その男が進む道は・・。   作:卯月七日

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今回の話を見る際の注意事項。

今回は書きたい事書いてしまった所為ですっごく長いです!二万字近く書いてしまいました。

それでも見たいと思う方はどうぞお楽しみください。


博打

森林に轟音が響き渡り光が一辺を大きく包み込む。

 

ゴルドドライブとキメラロイミュードの放った攻撃はガオウとマッハ、二人の居た辺り一面を焼け野原へと変えてしまい未だ巻き起こした爆煙が辺りを包んでいた。

爆煙が次第に晴れ視界が段々良好になっていくと先には大きく出来たクレーターにガオウとマッハの倒れてる姿がゴルドドライブの目に写った。

 

「う……あ…。」

 

「ぐぅッ……あぁ…。」

 

【どうやらまだ生きているようですな。】

 

「なに、生きていようと既に虫の息だ。今度こそ確実に仕留めるだけ。」

 

ガオウとマッハにまだ息が有る事を知ったゴルドドライブは今度こそトドメを指すべく二人に近づいていく。

ゴルドドライブの眼前には仮面越しに此方を見上げているガオウとマッハ。抑えきれない感情を抑える事無くイグニッションキーを捻り挙げた手から特大のエネルギー弾を放とうとエネルギーを収集し始める。

 

「さてこれで本当の終わりだ……死ねぇッ!!」

 

トドメを指すべくエネルギー弾を浮かべた腕を振り降ろそうとした

 

 

 

 

 

 

 

 

ドガァァンッッッ!!!

 

「ブアァッッ!?!?」

 

ドカァッン!ドカァッン!ドカァッン!

 

「ブッ!グハッ!ガハッ!」

 

【ドクター番堂!?一体何が…!】

 

(何だ?…。)

 

ゴルドドライブが腕を振り降ろす直前姿が消えたように吹っ飛ばされた後に衝撃音が辺りに響き、大きく吹っ飛ばされたゴルドドライブはガオウ達からかなり離れた所でピンポールのように何かに弾かれていた。

 

「何が何だか分からんが……ぬあぁッ!!!」

 

状況がイマイチ把握出来ないがこれを好機と見たガオウは雄叫びを上げながら立ち上がると、手から離れたガッシャーを回収するためにとガッシャーが突き刺さってる所に向か合って全力で駆けて行く。

 

【!、そう易々と!】

 

だがこれに気付いたキメラロイミュードはガオウを阻止すべく咆哮を放とうとするが

 

<< イマスグ・トマーレ! >>

 

【な!?体が…!?】

 

体に当たった光弾から道路標識みたいなマークがキメラロイミュードの動きを拘束し咆哮が放たれなくなる。光弾の放たれた場所へ目をやると倒れた状態でマッハがゼンリンシューターの銃口を此方に向けていた。

 

「へっ、忘れんじゃ、ねぇっつうの…。」

 

【このッ、死に損ないめが!…。】

 

マッハを忌々しく見るキメラロイミュードだが、この隙にガオウはガッシャーを回収しキメラロイミュードに向けて必殺技を放つ動作を既に行っていた。

 

<< FULL CHARGE >>

 

「どうりゃあッッッ!!!」

 

【ぐあぁああッッッ!!!】

 

ガオウのタイラントブレイクはキメラロイミュードの頭部に目掛けて放たれるも強化態の頑丈なボディの所為か拮抗状態が続く。

 

「でぇぇぇいらぁぁぁぁッッッ!!!」

 

【ぬぐあぁああぁぁあッッッ!!!】

 

オーラエネルギーを最大にし技の威力を高めて行くガオウ。激しい火花がキメラロイミュードの頭部で散っていくなか額の角に皹が入っていきやがて甲高い金属音を響かせながら額の角は斬り落とされた。

 

【ぐあぁぁあぁあッッッ!!!】

 

額の角を斬り落としされた所為か頭を抱え悶えるキメラロイミュード。

ガオウは先程のダメージと高出力のタイラントクラッシュの反動の所為でガッシャーを杖代わりに立つので精一杯であった。

 

【この死に損ないの餓鬼めがァッ!!!】

 

トマーレの効果が切れたのか怒りを露わにしたキメラロイミュードが咆哮をガオウに向けて放とうとする。

ガオウは回避しようにも足が思うように動かずに棒立ちに近い状態であった。

 

【今度こそ死に曝せぇッ!!!】

 

「悠兄さんッ!!」

 

咆哮が音の砲弾となって放たれガオウに真っ直ぐ向かう、この時もガオウは動く様子が見られずマッハは咄嗟に目を背けてしまうが

 

 

 

 

 

 

 

ブオォォォオンッッッ!!!

 

「………遅ぇよ。」

 

ガオウに放たれた音の砲弾は猛スピードで駆け付けたネクストトライドロンが防ぎ切りドリフトしながらガオウの前に停まり

 

<< タイヤフエール! >>

 

ネクストトライドロンからジャスティスハンターのタイヤが放たれキメラロイミュードの上空でジャスティスケージの檻が囲い、檻を壊そうとするが内側に走る電流によって焼かれていた。

 

「正に猛獣の檻ってとこか……それはそうと少し遅くない?」

 

<仕方ないだろう、こんな所早々早く着ける場所では無いよ。それはともかく、アレがデータに入ってたロイミュードの融合進化態か…。>

 

ネクストトライドロンを中に居るクリムに軽い悪態を吐くガオウに話しを受け流して檻に閉じ込められてるキメラロイミュードを観察するクリム。

 

一方、ガオウ達から離れた所で謎の攻撃を受けていたゴルドドライブはようやく解放され地面に叩き付けられていた。

 

「ぐッ!…レーダーが察知出来ないこの攻撃、またしてもあのイレギュラーか!

