その男が進む道は・・。   作:卯月七日

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始動

 

 

 

 

「聞きましたよドクター、仮面ライダー君と闘ったんですって?」

 

「…態々呼び出したと思えば耳がお早い事で…。」

 

自身のラボの一室でドクターこと番堂 天治は組織をまとめる大臣との通信をしている。

ドクターが作ったテレビ電話タイプの通信で電波も引っかからず映像越しの大臣は自身の部屋である書庫の中で本を読みながら此方と話しているようだ。

 

「まぁこれでも一応組織を束ねる者として部下の行動は逐一把握してるので。

あぁ心配せずともプライベートに関しては一切ノータッチですよ。流石に私も分をわきまえてますから。」

 

「そう、これでYESと言ってたらキミの個人情報をネットにバラ撒く所だったよ…。

えぇ、戦いましたよ彼とそれが一体何か?」

 

「どうでした?彼の為に戦力増強の為に計画してたロイミュード製造の計画に一部変更を加えた成果は出ましたか?」

 

「お陰様でね。計画は大成功、イレギュラーは入ったが彼を見事に打ち負かしたさ。」

 

「そうですか、それは何よりですねぇ。

…彼のデータの他に私やキング、ジャッジやラヴァーのデータも大いに役立ったようで…。」

 

「!」

 

大臣の言葉にドクターは一瞬顔色が変わり通信越しとは言えその場に何とも言えない空気が漂うなか、大臣は読んでいた本を閉じドクターに話し出す。

 

「おや、珍しく動揺してますね。そんなに私が知ってる事に驚きましたか?」

 

「…いや。」

 

「そうですか、話を戻しますが仮面ライダー君ならともかく何も言わず私達のデータを取った事については少々勝手が過ぎますよドクター?」

 

「…ボクがキミ達のデータを取った理由は聞かないんだね。」

 

「フフフ、まさか。私は我々のモットーである個性を大事にしてるまでです。アナタがデータを勝手に取った事は少なからずそれなりの理由が有っての行動だと私は思ってますよ。」

 

「そう、ならこの件についてはお咎めなしと思っていいのかな?」

 

「いいえ、流石にそれだと他の者達の不況を買いかねないので、そうですねぇ……アナタには逃げられた仮面ライダー君を仕留めてもらいます。」

 

「ボクがかい?その程度なら此方としては問題ないが…。キング辺りが文句を言って来ると思うけど…。」

 

「私から言っておきますよ。近々本格的に動きますのでそれに彼を参加させれば問題は無い筈ですよ。

彼も組織の一員ですからそれなりの見返りを用意してあげればちゃんと言う事を聞いてくれますよ。」

 

「そう。ならボクはボクなりにやらせてもらうよ。」

 

話は終わったと思いドクターが通信を切った様子を見ながら、大臣は閉じた本を再び開き読み始めた。

 

「…ふう、この立場も色々疲れますねぇ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり島津寮。

そこでは寮に住んでいる大和達や普段川神院で住んでいる一子とゼノヴィアがたまに大和達と食事するなか

 

「遅いなぁゲンさん。今日仕事早く終わるって言ってたんだが…。」

 

「何か有ったんでしょうか、私の時みたいにあの機械の怪物に襲われていたりとか…。」

 

「いやそれは無いよ。さっき電話有ったんだ、少し遅くなるからメシは先に食ってろって。」

 

「ふ~ん。急な仕事でも入ったのかな?あと大和、結婚して。」

 

「お友達でお願いします。」

 

そんなやり取りをしながら食事を進めていく最中にクリスがふとした気持ちで口を開く。

 

「そういえば今日街を歩いてたら、親不孝通りから何か爆発するような物音が聞こえたのだが皆どう思う?」

 

「どうって…何が?」

 

「…もしかして、仮面ライダーの事を言っているのか?」

 

大和がクリスの言葉に首を傾げるなかゼノヴィアは少し考えた後クリスの言おうとしている会話の内容を言い当てる。

 

「あぁ。あの川原の出来事が未だに信じられず鮮明に頭に残っていてな。モロ程じゃないが自分でも調べる様になってしまったのだ。」

 

「あ~俺がバイトに行ってる時か~、俺が居ない時に遭遇するとかお前らどんだけ運が良いんだよってガクトとモロが言ってたよなぁ~。」

 

