その男が進む道は・・。   作:卯月七日

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「前回のあらすじ。
仮面ライダービルドとジオウの強力に元の世界へ戻ったオレ達は合流を果たし、打倒ウェイドの為走り出した。」

「それだけ?もっとこう無いのかよ?こう、オチ的な何か!?」

「無い、そこまで言うなら貴様がしろ。」

「オレ!?えぇー、今日のおさらいロン毛だって言われてるから何も用意してないんだけど、え~っとォ…あぁーもう思いつかねえ!
早く戻って来て悠に兄さーん!!」





劇場版 スターティングジェネレーション・4

 

 

 

 

ーGyaaaaaaaaa!ー

 

ーGuoooooooon!ー

 

静寂な夜の空の中を線路を使って駆けまわる二匹、否、二台の列車が衝突し、互いの牙で削り合うたびに花火のような輝きを魅せる。

 

アナザーディケイドの呼び出したアナザーガオウライナーに対し、ガオウは”神の列車”と言われたガオウライナーをガオウストライカーで操り、アナザーガオウライナーを墜としに掛かるもガオウライナーと同じ力を有してる所為か性能はほぼ互角。拮抗状態が続いていた。

 

「ッ──このッ!!」

 

埒が明かないと判断したガオウは勝負に出る。ガオウライナーを上昇させ、空高く上がっていく。

 

アナザーガオウライナーは、その後を追いかけながら口からビームを撃ってくる。ビームを躱しながら尚も上昇していくガオウライナーは、雲の高さまで上がっていくと、雲の中に入っていった。

 

当然その後をアナザーガオウライナーが追いかけていくも、視界が良好でない雲の中を走っていくうちに、ガオウライナーを見失ってしまった。

 

やがてアナザーガオウライナーは、ガオウライナーを見付けられず雲から出てしまう。その後、狙っていたかのようなタイミングでガオウライナーがアナザーガオウライナーの背後から姿を現し、無防備な背後に付いた。

 

「バック取った!!─ッ!!」

 

ガオウライナーは口からビームを撃ち、アナザーガオウライナーに命中させた。痛覚があるのか悲鳴のような叫びをあげるアナザーガオウライナー。

追い打ちと言わんばかりに、その首に容赦なく、ガオウライナーが牙を突きたてた。

 

 

 

<< のこ切斬! >>

 

「ハァッ!──何ッ!?」

 

 

<< BARRIER… >>

 

『フン!そんなものでオレを…傷つけられるかァ!!』

 

「グァァッ!!」

 

のこモードのジカンジャックローの一撃に対し、薄いマゼンダのバリアーを張る事でゲイツの攻撃を防いだ後、エネルギーを纏った拳でゲイツの顎にアッパーを入れゲイツを打ち上げるアナザーディケイド。

 

「だったらこの攻撃はどうだい?」

 

<< FINALLY! BEYOND THE TIME! >>

<< 超ギンガ エクスプロージョン! >>

 

アナザーディケイドの元に降りかかる来る数多の隕石群。宇宙の力を操るウォズの放った必殺技は、災害レベルの規模。コレを防ぎ切るはとても容易ではない。

 

空から隕石という文字通り必殺の一撃が迫ってるに関わらず、アナザーディケイドは口笛を吹いて関心する素振りを見せた。

 

『ヒュ~♪中々派手な演出じゃあねぇか!──だがな。』

 

アナザーディケイドは隕石に向かって手を翳すと、現れたオーロラカーテンが降ってきた隕石を全て潜らせると、ウォズとゲイツの真上に別のオーロラカーテンが出現する。

 

「「ッ!!」」

 

『こうした方でもっとイイぜぇッ!』

 

 

オーロラカーテンを使う事によって空間を自在に操れるようになったアナザーディケイドは、ウォズを繰り出した隕石群を自分からゲイツとウォズの方へと送り返してきた。

 

降り掛かって来る隕石を、剛烈の防御力とウォズの重力操作でどうにか防いでいくが、数多の隕石を前にノーダメージとはいかず、隕石が止んだ頃には二人共肉体的にも精神的にも大分消耗されていた。

 

『ほォ!あれだけのヤツを防ぎ切るとは、思ってたよりやるねェ~!』

 

 

「ッ!余裕をこいてられるのも今の内だ!」

 

「その通り!」

 

『ハハハハッ!イイねイイねぇ!!そういう奴ら程、壊し甲斐があるってもんだ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場面は過去から現代へ。

 

神太郎とアベルにトドメを刺そうとしたアナザーディケイドの前に現れたソウゴはグランドジオウに変身し、アナザーディケイドと戦闘を始める。

 

ジオウはジカンギレードとサイキョーギレードの二本を持ってアナザーディケイドへ斬り掛かる。

 

それに対しアナザーディケイドは両手をエネルギーの剣を伸ばしジオウに対抗する。

 

剣と剣による実力勝負はお互い一歩も引けを取らない互角の勝負を繰り広げていた。

 

「ウオォリャアァァァァァッ!!」

 

『グ…ッ!