………イヤだが待て、今の攻撃はアイツと同じ……それに前回のと先程の攻撃パターンから見て…………

フ、フハハハッ!そうか!そう言う事か!これなら俄然納得がいくよ!アッハハハハッッ!」

 

突然一人納得した様子で大声で笑いだすゴルドドライブ。その笑い声は離れていたガオウ達にまで聞こえる程であった。

 

<あれはゴルドドライブ!?何故死んだはずのヤツが…。>

 

「憑りついた亡霊だよ。ロイミュードにな…。」

 

狂ったように笑うゴルドドライブだったが、ガオウ達に目を向けるや否や一瞬でガオウ達の視界から消え、辺りを見回して探すと檻に閉じ込めていたキメラロイミュードの元に居り檻を破壊してキメラロイミュードを解き放っていた。

 

【すまないドクター番堂…コイツ等ッ!】

 

「まァ待ちたまえ、今日の所は此処で引こう。」

 

【なに!?何故だドクター番堂!?貴方と二人ならこのような奴等に…。】

 

「キミは見た所負傷してるではないか、それに今日じゃ無くともキミのお目当ては何時でも手に入れられるよ。

…それに…。」

 

ゴルドドライブが言いかけた時突如二発の銃声が鳴り、ゴルドドライブは手で払うように銃弾を弾きガオウも咄嗟にガッシャーを振るって弾いた。

 

その場に居た者全員が目を向けた先には二丁の拳銃を構えたアリアが割って入る様に現れた。

 

「アンタ達!何が何だか分からないけどこれ以上の戦闘行為はやめて大人しくしなさい!じゃないと風穴空けるわよ!」

 

「とまぁ、気分が萎える邪魔者が来ちゃったようだし。それで構わないね?」

 

【…いいでしょう。貴方には大きな恩が有る。】

 

「そこ!何無視して喋ってんのよ!良いから早く捕まり…。」

 

「うるさいおチビさんだ、ねッ!」

 

「!、クリム!」

 

ゴルドドライブが光球をアリアに向けて放たれ、突然の攻撃にアリアは体が硬直してしまい身動きが取れなかったがネクストライドロンの砲撃が光球を狙い撃ちアリアに直接的な被害は無かったがこの隙にゴルドドライブとキメラロイミュードは引いたらしく姿が見えなかった。

 

「くぅッ!……!、逃げられた!……ちょっとアンタ、アタシを助けたつもりなんでしょうけどあの位アタシ一人でどうにか出来たんだからね!アイツ等には逃げられたけどアンタ達は…。」

 

「はぁ、…クリム。」

 

<OK。重加速、小範囲に設定、発動。>

 

ガオウの言いたい事を素早く察知したクリムはネクストライドロンから重加速を発現。

空間の波にアリアは一瞬身構えるがすぐに勝ち誇ったような顔をする。

 

「フフン無駄よ。あの体が動かなくなるやつならもう攻略済みだから。このヘンテコなミニカーさえ居れば怖いものなし・(ピューン)・ってちょっ、何してんのよアンタ戻って来なさいよ!」

 

アリアの肩から離れたバットバイラルコアはガオウの手に真っ直ぐ飛んでいきバイラルコアに触れてない所為でアリアの体は身動きが取れなくなる。

 

「コラァーッ!そのヘンテコミニカーを返しなさい!それはアタシのモノよ!」

 

「ヘンテコ言うから嫌われたんだろ。コイツは可愛がってくれるのには友好的だが、存外に扱うと嫌われる。

おまけに理由は何であれ助けてやった奴に遠まわしでも礼を言わないお前に愛想尽かしたんだろ。まぁ言われようが無かろうが俺はどうだっていいが。」

 

手元のバットバイラルコアを撫でながら倒れてるマッハの元に行き、肩に担いでネクストライドロンに乗せるガオウ。

ガオウも車に乗ろうとする間際アリアに向かってこう言い放つ。

 

「あの施設の守りを固めろ。怪人の方は中に居る一人を狙ってる。」

 

「え?ちょっとどういう事よ!?その辺詳しく…。」

 

アリアの質問に答えずガオウは乗り込み、アリアは体が動けるようになるまで走り去って行くネクストライドロンを睨むしかなかった。

 

 

 

そしてその光景をアリア以外にも木の影から見ている人影が一人。

 

その者はネクストライドロンを見届けると、腰に付いてるベルトの左部分を叩くと同時に姿を消して行った。

 

 

 

 

 

 

<< ヒッサーツ! >>

 

<< FULL THROTTLE! DOCTER!>>

 

「ア゛ババババババッッ!!!」

 

「うわぁ、治してるんだけどすっげえ痛そう…。」

 