「そうは言うけどなキャップ。あの時は大変だったんだぞ、姐さんは機械野郎に歯が立たなかったし皆でやろうにも変な現象…どんよりだっけ?ネットで広まってるどんよりの前に最悪生きてるかどうか分からなかったんだぞ?」

 

「ホントそうよね。お姉さまもやられた時は本当に焦ったわよアタシ…。」

 

「…あのぉゼノヴィアさん、一つ聞いてもいいですか?」

 

「ん?何だ由記江。」

 

「…あの時状況が状況で言い出す機会が無かったんですけど……川原の時、私達が仮面ライダーさんを前に圧巻してるなかゼノヴィアさんだけ何と言いますか……観察と言うか初めて見たと言う目をしていなかったと言いますか…。」

 

「おぉ!言いたいことが言えるようになったなまゆっち!この前の一件でかなり成長したようだぜぇ!!」

 

「…フム。まぁ別に隠す事も無いか。実は私はあの時よりも前に仮面ライダーを見た事が有る。」

 

「「「「「「…えぇッ!?」」」」」」

 

由記江の疑問に少し考えた後ゼノヴィアは何の躊躇も無く自身に有った出来事を口にする。

突然の告白に大和達が揃って驚愕の声を上げるなかゼノヴィアは黙々と出されてる料理に手を付けている。

 

「オウ、今帰ったぞ…何だこの空気…。」

 

「あ、お帰りゲンさん。」

 

場の空気が驚愕の事実に包まれてるなか同じく島津寮に住んでいる源 忠勝が来たことにより固まってた全員が一斉に視線を向ける。

 

「おうゲンさん、えらく時間掛かったようだけど何かあったのか?」

 

「別に何でもねえよ。お前等に言う程じゃねえさ。」

 

「…!、ゲンさんそれ……。」

 

翔一が遅くなった理由を聞こうにもぶっきらぼうにはぐらかすなか、京が忠勝の来ている上着に付いてるモノに気付く。

京が指差した所には肩口に点々と付いている赤い斑点。

 

「あ?、あぁ、あの時付いちまったか…。」

 

「ゲンさん、それ返り血?」

 

「……ハア、別に良いか。ケンカじゃねえぞ、親不孝通り前に怪我人が居たから病院に連れて行ったんだよ。」

 

「もしかして、それが原因で帰るの遅くなったの?」

 

「あぁ。」

 

「何だよ!何か帰って来た時しかめ面してたから何か有ったと思っちまったぜ!」

 

「……まぁな。メシの前に着替えてくる。」

 

そう言って忠勝はその場を後にし、大和達も食事を再開したが

 

(…タッちゃんなんでアタシの顔見てたんだろ?)

 

一子が一瞬忠勝の目が自分に向けて何か迷うような視線に気付いたのは一子とその場に居た僅かな人間であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(…あれは一子に言うべきじゃないか…。)

 

自身の部屋で忠勝は着替えながら先程までの出来事について考えていた。

 

早めに上がった仕事からの帰宅中に今日はやけに騒がしかった親不孝通りの近くを通った時に偶々路地裏で見つけた倒れてる男。

その時はまた親不孝通りにいる不良に金品を取られた奴かと思って近ずいたがそれは自身の想像を超えていた。自分は同じ寮に住んでいる同居人達と比べ武術に詳しい訳ではないが、それでも目の前の男の傷が不良に取り囲まれて嬲られたとしてもそれでつくような傷じゃない事が分かる。

思わず肩を掴んで揺さぶりながら声を掛けたが一切の反応は無く、まだ息もあるため死んで無いことが分かりこの近くにある病院まで担いで行ったのだ。

 

病院に運んだ忠勝は入った矢先近くに居た看護婦にすぐに担いでる男の治療をしてくれと言い男は運ばれ、自分は取りあえず寮に電話を入れ男の治療が終わるのを待っていた。

そして暫くして治療した医者から聞いた話だと、かなり酷い状態らしく絶対安静の入院が必要だと言われた。

ベットに寝かされ運び込まれる男は体の殆どが包帯に巻かれた姿は痛々しいモノでありその時はただ黙って見ていたが、後から来た看護婦が持っていた男の私物に目が行った。

 

(貴重品が…盗られてない?)

