その男が進む道は・・。   作:卯月七日

149 / 187

「前回のあらすじ!
ゾンビグレムリン攻略の為に必要なガシャットを開発する為に時間を稼ぐ俺達であったがあまりの力の差に絶体絶命まで追い込まれるが、ギリギリのとこで間に合った桜井がエグゼイドマキシマムゲーマに変身した!
はてさてどうなる最新話!」


「オイ!前回のオレ達の扱いどういうこった!?改二になったことや戦闘シーンお粗末すぎんだろ!!」

「いくら何でも手抜きは良くないわよ~?」


「私の出番があれだけなんて納得いかないわ!ちょっと作者に一言いってやるわよ!!」

「私もお供しますお姉様!!」

「止めろビスマルク!プリンツ!私なんて名前すら出てこなかったんだぞ!?」


「アタシの対空シーンがカットだァ!?オイどういうこった!?」

「高雄型の扱いに、馬鹿めと言って差し上げますわ!!」

「ぱんぱかぱーん!」


「いやだって、時間や文字数の関係上カットしなきゃアレなんです。大人の事情ってヤツなんです。
そんな苦労して出来た最新話どうぞ!」


「「「「「私/アタシ/オレ/ミーに出番をくれぇぇッ!!!」」」」」




真相

 

 

「このゲーム…大逆転クリア決めてやる!」

 

 

『ウ゛ガア゛ァァァーーァッ!!!』

 

 

空気が震える程の雄叫び上げるゾンビグレムリンは片腕を大きく振り上げ、巨大なアーマーを纏った、マキシマムゲーマーレベル99となったエグゼイドに巨大な隕石と見間違う程の拳を叩き付けにいく。

 

余りにも圧倒的すぎるサイズ差にエグゼイドが叩き潰される未来が過ってしまうが、エグゼイドはキースラッシャーを持っていない方の拳を引いて、向かって来る巨腕に向けて勢いよくアッパーを繰り出した。

 

「シャアァンッ、ラァッ!!!」

 

『ガァッ!?──グァア゛ッ!!!』

 

迫りくる隕石に小石と見比べてしまうエグゼイドの繰り出したアッパーは圧倒的サイズ差のゾンビグレムリンの拳を弾き飛ばした。

ゾンビグレムリンは振り下ろした腕が弾かれると直ぐにもう片方を腕を今度は目一杯力を込めて叩き付けるが、エグゼイドはその巨体に見合わない軽やかな跳躍で回避。ゾンビグレムリンの眼前にまで来ると、キースラッシャーのボタンを押していく。

 

<< ズパパ・パーン! >>

 

「デェエエエイィッッ!!」

 

『ガア゛ア゛ア゛ーーーーア゛ッッ!!!』

 

キースラッシャーをアックスモードにし、ゾンビグレムリンの顔面目掛けフルスイングで叩き付けるエグゼイド。右目から斜めに大きな切り傷を付けられたゾンビグレムリンも思わず顔を抑えて後ろに転倒し、大きな地響きをたてた。

 

 

「な…何てパワーだ。あの巨体を軽々と…。」

 

「いや、パワーだけじゃない。あの跳躍力、スピード…あのパワーと同じ位桁違いだ…。」

 

「姉ちゃん…マジでツエー、マジでパネェ…。」

 

 

エグゼイドの規格外の強さに愕然とする三人。

そんな三人を背後に一人立ち向かうエグゼイドは、ドライバーからガシャットを引き抜くと、手に持ったキースラッシャーへ装填した。

 

<< マキシマムガッシャット! >>

 

<< ズキュキュ・キューン! >>

 

キーを操作し、ガンモードへ切り替えたキースラッシャーの銃口を立ち上がってくるゾンビグレムリンへと向けるエグゼイド。

銃口にマゼンタのエネルギーが集束されていく。今、マキシマムゲーマーの真の能力が解き放たれようとしていた。

 

<< キメワザ! >>

 

<< MAXIMUM MIGHTY CRITICAL FINISH! >>

 

キースラッシャーから放たれたマゼンタのビーム。真っ直ぐとゾンビグレムリンへと放たれたソレは、ゾンビグレムリンへと命中した。

 

命中したビームが、マゼンタの光がゾンビグレムリンの巨体を包み込む。光はゾンビグレムリンの体内へ浸透し、その構造を、バグスターウイルスによって構成されている遺伝子を変えていく。

 

『ウ゛ッァア゛ア゛ア゛ッ!!……ッ!!ァア゛ア゛!!』

 

光に包まれた直後、ゾンビグレムリンに大きな変化が訪れる。

 