あの場から離脱したライダーチームは施設から離れた地点でダークドライブに変身した悠が自身の怪我を治しているが最中だがその治療法にネクストライドロンのボンネット部に腰を掛けてた秋は若干引いていた。

 

「ウ゛ウ゛ゥ……何か何時もより反動が強い気が…。」

 

<ドライブに変身しているのが大きな原因だとしか言えないがね。さて、次は秋の怪我を治療しよう。>

 

「え゛ッ…い、いやオレは自分で治せるからさッ、遠慮するよ、ハハハ……おーい、キマイラさん。ちょっと魔力使わせてくださいよ…。」

 

[今は気分では無い。断る。]

 

「頼むよ!そこを何とか!じゃないとオレ、ものすっごく痛い治療受けなきゃならなくなっちまうんだよォ!」

 

[………。]

 

「キマイラ?…キマイラァーーー!!」

 

「ほれ、さっさと治療受けろ。そこまで騒ぐ年じゃなかろうて。」

 

<< ヒッサーツ! >>

 

<< FULL THROTTLE! DOCTER! >>

 

「いィィィィやァァァァァァッッッ!!!!」

 

森に悲鳴が木霊した…

 

 

 

 

 

<さて、これからどうする?相手はあのゴルドドライブと融合進化態のロイミュードだぞ。>

 

「それについては、一つ案が有る。コレだ。」

 

<それは…先程キミが斬り落としたロイミュードの角か。>

 

グッタリとした秋がネクストライドロンの中で気を失ってるなか悠とクリムは作戦を立てている真っ最中、悠が取り出したキメラロイミュードの角にクリムが注目していた。

 

「コイツを調べて融合進化態の仕組みが分かれば融合してる人間とロイミュードを切り離せる筈だ。」

 

<成程、確かにそれは効果的だ。それならばそのサンプルの解析は私に任せたまえ。解析したデータを私に取り組めばドライブで何とかできるだろう。>

 

「時間はどのくらい掛かる?」

 

<今からラボに戻りながら調べて明石達に私を調整させると考えて…明日までは掛かりそうだな。それまで奴等の襲撃が無い事を祈るしか…。>

 

「それはこっちに任せろ。時間稼ぎなら何とかなりそうだ。」

 

<分かった。……秋はどうする?>

 

「一先ず、家に連れ帰って休ませろ。コッチは俺が残って・「ちょっと待ってよ。」・…秋?」

 

秋を戻らせ自分が残ると言い出した悠に秋は立ち上がって反論しだす。

 

「それならオレも残るぜ。相手は二人なんだし、こっちも二人いた方が効率的だろ?」

 

「……それもそうだが、今回は完璧にオレの私情が混じった件でもあるんだ。なるべくお前を巻き込む訳にはいかんよ。」

 

「なら尚更残る。」

 

「…何で?」

 

悠が疑問の声を上げるなか秋はさも当然のように答える。

 

「何でって、オレ達チームっしょ?悠兄さん困ってたらオレ達でカバーし合う。

それに、相手がロイミュードや敵の親玉ならどの道オレの力が必要なんだし、居ても何の問題無いでしょ?」

 

「秋…。」

 

<悠。今回はキミの負けだ。私としても黙っていた事に少し不満を抱いているのだからね。>

 

クリムが初めて悠に文句を言いながらネクストライドロンのドアが閉まる。

 

<とにかく私はこのサンプルを調べにラボに戻る。それまで二人仲良くな。>

 

「て、おいクリム!」

 

悠が言う前に発進してしまったネクストライドロンはクリムとサンプルである角を乗せて森から出て行き、そこに残ったのは悠と秋の二人だけだった。

 

「よし!取りあえず施設の近くまで行こうぜ、奴さんそこが目当てなんだろ?」

 

「……勝手にしろ。」

 

「オッケイ。……あ、それはそうとさ。そもそもなんで悠兄さんこんな所に居るのかまだ聞いてないんだけど?」

 

「……まぁいいか。道中のヒマ潰しには。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日が暮れた夜。施設内の一室では携帯を手に連絡してるキンジと武器の手入れをしてるアリアが昼間の騒動についてガオウから言われた通り施設の警備に当たっていた。

 

「そうか…分かった、それじゃあ頼む。」

 

「どうだった?皆来てくれるって?」

 

「あぁ、でも今手が離せない状況だから来るのは早くて朝になるって言ってた。」

 

「手が離せない?アタシ達の呼び出しを差し置いてアイツ等何やってんのよ…。」

 

「あぁ何でも、白雪は明日の俺たちの弁当作るのに下ごしらえして来るとか、理子は今やってるエロゲーがクライマックスとか、ジャンヌは理子から借りたアニメの一気見だとかで…。」

 

「全部どうでもいい事じゃないの!!何よアイツ等こんな時に無駄な事でぇぇッッ!!!

