その男が進む道は・・。   作:卯月七日

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今回はようやくタイトル通りあのライダーが。


破壊

 

 

 

「驚いたぞ?まさかお前が一週間近く無断欠席した挙句、その理由が自分探しの旅の途中にバイクで転倒してしばらく身動きが取れなかったと?

私としてはお前がこんなことするような奴だとは流石に思わなかったよ、えぇ、灰原?」

 

「あー、…すみませんでした。」

 

体が全快になった悠に待ち受けていたのは昼休みの時間に担任の那月の持つ部屋にてお説教という名の取り調べだった。

 

さすがに異世界に行って、そこに居る怪物相手に限界来るまで戦っていましたとは言えず何とかそれなりに話を誤魔化して最終手段を取ろうとしていた。

 

「あの、これこの間言ってた紅茶です。

良かったらどうぞ。」

 

「なんだ、教師をモノで釣ろうとしているのか貴様は。」

 

「いえいえ、日ごろお世話になってる気持ちです、気持ち。」

 

「ふん。」と言って茶葉の入ってる缶の蓋を開け中身を確認する。

中から色々な茶葉を混ぜたであろう香りが那月の鼻に漂う。

 

「ほうブレンドか。お前が紅茶に詳しいとは意外だな。」

 

「いや知り合いに紅茶に詳しいのが居るんで、ソイツの力作らしいの持ってきました。」

 

「……ふん、まあいいだろう。

罰に英語のレポート三十枚今週の内に提出しておけ。」

 

「はい。」

 

機嫌をよくしてくれたかどうか分からないがこの手はかなり使えることに内心ガッツポーズを取り部屋から出ていく。

部屋から出るとすぐ側に壁にもたれ掛った一子とゼノヴィアが悠を待ってたらしく姿を見るやすぐさま近づいてきた。

 

「ユウ!怪我してたって言ってたけどホントに大丈夫なの!?」

 

「大丈夫です。でなきゃココに来てないから。」

 

「でもそれを踏まえたって一週間だよ、一週間!

一体何があったらアタシ達に何も言わず休む必要があったのさ!?」

 

「まあ待て一子。

ユウにも何かしら事情があるのだろう。ここは無理に聞かず彼から言ってくれるのを待った方が得策だと思うぞ。」

 

「でも・・・。」

 

「あぁ分かった分かった。何も言わなかった詫びに今日の昼飯奢りますよ。

ゼノヴィアも来るだろ?」

 

「あぁ、お言葉に甘えてもらうよ。」

 

「だからアタシを置いて二人で話勧めないでくれない!?

それに何でアタシは名前で呼ばないでゼノヴィアは呼んでんのさ!?」

 

「だって君達二人とも名前川神じゃん。」

 

「だったらアタシも名前で呼んでよ!」

 

「いやなんかこっちの方がしっくり来る。」

 

そんな話をしながら歩く三人の前に近ずく二人組がおり。その内の一人が悠を呼び止めた。

 

「灰原。お前何やってんだこんな所で。」

 

「暁。」

 

悠の前に居たのは那月に呼び出された古城と雪菜。

悠を呼び止めた古城の質問に取りあえず答える。

 

「呼び出しだよ。この前の無断欠席にレポート三十枚だとさ。」

 

「お前那月ちゃん相手にそれで済んだのかよ、一体どんな手を使ったんだ?」

 

「別に、自称英国の帰国子女からのお届け物をしただけさ。」

 

「‥ってそれ賄賂ですよ!灰原先輩!」

 

どこからか「自称じゃないデース!」と言う声が聞こえたが聞き流して雪菜の言葉に訂正を加える。

 

「いや、俺と南宮先生には前から紅茶の葉を送る約束をしていた。

今回は偶々渡すタイミングが被っただけの話ってことだよ姫柊さん。」

 

「なんかすごい屁理屈に聞こえるけど反論しづらいですね。」

 

「いや、飲まれるなよ姫柊。おまえ完全に弄ばれてるぞコイツに。」

 

「弄ぶとはとんでもない。

時に二人こそなんでココに?ココは特に先生の自室しかないが‥。

あぁそうか遂にヤルとこまでヤッたからその注意を受けに…」

 

「違えよ!!、ただ俺達は那月ちゃんに呼ばれただけだっつうの!」

 

悠の言った解釈に古城を除く女性陣が首を傾げるなか古城は大きく否定した後頭を搔きながらしみじみに言う。

 

「…なんか久しぶりだなこういうの。

最近お前と碌に話すどころかお前一週間も休むしよ。」

 