(落ち着け!コイツはジオウだがまだガキの…!未熟な頃のジオウだ!さっきまでと同じように気の抜かなければ勝てない相手じゃない!)

──舐めるなよガキがァッ!』

 

「うわッ!!」

 

ジオウがこの世界に来たという動揺から持ち直したアナザーディケイドはジオウを押し返し始める。

 

実力で互角の勝負を繰り広げていたが、動揺という枷が外れたアナザーディケイドにジオウは防戦一方を強いられる。

 

<< SLASH… >>

 

『シャラァッ!!』

 

「うわああッ!──グッ!こうなったら…!」

 

 

<< ブレイド! >>

 

<< 電王! >>

 

「ウェエエエイッ!」

 

「俺参上ッ!」

 

ジオウはレリーフに触れ、仮面ライダーブレイドと仮面ライダー電王を召還する。三対一と数の有利を活かしてアナザーディケイドへ向かって行くが。

 

『数が増えた所でェ──ッ!!』

 

 

「ッ!──ウワァッ!!」

 

「グァァァッ!!」

 

「ンギャアッ!」

 

グレイブとガオウのクレストが光ると、アナザーディケイドの両手から離れたエネルギーの剣が、重力の力を帯びてジオウ達を滅多に斬り付ける。

スラッシュよりも威力を増した挙句、リーチのある斬撃を喰らってジオウは耐えたが、先行していた二人のライダーは消えてしまった。

 

アナザーディケイドの猛攻はそれだけで終わらず、追撃を仕掛けにジオウへ向かって駆ける。

 

「ッ!?」

 

『オラァッ!!』

 

膝を突いて起き上がろうとするジオウに助走をつけての蹴りを放つ。咄嗟にジカンギレードとサイキョーギレードで受け止めるが、蹴りの威力が思ってた以上に強く弾き飛ばされてしまい、武器を手放してしまった。

 

「まず…ッ!──うわッ!!」

 

『オラどうしたァ!!そんなものかァ!?えぇ!!』

 

武器を失ったジオウにアナザーディケイドのパンチとキックの猛打が襲い掛かる。

一方的に、相手に考えるヒマも手を出させる時間も与えない。アナザーディケイド、ウェイドはジオウを何が何でも倒す気だ。他でも無い、自らの野心。復讐を果たす為の前哨として。

 

『くたばれェ!ジオウォォォッ!!!』

 

「ッ!!」

 

 

「ソウゴッ!!」

 

『ッ!?グ…ッ!』

 

死角からアナザーディケイドに撃ち込まれる赤い光弾。それによって攻撃が止み、アナザーディケイドと距離を取るジオウ。

ジオウが下がる先には、携帯と銃の機能を備えてるウォッチ、ファイズフォンXをアナザーディケイドに向けているツクヨミが居た。

 

「大丈夫ソウゴ?」

 

「うん!助かったよツクヨミ!」

 

『チィ、また新手か……?、お前は…。』

 

「?…何よ。」

 

『お前……アルピナか?』

 

「ッ!!」

 

「え…?ツクヨミの本当の名前を?」

 

アナザーディケイドの口から出たツクヨミの本当の名前。驚くジオウとツクヨミを他所に、アナザーディケイドは身構えを解いて盛大に笑いだし、アナザーライダーの姿から、元の姿へ、ウェイドとしての姿をジオウ達の前に初めて見せた。

 

 

「フハハハハハハハハッ!!まさか!まさかお前が生きてジオウとつるんでいるなんてな!!てっきりとっくに死んだものかと思ってたよ!!まァ随分と大きくなったもんだ…。」

 

「待って!あなた、昔の私を知っている人なの!?」

 

「あぁ?何言って…あ~、そうかァ。スウォルツの野郎に記憶を消されたな?アイツはお前を王座に着くのを心底嫌がってたからなァ!」

 

「スウォルツの事まで……まさかお前!ツクヨミと同じ…!」

 

「あぁ。オレはソイツと同じ世界の住人。だから知ってるのさ。子供の頃からソイツ等兄妹の事を、よォ~くなァ…。」

 

「「ッ!!」」

 

「オレの家はソイツ等王家の家に代々仕える分家だった。

オレとスウォルツは歳が近いのもあって従者というより…友として関係を深めたァ。

お前の世話もしたんだぜ?友達がお人形しか居ない可哀そうなお前と遊んでやったりとかなァ。」

 

ウェイドがツクヨミの本名を知ってる理由。それはウェイドの正体と繋がツクヨミ、否、アルピナとスウォルツに繋がる思い掛けない過去だった。

 

「オレ達の世界が崩壊の危機に陥ってると知った時、スウォルツは率先して世界の崩壊を防ぐ為に動いた。

オレはヤツの友として、共に世界を救う為にスウォルツと行動を共にした。そして知ったのさ。ヤツが…スウォルツがオレ等の世界より、自分の野心の為に色々動いてたことに!オレや故郷の世界の人間たちの事などなんも気に掛けて無い事に!