何でアタシの周りには使えない奴等しかいないのよ!?」

 

「おい、それまさかオレも入って無いだろうな?」

 

「当然でしょ!アンタ何であのヘンテコミニカー逃がしちゃうのよ!?アレさえ有ればあのインチキなトリックに対応できたのに!」

 

「どんよりな、前に理子が言ってただろ。にしてもあのミニカーが仮面ライダーのだったなんてな。アイツどんだけ予想外なんだ?」

 

「アタシとしては仮面ライダーが三人て事が一番の衝撃だったわよ。まさか複数居たなんて頭が痛い話だわ。」

 

しかめっ面の表情で手元の銃器を弄るアリア。そんなアリアの横でキンジは顔を俯かしながら何処か腑に落ちないと言った様子だった。

 

「?…どうしたのよ、何か考えてるようだけど…。」

 

「…あぁ…アリア。お前が見に行ったときアイツも居たんだよな?オレが会った銅色の仮面ライダーに…。」

 

「えぇ。アタシに言いたい放題言ったあのムカつく奴ね…。」

 

「オカ研での報告じゃああの銅色のライダーってリュウガと同一人物だよな?おまけにこの中に居る一人って可能性から見てミカの可能性が高い。

アイツがミカを守ってるのだとしたら、アイツ本当は悪い奴じゃ・「キンジ。」…。」

 

アリアに呼ばれたキンジは、銃を弄る手を止めて真っ直ぐとキンジに向けて真剣な目をしていた。

 

「キンジ。アンタのだらしない頭が仮面ライダーについてどう思ってるかは大体予想出来るけど、アタシ達にとってこれから捕まえる奴に実はイイ奴とか余計な感情移入は武偵失格よ。そうやって期待してコッチが痛い目見るだけならまだしも…。」

 

「………。」

 

「…とにかくアイツがどういうヤツかは捕まえて本人の口から直接聞きだすしかないわ。どう思うかはその後よ。」

 

「……分かった。」

 

口ではこう言ったがキンジの内心では全く逆の事を思っていた。ミカを助け、巷で騒いでる怪人を倒してる仮面ライダーは自分たちの敵なのか?ヤツには自分達には考え付かないような秘密があるのではないか?と。

 

結局キンジは答えの見付からない自問自答に悩み、アリアは来たるべき襲撃に備えて戦略を立てながら夜を過ごしていく。

 

 

 

 

 

 

 

部屋の外で話を聞かれてる事に気付かずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぐぅ~~~

 

「は、腹減った…。」

 

「…もう日付が変わった頃合いか…。」

 

施設から少し離れた林の中で大木を背に腰を掛けてゴルドドライブ達の襲撃に備えてる悠と秋。

だが、朝以降何も口にしていない秋の腹は如何にもという感じで今の状態を大きく主張していた。

 

「そういや朝のパン食ってから何にも食って無かったわオレ……なぁ悠兄さん。何か食いモン持って…。」

 

「無い。」

 

「ですよねぇ。………いやちょっと待て。悠兄さんだって朝メシ以外に何も食ってない筈なのに何で平気………あーッ!!!」

 

秋が疑問を抱きまじまじと悠を観察していく最中悠の腰に巻かれてる戦極ドライバーに気付き思わず立ち上がり叫びだす。

 

「何だよ急に騒ぎやがって…。」

 

「何だよじゃないよ!ズルいじゃん一人だけ空腹凌いでるなんて!」

 

「戦極ドライバーはユーザー認識が付いてるから俺以外のヤツが巻けない事は知ってるだろ?それにこれ栄養剤みたいなもんだし。」

 

「だからってオレに黙って一人で使う!?こっちはただでさえ腹減って可笑しくなりそうなのにィ!!」

 

「…あーったくうるせぇなぁ!ギャーギャーギャーギャーよぉ、何?こんな森の中でピザのデリバリーでも頼めってか?あァ?」

 

「あぁ欲しいよピザ!寿司でも蕎麦でもラーメンでも何でもいいから誰か持って来てー!」

 

「…ダメだこりゃ……ん?……。」

 

後ろを振り向く悠に釣られて自身も振り返ると視線の方角から此方に近づいてくる人影が見え、目を凝らして見てみるとここ最近知り合った白ジャージを着ている少女が秋達の前に滑走しながら現れた。

 

「すみません遅れました!補給艦速吸ただいま到着しました!」

 

「…えーと…速吸ちゃんなんでココに?」

 

「お二人の夜食を届けに来ました!多分お腹空かしてるだろうと思いまして。」

 

「…天使だ、天使が舞い降りてきた!」

 

「…何か前にもこんな事あったような…。」

 

「ふふ、それじゃあまず秋さんの分を、よいしょ。」

 

「はーい!、ってデカ!なんじゃこの馬鹿デカいおにぎり!?」

 

速吸から手渡されたモノを見て秋はおろかそれを見ていた悠でさえ目を見開くようなサイズのおにぎりだった。

 

「間宮さん特性戦艦級おにぎり弁当です!中に色んな具が入ってますよ。」

 

「うわー。初めて見たわこんなマンガみてぇなおにぎり…ウマッ!?」

 

「あと、これが悠さんの分です。」

 

「俺もか?」

 

「えぇ間宮さんから”しっかり食べなきゃ、分かってますね?”と伝えれば受け取ってくれるって。」

 

「……ま、まぁ今回は普通のサイズみたいだしこの位ならぜんぜ……。」

 

「ん?どうしたのさ?」

 

ビックサイズのおにぎりを食べながら弁当箱の蓋を開けて直後に固まった悠に秋が声を掛けるが悠に耳に入ってこなかった。

海で食べた弁当に比べ今回は普通のサイズより一回り小さいので安心してた悠だったが蓋を開けて中身を見ると、中身は普通の弁当だが米の所にさくらでんぷんで大きくハート型でデコレーションされた弁当に思わず絶句していた悠だった。

