その男が進む道は・・。   作:卯月七日

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今回と次回はライダー分多めの話です。


依頼

「古城ー、飯食いに行こうぜ。」

 

「ん?、あぁ。」

 

「何よ浮かない顔して、また灰原の事?」

 

「いや、そうじゃないけど。」

 

「あー、またどっか消えてんなあ。」

 

三人の視線の先の席には誰もいない空き席だった。

悠は、授業以外自分の席におらず突然消える様に席を立って行ってもう一週間ぐらいになる。

 

(最初古城んとこにやけに近かったから何処かの組織の回しもんだと思ってたけど、感じる魔力も霊力も無いからマジ謎なんだよなあアイツ。)

 

「古城、アンタ灰原と喧嘩でもした?凪沙ちゃん絡みとか。」

 

「いや、そういったのは全然。ただ・・。」

 

「何よ。」

 

「・・・お前等さ、灰原の事どう思う?」

 

「うーん、そうねぇ最初は気の抜けたボーっとしてる奴ってしかイメージ湧かなかったけど。凪沙ちゃんとかの話聞いて悪い奴ではないって感じかな。・・矢瀬は?」

 

「えっ、あ、あぁ。俺も浅葱とほぼ同じかな、あとちょっと面白い奴って感じ。」

 

「そういう古城はどう思ってんのよ、灰原の事。」

 

「俺は・・少なくとも悪い奴じゃないと思う。・・・けどこれまで話してきた中でこれと言ってアイツの事知ってる訳じゃあ無いんだよな、前の学校とか、家族の事とか、・・アイツ必要以外に自分の事隠してるって感じがするんだよな。」

 

古城は前に雪菜が言っていた言葉を思い出していた。”灰原は誰にも知られたくない本心がある”それが今古城の頭に今回の事と関係してるのではないかと思い始めた。

 

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「今日もいない。・・」

 

一子は悠と出会った校舎裏にいた。

この一週間、一子は悠とまともに会っておらずクラスに行っても席を立った後であり、悠が気に入ってるこの場所に居ればいずれ来るのではないかと思って毎日訪れてるのだが一向に姿を見せる様子はなかった。

木陰に腰を下ろして悠と初めて会ったことを思い出す。

自分の隣で夢について話を聞いてもらい、決闘で挫折を味わった時は不器用ながらにも自分を励ましてくれたりなど感謝の気持ちが一杯あるのだと。

そんな彼が急に自分の前から居なくなる様に会う事が無くなり、何か悩みがあるなら自分の悩みを晴らしてくれたように悠を助けてあげたい一心だった。

 

「もう・・・何処に居んのよ、ユウ。」

 

 

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悠は学校の屋上の貯水タンクの上で寝転がっていた。

この一週間、悠は全くと言っていいほど誰とも口を交わしておらず授業以外は早々と気配を消して教室から出るのが習慣だった。

この前の誘拐事件で悠は改めて自分の立場を弁える羽目になった。

自分は転生者と言う世界にとって害悪になるであろう存在を消していく存在。

だが、だからと言って正義ではない。

どんな理由でもやってることは消している転生者達と何ら変わりはない。自分の頭からつま先まで血で真っ黒に染まってるのだ。

そんな奴が周りの人間と関わるなんてお門違いもいいとこだ、そんな事したら絶対に関わる人間は碌な目に遭わない。

 

 

悠の生き方を変える切っ掛けを作ったアイツと同様に。

 

 

黄昏てると携帯から着信が鳴る。

この携帯に電話をかける奴は一人しかいないので画面を見ずに通話ボタンを押す。

 

「何だよ。」

 

「掛けて早々それかい?随分とご機嫌斜めなんだね。」

 

上司の神からの軽口を聞き流しつつ、早く本題に入るように言う。

 

「何の用?仕事の件ならメールで来るはずじゃないの?」

 

「あぁ、やってもらう事はいつもと変わらないんだが今回はある人の頼みでの仕事でね。」

 