 

もし男があの通りの不良に襲われていたなら財布はおろか携帯や時計まで売り払えば金になる物は根こそぎ盗られるはずなのに男の所持品である財布や携帯などは確かに看護婦が持った盆の上に確かに乗っていた。

看護婦がナースステーションで男の身元を確認するべく財布の中の証明書等を捜す光景を忠勝は物陰に隠れて見ていると

 

「あ、有った学生証。名前は、えーと…灰原 悠、と…。」

 

(灰原…確かどっかで聞き覚えが……!)

 

男の名前を頭の中で駆け廻らせた結果、自分の妹分に近い一子がよく口にする男の名前だと思い出した忠勝。

 

だとしたら尚更疑問が浮かび上がってくる。一子から聞いた話では話に聞いた悠の実力はかなりの腕前だと聞いている。そのような男が只の不良にあそこまでの重傷を負われるだろうか。

 

(……どうにも腑に落ちねえな。)

 

着替え終わった忠勝は取りあえず騒がしい同居人が余計うるさくなる前に食事に向かおうと部屋から出たのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自宅・ガレージ地下ラボにて

 

「はーなーしーてー!ユウの所に行かせてーー!!」

 

「姉さん!落ち着いてください!」

 

「川内ちゃん、気持ちは分かるけど今はダメだよ~!」

 

「龍田、そこどけ!オレはこれからアイツの弔い合戦に行くんだよ!」

 

「天龍ちゃん今は待機命令中よ~?それにあの子まだ死んで無いから。」

 

悠が意識不明の重体により上司の神から緊急体制の待機命令を出された艦娘達はスペースの広いラボの中で悠の安否を心配する者やこれから悠の代わりに闘う時の為に自分たちの武器である艤装の点検を行っている者等かなりの人数がそこに居た。

 

「ああもう!此処でジッとするより直接敵をぶっ叩きに行けばいい話じゃねえのかよ!?」

 

「そうは言うけど天龍ちゃん、その敵を倒す算段は着いてるの?

悠君でさえ倒せなかった相手にどうやって?」

 

「それは……そうだよ!今日明石が持ってきたアレを使えば!」

 

「アレは悠君専用に作り上げた特注品よ?仮に天龍ちゃんが使えたとしてうまく使いこなせる自信ある?」

 

「そ、それじゃあ…アイツの使ってたあの紫ので…。」

 

「アレの事?」

 

龍田が指を指した先にあったのは険しい表情の明石と夕張の近くにいる葛城の姿。

 

「明石さん。コイツ等直るよね?、ね?」

 

「う~~ん。核となるコアが無事っていうのは分かるんだけどこの状態のは…。

夕張、そっちは?」

 

「酷いなんてモンじゃなですよ。無事な部分を見つけろってのが無理って言えるくらいに!」

 

二人が見ているのは重加速に対抗出来るバイラルコアとブレイクガンナーだったが、明石と葛城の前にボロボロの状態で動かないスパイダー、コブラ、バットのバイラルコアと夕張は端末に繋いだブレイクガンナーから送られるチェイサーのスーツの状態に顔を顰めていた。

 

何故悠の手元にあるバイラルコアとブレイクガンナーが此処にあるかと言うと、悠が倒された連絡の後に悠のガレージ内から普段彼が手元に置くはずのカードデッキやガイアメモリなどの人に見られてはいけないモノが全て置いてあったのだ。(しかもその場に置いてしまったエクステンダーもきっちりガレージの中に)

 

「だぁーーーッ!!!じゃあどうすんだよ!このどうしようもない気持ちをよぉッ!」

 

「…天龍ちゃん。少なくとも命令を下された私達は私情より優先しなきゃいけないモノがあるのよ?」

 

「それは同感だな。」

 

「長門さん…。」

 

未だ落ち着きが無い天龍の元に指揮を任されている長門が表れ天龍に話しかける。

 

「天龍。彼を倒した奴に苛立ちを覚えるのは分かる、なんやかんやでお前と彼は付き合いが長い仲だったからな。

しかしだ、彼はおろか今や私達にもこの世界を転生者の魔の手から守ると言う使命がある。

彼が居ない今一体誰が奴等を止める?」

 

「それは…。」

 

「我々は彼が戻って来るまで奴等の侵攻を止めなくてはいけない。今は動きが無いが奴らは近い内に必ず行動を起こす、その時の為に今は我慢するんだ。いいな?」

 

「…はい。」

 

「うむ。さて、川内。」

 

「え?、あ、はッはい!」

 

「天龍とは違って彼に恋心を抱いてるキミがそう焦っても仕方ないだろう、だがキミと同じ気持ちの神通が何も言わずキミを止めている事に気付かないのか?」

 