巨体だった体が縮み元の大きさに戻ったのだ。体から底なしに噴き出すドス黒い瘴気が出なくなり膝を着くゾンビグレムリン、その際、起き上がる時偶然にも手に触れた車は腐敗して腐らなかった。

 

「…上手くいったのか…?」

 

「…みたいだな。増えたヤツも腐敗の能力も完全に消えてる。」

 

「よっし!形勢逆転!!そのままいっちゃえ姉ちゃん!!」

 

 

『ア゛ッ……ァァア゛ア゛ア゛ッ!!!』

 

自身の能力を封じられた事に、言葉にせずともその動揺っぷりから焦りが見られるゾンビグレムリンに一歩一歩デカい足音を立てて近づいていくエグゼイド。

だが、歩み寄っていく足が急に止まり、そこから糸が切れたように一切動かなくなった。

 

「?…。」

 

ピクリとも動かないエグゼイドに首を傾げる三人。相対するゾンビグレムリンも不思議そうに様子を窺うなか、突如ドライバーから刺さっていたガシャットが独りでに外れていったのだ。

 

<< ガッシューン! >>

 

「ッ!?どういう事だ…!?」

 

「ね、姉ちゃんッ!!」

 

ドライバーからガシャットが抜かれた事により変身が解除。エグゼイドからハルナの姿に戻るとハルナは意識を失い倒れる。

 

慌てて彼女に駆け寄る三人。一方のゾンビグレムリンは状況が理解出来ないながらもこれを好機と見て倒れたハルナに背を向けてまだ消されていない能力、高速移動でその場から離脱した。

 

「ッ!……空母!!艦載機出してヤツを見失うなッ!!」

 

「姉ちゃん!!オイどうしたんだんよ姉ちゃん!!姉ちゃんッ!!」

 

「待て桜井弟!下手に揺らすな!!もし脳に何か異常があったら悪化させるだけだ!!

誰か、衛生兵は居ないのか!?」

 

エグゼイド、ハルナの放ったリプログラミングによってゾンビグレムリンの不死を攻略はしたが、ハルナの身に起こった突然の事態によって場は混乱に包まれるだけに終わった。

 

そして、その中で唯一、悠だけは慌てている混乱の中、彼の胸中に懸念していた事態が起こりうる可能性が高くなる事を危惧していたが、それを口にすることは無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『ハァ゛ーッ、ハァ゛ーッ……ガア゛ア゛ッ!!』

 

ハルナから逃れたゾンビグレムリンは、今は使われていない廃工場地へ逃げ込んでいた。

使われなくなって捨てられた廃材の山に寄りかかっているゾンビグレムリンの元に、近づいて来る者が居た。

 

 

「あーららら。これはまたえらい目にあったねぇグレムリン。」

 

ケラケラと笑いながら歩み寄って来るアベル。

 

 

「にしてもリプログラミングかぁ。カインのまたヤツ面白いモノを……いや、これはあの女の…。」

 

『ゥ…ァゥアア…。』

 

「おっとごめんごめん!いやー災難だったねぇ折角奪ったガシャットの力が全部パーになるとか…。

うーん、どうせこのままじゃ結果は見えてるし…。」

 

弱体化したゾンビグレムリンを見て、アベルは何か思いついたのか突き出した掌にドス黒いエネルギーの生み出した。

 

「無様に倒されて消滅するのがオチになりそうだし、どうせならいっその事ボクが何もかも書き換えて…ッ!!」

 

言葉を発する最中、アベルの顔に目に見えない斬撃が通り過ぎた。

 

『フゥゥゥッ…!ゥゥゥウッ!!!』

 

僅かに目を見開いた先には、ラプチャーを振り下ろしたゾンビグレムリンが。剥き出しになった赤い眼から凶器の他にも確かな、一つの感情がアベルへ向けられていた。

 

「……ふ~ん。あっそ、なら、好きにすれば?」

 

生み出したエネルギーを掻き消して、アベルは近くにあったドラム缶の上に座り、蹲って唸るゾンビグレムリンを眺める事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──…何?こんなとこまで連れて来てさ。」

 

「態々口にする必要があるか?」

 

ハルナが倒れ、一行は一先ず腰を落ち着かせるために近くの公園でハルナの容態を見つつ偵察が返って来るまでの小休止を行っていた最中、蓮司が悠を人目につかない場所まで連れて何時になく真剣な眼差しを悠に向けていたのだった。

 

「嘘偽りなく教えろ……桜井は一体なんだ?アイツの身に何が起きている?…何か知っているんだろう。」

 

「……ハァ。」

 

悠は重い溜息を吐きながら近くのベンチに座る。暫く黙っていた後、やがて観念したかのようにその重い口を開いた。

 