 

「……えーと…これって…。」

 

「はい。川内さんが作った愛妻弁当だそうです!」

 

(……アイサイって、あの愛妻…だよな?…。)

 

「そしてこれは神通さんからです。」

 

そう言って手渡されたものは小さめの水筒だった。

 

「えーと…お茶?」

 

「野菜ポータージュです。夏でも森の中じゃ体冷やすかもしれないから飲んでくださいだそうですよ!」

 

「ヒュ~♪愛されてるねぇ悠兄さん。」

 

「黙って喰ってろ。」

 

ニヤニヤと笑う秋にからかわれなが水筒のポータージュを口にする。

 

(………美味い。)

 

つくづく自分には勿体ない女達と思いながらもニヤニヤ笑う秋と微笑ましく笑う速吸が見てるなか弁当に手をつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、ラボ内では…

 

<ふ、二人とも。もう一度言うがその端末に繋がれてるコードを私の外部カバーを外して繋げるだけの簡単な作業だぞ?>

 

「分かってますよォ。そんなに心配して大袈裟ですねェ。」

 

「そうですよォ。少しは私達を信用してくれてもいいじゃないですかァ。」

 

<それならその両手一杯に持ってる工具は何なのかねッ!?どうみても私を解体するき満々ではないのか君達はッ!?>

 

「酷いですねぇベルトさんてば、ただついでにちょーっと詳しく見ようかぐらいしか思ってませんよ?」

 

「さてと、取りあえず時間が勿体ないんでパパっと取り掛かりましょうか、明石さん。」

 

「それもそうね。それじゃあいきますよー。」

 

<ものすごく不安しか浮かばないのだがッ…アァッ!ちょ、そこはあまりいじらないでッ…アッー!>

 

クリムが明石と夕張の二人に弄られてる光景を機材の影からこっそり見てるシフトカー。

だが普段のシフトカーとは違い赤い車の横に白のバイクが取り付けられてるサイドカーらしきシフトカーが表舞台に出るのはまだ当分の先であることは今は誰も知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜が明け始め森林の色が緑に着き始めてる最中、林の山道を歩く影が二つ。

 

一人は金色の仮面を着けたゴルドドライブ、もう一人は機会でありながら生物の特徴が見られる怪人キメラロイミュード。

二人は山道から施設を目指している真っ最中だが、進行方向に二つの人影が立って居る事に気付き立ち止まる。

 

【あれは…。】

 

「フフ、やはり来たか。」

 

キメラロイミュードがその正体に呆気に取られてるなかゴルドドライブは思い通りの展開に笑みを溢す。

前から此方に向かって歩いて来るのは闘志を剥き出しにした悠と秋の二人が立ちはだかった。

 

「やぁおはよう。昨日に懲りずまた出て来るとは何か良い作戦でも思いついたのかい?」

 

「あぁお陰様で。考える時間はたくさん有ったからなぁ。」

 

「今日はこっちがリベンジさせてもらうぜ!」

 

【まさか昨日の小僧共がこの二人なのか、まさか子供だとは…。】

 

「実の子供を実験台にしてるような奴が今更良識ぶってんじゃねぇっつうの。」

 

【っ!、小僧何故お前がそれを知っている!……まさか貴様がッ…。】

 

「さて始めるか。秋。」

 

「はいよ。」

 

悠が隣の秋に手鏡を渡し、秋が悠の方へ向けた手鏡に向けてカードデッキを構えVバックルを装着。秋も腰にライダーベルトを身に着け、飛来して来たガタックゼクターを手にする。

 

「「変身!」」

 

<< HENSHIN >>

 

悠がカードデッキをバックルに居れその姿をリュウガに、秋がガタックゼクターをベルトに装填してガタックへと変身した。

二人の変身を見て明らかに様子が変わっていたのはキメラロイミュードだった。リュウガの姿を見るや否や鼻息を荒くかなり興奮していることが見て取れる。

 

【お前はあの時のッ…貴様ァッ!またしてもッ、またしても私の邪魔をするかァッ!】

 

「へぇー覚えてたんだ。てっきりヨボヨボの爺さんみてぇに物覚え悪くなったかと思ってたけど。」

 

【ウガアァァァァアァァァァッッッ!!!】

 

リュウガがキメラロイミュードへ挑発すると。怒りを露わにリュウガへと襲い掛かり、特攻を受け止めたリュウガはそのままキメラロイミュードを引き連れてゴルドドライブから引き離して行った。

 

「ボク達を引き離そうって戦法か!だがそれをみすみす許す程…ッ!」

 

ゴルドドライブがリュウガの心意に気付き後を追いかけようとするがそれを阻止するようにガタックがゴルドドライブの前に立ちはだかる。

 

「テメエの相手は、このオレだ!」

 

「…フン、まぁいい。雑魚一匹ぐらいならすぐ片付く。」

 

 

 

 

こうして激闘の火蓋が切って落とされる。

 

 

 

 

 

 

 

 

【ウゴァァアァァァッッッ!!!】

 

「イヨッと!」

 

上手くゴルドドライブと分断することが出来たリュウガは迫るキメラロイミュードの爪の攻撃を後ろに跳んで回避し、距離を5メートルぐらい空ける。

 