「!」

 

「さて神通。キミも川内の様に彼の元に行きたいと思うか?」

 

「それは……

本当の気持ち私もあの人の元に行きたいです。でも私達が今やるべき事をやらないとそれこそあの人に顔向けできませんから。」

 

「神通…。」

 

「ふむ、神通はちゃんと好きな相手の気持ちも考える健気な女か…これは姉に比べて一歩リードか?」

 

「うっ!?………神通、ゴメン。アタシ神通の気持ち全然考えてなかった…。」

 

「いいんですよ姉さん。姉さんの行動もあの人を思っての事だって分かってますから。」

 

「…うん。」

 

天龍と川内を何とか落ち着かせることが出来た長門は二人の元を離れ、近くにあった椅子に腰かける。

 

「…ふう。」

 

「フフ、お疲れ様。」

 

「ん?陸奥か…。」

 

「随分とうまく言い聞かせたじゃない。あのクセの強い二人を。」

 

「そうでもないさ、お蔭で少し疲れた。」

 

「今の内に休んでいたら?これから戦うかもしれないから…。」

 

「そうさせてもらうよ。…だが、思いもよらなかったな。彼が負けてしまうとは…。」

 

「そうねぇ。今病院に居るんだっけ?あの子…。」

 

「あぁ。今マッドドクターと早霜を含めた秋月型が警護をしている。傷は今治療中だが、まだ目を覚まさないようだ。」

 

「そうとうやられたみたいだからね、命が助かってホントによかったわぁ。」

 

「そうだな…。

しかし、ゴルドドライブか……コイツが近々来ない事を祈りたいものだ。」

 

長門は手にした資料を持ちながら夜を過ごすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日付の変わった午前のオフィス街。

 

悠の討伐を任されたドクターはオープンカフェにてタブレット式の端末を手に時間を過ごしていた。

 

(ボクが彼にトドメを刺す時、あれは間違いなく攻撃されたと分かる。スーツの具合から見て攻撃されたのは顔の顎元、つまり殴られて吹っ飛ばされたと言う事になる。

問題はどうしてゴルドドライブがそれを感知しなかっただ。それと気になるのは、顎目掛けて殴る。これはまるで……。)

 

「随分ゆっくりな仕事だなぁオイ。」

 

「ん?…あぁなんだキングか。」

 

「外でそれはやめろっての。痛いヤツだと思われるだろうが。」

 

ドクターの元に現れたキングは向かい側の席に座り端末を操作してるドクターに話しかける。

 

「聞いたぜ。アイツの始末任されたって。」

 

「不満かい?自分が目を付けた獲物が横取りされるのが。」

 

「まぁな。その分アイツから近々暴れる機会貰ったけどよ、正直あんまり期待してないんだわ。」

 

「そう。せめてものお詫びに何か食べるかい?ここは奢ってあげるよ。」

 

「いらねえよ。お前に優しくされるなんて気味が悪いぜ。

それはそうと仕事任されたのにこんな所で茶なんか飲んでいいのかよ?」

 

「大丈夫さ、これが飲み終わったら始めるよ。お仕事。」

 

ドクターが口に付けていたカップが空になり、カップを置いたその時である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドオォォォォォォンッッ!!!

 

 

 

「あん?」

 

穏やかな時間に包まれていたオフィス街に突如鳴り響く爆発音。

爆発音が聞こえた場所へ座りながら目を向けたキングが見たのは死神部隊のロイミュード三体が歩きながら逃げ惑う人たちに目を向けず街のビルなどの建物目掛けて光弾を放っていた。

 

「…ハッ。これをエサにアイツを呼び出すか。アンタにしちゃあ随分単純な手だなぁ?」

 

「でも彼にとっては一番効果がある手だよ。これなら傷だらけの状態でも這いつくばって来るだろうね。」

 

席を立ちあがったドクターは黒いドライブドライバーを着ける。

 

「変身。」

 

イグニッションキーを捻りゴルドドライブへ姿を変え、街を破壊してる死神部隊の方へ向かって行くゴルドドライブをキングは黙って見ていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドオォォォォォォンッッ!!!