「前に俺とサシで話した時、俺なりに調べてみると言ったよな。」

 

「…あぁ。」

 

「俺がまず目を付けたのは桜井の診断結果、野郎が調べた限りでは血液、CT、脳波は異常無し。でも、俺はその診断結果を独自で調べ直した。資料を見た時何とも言えぬ違和感を感じたからな。」

 

「……。」

 

「…端末に記録されていたデータに、改竄されていた形跡があった。桜井に知らされたのは、ウソの結果だ。」

 

「ッ!」

 

「それで全部分かったよ。アイツがどうしてエグゼイドに変身出来るか、どうしてガシャットを創れるのか、アイツが桜井をエグゼイドとして戦わせるのに唯一賛成の意を出したのか…。

…お前も薄々は気付いてたんじゃないのか?見知らぬフリをしていたのは桜井に感付かれない為に、或いはそうであって欲しくないと…違うか?」

 

「……桜井は、このままいけばどうなってしまうんだ?」

 

「…分からない。ただ、あのマキシマムマイティとかいうガシャットを創った事で一気に進んじまった筈だ。アイツここ最近片頭痛に悩んでいたようだからな。」

 

「…どうすればいい。下手に止めても、戦わせても、このままでは桜井は…。」

 

「どうったって…どうにも出来ねえよ。今んとこ出来るのは、アイツにこの事を知られないよう気を付けるしかねぇ…。」

 

 

「あ、居た。おーい悠兄さん!ロン毛!姉ちゃんの目ェ覚めたぞー!!」

 

「「ッ!!」」

 

どうにも出来ない事態に思い悩む二人を他所に、秋と連れてこられたハルナの登場に二人は思わずギョっとしてしまう。

どうにか悟られないよう振る舞いを元に戻しながら、ハルナの容態をそれとなく聞いてみる。

 

「桜井…もう起きていいのか?」

 

「うん。少し頭痛いけどそれ以外は平気……ゴメン、肝心な処で…。」

 

「いや、ヤツの不死身を攻略しただけで十分な成果だ。

ガシャットを創った反動みたいなもんが来ちまったのかもしれないな…あとは俺達だけでどうにかなる。お前は戻ってゆっくり休め。」

 

「その方が良い。次はオレ達が成果を出す時だ。」

 

「え…。」

 

「ちょっとちょっと、なにさ二人して何か変に優しくしちゃって。気持ち悪いよ…ていうか、二人さっき何話してたの?」

 

「これからの事について相談してたんだよ。」

 

「相談って…普段仲の悪いアンタ等が?」

 

「不仲でも今は共通の敵を追っている。別に不自然では無いだろう。」

 

「う~ん?そう言われれば、そう…なの?」

 

「そういうもんだ。とにかく、桜井はもう戻って…。」

 

 

「いたーッ!もうなんでこんなとこに居んのよアンタ等!!」

 

二人がハルナをどうにかして前線から外そうと誘導していた最中、四人を探していた瑞鶴が大声で叫んだ。

 

「偵察機が見付けたわよー!ここから北に行ったところの廃工場!!そこにアベルも一緒にいるって!!」

 

 

「「ッ!!」」

 

「マジ!?」

 

「アベルも一緒に……ねぇ二人共。やっぱり私も一緒に行くわ。」

 

「ッ…お前なぁ!」

 

「だってアベルもいるのなら人手が必要でしょ!それにグレムリンも不死身じゃなくなったからって手を抜けるほど弱い訳じゃないし!」

 

「だがまた倒れたらどうする気だ!戦場の最中で同じ轍を踏んだら命に関わるんだぞ!」

 

「…悠兄さん、ロン毛。ここは姉ちゃんの好きにさしてやろうよ。」

 

「秋?お前何言ってんだ!!」

 

「オレも言ったんだよ、目覚めた時におやっさんのとこに戻った方が良いって。だけどもまぁ全然聞く気無しで…。こうなったらもう梃子でも動かねえよ。

それに、おニューのガシャットの出番がこれだけってのも、味気無いじゃん?

万が一姉ちゃんに何かあったらオレが全力でフォロー入れっから、な?」

 

「灰原君!彩守君も!二人が何考えてるか分かんないけど、今の機会を逃しちゃダメなのは分かってるでしょう?