「なんかそれ遠山も言ってた気がするよ。

まあ、休んだことは事情があったとしか言わんが、それまでは偶々だよ偶々。」

 

「…なぁ灰原、お前…」

 

古城が悠に何か聞こうとしたところに先程悠が出ていった部屋の扉が開き中から小さな影が出てくる。

 

「中から丸聞こえだぞお前等。

それと暁と姫柊、近くに来たのなら余計なお喋りをしないでさっさと来い。」

 

那月に言われて渋々部屋に向かう古城とそれに着いて行く雪菜。

通り過ぎた古城に悠は振り返らず古城に言う。

 

「そういえばこの前遠山が言ってたんだけど、今度また三人で話し合おうぜ、だってさ。

 

「・・・そうか。まあまた遠山の愚痴がメインだろうなあ。」

 

「だろうねぇ。」

 

二人はそれだけ言った後今度こそ別れた。

 

 

_______________________________________

 

 

 

 

「それで一体何の用なんだよ那月ちゃ・・痛!」

 

「教師をちゃん付けするな。

なに別に大した要件ではない。ただ下手に首を突っ込む前に今の内に言っておこうと思ってな。」

 

「それって忠告みたいなものですか?」

 

「そんなところだ、どこぞの誰かが黒死皇派のいざこざに首突っ込んだせいで後処理が大変だったからな。」

 

「うっ。」と言う感じに気まずい感じになる古城と雪菜を余所に先程悠から受け取った紅茶を飲む那月。

いち早く回復した雪菜が那月に問う。

 

「そ、それで、忠告の内容は?」

 

「あぁ、と言うかお前の所からも来てるんじゃないか?

近頃確認されてる異能者の騒ぎを。」

 

「それって、確認されてない異能者の大量犯罪者のことですか?」

 

「大量犯罪?」

 

雪菜の言葉にようやく我を取り戻した古城が雪菜に聞く。

 

「えぇ、今まで確認されてない魔術や超能力、時には魔獣を使った犯罪率がここ最近急激に増えてるんです。

その為獅子王機関からもその件についてかなり手こずってる事件もあるそうです。」

 

「しかもそれが起きる所は何の偶然かこの街に集中してるらしい。

そのうえ私の追跡からも逃げ切る奴らと来ればかなり厄介この上ない。」

 

「おいおい、まさか最近起きた誘拐事件やバラバラ事件も‥」

 

「あぁ、恐らくそれだろうな。」

 

「‥‥南宮先生。

まだこれには続きがありますよね?」

 

「姫柊?」

 

「はぁ、やっぱりお前の所も掴んでたのか。

…仮面の男を。」

 

「仮面の男?一体何の話してんだよ二人とも。」

 

「…異能者の話が広まった後に機関が掴んだ情報なんです。

さっきの犯罪を犯してる異能者を消している仮面を着けた全身鎧の男が居るって。」

 

「消すって…殺してるってことか?」

 

「そうだ、しかも功魔官や姫柊の所属してる組織が返り討ちにされた厄介な奴を簡単に消すほどの実力を持ってると聞いてる。

おまけに人外の三大勢力もコイツの事を血眼になって捜すほどかなり厄介な相手らしい。」

 

「マジかよ…」

 

「実際に目撃証言がある。

この学園を起点にテロを犯そうとした堕天使幹部を倒したことや、武偵二人が追跡中の異能者を追ってる最中に遭遇したとかな。」

 

紅茶を飲みながら言う那月の言葉に何も言えなくなる古城。

この空気を変えようとしたのか雪菜はこの場に居ない者について那月に聞き出す。

 

「先生、そういえばアスタルテさんの姿が見えないんですが。」

 

「アイツには今その異能者を追ってもらってる最中だ。」

 

「っておい!さっきの言ってたヤバい奴らにアスタルテ一人で追わせたのかよ!?」

 

「勘違いするな、追ってるとは言っても確保までいけとは言って無い。

ただのパトロールみたいなものだ、…それに。」

 

「それに、何だよ?」

 

「その追ってる相手が態々自分の事をこう言ってたんだ。

…ホムンクルスとね。」

 

 

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「ふィ~~。今日も中々だったぜぇ。」

 

場所は港の空き倉庫。

そこにポツンとあるマットの上に上半身裸の男がズボンのベルトに手を掛けながら、全裸で寝ている女性を前に立っていた。

 

「ううっ、‥グスッ。」

 

「おいおい、たかが処女奪われただけだろう?