<< SWORD VENT >>

 

距離を取ったリュウガはウイングランサーを装備。お互いが同時に駆けて行きリュウガはウイングランサーのリーチを活かし中距離から刺突を繰り出すが、キメラロイミュードは口を開きウイングランサーをなんと歯で受け止めこの荒業にリュウガは思わず絶句してしまう。

 

そんなリュウガの隙を見て両手の爪を弾丸のように発射したキメラロイミュード。リュウガの装甲に小さくも銃弾の倍はある攻撃を喰らいウイングランサーを手放し吹き飛ばされ、手放したウイングランサーは敵の手に渡ってしまう。

 

追撃を仕掛け跳び上がり奪ったウイングランサーでリュウガを突き刺そうと落下してくるがそれを許すリュウガでは無い。

 

<< STRIKE VENT >>

 

片方のデストクローでウイングランサーを弾き、もう片方で着地寸前のキメラロイミュードに爪を突き立てる。

だがいち早く反応され、右腕でガードされるが腕に爪痕を残し着地と同時に即座に後退され右腕の一撃しか有効打が決まらなかった。

 

右腕に付けられた傷跡を見たキメラロイミュードは震え出しリュウガに向けて怒りの心境を露わにする。

 

【オノレェッ!何故だッ!何故貴様は私の崇高な研究を邪魔するのだァッ!!!】

 

「さぁなんだろうね?強いて言うならその邪魔するのが趣味ってヤツ?」

 

【ふ…フザケルナァッ、キサマァァアァッ!!!】

 

「おうおう、もっと怒れ怒れ。…そしてバカみたいに単純になっちまえ。」

 

作戦と言えるようなやり方ではないが少なくとも相手の冷静を欠けば威力は有っても攻撃は単純になる。デストクローを嵌めた手招きに応じて此方に猛スピードに掛けて来る敵を前にリュウガは鼻で嗤っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グワァアァッ!」

 

「フフフ、ホーラホラ。少しは頑張りたまえ。」

 

一方別の場所ではライダーフォームへとなったガタックは装甲から火花を散らしながら吹き飛ばされ、吹き飛ばしたであろうゴルドドライブは余裕の態度で嘲笑いながらゆっくりと歩んでいた。

 

「こんの、舐めるなァァッ!」

 

「おっと。危ない危ない。」

 

ダブルカリバーを手にゴルドドライブへ斬りかかって行くが、ガタックの猛攻を前に飄々と躱されてしまい。下がり続けるゴルドドライブの背に木が壁となって動きを止めチャンスと見たガタックは上段からカリバーを交差に斬り付けていくが、頭を下げる事で背に当たった木を斬り落とすだけに終わりガタックの腹部にゴルドドライブの拳が突き刺さる。

 

「グハッ!」

 

「フゥ、やれやれ。…もしキミが彼とは違ってデータの少ないキミならばボクに勝てると思っているのならば、それは不可能だと今の内に言っておくよ。」

 

「何が、言いてぇ…。」

 

「ボクは彼の戦闘データを基に次の動きを予測して有利に持っていく。だがこの使い道とは逆に戦闘データを基に戦う事でボクは仮面ライダーと同等になれる。つまり、今キミはさっきまで一緒だった彼と戦ってる事になるんだよ。」

 

「それがなんだ!お前が悠兄さんをパクって戦おうがオレの負ける理由にはならねぇ!」

 

「…バカに何を言っても理解出来ないか…。」

 

心底呆れたようにゴルドドライブはベルトのイグニッションキーを捻り胸のゴルドコンバージョンから放たれる光がガタックのダブルカリバーを奪い取り、呆気に取られたガタックへ接近しカリバーでガタックに容赦なく斬りかかって行く。

 

「グ、グァッ!」

 

「いいだろう、口で言って理解出来ないならその体で理解させてあげよう。キミではボクに勝てないとねッ!」

 

ゴルドドライブは更に斬りつけていき、ガタックを徹底的に痛め付けようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドオォォン

 

 

「!……近いな、もしかしてこの近くで戦闘が?…。」

 

施設に居るキンジは遠くから聞こえてくる爆音に気付き、施設の近くで仮面ライダーが戦闘していると予測しミカの部屋へと行こうとするが、扉を荒く開けたアリアを見て普段とは違い慌てている様子である事に嫌な予感を感じている。

 

「キンジ大変!ミカが…ミカが部屋に居ない!」

 

「何だって!?もしかして連れ去られたのか!?」

 

「分かんない、爆音に気付いて部屋の様子を見に行ったら窓が空いててそれで…。」

 

「とにかく探そう!早く見つけねぇと外の戦闘に巻き込まれちまう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【グオォォォオッッ!!】

 

「見え見え、だッつうの!」

 

【グオッ!?】

 

未だ戦闘が続いてるリュウガはキメラロイミュードの拳を寸で躱しカウンターの右ストレートを浴びせる。数歩下がり再度突っ込んで行くも振り下げた腕をリュウガが掴みそのまま背負い投げを決めキメラロイミュードは投げ飛ばされた。

 

リュウガの挑発が効いているのか動きが大振りになり隙が目立つようになったキメラロイミュード、リュウガからのカウンターからのダメージで更に冷静で無くなっており見事リュウガの思惑に嵌っている状態である。

