを下ろさずにいた。
「強がりはお止しなさい。どうしてもと言うのならお相手してあげるけど、後ろのお嬢ちゃんや気絶してるボウヤを気にしながら戦うのじゃあ面白くないじゃない?」
「「……。」」
「今日は顔合わせと言う事でこの辺でお開きにしましょ。
じゃあねボウヤ達。今度は十分に鍛え上げてから相手しましょ。」
<< HYPER CLOCK UP! >>
コーカサスは悠達に別れの言葉を告げた後ハイパーゼクターを使ってこの場から消え去った。
悠と蓮司の気持ちは決して晴れやかなモノでは無かった。BABEL最強のライダーであるコーカサスの圧倒的な力量を見せつけられてしまった所為で。
そして、突如として現れた謎の仮面ライダーの正体に関しても。
<──仮面ライダーコーカサス。黒咲 一心か…厄介な相手だね。たった一人で君たちを相手にここまでするほどの強者とは。>
「二人とも大丈夫ですか?お二人の方が酷い状態だと思いますけど…。」
「別にこの程度いつもの事だし…。」
「弟はともかく他人のオレ達が共に入浴する訳にはいくまい。」
悠達はあの後連絡して駆けつけてくれた艦娘達の手を借りてラボにまで戻って来た。
ハルナと秋を先にドッグに入らせ、クリムとラ・フォリアが看病しながら悠と蓮司はラボで用意したストレッチャーに寝て順番を待ってる最中である。
「一撃を受けただけで分かる。どれだけ武術に年月を、心血を費やしたのか。
オレも人生を剣術に費やしてきたほうだと自負していたが……アレと比べてしまえば自分がどれだけ傲慢だったか思い知らされる…。」
「関係ねぇんだよ、んなモンは…。」
「何?」
「どんだけ長くやっただ、どんだけ本気で取り組んだだ、そんなんで勝負が決まる程単純じゃねえんだよ殺し合いは。
どの道野郎とは殺り合うしかねぇんだ。その程度で怖気ついたんなら、引っ込んでろってハナシ。」
<コラ悠!またそんなケンカを売るような発言を!>
「…何を勘違いしてるか知らないが。オレは貴様のような粗暴の悪く醜悪で性根の腐った女たらしで武道の武も知らない軟弱者にオレが態々分かりやすく教えてやっただけだ。精々感謝しろ。」
「はぁ~?別にそんなの頼んでねぇんですけどぉ?手も足も出せず無様にやられた言い訳にしか聞こえなかったんですけぉ?」
「今の自分を鏡で見てから言うんだな。それにこの様になったのはたまたま調子が悪かったからだ。ここ最近風邪気味だったんでな。」
<ム?スキャンしたが、全身打撲、肋骨ヒビ、左腕骨折…それ以外の症状は見受けられないぞ?>
「黙れッ!ッ!!……ぐぉぉぉ…ッ!!」
「はぁ、全く見苦しいったらありゃしないねぇ。まぁ俺は違うけど?今朝飲んだ牛乳古かった所為でお腹痛かったから本調子でなかっただけだし?」
「あれ?今朝飲んだ牛乳って、一昨日買ったばかりの新しいヤツですよね?」
「シャーラァップゥッ!!あ……肋骨が、肋骨がぁ…ッ!!」
「「ぐぉぉぉ……ッ!!」」
<……この二人。もしかして似た者同士だから仲が悪いのかね?>
「まぁいいじゃないですか。可愛いですし。」
互いに背を向けて蹲る悠と蓮司を見てクリムの隣に腰掛けるラ・フォリアが微笑ましく笑う中、蓮司は本題とも言える話を悠に切り出した。
「オイ。」
「あ?何だよ?」
「……途中から出てきたあのライダーだが、離れててもハッキリ見えただろ?」
「……。」
「どうしてあのライダーが”お前と同じベルト”を着けていたんだ?それにお前のあの時の様子、アレはヤツについて何か知ってる口だろ?」
「………あぁ。」
「…誰だ?」
目を合わせず背中を向けた状態の二人。そこには何とも言えぬ緊張感に包まれながら悠は大いにあり得る可能性の一つを口にした。
「あのライダー…多分、ハイパーゼクターを手にした未来の俺だ。」
「何だと?」
「未来の悠?」
<それは確かなのかね?>
「ハイパーゼクターは時間を超えられる。扱いこなせば簡単に過去に跳べるんだよ。
…多分ヤツがハイパーゼクターで過去に跳んだのは今回だけじゃない。何度かこっちの時間に来ている。」
<なんだって?それは一体……ッ!まさか…。>
「あぁ。おそらく二回。
初めてゴルドドライブと戦ってやられそうになった時。施設でゴルドドライブと融合進化のロイミュードと戦った時……今思えばあれはクロックアップ時の現象だってのがあのカブトを見てやっと分かったよ。」
「…分からないな。どうして未来の貴様が過去に跳んでお前を助ける必要がある?