そして…その事に感付いたオレを、スウォルツのヤツは邪魔になると思って躊躇いなく消しに掛かって来やがった!」

 

 

 

 

────────────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

「──ガッ…!?ス、スウォルツ…ッ、貴様…ッ!」

 

「ウェイド…今回ばかりはお前のその有能さが仇になってしまったな。

実に残念だ。お前を…友をこの手で消さねばならんとはな。」

 

「スウォルツッ!貴様、裏切る気か!オレをッ、故郷を…!」

 

「意見は求めん。さらばだウェイド。お前は実に、使える友だった…。」

 

「ッ…スウォルツゥゥゥゥゥゥゥッ!!!」

 

 

 

 

 

 

────────────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

「──どうにか命からがら生き延びたオレはヤツに復讐する為に必要な力を求めて世界を渡り歩き、この世界で見つけた!

この世界を壊した、オレはスウォルツのヤツに復讐を果たす!!長年の恨みッ、今こそ晴らすべき!

その為にもジオウォ!若造のお前如きにッ、オレのリベンジを邪魔されてたまるかァァァァァァァッ!!」

 

<< DECADE >>

 

ウェイドは胸に宿した思いを曝け出しながらアナザーライダー、アナザーディケイドへ姿を変える。余波で空間は震える程の雄叫びを上げながら変わり果てた姿はウェイドの心情を知った所為か、ジオウ達の目には怒りと怨みによって生まれた復讐鬼にも見えて来る。

 

そんな中ツクヨミは、アナザーディケイドから発せられる余波に踏み留まりながら復讐鬼に染まったウェイドに真実を告げる為一歩前に踏みでる。募らせた怨みを向ける相手が、もうこの世に存在しないという虚しい真実で彼を止める為に。

 

「ウェイド!アナタがどれだけ兄を憎もうとその願いは叶えられない!!

兄は…スウォルツは!もう居ないの!!」

 

『…………ア゛?』

 

ツクヨミは告げる。スウォルツがオーマジオウとなるソウゴを付け狙いその力を奪い取って全世界を掌握する王となろうと企ててるも、ソウゴ達の奮闘によってその野望は阻止され、最後は消滅した。

 

最早怨みを向ける矛先がなくなってしまったウェイド。只ツクヨミの話しを静かに聞いてる事しか出来なかったウェイドの頭の中は次第にドス黒い感情が真っ白になっていく。

 

『…………………。』

 

やがてツクヨミからの話が終わるとウェイドは呆然と立ち尽くすだけ。短い時間沈黙の空気が流れ出す。

 

だがそんな空気はツクヨミ達にとって思い掛けない形で破れる。

 

『……プッ…クッ、ッハハハハハハハハハハハハハハッ!!!

ザマァねぇなァ!!えぇッ!?あんだけデカイ口叩きやがってッ、失敗しただァ!?何が王になるだッ!所詮は口だけの大ぼら吹きが!』

 

「ウェイド…。」

 

『そうかァ、ヤツは死んだか…なら死んだアイツがあの世で最も嫌がる事…そうだ。

オレが全世界の王になってやる!スウォルツのヤツに出来なかった野望を果たす事!それがヤツにとって最大のリベンジだ!!』

 

「ウェイド!」

 

「…ふざけるなよ。

死んだスウォルツの復讐の為に王になる?そんな王様なんて、誰も幸せに出来ないし、誰も付いて行かない!」

 

『王とは孤高!圧倒的な力で、誰も寄せ付けない絶対の強者の事だ!!

未来のお前こそ正にソレだッ!最低最悪の魔王、オーマジオウとなるお前こそがな!!』

 

「違うッ!オレはゲイツと、ツクヨミと、ウォズと一緒に、最高最善の魔王になる!!独りよがりの王様になろうとしてるお前なんかに絶対負けない!いや…負けてたまるか!!」

 

『ッ…!ハッ、だから何だというんだ!!粋がるなよガキがッ!!』

 

激昂するウェイドはジオウに向けてブラストの光弾を放とうと両手をジオウ達へ向けた途端、アナザーディケイドに向けて放たれた光弾がジオウ達への攻撃を防いだ。

 

「待たせたなソウゴ!」

 

「ッ!秋!…と、誰?」

 

ゼンリンシューターを手に合流した蓮司と共にジオウ達の元へ駆け付けた秋。秋との再会に喜ぶジオウだが、見知らぬ蓮司の登場に首を傾げる。

 