 

【ブオァァアッ!!!】

 

最早ヤケクソと言った風に一番威力の高く範囲が広い咆哮弾を放つキメラロイミュードだが、リュウガは音の衝撃波を前に慌てずカードをバイザーに入れる。

 

<< CLEAR VENT >>

 

姿を消したリュウガの居た所は衝撃波によって地面が削られ木々が吹き飛ばされていく。キメラロイミュードは衝撃波がリュウガに当たる直前姿が消えたことに気付き辺りを見渡して探そうにも衝撃波の所為で舞い上がった粉塵が視界を悪くしているお蔭でさらに苛立ってしまう所自身の体が影で覆われてることに気付く。

上を見上げるとドラグセイバーを構えたリュウガがキメラロイミュード目掛けて落ちながら上段に振り降ろす龍舞斬が直撃し大きなダメージを負わせた。

 

龍舞斬が余程効いたのかヨロヨロと不安定な足取りで下がって行くキメラロイミュード。これで後はクリムが来てロイミュードと西川を切り離せば此方の勝ちだ。

あと少しダメージを与えて戦意を無くしてやろうかとリュウガがドラグセイバーを構え直した。

 

 

 

 

ガサッ

 

 

「ッ!?」

 

二人が立っている所から少し離れた位置から聞こえて来た物音に目がいったリュウガはそこに居た人物に仮面の下で目を見開く。

 

戦闘の所為で荒れ地に近い状態の林の中でそこに居るのが不釣り合いな少女、ミカが裸足でここまで走って来たのか足は土で汚れて顔からは玉状の汗を流しながらリュウガを目に瞳を輝かせていた。

 

(オイオイ何やってんだよ遠山!)

 

「いた……やっと会えた!」

 

ミカが嬉しそうにリュウガを見つめるが対してリュウガは仮面で見えないが顔に焦りの色を見せていた。

今戦ってる相手の狙いでもある彼女が自分から来るなどカモがネギ持って来たどころの話では済まされないからだ。

 

【…見つけた……私の…私のモノだぁぁアァァあッッ!!!】

 

「!、クソッ!」

 

キメラロイミュードがミカを見るや否や先程まで怒りに浸っていた感情が消え本来の目的を果たすべくリュウガを置いてミカへと一直線に駆け出す。

遅れてリュウガも駆け出し、ミカへ逃げるように叫ぶが猛スピードで向かって来るキメラロイミュードの姿を見て恐怖心で硬直してしまい逃げてくれる期待は薄かった。

 

キメラロイミュードの手がミカに触れようとするほんの直前にリュウガは跳びつく。

その結果キメラロイミュードはミカに触れることが出来ずリュウガの背中を爪で搔く結果に終わり、リュウガはミカを抱き抱えたまま転がるハメになった。

 

【返せッ!それは私のだァァッ!!!】

 

「イ、イヤァ!」

 

「あぁもう、最悪…。」

 

<< GUARD VENT >>

 

抱き抱えたミカがリュウガの首元にしがみ付いてる所為で思うように戦えなくなり、爪で襲って来るキメラロイミュードを召喚したギガアーマーで防ぐしか出来なくなり状況は一変してリュウガにとってマズイ状況になった。

 

(そろそろ時間もヤバい…まだ来ねえのかよクリム!)

 

【寄越せ!寄越せぇ!ヨコセェェェッッッ!!!】

 

「グッ…。」

 

ギガアーマーに一切の間を空けず爪で引っ掻いていくキメラロイミュード。執念を帯びたモノかどうかは分からないが容赦ない爪の連撃にギガアーマーの装甲に段々と爪痕が付くようになり押され始めたリュウガ。

 

リュウガの体が時間切れの影響で塵が出始めてしまうが

 

 

「居た!アリア!あそこに居たぞ!」

 

「あれって、リュウガと昨日のカイブツ!?一体何がどうなってんのよ!?」

 

突如現れたキンジとアリアの二人を見て好奇と観たリュウガはギガアーマーを前に押し出し一瞬怯んだ所に前蹴りを喰らわして後退させる。

そしてしがみ付いてる無理矢理引きはがしミカの襟首をネコのように掴み上げて

 

「オイお前ら!しっかり受け止めろォッ!」

 

「え、えちょッとお前まさか…ッ。」

 

「オウリャァッッ!!!」

 

「キャーーーーッッッ!!!!」

 

あろうことかキンジ達に向けてミカを槍投げのように投げキンジは慌てて真っ直ぐ向かって来るミカを受け止めて、受け止めた衝撃によりキンジの体は後ろに跳ばされてしまった。

 

「イテテ、ミカ、大丈夫か!?」

 

「ハ、ハイ…。」

 

「アイツ…女の子になんて事してんのよ!」

 

【ア゛ア゛ァァアァァアッッッ!!!】

 

キンジ達の元に行ったミカを手にする為キメラロイミュードはキンジ達の元に行こうとするが、キメラロイミュードの胴体に何かが巻き付かれ動きが止まる。

胴体に巻き付いてるのはリュウガが召喚したバイオグリーザの舌、巻き付いてる舌を爪で斬ろうと腕を上げるが振り上げた腕にバイオワインダーが巻き付かれ、キメラロイミュードが目を向けると先程より体の消滅が早くなっているリュウガが踏ん張っている姿が見えた。