もし貴様がさっき言った状況で死ぬのなら未来のお前は居ない筈。未来のお前がいると言うのなら、その場は助けずともどうにかなったということだろう。」
「あ。言われればそうですよねぇ…。」
「そんなん俺だって分かんねぇよ。もしかしたら俺じゃあないのかもしれないし、ハイパーゼクターの暴走で偶々過去に跳んだってのもあり得る……或いは。」
<バタフライエフェクト、だね?>
「バタフライエフェクト?…それは何なんですか?」
<ある気象学者が蝶の羽ばたき程度のわずかな変化で気象の状態が大きく異なってしまうという現象を述べた提言から生まれた言葉でね。
過去に僅かな変化、蝶が羽ばたいた事から未来が大きく変わってしまうんだ。>
「もし俺がそれを狙って過去に跳んだとしたら、未来の俺は最悪これから起こる最悪な未来を回避したっていうことになる。」
「最悪の未来……過去に跳んで禁忌を犯すまでに変えたかった未来とは、一体…。」
<それは我々ではどうやっても計り知れないね。
未来とは、常に変わっていくものだ。余程の力が無い限り、知る事も、変える事も出来ない。>
「…その未来を知る事も、変える事も出来る力を俺達が持っているっていうのが、色んな意味で怖えハナシだな…。」
<…そうだね。私はその力を悪用しない事を願ってるよ。
だが、未来の君はそれをやってしまった訳だ。>
「最悪の未来を回避出来たのなら、未来の俺…あのカブトはもう居ないって事だ。
だからこれからの未来はまっさらな白紙……俺にとって最高の未来を創れるって事だろ?」
<全く、キミという男は……だが、それも一理あるね。創り上げてやろうじゃないか、最高の未来を。>
「オウ。やってやろうぜ。」
「………フン。」
「最高の未来、ですかぁ…その未来では当然”私達”も最高の未来になってるんでしょうねぇ?」
「……え?」
<あぁ、これは…。>
「………。」
「お、王女?なんか、マジな雰囲気出てますけど…?」
「それはそうでしょう?なにせ将来の事なんですから。婿養子に来るのかとか子供は何人とか、色々です♪」
「えっと…なんか俺が描いてる未来とチョット所か大分違うような…。」
「そうですか?だったら尚更真剣に考えないと…で、今の悠は誰が一番気になってるんですか?」
「いや誰がってそれ……ク、クリム?」
<あー、私はそろそろメンテナンスを受ける時間だからこれで失礼させてもらうよ。後はごゆっくりと…。>
「ちょ、クリムゥ!?……なぁ、オイ剣バカ…?」
「………グーー。」
「オイ。何ワザとらしい寝たフリしてんだゴラ。オイ。」
「ゆぅーーうーーー?」
「えっと、ですね、いや誰が一番とかそういうのは、その…あのですね、うーーん…。」
ラ・フォリアからの回答に困る追及はドッグに入ってた秋達が上がってくるまで続いた。
シノビのデザインが凝り過ぎてたった二話で退場と思った矢先にスピンオフか…これから出るクイズやキカイも出るんですかねぇ?