「ん?あぁコイツね、向こうで言ってた無愛想堅物ロン毛。」

 

「どんな紹介の仕方だ…彩守 蓮司だ。そこの軽薄調子者と同様に別世界から戻って来た。」

 

「オーイ。誰が軽薄調子モンだよこのヤロー。

…そーいや何かビルドってライダーがソウゴの事知ってるみたいだったけど、知り合い?」

 

「ビルドって…戦兎が来てるの!?」

 

「やはり知り合いか…今桐生と万丈はバグスターを相手にしている。」

 

「龍我も一緒なんだ…なんか行ける気がしてきた!」

 

『もう一人まで…ッ!だが幾ら増えた所でオレに敵うものか!』

 

「精々胡坐をかいているがいい。その余裕を直ぐに崩す。」

 

「たっぷりお返しさせて貰うぜ!倍返しでな!」

 

「…私も戦うわ。」

 

<< ジクウドライバー! >>

 

アナザーディケイドと戦うべく、蓮司は戦極ドライバー、秋はマッハドライバーを取り出すと、ツクヨミもジオウと同じジクウドライバーを装着して前に出る姿を見て、二人は目を丸くする。

 

「?何よ?」

 

「い、いや…ツクヨミちゃんも戦うんだーって思って、ちょっとビックリ…。」

 

「……最近の女子は逞しいのだな。」

 

「何言いたいのか分からないけど…私達も行くわよ!」

 

<< ツクヨミ! >>

 

「あ、ハイ。行かせて頂きます!──Let`s!」

 

<< SignalBike/ShiftCar!──Rider! >>

 

「いざ──。」

 

<< メロン! >>

<< メロンエナジー! >>

 

 

「「「変身ッ──!」」」

 

<< RIDER TIME! >>

<< KAMEN RIDER TUKUMI!──TUKUYOMI! >>

 

 

<< DEAD HEAT! >>

 

<< ──ジンバーメロン! ハハァ! >>

 

秋はデッドヒートマッハ、蓮司は斬月ジンバーメロン、そしてツクヨミは仮面ライダーツクヨミへと変身を果たし、ジオウの横に並び立つ。

 

『雑魚が増えた所で…ッ!』

 

 

「そうかなー?女はおっかなくて怖いってよく言うぜ?」

 

「…現に此方は知ってるのでな、怒らせたら怖い女を…。」

 

「それ私の事じゃ無いわよね?えぇ?」

 

「と、とにかく!皆準備出来たし、そろそろ行くよ!」

 

 

『アルピナ!いくらお前でも手加減などしてやらんぞッ!』

 

 

「ウェイド。兄の犯した罪はどうやっても償えない。けど…私はアナタを止める!それが妹の私に課せられた使命よ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、秋と蓮司をジオウ達の元に向かわせ、バグスター、ロードバロンとハートを相手に戦うビルドとクローズ。

 

その戦いは予想された通り、激戦の真っ只中であった。

 

「ウオォォォオオオォォォォォォッッ!!」

 

『ハハハハハハハハハハッッ!!イイぞ!!心が奮える!!もっとだ!もっとオレを熱くさせてみろォォォッ!!』

 

「上等だァ!!大火傷するするまで殴ってやる!!オラァァァァァァッッ!!」

 

ソレを一言で表すなら、殴り合い。避けも受けもせずただお互いを殴り合うだけのシンプルな勝負。

 

身が焦げる程の熱量と、岩をも容易く砕く剛腕から繰り出されるパンチの打ち合いは一歩も引けを取らずにいた。

 

 

『ヌォォォォオオッ!!』

 

「ク…ッ!分かってたつもりだけど、強ぇなコイツ!」

 

グロンバリャムを振るうロードバロンの一撃を、フルボトルバスターで受け流していくビルドだが、その力強い一振りを完全に受け流せず、小さな斬り傷がビルドの体に付く。

 

『当然だ!オレはこの世界をこの力で変える!──弱者の居ない、真の強者だけが住まう世界に!!』

 

「ッ!──だったらァ!!」

 

ロードバロンの掲げる理想に反応を見せたビルドは、フルボトルバスターを捨て、ダイアモンドの成分で作った盾でグロンバリャムの一撃を防ぎ、右腕ゴリラの成分を纏わせる。

 

「そっちが真の強者の世界なら、こっちは────ラブ&ピースの世界だァァァッ!!」

 

『ッ!?──グゥゥゥッ!!』

 

強烈なパンチがロードバロンの腹部に直撃。体をくの字にさせて吹き飛ばされるも直ぐに体制を立て直す。

 

『貴様…ッ!』

 

「生憎だけど、世界を創るってんなら負けてられないんでな!」

 

『面白い!ならば貴様に打ち勝つ事がオレの試練だッ!』

 

ロードバロンとの戦いがさらに勢いを増してく中、クローズは、ハートの繰り出すラッシュに圧され始めてきた。

 

「グ…ッ!?コイツどんどん強くなってやがる!」

 

『どうしたそんなモノかァ!?