 

「ひゃうッ!?い、今の、爆発!?も、もしかして、敵!?」

 

「お、落ち着いて照月!こう言う時こそ焦らず、慎重に!…。」

 

「……ドクター。どう?」

 

悠が入院してる病院の一室で未だ意識が無い悠の警護に当たってる秋月、照月、早霜の三人。

早霜が治療しているマッドドクターに話しかけるもドクターが答えるのはサイレン風のクラクションだが

 

「…そう、まだ完治出来てないのね…。」

 

「…ねえ秋月姉。早霜さんって何言ってるか分かるのかな?」

 

「…多分、そうじゃないかな。早霜さんだし。」

 

「なんだろう。なんかそれだけで納得できちゃうね。」

 

「…聞こえてるわよ二人とも。」

 

「「ひゃうッ!?」」

 

この時目を離していた早霜は気付かなかった。

 

外から聞こえる爆発音に寝ている悠の指が微かに動いてたことに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドオォォォォォォンッッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

「ふーむ。中々来ないねえ。」

 

ゴルドドライブは死神部隊のロイミュード三体と共に街を破壊しながら仮面ライダーである悠が来るのを待っていた。

ゴルドドライブは今仕事と言う名目で行動しているが、半分はトドメを指す際に現れたイレギュラーの正体を今度こそ明かそうと密かに企てていた。

その為にもまずは仮面ライダーを見つけなければならない。あの時、絶体絶命の危機に訪れ助けた所を見るとまた同じような展開に現れるかもしれない。ゴルドドライブからしたらこれしかイレギュラーの正体を突き止める方法が無い事に不満だが自身の目的を果たすのに文句は言ってられなかった。

 

「街だけじゃあ足りないのか。なら今度は人を襲わせ…ん?」

 

ゴルドドライブの耳に突如聞こえて来たのは飛行機のプロペラ音だがそれは一つだけでなく幾つも。

空へ目を向けると小型の艦載機数機が此方に向かって爆撃を落として来るが

 

「フン。」

 

ゴルドドライブはエネルギーで出来た壁で爆撃を防ぎ、金の光弾数発を艦載機に向けて放ち艦載機を落としていく。

 

「爆撃機か…随分古臭いモノで来たものだな…。」

 

死神部隊が艦載機を落としてるなかゴルドドライブの目が光り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうだ、加賀。」

 

「…駄目ね。防がれたうえ半分近く落とされたわ。」

 

「やはり、奴等には余り効果が無かったか…。」

 

ゴルドドライブから離れた所では長門率いる艦娘達がおり、先程の艦載機の先手が不発に終わった事に顔を顰めていた。

 

「あーもう!全然効いてない!少しは当たれっての!」

 

「…この程度の事で声を荒げないで頂戴。だから五抗戦って言われるのよ。」

 

「なんですってぇ!?」

 

「瑞鶴!今は戦闘中ですよ!」

 

「加賀さんももう少し言い方を考えてください。一抗戦の名に恥じない様に。」

 

「うっ…ゴメン翔鶴姉…。」

 

「…すみません。」

 

「とにかく空からの攻撃は効かないとなるとやはり直接やるしかないようだな…。

よし、戦艦、大和型、伊勢型は遠距離からの砲撃を、軽巡、川内型、天龍型、駆逐、白露型白露から夕立、島風は前に出て攻め込むぞ。

だが射程距離ギリギリの距離を保て、ヤツの能力で艤装を盗られたらたちまち無力化されるぞ!」

 

「私達空母はどうします?」

 

「艦載機を放って引き続き攻撃してくれ、攻める手を少しでも多くするんだ。」

 

「了解。」

 

「うん、うん、……えっ!?それ本当!?

な、長門!大変!」

 

「何だ陸奥。こんな時に…。」

 

「さっき秋月ちゃんから連絡あったんだけど、悠くんが目を離した隙に…。」

 

「なに!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フウ、粗方片付いたかな?」

 

ゴルドドライブが飛んでいた艦載機のほとんどを死神部隊が片付けたのを見て、落ちている艦載機の破片を拾い構造を確かめる様に眺める。

 

「…解析不能。只のラジコン飛行機みたいなやつが解析できないとなると単純な科学で出来たものではない。

とすると……(ドオォンッ!)・うわっ!?」

 

破片を元に調べている最中にゴルドドライブの周りが爆発し、周りにいた死神部隊は爆発の威力で吹き飛ばされてしまう。

 

「何だ今度は!?…砲撃か!?」

 

迫り来る砲撃を防いでるなか前方に此方に向かって接近してくる影に気付き、ゴルドドライブの探知機能で見てみると。

 