いちいちそんな事で泣いてちゃ女が廃るぜぇ?」

 

「まるっきり強姦魔の言うセリフだな。」

 

後ろから掛けられた声に振り向く男。

そこには倉庫の壁にもたれ掛りながらこちらを見ている悠の姿があった。

男が悠に気を取られている間に女性は落ちている服を拾って別の出口から逃げていき倉庫内には悠と男二人だけとなった。

 

「おうおうコイツはまさか噂の転生者殺しが俺の前に来るたあ驚きだねオイ。」

 

「白々しい、俺がお前の前に来たってことはそれなりの悪さ働いてんだろうがよ。」

 

「ハハ、違えねえや。」

 

悠が近ずきながらも一向に構える様子のない転生者に警戒しつつ距離を詰めていく悠。

すると転生者の姿が一瞬の内に消え、剣を抜きながら背後に振り返ると黒く硬化した腕が悠を貫こうとしたがギリギリのタイミングで受け止めることが出来た。

 

「ヒュ~。ヤルねえ。今のは完全に不意を突いたつもりだったんだが。」

 

「生憎気配に敏感でね。」

 

剣で硬化した腕を弾いて距離を取り一触即発の空気に変わる。

 

「言っとくがオレはそんじょそこいらの奴とは格が違うぜぇ?

今までお前が相手してきたのがどんなのか知らねえが本気で掛かってこないと死ぬぜ。」

 

「そうか、なら。」

 

剣を収めて懐から取り出したのはカメラの様なバックル[ディケイドライバー]。

腰に当て銀のベルトが巻き付き両側の再度バックルを引いて、腰についてるカードケースのような形状の付属武器[ライドブッカー]から一枚のライダーカードを取り出す。

 

「初のお披露目だ、しっかり目に焼き付けとけ。

・・・変身。」

 

<< KAMENRIDE DECADE! >>

 

カードをベルトに入れサイドバックルを押すと十五の残像が重なり、一人の戦士が現れる。

 

その姿はディケイドだがディメンションビジョンが禍々しい物に変わり、額のシグナルポインターが紫に光った姿。

 

 

 

真の破壊者[仮面ライダーディケイド 激情態]

 

 

 

 

「おやおや随分変わっちまって、それなら。」

 

変身したディケイドに釣られて転生者も自身の姿を変化させ、全身黒の硬化した状態になり首を回す。

 

「ふう~、久々に成るけどやっぱブサイクだなこれ。

んじゃまさっさと終わらせるかぁ!」

 

全身硬化した状態でディケイドに突撃する転生者。

ディケイドはライドブッカーから一枚のカードを取り出してドライバーに入れる。

 

<< ATTCKRIDE ARMS・WEAPON! >>

 

<< 無双セイバー! >>

 

<< 大橙丸! >>

 

ドライバーから鳴り響いた音声と共に現れた無双セイバーと大橙丸を持って応戦するディケイド。

剣と腕が打ち合う金属音は倉庫内に響き、両者一歩も引けとらない状態であり。

ディケイドは無双セイバーと大橙丸を合わせたナギナタモードを振るって転生者に斬りつけていき、ダメージを味あわせる。

 

「クソッ!」

 

一旦距離を取って体制を変えようとする転生者だがそれを態々許すディケイドではなかった。

 

<< 影松! >>

 

<< クルミボンバー! >>

 

<< ドンカチ! >>

 

<< イチゴクナイ! >>

 

<< バナスピアー! >>

 

<< キウイ撃輪! >>

 

出現させた空中に浮かぶアームズウェポンを転生者に全て撃ちだす。

腕を交差して全てのアームズを受けきって耐える転生者だが、体に伝わる威力までは防げなかった。

 

<< ソニックアロー! >>

 

耐え切った転生者が聞こえてきた音声に上を見るとソニックアローを持ったディケイドが斬りかかって来たので、寸での所でアークリムを掴んで止めたが至近距離で弦を引いて矢を放たれてモロに喰らってしまい、後ろへ下がった。

 

「がはっ!、オレの硬化が‥」

 

「いくら硬くても伝わる威力までは防げないようだな。」

 

「まだだ!オレの力は硬化するだけじゃねえぞ!」

 

転生者は硬化を解いた状態になり、最初の時の様に姿が消える。

すると突如ディケイドがピンポールの弾の様に弾かれながら攻撃されて、しばらくしたら攻撃は止み転生者の姿が見える様になった。

 

「どうよぉオレのスピードは、速すぎて目が追い付かなかっただろ?」

 

「ハッ、目に追いつかないっていうのはこういうスピードだぜ?」

 

<< ATTCKRIDE CLOCK・UP! >>

 

ディケイドがカードを入れると先程の転生者と同じように姿が消える。

転生者ももう一度高速移動に入り端から見れば二人が動いてる跡が砂埃で舞い上がり、周りの視界を奪っていく。

 

するとライドブッカーのソードモードを持ったディケイドの姿が見える様になり、それに続いて転生者も姿を表したが、胴に×印に斬られた跡があり片膝を着いていた。

 

「クソがぁ、だが残念だったなぁ。

オレはホムンクルスだからよぉ、この程度の傷なんか…!!!」

 

振り返り余裕の笑みを浮かべる転生者だが、一向に再生しない傷跡に驚愕の表情に変わる。

 

「ぐうぅ!どういうこった。なんで再生しねえ!