出し惜しみならするだけ無駄だぞ!!さぁかかって来いッ!!』

 

「ッ!……ウオォォォオオオッ!!」

 

ハートの挑発に乗っかり最初の時より疲弊した状態で殴りに掛かるクローズ。

 

だが勢いを無くしたその拳は、同時に繰り出したハートの拳に圧し負け、その身に喰らう羽目になってしまう。

 

「グゥゥッ!──どうしたら…!」

 

このままでは形成がハートに傾いてしまうのを危惧したクローズは必死に打開策を探っていく。

 

危機感が募る緊張感を抱きながら、ハートの動きを目で捉える。格闘技を通じて覚えた動き、足の捌き方も、パンチを繰り出すフォームも、全てを注意深く、────集中して。

 

「ッ!───ウラァッ!!」

 

『ッ!?何ィ!?』

 

ハートの繰り出すパンチを、クローズは同じくパンチを繰り出して弾き返した。

先程まで勢い任せた力技ではなく、洗練された無駄のないフォームで繰り出したパンチにハートは舌を巻く暇なくクローズへ攻撃を仕掛けるが、クローズはハートのパンチをスローモーションで見てるかのように、寸でのタイミングで躱しながら重いカウンターを叩き込んでいく。

 

「力が──漲るッ!」

 

『グッ…!』

 

「魂が──燃えるッ!!」

 

『グゥァッ!!』

 

「オレのマグマが──迸るッ!!!」

 

『ガハッ!!』

 

「もう誰にも──止められねぇッ!!!!」

 

『ッ!──グッ、グァアアッ!』

 

思わずガードしたハートだが、クローズはそのガードを崩しハートにダメージを与える。

 

今のクローズは何も考えていない。余計な考えが一切ない極限の集中状態。蓮司から教わったゾーンを、無意識のうちに発動させているのだ。

 

『クッ……ハハハハハハハッ!!やはり仮面ライダーはこうでなくてはな!

まだまだ行くぞォォォォッ!!!』

 

「オォォォォオオオラアアァァァァァァッッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「セァァアッ!」

 

「オラァァッ!」

 

「ハァッ!」

 

『ガァァァッ!』

 

一方のアナザーディケイドの方も、四人のライダーによる猛攻を前に圧され出していくアナザーディケイド。

 

斬月の無双セイバーによる斬撃と、マッハのゼンリンシューターによる一撃同時攻撃から、ツクヨミの地面を滑るスライディングからのキックが炸裂。

 

続けてジオウが、アギトの持つ剣、フレイムセイバーを手にアナザーディケイドへ斬り掛かる。

 

「テェアアッ!」

 

『グァァァッ!』

 

「良し!──秋!蓮司!コレ使って!」

 

<< 鎧武! >>

 

<< ドライブ! >>

 

「ム!──かたじけない!」

 

「お!ハンドル剣!──ノッて来たぁ!」

 

袈裟懸け、切り返し、上段と斬り付けたジオウは、鎧武とドライブのレリーフに触れる。斬月に火縄橙DJ銃を、マッハにハンドル剣を召還して渡す。

 

斬月は無双セイバーと合体させて大剣モードへ。マッハはハンドルのクラクションを鳴らすとブレード部にエネルギーが集まる。

 

「「ハァァッ!!──」」

 

『グゥッ!──グァァアアッ!!』

 

「ハアアアッ!!」

 

オレンジの斬撃と、タイヤ型の斬撃がアナザーディケイドへ襲い掛かる。

 

大ダメージを負うアナザーディケイド。余裕が無くなってきたアナザーディケイドへ、ツクヨミが右手からエネルギーの剣を伸ばし、その身に刃を喰い込ませる。

 

『ガァッ…!ァ、アルピナァ…!!』

 

「ウェイド!アナタみたいな人を王にさせるわけにいかない!!───ハァッ!!」

 

『ガッ…!?ヌオォォ…ッ!!』

 

アナザーディケイドの右肩から左腰まで大きな切り傷を付けたツクヨミ。

 

ツクヨミに与えられたダメージにより、足下が覚束ないアナザーディケイド。好機と見た四人はドライバーに手を掛け、同時に必殺技を繰り出そうとした。

 

「みんな決めるよ!」

 

 

「「「オウ!」」」

 

 

<< FINISH TIME! >>

<< GRAND Zi-O! >>

 

<< FINISH TIME! >>

 

<< ヒッサツ!──Burst! Full Throttle! >>

 

<< メロンスパーキング! >>

<< ジンバーメロンスパーキング! >>

 

 

「これで──!」

 

「終わりだ──!」

 

 