「!、な、何だアレは!?」

 

ゴルドドライブ声を上げてしまう。それも仕方ないだろう、此方に近ずいてるのが露出が多い少女が滑りながら来ているのだから。

 

「みんなおっそーい!一番手もーらい!」

 

「ぐっ!?」

 

「あーッ!?アタシがイチバン狙ってたのに!」

 

「ハイハイ白露。これからアタシ達でイイとこ見せればいいじゃない!」

 

「さあ素敵なパーティ始めるっぽい!」

 

「皆、初めての戦闘だからって油断しないでよ!」

 

「オラァー!天龍サマのお通りだぁ!」

 

「フフフ~。さて、暴れましょうか~。」

 

「よくもユウを痛め付けたなァ、この金ピカァッ!」

 

「姉さん。感情的になっては足元をすくわれますよ。…ヤルなら容赦なく徹底的に潰しましょう…。」

 

「わーお。神通ちゃんマジモードに入っちゃってる。」

 

「ぐぅぅっ!!!」

 

島風の砲撃を皮切りにゴルドドライブと死神部隊を中心に砲撃を開始する艦娘達。

四方からの砲撃と上から来る艦載機の爆撃を防ぐゴルドドライブだが後ろの死神部隊は成す術無く砲撃の嵐に撃たれ強化態でなければ爆散しても可笑しくない状況である。

 

「えぇいッ!、鬱陶しい虫共がァッ!!!」

 

苛立ちを抑えきれなくなったゴルドドライブはシフトブレスのスイッチを押すと、自身の頭上に巨大な光弾幾つもを作り出す。

 

「!、皆さん!離れて!」

 

「消えろォッ!!!」

 

神通がいち早く気付くもゴルドドライブは辺り一面に光弾を放ち、その数と威力に辺りの地形が変わる程で全員がダメージを喰らってしまう。

 

「をッ!?」

 

「ぽい~!!」

 

「ハア、ハア、…離れて撃ってくる奴らは……あそこかぁ…。」

 

次にゴルドドライブは離れて砲撃している長門達の方へ先程と同じ光弾を投げ飛ばした。

 

「!、ヤベェ、おい!皆そこから離れ…。」

 

ドオォォォォォォンッッ!!!

 

天龍が長門達に向けて通信をするが光弾の着弾した光景に唖然としてしまい、周りを見渡すも先程のゴルドドライブの攻撃でほとんどの者は中破以上の損傷をしていた。

 

[お…だい……み…。]

 

「!、おい!天龍だ!そっちは、そっちは皆無事か!?」

 

痛心が帰って来たことに天竜は安堵するがそれも一瞬。すぐさま向こうの状況を聞き出す。

 

[思ったより酷い状況だ…大和と武蔵が庇ってくれた御蔭で助かったが、大和型二人は大破。伊勢型二人も中破。私達も中破の損傷で支援砲撃が出来ない。

加賀達の艦載機も皆落とされてしまったようだ。]

 

「こっちも似たようなもんだ。まともに動ける奴がオレ以外ほとんどいねえ。」

 

「お喋りは、終わったかなぁ?」

 

天龍が声を掛けられはっとするがもう遅く、顔を上げるとゴルドドライブが目の前で此方を見下ろしていた。

 

「キミ達が何者かなんてどうでもいい。が、此方の計画を邪魔した報いは受けてもらうよ。」

 

「がッ!」

 

天龍の首を掴み上げ、持ち上げるゴルドドライブは残った片手を構える。

 

「まずはキミからだッ!!」

 

「ぐぅぅっ!!」

 

ゴルドドライブの手が天龍を突き刺そうとした時

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オラァ!!!」

 

「うおっ!?」

 

突如ゴルドドライブに向かって蹴り飛ばす人影により天龍を放したゴルドドライブ。

蹴り飛ばした人物は天龍とゴルドドライブの間に立ち、天龍がその正体に目を見開く。

 

「お、お前…。」

 

「…ふう。」

 

「……フフフ、やっと来たねぇ仮面ライダー君。」

 

「こっちはもう少し寝たかったとこなんだがなぁ。」

 

蹴り飛ばした人物、悠はゴルドドライブを前に若干険しい顔をすながら相対し、ゴルドドライブは悠が来た所為か先程までの苛立ちは無くなったようだ。

 

「悠!お前病院で寝てるんじゃ無かったのかよ!?」

 

「こんなドッカンバッカン五月蠅い状況でゆっくり寝られるかって話だ。」

 

[おい、そっちにもしかして彼が居るのか?]