オイ!テメエ一体オレに何しやがった!?」

 

「別に何もしてねえよ。

ただお前の体が治らないのは、今の俺が真の破壊者だからじゃないか?」

 

ディケイドが告げた答えに信じられないと言う顔になる転生者。

そんな転生者にディケイドは言う。

 

「何を信じられないって顔してるんだ?

よく言うだろ、あり得ないなんてことはあり得ない。

今まさにこの状況がそういう意味ってことじゃないか。」

 

「テメエ、…ふざけんじゃねェェェェェ!!!」

 

逆鱗に触れたのか、転生者の姿が人ならざる者に変わっていき頭部は犬の様な形状に長い髪があり、体中に人の顔が浮かび上がった巨大な四足歩行の生物になった。

 

「テメエは殺す!本当はこんな姿に為るつもりはなかったが、どんな手を使ってもテメエを殺すことに決めたぜ!」

 

「そうかい、やれるもんならやってみな。」

 

<< ATTCKRIDE ILLUSION! >>

 

ディケイドの姿が四人になりライドブッカーを構えて三人がソードモードを構えて突撃する。

 

残ったディケイドは三枚のライダーカードを取り出す。

 

カードの裏にはダイヤのマークが入った二枚とクローバーが描かれたカードを一気にドライバーに挿し込んだ。

 

<< ATTCKRIDE BULLET!>>

 

<< ATTCKRIDE RAPID!>>

 

<< ATTCKRIDE POISON!>>

 

ドライバーからアルマジロ、キツツキ、サソリのホログラムがディケイドに吸収され、ライドブッカーのガンモードで転生者を撃ち抜く。

 

三人のディケイドがタイミングよく離れ、放たれた弾丸は全て転生者に当たる。

 

喰らった転生者は突然苦しみだし、体を抱きながらもだえ苦しむ。

 

そんな転生者を見て、三人のディケイドは魔方陣が描かれたカードを同時に発動する。

 

<< ATTCKRIDE EXPLOSION! >>

 

<< ATTCKRIDE EXPLOSION! >>

 

<< ATTCKRIDE EXPLOSION! >>

 

三人のディケイドが手を翳すと魔方陣が転生者を囲み、そこから爆発が起きて熱と爆風が転生者に容赦なく襲う。

 

「ぐあああああっ!!!」

 

爆発が止んだころには転生者の姿は元の人間大に戻り、体中は焼けた跡が痛々しく残っており、また最初に撃ちこんだ毒の苦痛も残っていた。

 

ディケイドも分身が消え一人になり、転生者に止めを刺そうと金の縁取りのカードを手にした。

 

「ま、待て!降参だ!

オレはアンタに敵わないって十分わかった!

だから、アンタの下につかせてくれ!

頼むこの通りだ!」

 

命乞いをする転生者にディケイドは最早見飽きたという溜息をこぼす。

 

「悪いなあ、そういうのは俺じゃなくて閻魔の元に行って頼んで来い。」

 

<< FINALATTCKRIDE DE,DE,DE,DECADE! >>

 

無慈悲に答えたディケイドはカードを入れて必殺技のディメンションキックを発動する。

十五のカードが転生者の前に現れ、高く跳んでカードを潜りながらキックを喰らわす。

 

「タアッ!」

 

「ぐあああああああっっっ!」

 

キックを喰らった転生者は爆散し、この世から消えていった。

 

仕事を終わらせたディケイドは引き上げようとするが、突如灰色のオーロラが出現しオーロラから出て来たのは、白と黒とマゼンタのカラーリングが施されたディケイドの専用マシン[マシンディケイダー]が主の出現に答える様にエンジン音を響かせていた。

 

(これも鳴滝からの贈り物か?)

 

ディケイダーに近ずき少し見た後に、跨ってアクセルを捻るディケイド。

そのまま主を乗せたディケイダーは倉庫を後に消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




このディケイドにはオリジナルのカードを出してみました。
次回、物語は一歩前に!?
お楽しみに。
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