ジオウ達と共に、アナザーディケイド、ウェイドの野望を終わらせようとした、次の瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーキィィィィン…キィィィィン…ー

 

 

「ッ!──この音って…!」

 

「見て!アレ!!」

 

四人の耳に聴こえて来る不快な金切り音。この音の正体を知ってる者からすれば、幻聴で合って欲しいと願う場面であるが、近くに建ってるビルのガラスが波紋の様に歪みだすと、その最悪の生物がガラスから群れを成して姿を現した。

 

青いトンボ型ミラーモンスター、ハイドラグーンの群れを率いる、赤いハイドラグーンが。

 

空を覆う程の無数のハイドラグーンを見て、離れて見ていた神太郎が思い出す。

龍騎のバグスターであるハイドラグーンは悠がシュミレーションゲーマーのスナイプとなって倒した事。今までミラーワールドに眠っていたのか、その存在を確認出来なかったが、最悪な事にこのタイミングで動き出したようだ。

 

ハイドラグーン達は、地上にいるジオウ達に襲い掛かって来る。

 

「うわッ!何コイツ等!!」

 

「数が、多すぎるッ!!」

 

「まさかコイツ等まで復活してるとは!」

 

「クッソ!何でたってこんなタイミングで来るわけぇ!?」

 

 

『ク…クッハッハッハッハッハ!!どうやら運は俺に味方してるようだな!!』

 

 

圧し掛かって来るハイドラグーン達に対抗する四人だが、その圧倒的数の暴力に苦しめられる。

 

苦戦するジオウ達を前に絶好のチャンスを見出したアナザーディケイドは、大きく跳んだ。

 

ディメンションキックを思わせるプレートがアナザーディケイドの前に出現する。プレートが示す先に居るのは、ジオウ。キックの態勢でプレートを通過していくアナザーディケイドは、必殺キックをジオウへと叩き込んだ。

 

「ッ!──ウワァァァァァッ!!!」

 

「ソウゴ!」

 

アナザーディケイドの必殺キックを受けた事により、変身が強制解除される。

その際にドライバーに納まっていたグランドジオウライドウォッチが弾き飛んでしまい、最悪な事にアナザーディケイドの手の中へと納まってしまった。

 

『ハハハハハハハハッ!!最高だ!!こうもオレにとってイイことが起こるとはな!!

ジオウの力、手に入れたぞ!!コレでもう誰もオレを止める事など出来ない!!』

 

<< グランドジオウ! >>

 

「ッ!マズイ!!」

 

「止めろウェイドォ!!」

 

アナザーディケイドのやろうとしてる事を察した斬月とマッハは止めに入るが、それを妨害するかの如く前に出て来るハイドラグーンによって阻止される。

 

そうこうしてる間にも、アナザーディケイドはグランドジオウライドウォッチを自身の体内へ取り込ませると、体から黄金の光と赤黒い電流を放ち、体外へ溢れ出てた凄まじく膨大なエネルギーに臆したのか、ハイドラグーン達は火の粉を避ける様にその場から離れていった。

 

「ク…ッ!止められなかったか!」

 

「ったく冗談じゃねえよ。この期に及んでパワーアップとか。」

 

 

『クククク、フハハハハハ…。』

 

 

最悪な状況に仮面の下で苦い顔をする二人に対し、アナザーディケイドは体に漲って来る凄まじき力に興奮を隠しきれなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場面は過去に戻り、アナザーディケイドの呼び出したアナザーガオウライナーを相手にしているガオウは、決着を決めようとアナザーガオウライナーの真正面からガオウライナーを突っ込ませていた。

 

ーGyaaaaaaaaa!ー

 

 

「喰らってやるぜゲテモノ!」

 

ーGuoooooooon!ー

 

大口を開けて向かってくるアナザーガオウライナーに、此方も大口を開けるガオウライナー。

オーラエネルギーに包まれ一際大きな牙が揃えた大口がアナザーガオウライナーに迫り、その巨大な口でアナザーガオウライナーに噛み付いた。

 

巨大な牙がアナザーガオウライナーの体を食い破り、その頭を噛み千切る。頭を失ったアナザーガオウライナーは爆散し、その爆炎の中からガオウライナーが雄叫びを上げて出て来た。

 

「フゥ…ゲテモノ暫くご免だな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アナザーガオウライナーが破壊されたのを地上で見てたアナザーディケイドは、夜空を走るガオウライナーに向けて関心の念を向けていた。

 

『ホォ?やられたか。流石に一筋縄では行かないか…なら。』

 

 

「クッ…!」

 

「ハァ、ハァ…。」

 

『さっさとコイツ等を始末して直接叩くとするかなァ!』

 

アナザーディケイドの前には、満身創痍のゲイツとウォズが仮面の下で睨むが、それを軽く受け流すアナザーディケイドはゆっくりとゲイツとウォズに向かって行くが、その背後からガッシャーを持ったガオウが奇襲するも右手から生やしたエネルギーの剣で受け止めた。

 

「チッ!」

 

『フハッ!自分が狙われてるのに態々来るとはねぇ!』

 

「マズイ!