 

「え?あ、あぁ。」

 

[だとしたら早く逃げる様に言え!彼の傷はまだ完治していないうえベルトも何も持っていないんだ!]

 

「なっ!?」

 

「おやおや、そんな状態でボクの前に現れたなんて、ある意味キミは諦めて死にに来たのかな?」

 

「残念だが違うよ。自然と体が勝手に動いただけさ。」

 

「ほう、これもキミが仮面ライダーであるからの行動なのかな?」

 

「…違うね。仮面ライダーだからとか、世界の為だからとかそんなモンの為に動いてんじゃないよ。

まあカッコつけるなら、目の前で女襲われてるのを黙って見逃す程クソにはなってねえって話かな。」

 

「悠…。」

 

「…そう、ならカッコつけたまま死んでいくがいいさ…。」

 

ゴルドドライブは控えていた死神部隊を悠に向け、命令を受けた死神部隊は悠に狙いを定めてゆっくりと近づいていく。

 

「おい!どちらによ丸腰じゃあ呆気なく死ぬぞ!?オレ等はいいから早く逃げろ!」

 

「あぁもうちょっと黙ってろって!

…まだかぁ?早く来い、早く来い、早く来い…」

 

逃げる様子が無く何かを待っている様子の悠だが、そんな事お構いなしに死神部隊は悠の元に近ずいてく。

 

(思ったより簡単に済みそうだね。これで後はいずれ来るイレギュラーを…。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───ゥゥン───

 

「?…なんだ?この音は…。」

 

突如聞こえたエンジン音にその場に居た者達が動きを止めて耳を傾けるなか、悠だけがやっと来たかの様な表情をする。

 

───ブゥゥゥゥゥン!!!────

 

「!、なんだ!?あのマシンは!?」

 

ゴルドドライブの目に写ったのはビルの角からドリフトして此方に真っ直ぐ走って来るスポーツカー。

スポーツカーは驚いてるゴルドドライブを通り過ぎ、悠達の近くに居た死神部隊をドリフトしながら体当たりし悠達の前で止まった。

 

「やっと来たか…。」

 

悠達の前に停まってる黒いボディに青のラインが幾つも入ってるスポーツカー[ネクストライドロン]の運転席部分のドアが開き

 

 

 

 

 

 

「決まったぁーー!どうだ!私の華麗なハンドル捌きは!」

 

「あ、明石さん。ちょっと飛ばし過ぎ…うっぷ。」

 

運転席からテンションがピークに上がってる明石と助手席から顔を青くした夕張が出てきて、悠が二人の元に近ずく。

 

「遅いよ。もうハラハラしまくりで心臓に悪かったぜ…。」

 

「えっと…これどういう事だよ、オイ…。」

 

「あぁ、此処に来る途中ラボに居るコイツ等に言ったんだよ。コレ持って来いって。」

 

「いや、驚きましたよ。病院で意識無い人がいきなり電話してくるなんて…。」

 

「愚痴は後で聞く。で?アレは?」

 

「はい悠さん、コレ…オエッ。」

 

夕張から渡されたのはドライブドライバーとシフトブレス。

受け取った悠はそれらを身に着け、目に闘志を宿しゴルドドライブと対面する。

 

「それはボクと同じ…。」

 

「あぁそうだ。そして、新しい力だ…。」

 

ネクストライドロンから出て来たシフトカー[シフトネクスト]を手にイグニッションキーを回しシフトブレスにシフトネクストを装填し

 

 

 

「…変身ッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<< DRIVEtypeNEXT! >>

 

 

 

 

 

 

 

その体はネクストライドロンと同じ全身黒いボディに青しラインが入り、胸に黄色のタイヤをタスキ掛けの様に掛けた次世代の戦士。

 

 

 

 

 

黒き殲滅者[仮面ライダーダークドライブ]

 

 

 

 

 

 

 

 

「…リベンジだ…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今、戦いの火蓋が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<……Start our mission>

 

 

 

 

 

 

 

 

切って落とされた。

 

 

 




一部修正

公式ではシフトネクストスペシャルと言うドライブタイプスペシャルになれるシフトカーですが、この話ではダークドライブ専用としてシフトネクストに変えました。
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