「ある人?」

 

「仕事の内容はその人が直接君に説明するって言ってたからそろそろそっちに来る頃だと思うけど。」

 

「それより一体誰だよそのある人って・・・・いや、もう来たみたいだ。」

 

悠が振り返るとそこにあったのは灰色のオーロラ。かつて悠がこの世界に来た際に通ったものだった。

そこから現れたのは一人の男、コートにフェルト帽とメガネを身に着けており貯水タンクに居る悠に視線を向ける。悠はタンクから飛び降りて目の前の男に同じ視線で相対する。

悠は目の前の男を知っていた、どのような存在かは未だ謎だがある目的の為に世界を渡り歩く者の事を。

 

「君が灰原 悠君か、私は・・。」

 

「知ってるよ。・・鳴滝、だろ?あんた。」

 

「ふっ、・・私の事を知ってるなら話は早い、灰原 悠君。君に是非とも倒してもらいたい奴がいる。」

 

「それも知ってるよ、アンタが一番邪魔だと思ってる奴・・・・・ディケイドを俺に倒せってか?」

 

現れた男、鳴滝に対し悠は鳴滝の頼みごとについて、その内容を言い当てる。

しかし、鳴滝は口角を上げて首を横に振り、詳しい内容を語り出す。

 

「それは違う、いや正確にはYESでありNOだ。君に倒してもらいたいのはディケイドの力を持った転生者の事だ。」

 

「そいつがあんたにとってどう問題なんだ。」

 

「ディケイドの力は破壊の力、それは世界さえも破壊する程に強力な力なのだよ。

私はディケイドの存在を危険だと判断し抹消しようとあらゆる手を使ってきたが奴の力は増していくばかりだった。そんな時、私にとってさらに悪いニュースが来たわけだよそれが・・・。」

 

「転生者がディケイドの力を持って事実上二人に増えたと。」

 

「私が倒そうとしてるディケイド、門矢 士はそれを扱えるだけの器を持ってるようだが、ディケイドの力を手にした転生者が何時どのような形で世界を破壊に導くか底が知れん。

私から君の上司には君の判断に任せると言ってきた。だから後は君次第だ、転生者を狩る物として仮面ライダーとして。」

 

「・・・ライダーにはライダー、偽物には偽物って話か。」

 

「頼まれてくれるかな?君が成功した暁には私が新たな力を上げると約束しよう。」

 

悠は皮肉を言った後の鳴滝の言葉を聞き流して改めて自分の存在理由を思い出す。

 

 

 

自分は転生者を狩る物、たとえどんな相手だろうと。

 

 

 

「・・・いいぜ、アンタの頼み関係なくそれが仕事だってんなら断る理由は無い。」

 

「そうか、それならそれで構わない、では・・」

 

鳴滝は手を何もない所へ翳すと自身も通ってきた灰色のオーロラが出現する。

 

「君が全力を出してもいい場所に繋げた。そこに奴を誘い込むからその時に・・。」

 

「俺が倒すだろ。・・・全力か、久しぶりに戦るとするか。」

 

そう言って悠はオーロラに向かって行った。

鳴滝は悠の行った後を見て悠には聞こえないだろうが悠に対して語り出す。

 

「君は偽物だと言っていたが、その覚悟の強さは紛れもない本物だよ。・・・私が知る仮面ライダー達に負けてないくらいにね。」

 

そう言って鳴滝もオーロラを潜りその場から消えていった。

 

 

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「ここは。」

 

悠がオーロラから出たところは岩に囲まれた山の中だった。

確かにここなら下手な障害物は無いし、人気もないから気にしないで戦える。そう思ってた矢先、目の前にオーロラが出てきてそこから一人の男が出てきた。

 

「・・・行くか。」

 

 

 

 

 

 

 

これから戦いが始まる。

 

 

 

 

 

 

 

正義も悪もない互いの強さを競うだけの戦いが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回、ディケイドとの激戦です。
お楽しみに
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