……お願いだから、信じて。」

 

 

「……。」

 

「……。」

 

 

向けられる熱意在る視線に二人は顔を合わす。

 

僅かな時間を掛けて、そうして出した答えは…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

廃工場へと逃げ込んだゾンビグレムリンは、リプログラミングによって僅かに取り戻した理性を働かせていた。

 

大きなアドバンテージである不死身と腐敗、増殖を失った事による屈辱。そのストレスを限界にまで引き上げて体内のバグスターウイルスを活性化させて肉体の強化を施す。弱体化前に比べると粗末なモノだが、これがゾンビグレムリンの獣程度の知能で補える強化案である。

 

そんな最期の悪足搔きをただ眺めるアベル。時折外見る様子は何かを待っている様にも伺える。

そして不意に外を見たアベルは目当ての人物達の来訪に笑みを浮かべた。

 

「来た来た♪おーい、出番だよ。」

 

『ヴァァ…ッ!』

 

ゾンビグレムリンを引き連れて工場の外へ出るアベル。

 

視線の先には横に並んで此方に向かって来る四人。

 

悠、蓮司、秋、そしてハルナ。チームライダーズの総出であった。

 

「やぁやぁ久しぶりィ。ん~…四人仲良く登場とは、チームとして大分様になってきたねぇ~♪」

 

 

「あっそう。最後の見納めには丁度良かったみたいでホッとしたよ…今度こそテメェ等まとめてぶっ潰してやるから覚悟しろよ。」

 

「ほほォ~?いいのかなぁそんな安っぽい台詞吐いちゃって、出来なかったら超恥ずかしいよ?」

 

「ならば有言実行にさせるまでだ…力尽くでな。」

 

「そう言う事!深夜テンション超えて超気合入りまくりだぜ!今のオレ達。」

 

「へぇー。これまでの経験か…これは本気でいかないとすぐやられそうだ。」

 

<< KNOCK OUT FIGHTER >>

 

「変身♪──。」

 

<< DUAL UP! >>

 

<< ──KNOCK OUT FIGHTER! >>

 

 

『ヴォァア゛ア゛ア゛ア゛ーーーーッ!!!!』

 

アベルは意気揚々とパラドクス、ファイターゲーマーへと姿を変える。隣に居たゾンビグレムリンもラプチャーを手に雄叫びを上げて戦闘態勢へと入っていた。

 

 

そして四人もドライバーを装着して、戦闘態勢へと入る。

 

 

「第伍拾戦術ッ!──」

<< BANG BANG SIMULATION >>

 

「段位五十段ッ!──」

<< TADDLE FANTASY >>

 

「爆速ッ!──」

<< BAKUSOU BIKE >>

<< SHAKARIKI SPORTS >>

 

 

<< MAXIMUM MIGHTY X >>

「行くわよ皆!──MAX大変身ッ!」

 

 

「「「──変身ッ!」」」

 

<< マキシマムガッシャット! >>

<< ガッチャーン!──LEVEL MAX! >>

 

<< 最大級のパワフルボディ! ダリラガーン! ダゴスバーン!── >>

 

四人の頭上に現れたゲーマーが彼らの元に近寄る。

戦艦、魔王、BMXバイク、そして巨大なエグゼイドの顔がスナイプ、ブレイブ、レーザターボ、エグゼイドの元へへ近づき、エグゼイドは腕を高く上げ、スイッチを叩き付けるように押した。

 

「ウオォォッ!!──ハッ!」

 

<< MAXIMUM POWER!──X! >>

 

 

「フッ!──ッ!」

<<──BANG BANG SIMULATION! 発進! >>

 

「ムンッ!──ッ!」

<<──TADDLE FANTASY! >>

 

「うっしゃぁッ!!」

<< BAKUSOU BIKE!──アガッチャ!>>

<< ──SHAKARIKI SPORTS! >>

 

 

終止符を打つべくそれぞれのゲーマーを纏い最強の姿となった四人のライダーが並び立つ。

砲門を、剣を構え、今戦いの火蓋を切ろうとされていた。

 

「さぁ~て、それじゃあ始めようかァ!!」

 

『グァァラアアッ!!!』

 

 

「削除…開始ッ!」

 

「いざ、尋常に参る!」

 

「マッハでキメに行くぜェ!!」

 

「このゲーム…ノーコンティニューでクリアする!!」

 

 

パラドクスが先制攻撃に放った火炎が四人の前で爆発。轟々しく燃える炎を中から雄叫びを挙げた四人が飛び出し、パラドクスにスナイプ、ブレイブが。ゾンビグレムリンにエグゼイド、レーザーターボが向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

『ガア゛ア゛ア゛ッ!!』

 

ラプチャーを振りかざしながらエグゼイドに向かって特攻するゾンビグレムリン、僅かな時間でスペックを強化しただけの単純な戦法であるが、そのスピードとパワーはレベルX時よりも僅かに上回る。風を切る程のスピードに常人なら目で追う事など不可能な速さだが、今回に限りそれが通じる相手ではない。