灰原 悠!お前はソイツと戦うな!お前が此処で死ねば、未来が悲惨な目に逢うんだぞ!」

 

「じゃあ死なねぇようにコイツをぶっ潰せばいいって事だろ!!顔文字コンビは大人しく見てなって!」

 

「顔文字…。」

 

ゲイツの必死の呼びかけを聞き流しアナザーディケイドと戦闘を始めるガオウ。

ガッシャーで斬り掛かって行くも、アナザーディケイドはそれを遊んでるかのように剣で受け流す等、完全に弄んでいる態度だ。

 

「テメッ、舐めてんのかよゴラ。」

 

『余裕の表れだよ、お前を消すのはそう難しくないと確信が持てたのでなァ。』

 

「ハァ?───っと!」

 

意味深な発言するアナザーディケイドに首を傾げるも、首を狙った一振りを下がって回避し距離を取るガオウ。

 

『ウサギを狩るより簡単さ、そう……こうすればな!』

 

「ッ!」

 

「「ッ!!」」

 

アナザーディケイドが掌から生み出したエネルギーの球体。ソレをガオウに向けるのではなく、満身創痍のゲイツとウォズに向けたアナザーディケイドは、躊躇う間もなく二人に向け球体を放った。

 

「ッ!──あぁもうクソったれ!!」

 

そして偶然か、意図的かは不明だが、二人に向けて放たれた球体の直線状の近くに居たガオウは二人の前に立ち、ガッシャーを盾に球体を受け止めるも、大きな爆発に呑まれ吹き飛ばされ、変身も解除されてしまう。

 

「ッ……ガハ…ッ!」

 

「灰原 悠ッ!」

 

「マズイ…!…このままでは、彼が…!!」

 

『おぉっと!そうはさせないぜぇ?』

 

ゲイツとウォズを庇ったことにより、重傷を負った悠にアナザーディケイドの手がその首を掴み持ち上げる。

痛む体に鞭打って立ち上がるゲイツとウォズだが、悠を盾にされて思う様に近づけずにいた。

 

そしてアナザーディケイドは、手からエネルギーの剣を伸ばし、その切っ先を悠に向けた。

 

『これで、チェックだァ!!』

 

「止めろォォッ!!」

 

 

「ッ!───ガハ…!」

 

無情にも突きたてられた刃は、悠の心臓を貫いたのだった。

 

『これで歴史は変わる!──オレの時代だァ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『フフフッ、ハハハハハハハハッ!!!最高だなァ!!正に有頂天に上り詰めてるぜぇエエエエエエエッ!!』

 

 

「ゥ…ッ!」

 

「お、のれ…ッ!」

 

「ツクヨミ、大丈夫…?」

 

「え、えぇ。なんとかね…。」

 

 

 

その頃の現代は、グランドジオウライドウォッチを取り込んだアナザーディケイドにその圧倒的力の差を思い知らされる変身が解かれる。

 

斬月には召喚したあらゆるアームズウェポンが雨の様に降りかかり、マッハにはイリュージョンとクロックアップによる滅多殴り。

ツクヨミとジオウⅡに変身したジオウには、重加速で動きを遅くさせられてからトイボックスによるミサイルと銃弾の嵐を見舞わせられた。

ダークライダーに加え、平成ライダーの力を手にスペックが上がったウェイドの前に形勢が逆転され窮地に追いやられていた。

 

『ククククッ!あ~ァイイカンジだァ。未熟とは言え時の王者の力は……実にッ、キモチィィッ!!』

 

「ケッ、人のモンパクっていい気になりやがって…!」

 

『ン~~?果たしてお前等が言える事かなァ?

ライダーの力を都合よく与えられて使ってる、ニセモノのお前等如きが!』

 

「「ッ!」」

 

「?…どういう事?」

 

アナザーディケイドの突き付ける指摘に、思い当たる節があるのか僅かな反応を見せる蓮司と秋。その僅かな動揺に疑問を抱いたソウゴは問い掛けて来たのに対し、アナザーディケイドが答える。

 

『あ~、ソレな。アルピナの王家に時を止める力があるのと同じように、オレの家にも代々伝わる力があってね。

オレの目で視た対象のモノの、”歴史を視る”事が出来るっつう力だ。

だからお前等の中で灰原 悠に目を付けたんだよ、お前等の中でアイツが一番力を持ってて、一番強かったからなァ。』

 

「「ッ!!」」

 

『そんでついでにアイツの生い立ちから今に至るまでの歴史を視た。お前ら二人のもな!

