その男が進む道は・・。   作:卯月七日

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すみません、エピローグだと言ったけど。
ごめんなさいまだ少しだけ続きます。




 

ファントムの出現から翌日。

 

あの後悠は迎えに来た天龍によって空港を後にし、ラ・フォリアも無事に空港を後にした。

 

目が覚めた悠は既に自宅に居り朝日を見て古城達の事を思い出し、上司からの報告によると古城達は自宅のマンションに立て籠もるように籠城していると聞いたので自分の安全報告を兼ねて古城のマンションへと向かい、今現在ドアの前に居る訳である。

 

(そういえば俺結構ヤバい事言いまくったなあ、グールの事やらファントムやら。)

 

ドアの前であの時の事をそう誤魔化そうか考えるが中々いい案が思い浮かばず。

 

(・・・よし、こうなったらその場任せでいっか。)

 

考えることを放棄したようである。

 

インターホンを鳴らし誰か出るのを待つ。

今日は週末だから午前中でも誰か居る筈であり、ましてや昨日の事もあって下手に外へは出てないだろう。

 

「はい。」

 

「あー、灰原です。」

 

「ゆーくん!?昨日どうしたの!?急に来れなくなったとか言って、携帯にも出ないし!」

 

「あぁ、ゴメン。ちょっと急な用事が出来ちゃって電話に出られない状況だったんで。」

 

「もーそれなら一言連絡入れてもいいじゃない!これじゃあ携帯の意味が、あれ雪菜ちゃんどうしたの?・・・えっ、変わってほしいって・・・うんじゃあはい・・。」

 

出たのは凪沙のようであり、凪沙の様子から昨日の事は伝わって無いと見られドアの向こうでは中に居る雪菜が通話を変わって欲しいと頼んだようだ。

 

「灰原先輩ですか?」

 

「あぁ。」

 

「昨日あの後どうしたんですか?」

 

「突然違うとこに飛ばされたと思ったら、あの牛野郎の姿が無かった。

万が一を考えてしばらく周りを捜しながら身を隠していたけど、一向に変化が無かったからココに来たわけ。」

 

「どうして私達がココに居ると思ったんです?」

 

「消去法だよ。君達が向かいそうな所を考えて取りあえず先ずはココに来た。

もし居なかったら凪沙ちゃんに暁か姫柊さんの携帯番号聞いて居場所を聞くつもりだった。」

 

「では最後に聞きます。

灰原先輩、貴方は本物の先輩ですか?」

 

「YES。」

 

向こうはどうやら悠が偽物かどうかを確かめてる様であり、悠は質問に即答で答えていく。

答えた後はしばらく何も来なかったが、しばらくしたらインターホンからまた違う声が聞こえてくる。

 

「灰原。」

 

「暁か。」

 

「・・・お前オレに何回腹パンした?」

 

「確か、二回だっけ。初めて会った時と君が俺と凪沙ちゃんの事を聞いたときに。」

 

「じゃあ、体育館近くの自販機でよく話しを聞くヤツは?」

 

「体育館じゃなくて中庭近くの自販機でしょ。

遠山キンジ、あと大体聞く話は相方の愚痴。」

 

「じゃあ次に那月ちゃんの部屋の前で話した内容は?」

 

「無断欠席のレポートに自称英国の帰国子女からの紅茶葉、遠山の愚痴話について。

あとあの場にゼノヴィアと川神さんも居たね。」

 

古城からの質問に難なく答える悠。

するとドアの鍵が開く音がし、中から古城が扉を開いて顔を出す。

 

「取りあえず入れよ。姫柊も何とかお前の事信じてくれたみたいだからさ。」

 

「あぁ。」

 

中へ入るとそこには雪菜と朝食の支度をしている凪沙の姿があった。

 

「あっ!ゆーくん折角昨日はアタシが腕によりをかけてご飯作ったのにいきなりドタキャンなんて酷いよ!」

 

「本当にすみません。」

 

「・・・まっ、取りあえず朝ごはんまだでしょ?ホントは昨日食べてもらいたかったけど、朝ごはんは食べていくよね?」

 

「・・・いただきます。」

 

「よし!じゃあ夏音ちゃんも起こして皆で食べよっか!」

 

そう言って、キッチンに向かい朝食の支度を進める凪沙。

悠はこの場に居ない夏音について聞き出そうとする。

 

「暁。叶瀬は?」

 

「まだ寝てる。

昨日凪沙にばれない様に無茶して誤魔化してもらったから。」

 

「灰原先輩。とりあえず叶瀬さんの所に行ってあげてください。

ずっと先輩の事心配してたようでしたから。」

 

「あぁ。」

 

悠は夏音が居る部屋の前に立ち、ノックするが返事が無い。

古城達に目を向けて雪菜が部屋に入り、しばらくしたら雪菜が「入っても大丈夫ですよ。」と顔を出してきたので部屋に入る悠。

 