 

ーガキィィンッ!!ー

 

『ッ!!』

 

「デエェィイッ!!!」

 

『ボッ!?、ガァッ!!』

 

その身にラプチャーを受けながらも、強固な鎧となっているマキシマムゲーマーには傷一つ付かず止められる。

その身でラプチャーを受け止めたエグゼイドは反撃にその巨大な拳を叩き付けた。自身の体程大きな拳を腹部に受けたゾンビグレムリンはボールの様に跳ねて吹き飛ぶ。

だがそれだけで終わらない。宙に浮いているゾンビグレムリンにエグゼイドは腕を伸ばした。ゴムの様に伸びた腕は遠くにいるゾンビグレムリンを掴み、そのまま勢いよく地面へ叩き落す。

 

『ゴガッ…!?』

 

「うわエグ…味方で良かった~。」

 

「まだまだ行くわよ!!」

 

<< ガシャコンキースラッシャー! >>

 

『ガゥゥゥッ!…!ブルゥラ゛ァァッ!!!』

 

巨体から生み出されるパワーに臆さずに再度特攻するゾンビグレムリンだが、キースラッシャーを呼び出しキーを打ち込んでいく。

 

<< ズパパ・パーン! >>

 

「シャンッ、ラァッ!!!」

 

『ッ!!──ガァァア゛ア゛ア゛ッ!!!」

 

アックスモードで打ち付けた威力はゾンビグレムリンの持つラプチャーを粉々に砕いてしまった。

またも吹き飛ばされるゾンビグレムリンの進行上にレーザーターボが回り込み肩のトリックフライホイールをはずした。

 

「姉ちゃんがパワーなら、弟のオレはスピードで勝負、だァ!!」

 

『ガッ!!』

 

ホイールを勢いよくサイドスローで投げたレーザーターボ、ホイールは未だ宙に居るゾンビグレムリンにヒットし、当たった反動でゾンビグレムリンとホイールは別方向へ。

別方向へと飛んだ方向を追ってレーザーターボが先回りし、自身に向かって来る方向を一回転しての回し蹴りでゾンビグレムリン目掛け蹴り飛ばしたのだ。

 

『ガッ…!』

 

「ギア上げてくぜェ!!!──ウリャッ!!──ダラァッ!──もう一丁ッ!!」

 

『ゴッ!──ブァッ!!──ガアアッ!!!』

 

方向をを蹴り、当てて跳ね返ったホイールに追いついてまた蹴り飛ばす。蹴りの威力でスピードとパワーを徐々に増していくホイールよりも速く回り込んで蹴っていくレーザターボ。〆には高く上がったホイール目掛け跳び、ゾンビグレムリンに対し背面となって後方宙返りしながら蹴る、オーバーヘッドキックを繰り出した。

 

「シュートォ!!!」

 

『グァア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッッッ!!!』

 

ギャリギャリと削る音を立てながらホイールがゾンビグレムリンを大きく弾き飛ばす。着地しホイールをキャッチしたレーザターボは、大きくガッツポーズを決めた。

 

「GOALッ!YEAH!!」

 

 

 

 

 

 

 

「セアァッ!!」

 

「ハハハハッ!それェッ!!」

 

 

一方のパラドクスを相手に立ち回るブレイブはガシャコンソードを振るいパラドクスに斬りかかって行くが、近接戦に特化しているファイターゲーマーの拳に剣は弾かれ、カウンターのジャブを食らいダメ押しのストレートが胸部に入る。

 

「グッ…!」

 

「おら退いた退いた!」

 

「次はキミかい?いいよ、来なよ!」

 

よろけるブレイブを退けて前に出るスナイプ。マテリアライズスマッシャーに焔を灯し殴り掛かるパラドクスに対し、スナイプは腕についてるキャノンを発射しながら殴る、衝突し合った二人は大きくよろける。

 

「ぐゥ…ッ!?」

 

「ッ!…まだまだァ!!ウラァッ!!」

 

「のォ!?」

 

スナイプは透かさず十門の砲撃をパラドクスに浴びせる。高威力の砲撃にパラドクスはスマッシャーを振るって迎え撃つもあまりの弾幕の多さに全てを防げず、幾つか被弾してダメージを負う。

 

「グァァァッ!!……ッ、どうやらノックアウトファイターじゃ分が悪いね…。」

 

<< PERFECT PUZZLE >>

 

「大変身──ッ!」

 

<< DUAL UP! >>

<< ──PERFECT PUZZLE! >>

 