まァ運のいい奴らだなァ、偶々体質が特殊だったお陰であっさり仮面ライダーっつうトンでも無い力をホイホイ手に入れられるんだからよォ!

別の世界のライダー達の力を、そんなあっさり使うお前等を、ニセモノと呼んで何が可笑しい!?えぇ?』

 

「ッ……確かにな。オレ等はニセモノだって言われて仕方ねえよ…でもよ!」

 

「偽物だ、使うに値しない身だとしても、オレ達は、お前に屈する訳にはいかない!」

 

「大事な人等や思い出を守りたいから!!」

 

「己に誓った使命と!過ちを繰り返さない為にも!!」

 

 

 

 

 

「「オレはお前/貴様を絶対に倒すッ!!」」

 

 

『ッ!──餓鬼が!』

 

 

「秋、蓮司…。」

 

自分たちが偽物の仮面ライダーであったとしても、その胸に掲げる想いはこの世界で、この世界の住人と触れ合い、立ちはだかってきた強大な困難を乗り越えてきたからこそ堂々と言える。

 

目の前の相手がどれだけ強敵でも、決して諦めない。最後まで戦う意思を持つ強い心は、紛れも無い本物であると。

 

そんな二人の思いに反応したのか、懐に入れてあったライドウォッチが輝きだした。

 

「?…これは。」

 

「悠兄さんの、ウォッチが…。」

 

取り出した武神鎧武とダークカブトのライドウォッチが二人の思いに反応して輝いてるのと同時に、別の場所でもそれと同様の反応を見せている現象が起きていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所はガレージ地下ラボ。

 

そこの一角に置かれたデスクの上に鎮座している強化アイテム。アベルの手によって強固なプロテクトが掛けられてるハイパーゼクターが鼓動のように緑色に発光していた。

 

電流も流れ出すと、ゼクターを纏っていた緑の光は弾け、ハイパーゼクターは意思を持ち出し、ゼクターは強い力に引き寄せられてワープし、ラボから姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ハイパーゼクターは光を放つウォッチの元へ姿を見せた。

 

「ッ!──ハイパーゼクター!?」

 

「黒咲から奪ったアイテムか…!」

 

 

 

 

 

「あっれ!?何でハイパーゼクターが来てるの!?ボクの中で一番強いブロック掛けた筈なのに!」

 

「…まさか、悠君のウォッチがゼクターの意思に強く呼びかけて、ロックを破らせたのか?」

 

 

 

 

 

「…桜井、お前が使え。オレよりお前の方が扱えるだろうしな。」

 

「ロン毛……あぁ、任せておけ。

…悠兄さん、力、借りるぜ。」

 

蓮司に背中を押され、ハイパーゼクターを手に取る秋。

 

そしてダークカブトのウォッチを手に、ウォッチを起動させると、ハイパーゼクターと共に秋の体が輝きだした。

 

<< ダークカブト! >>

 

「───変身ッ!」

 

秋が光に包まれる。今は消えた悠の意思を借りて、光速を超えた速さを手に入れた究極の姿へと。

 

 

<< CHANGE HYPER BEETLE! >>

 

仮面ライダーダークカブトハイパーフォーム

 

 

『何ィッ!?……だが、所詮焼け石に水!!強化形態になった所で…!』

 

「誰がテメェと戦うって言ったんだよ……ソウゴ、オレちょっくらゲイツ達を手伝ってくるわ。」

 

「え…?」

 

『ッ!まさか、お前…!』

 

「そのまさかだよ!──ハイパークロックアップ!」

 

<< HYPER CLOCK UP! >>

 

ダークカブトの纏うヒヒイロカネの強化された装甲ヒヒイロノオオガネのアーマーが展開されると、ダークカブトは光に包まれて消えた。

 

時間を飛び越え、全てが狂いだした過去へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『───これで、チェックだァ!!』

 

「止めろォォッ!!」

 

アナザーディケイドの剣が、悠の心臓を突き刺されようと迫るが、ゲイツ達では既に止める事が出来ない。

 

切っ先が肉に喰い込もうとされるその瞬間。アナザーディケイドの腕が横から掴まれ、切っ先が触れた所で止まった。

 

『何ィ!?』

 

<< HYPER CLOCK OVER! >>

 

「ウラァッ!!」

 

『ガ…ッ!?』

 

アナザーディケイドの顔面にパンチを見舞わすダークカブト。その拍子に放された手から悠を取り戻し、気を失ってる悠を静かに地面へと降ろした。

 

「アイツは!?」

 

「アレは、ハイパーフォーム…しかもダークカブトのとは、非常に珍しい。」

 

 

 

『貴様ァ!邪魔をしやがって!!』

 

「当然だろ。こっちは悠兄さん死なせねえ為に態々過去にまで来たんだ。とことん邪魔してやるぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





今週はココまで、次回が遂にフィナーレです。


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