そこには来客用の布団に凪沙から借りたのか薄ピンクのパジャマを着た夏音がまだ寝ているようであり雪菜が見てるなか悠は夏音を起こす。

 

「叶瀬、叶瀬起きろ。もう朝だぞ。」

 

「うっ、ん~~。」

 

小動物のような仕草で目を擦りながら起きてくる夏音は起こした主に目を向けて次第に目が覚めて来たのか悠を見て目を見開いてた。

 

「・・・お兄さん?」

 

「あぁそうだ。」

 

目の前の人物が悠だと分かった瞬間、段々と目から涙が出て悠はこれに戸惑う。

 

「あー叶瀬、大分・「お兄さーん!」・ぶっ!?」

 

悠が口を開いた瞬間夏音は悠の鳩尾の辺りに突っ込み悠は思いがけない攻撃に反応できなかった。

 

「よかったです!お兄さんまた無茶して死んだかと思いましたでした!!」

 

「あ・・あぁ、・・ご覧の通り・・・無事です。」

 

「説得力ありませんよ灰原先輩。」

 

悠にしがみついて泣き顔になりながら顔を押し付ける夏音に悠は思いのほかダメージを喰らい顔が青くなりながらも夏音をあやす光景に雪菜は思わず突っ込んでしまう。

 

「ほら、取りあえず顔洗ってそのブサイクな泣き顔直して来い。

もうちょいしたら凪沙ちゃん朝食にするって言ってたから。」

 

「グスン。・・はい。」

 

渋々悠から離れ洗面所に向かう夏音。

その時、雪菜の携帯に着信が入り、雪菜はそれに出る。

 

「もしもし・・紗矢華さん?どうしたんですこんな時間に・・・えぇ・・・・えっ、叶瀬さん!?・・・はい、でもどうして・・・・・えぇっ!!?」

 

雪菜の会話から見て、夏音の血筋について聞いているのだろうと推測する。

 

しかしまた新たな疑問が、このタイミングで雪菜の元に情報が来ると言う事は雪菜はそれなりにデカい組織についてると言う事になる。あの晩グール相手に見せたあの立ち回りが何よりの証拠だ。

 

そして一番疑問に思う事がもう一つ、雪菜が組織の者ならば古城は?

雪菜が古城といつも一緒に居る事を考えると自然と古城も何か裏がある事になる。

あの時ミノタウロスを殴った時、普通ならば唯の人間が思い切りファントムを殴るなど厚い鉄の壁を思い切り殴るのと一緒だ。なのに古城は特に腕にヒビが入った様子も見られずミノタウロスに壁に叩き付けられても自分と比べ負ったダメージが少なかったようだった。

 

そして疑問に思ってるのは向こうもだろう。

あの晩突如来たグールとファントムについて知ってる事を口に出してしまい、今は信じてるようだが別れた後の行動もその場しのぎに言っただけでそれを証明する決定的な証拠が無い。

 

(これは本気で対処しなきゃヤバいかな?)

 

昨日の行動から悠が仮面ライダーであるという事がバレる可能性が強くなってる事に若干焦るがそれを目の前の雪菜に悟られない様にポーカーフェイスを貫く。

 

「分かりました。それじゃまた後で。」

 

雪菜の電話が終わって悠はさり気無い感じで先程の電話について聞き出す。

 

「さっきの電話誰から?なんか叶瀬の名前が出て来たけど。」

 

「え?、あ、あぁ。知り合いの人が叶瀬さんについてちょっと用があるみたいで。

・・・それはそうと先輩、何か私に言う事があるんじゃありません?」

 

「・・・何かな?」

 

「昨日の魔獣。あれからこちらで色々調べてみたんですけど該当するものが一切なし。

でも先輩はあの魔獣について知っていた。」

 

二人しかいない部屋の中が重い空気で満たされる。

悠が口を開こうとしたその瞬間。

 

「おーい、そろそろ朝飯出来るって・・言ってんだけど。」

 

重い空気を部屋に入ってきた古城がぶち壊し、二人の警戒が解かれる。

 

「・・・まぁ今は止しましょう。

でも灰原先輩。いずれ話してもらう機会を作りますので逃げないでくださいね?」

 

「いいよ。俺も色々聞きたいことがあるからね。」

 

(えっ、なにこの空気?)

 

とりあえずこの場を収めて部屋を出る二人に古城は付いて行けず戸惑うばかりであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はいゆーくん。あーん。」

 

「いや自分で食べれますから。」

 

「むーー。」

 

「灰原ァ!」

 

(・・・ホントにこの人何者なんだろう?)

 

この日の朝食は賑やかだったと言う。

 

 

 

 

 

 

 





次回お楽しみに!
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