接近戦主体のノックアウトファイターでは効果力の砲撃を放つスナイプ相手に不利だと思ったパラドクスはファイターゲーマーからパズルゲーマーへフォームを変えた。

辺りに散らばっているエナジーアイテムがパラドクスに集まる。パズルゲーマーの能力であるエナジーアイテムの組み合わせスナイプを翻弄しようとしていた。

 

「それじゃあ……これにしよう♪」

 

<< マッスル化! 高速化! 透明化! >>

 

透明化で姿を消し、高速化で目に見えないスピードで動き回りマッスル化によって強化された攻撃を繰り出そうとする。

パラドクスがスナイプへ一撃入れようと接近するが、スナイプの前方にブレイブが踊り出て両手に黒い魔力を宿していた。

 

「無駄だ……ハァッ!!」

 

「ッ!?…なんだ!?エナジーアイテムが…!!」

 

ブレイブを中心に全方位に黒い波動を放たれる。パラドクスはブレイブの黒い波動に触れてしまうと、透明化と高速化の能力が消え、姿が見えるようになりマッスル化による筋力強化の恩恵も無くなってしまったのだ。

 

パラドクスを見つけたブレイブは、ガシャコンソードを手にパラドクスへと駆けた。

 

「そこか──ッ!」

 

「ッ!…えぇい!!」

 

<< 鋼鉄化! >>

 

迫り来るブレイブに対抗するため偶然にも近くにあった鋼鉄化のエナジーアイテムを取り込むパラドクス。硬化した腕で剣を弾き、その後カウンター。一連の動きをシュミレーションしつつ待ち構えていると、ブレイブが空いた手でまたも黒い波動を放ち、波動を浴びたパラドクスの鋼鉄化の能力が消えた。

 

「ッ!また…!?「セエェァッ!!」グァッ!!」

 

「コイツも喰らっとけ!!」

 

二度もエナジーアイテムを無効化され動揺するパラドクスを前にブレイブは刀身に焔を宿し、袈裟懸け、斬り返し、上段振り下ろしをパラドクスに見舞いする。

 

斬られた箇所を抑えて下がるパラドクスに、スナイプがダメ押しの砲撃を浴びせる。パラドクスは大きな爆発と共に吹き飛ばされていった。

 

「グゥゥ…ッ!何でッ、同じレベル50でも、ここまでの差がつくなんて……ッ!まさか…。」

 

「気付いた?俺と剣バカが使ってるこのガシャット、コイツは只俺達のガシャットをバージョンアップしただけじゃあない。

対パラドクス用に造られたお前の天敵ってハナシ。」

 

「ッ!!」

 

「と言いつつ、その事を知ったのはつい最近なのだがな。」

 

「あんのアホ上司。用途位渡す時に言えってんだ。」

 

悠と蓮司が使っているガシャットギアデュアルβ。蓮司のタドルファンタジーの扱う魔法がパズルゲーマーの操るエナジーアイテムを掻き消し、悠のバンバンシュミレーションの高火力の砲撃で接近戦に強いファイターゲーマーを圧倒させる。

相性的な問題に加え、これまでの戦いで身に着いた実力もあってこれまで苦戦していたパラドクスを相手に優位に立っているのだった。

 

「カインめ…!!」

 

「オイオイ。野郎だけじゃなくて扱ってるこっちも見て欲しいんだけど?」

 

「目の前の敵を見ないとはな!」

 

<<<< ガッチョーン!──キメワザ!──ガッチャーン! >>>>

 

 

<< BANGBANG CRITICAL FIRE! >>

 

<< TADDLE CRITICAL SLASH! >>

 

 

「ハァッ!!──」

 

「ッ!──ウァァアアッ!?」

 

ブレイブが引き起こした魔力で作った黒い竜巻に飲み込まれるパラドクス。竜巻の中に閉じ込められたパラドクス目掛けエネルギーを溜めた砲門を構えるスナイプと刀身に魔力を収縮するブレイブ。

 

「ぶっ飛べぇ!!」

 

「セィヤァァッ!!」

 

「グ、グァァァアアッ!!!」

 

スナイプの放った砲撃とブレイブが繰り出した斬撃がパラドクスへと炸裂。大きな爆発によって生じた炎に包まれ、炎の中から服が焼け焦げたアベルが地面に倒れた。

 

「グァッ!……グ、グゥゥゥ…ッ!!」

 

アベルから離れた所に変身に使っていたパラドクスのデュアルガシャットが落ちる。アベルは落ちたガシャットを拾おうと手を伸ばすが、アベルよりも先にブレイブの手がガシャットを取った。

 

「フン…これでもう貴様は変身出来まい。」

 

「御終いだな、アベル。」

 

「ッ…クソォォッ!!」

 

地面に倒れながらスナイプとブレイブを見るアベルの目に、初めて屈辱の色が宿された。

 

 

 

 

 

 

 

 

「「どっせいッ!!」」

 

『ゴア゛ァッ!!』

 

一方のエグゼイドとレーザターボは、ゾンビグレムリンに拳と蹴りを同時に見舞わせて終始優位に戦局を掴んでいる。

 

レーザーターボが遠目でパラドクスを撃破した様子を見て、自分達もピリオドを打とうと提案する。

 

「姉ちゃん、悠兄さん達もの方は終わったみたいだし、オレ等も…。」

 

「えぇ。これでフィニッシュよ!!」

 

<< ガッチョーン!──キメワザ!──ガッチャーン! >>

 

<< ガッシャット!──キメワザ! >>

<< SHAKARIKI CRITICAL STRIKE! >>

 

 

「オゥ、リャアァッ!!」

 

『ブゥラ゛ァッ!?」

 

レーザーターボの全力で投げたホイールがゾンビグレムリンにヒットし吹き飛ぶなか、宙に浮いた状態のゾンビグレムリンを目掛けエグゼイドが跳んだ。

 

 

<< MAXIMUM MIGHTY CRITICAL BREAK! >>

 

「ハァァアアアーーッ!!!」

 

『ッーーーー!!!』

 

エグゼイドの繰り出すライダーキック。エネルギーを纏いながら段々と迫ってくるそれは巨人の足とも見間違えそうな程のインパクトを感じさせながらゾンビグレムリンに喰らわせたエグゼイドは、確かな手応えを後に着地。スパークを発しながら地面に倒れるゾンビグレムリンを振り返る事無く、爆散する様を背後で感じ取り勝利を確信したのだ。

 

<< 会心の一発! >>

 

 

 

「お…っと、ガシャットも無事回収、っと。」

 

炎中から飛び出て来たデンジャラスゾンビガシャットをキャッチするレーザーターボ。

ガシャットを手にエグゼイドの元まで駆けるレーザーターボだが、炎の中に見えた人影に足を止めてしまう。

 

「…おい、アイツ何処までしぶといんだよ。ゴキブリ以上かよ…。」

 

 

「ゥ……あ…ガァァ…ッ!!」

 

レーザーターボの視線の先に居たのは、上半身の服が完全に敗れて半裸状態になりボロボロになったフリードの姿が。あれだけの暴走状態になりながらも未だ生きている事は奇跡であるが、その体は既に消滅寸前であり、まさに風前の灯火であった。

淡い紫の光に包まれながら薄くなっていくフリード。だがその眼は未だにエグゼイド捉え、敵意を向けていた。

 

「ああああッ!!!……ふ…ざけ……んな!…ォ、レが…こ…んなや…つらにィィィィィィッ!!!」

 

最後の抵抗と言わんばかりに叫びながらエグゼイドに向かって駆けるフリード。エグゼイドは只何もせず消えながら向かって来るフリードを見つめるだけ。その眼は仮面の下で隠されてる為にどのような感情が向けられているかは分からないが、フリードは自分を見るエグゼイドの目が只々気に入らないと、そう訴えるような声を未だ叫んでいた。

 

「ァアアアアアアアーーーーッッッ!!!」

 

「………。」

 

「アアアアアァァ─────。」

 

伸ばした手がエグゼイドに触れる直前、フリードの姿が完全に消滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…向こうも終わったようだな。」

 

「あぁ。じゃ、こっちも仕留めますかね。」

 

フリードの消滅を見て此方も終止符を打とうとキャノンをアベルに向けるスナイプ。

アベルはキャノンを向けられながらも顔を俯いており、肩を小刻みに振るわせて、笑っていた。

 

「ククク……ハハハハ…!」

 

「こんな時まで愉快に笑ってるとはね…何か言い残す事は?」

 

 

「ハハハ………最高!本当に最高だよキミ達は……ここまでボクを……怒らせてくれるとはねぇぇええええええ

ッッッ!!!」

 

「「ッ!?───うわぁッ!!」」

 

顔を上げたアベルの赤い瞳。感情的に発した叫びと共に放たれた衝撃波は二人は軽々と吹き飛ばし、変身を解除させられた。

 

「グァァッ!!」

 

「ヌゥゥッ!!」

 

 

「彩守君!!」

 

「悠兄さん!…んの野郎ッ!!」

 

 

「んん?───ガアアアッ!!!」

 

 

「ッ!?──ぬォッ!?」

 

「秋ッ!!──キャアッ!!」

 

 

倒れる悠と蓮司。レーザーターボが怒りアベルに向かっていくが、アベルはレーザーターボも衝撃波で吹き飛ばし、更にエグゼイドもまとめて吹き飛ばして変身を解除させた。

 

「んーー…あースッキリした!」

 

 

「な、んだよ…コレ。」

 

「アベルのヤツ…まだこんな芸当隠し持ってたのかよ…!」

 

 

「ハッハァ~、まだまだキミ達に遅れを取るボクじゃあないんだよねぇ~。でも今回の勝負はキミ達の勝ち、と言う事にしといてあげるよ。ガシャットはその記念に取っておくと良い。

……あーでも、やっぱなんか物足りないな~~……あ、そうだ。折角だからこの機会に言っちゃおうかなぁ……そこの女の、ヒ・ミ・ツを♪」

 

 

「「ッ!!」」

 

「え?…姉ちゃんの、秘密?」

 

「わ…私?」

 

「あぁ。不思議に思ってただろう?仮面ライダーに変身出来るのは、特異体質者だけ。なのにどうしてその女がエグゼイドに変身できるか。

それどころかそこの三人には出来ない芸当。ガシャットを生み出せたり!人格が変わったりするのか!…その答えは、ただ一つ…。」

 

 

「マズイ!…それ以上言うなぁああああッ!!!」

 

「止めろォォォォッ!!!」

 

 

アベルの告げる真相を止めるべく、走り出す蓮司と悠。だが、それでもアベルの告げる真相は止められない。

 

 

「桜井 ハルナァ!キミは…キミの体は、バグスターウイルスに感染してるのさァ!!」

 

 

「「ッ!!」」

 

「ッ…ウソ、だろ…姉ちゃんが…?」

 

 

「感染?…私が、ウイルスに…?」

 

 

その場が凍り付いたように時間が止まった。アベルから告げた真相。それを聞いてハルナは素直に受け入れる筈が無かった。

 

 

「…ウ、ウソよそんなの……デタラメよ!きっと、きっと私を動揺させようと…!!」

 

「ウソじゃあないさ。現にキミはストレスを感じると頭が痛くなるだろう?バグスターウイルスは、感染者のストレスを基に成長する。それが何よりの証…現に、キミのお仲間はとっくに気付いてるみたいだったようだよ?」

 

「え…?」

 

釣られてハルナは先程真っ先に走り出した二人、悠と蓮司をに目をやる。

 

二人はアベルの告げた真相に対し、何も言い返さない。それどころか無言の追及をするハルナと目を合わせようとしなかった。

 

そんな二人の態度を見て、ハルナの体に異変が起きた。

 

「ッ!…姉ちゃん…それ!」

 

「え…ッ!こ、これって…」

 

ハルナの体に奔るノイズ。それはこの場に居る誰もが知っている光景だった。

 

バグスターウイルスに感染した者が発症した際に起きる現象、それだと自覚した後に、ハルナに奔るノイズが強くなりだしていく。

 

「あ…ァァァァアアアアアアアッ!!!!」

 

「桜井ッ!!」

 

「姉ちゃん!!」

 

「フフフ…フハハハハハッ!!アッハッハッハッ!!!!」

 

膝をついて自らの腕を抱き締めるハルナに駆け寄る三人。それをみて大いに笑うアベル。

 

今まで見て来た発症の仕方が違う為どう対処すればいいのか分からず狼狽える三人。もしかするとこのまま消えてしまう可能性も大いに有り得る。

 

やがてノイズがハルナの体を包み込んでしまうと、眩い光が辺りを照らし出す。思わず目を瞑ってしまう三人を他所に、ハルナの体から一つの青い光が飛び出て来た。

光はハルナを包んでいたノイズを吸い込んでしまうと、その姿を変えていく。

 

 

「ゆ…悠兄さん…まさか、アレって…。」

 

「……あぁ…アレが…。」

 

 

 

 

 

「ん…ん~~~ッ!やっと出てこれたぁ!!」

 

ハルナから出て来た光は姿を変えて異形では無く、人間の姿へ。

 

背丈は大分低く、パッと見では中学生と思われる位の背丈。七分丈の白いパンツに、赤いフード付きのベストの様なモノを羽織り、黒い長髪を右のサイドテールに纏めた少女。

 

少女は背中を向けていた悠達の方へ振り向くと、その青い瞳で彼らを目に捉えた。

 

「あれが…。」

 

「桜井に感染してる…バグスター…。」

 

 

 

 

「えっへへ~…イェイ!」

 

 

 

 







ディエンド回だと思ったらまさかのブレイドに開いた口が閉じれなかったです。しかもムッコロさんも出るなんて…。

そしてゲイツが完全に秋〇 連と化した。スピンオフの二人の対面が待ち遠しい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。