 

「外野がうるさくなってきたなぁ。場所変えようぜ。」

 

<< ADVENT >>

 

消えかけの体でバイザーへカードを入れて、飛来して来たドラグブラッガーは身動きを封じたキメラロイミュードに真正面から突っ込んで行きそのまま力押しでキメラロイミュードごと飛び去っていく。

当然縛っていたバイオグリーザとリュウガも後を付いて行くように飛んでいきその場に残ったのは呆然としてるキンジ達二人と消え去ったリュウガの後を見つめるミカの三人だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてゴルドドライブと戦ってるガタックも絶賛危機に陥っていた。

 

装甲が傷だらけで膝を着くガタックの眼前に立つゴルドドライブは、奪ったカリバーをガタックの首元に添え、戦いを終わらせる気だった。

 

「思いのほか結構持ったねぇ。ま、もう終わりだけど。」

 

「………。」

 

ゴルドドライブが余裕を見せてるなかガタックは顔を俯かせ無言のままだった。

 

「さて何か言い残す事はあるかい?」

 

「………。」

 

「…喋る気力も無いか…ではさようなら。」

 

首に添えたカリバーを振り上げ、ガタックに振り降ろす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…とまぁ、お前にはゴルドドライブを相手にしてもらう訳だが、はっきり言って今のお前じゃどうやっても勝てん。無残に殺されるだけだ。」

 

「一切の迷いも無い負け宣言!?じゃあ何!?悠兄さんオレに死んで来いって言うの!?」

 

「似たようなもんだ。お前の方はある意味大博打って言うくらい運任せのだからな。」

 

「運任せ?」

 

「あぁ、奴は俺の戦闘データをほぼ持っている。恐らくデータの少ないお前と戦る際は俺のデータを使ってやるはずだ。」

 

「つまりそれって実質悠兄さんと殺し合うって事?…なんつう無理ゲー…。」

 

「正攻法じゃ明らかに結果は見えてる。だから今回ばかりは奴の隙を突いた一発勝負の戦いだ。」

 

「隙?」

 

「奴はトドメを指すとき確実に仕留める為か相手に近ずいて来る。実際最初に俺と戦った時も昼間の時も態々近ずいて来た。多分アイツ自身戦い馴れしていないから無意識にやってる事かもしれん。それをうまく利用する。」

 

「でもそれってトドメ指すときでしょ?それまでオレは黙ってやられてろって言う事?」

 

「あぁ。勝利を確信した時が一番の油断。奴をそこまでさせる為の根気勝負だ。

チップはお前の命。勝てば生き残り、負ければ死ぬ。

こればかりは無茶な案だと思うが生憎と今打てる手はこれしか無い。やるかやらないかの判断はお前に任せる。」

 

「……ハッ、何を今更。分かりきったこと言わないでよ悠兄さん…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ここだ!)

 

<< PUT ON >>

 

「何!?」

 

タイミングを計っていたガタックはベルトのゼクターホーンを戻し振り上げた腕にアーマーを身に着け振り降ろされたカリバーを受け止め一瞬の行動に硬直したゴルドドライブの両腕を掴み、その間にライダーフォームから重装甲のマスクドフォームへと姿を変える。

 

「ゼロ距離取ったぜ!」

 

「しまっ、ぐわあぁぁッッ!!!」

 

腕を捕えた状態でマスクドフォーム専用武器であるガタックバルカンを連射。バルカンの射撃をガードする事も出来ず容赦ない直撃を喰らい続けるゴルドドライブ。

撃った弾数が30を超えるとガタックは腕を離し、がら空きのボディに一撃入れて吹き飛ばされて倒れるゴルドドライブを前に形勢逆転の勝負を仕掛ける。

 

「キャストオフ!」

 

<< CAST OFF >>

 

<< CHANGE STAGBEETLE >>

 

ライダーフォームへ姿を変え奪われたカリバーを回収し、二つのカリバーを一つに合わせるとカリバーの刃からイオンエネルギーの電気が奔る。

 

<< RIDER CUTTING >>

 

「ウオォォォォリャァァッ!!!」

 

「グァ!?」

 

背中を向けて立ち上がるゴルドドライブの腰元にハサミ状になったカリバーを挟み込んで持ち上げるガタック。

 

上げられたゴルドドライブは挟まれてるカリバーから逃れようともがくが挟む込む力とカリバーからのイオンエネルギーが強くなってきており、抵抗する力を奪われてしまう。

 

「オォォォォッ!!!!」

 

「ガァアァァァッッッ!!!」

 

ガタックが気力を振り絞ってカリバーを持つ手に力を入れダメ押しと言わんばかりに力を入れると、ゴルドドライブは爆散していった。

 

ガタックの上から機械のパーツが雨のように降り注いで来るなか、肩を激しく上下させ手と膝が地に着く。

 

「…や、やった…へへ。」

 

仮面の下では痛みで顔が歪みながらも勝利の実感に笑顔がこぼれた。

 

 

 

 

<まさか、こんな形でキミに敗れてしまうとはね…。>

 

「!、テメエ…。」

 

突如聞こえた声にガタックが振り返ると先程までゴルドドライブが着けていたベルトが宙に浮いていた。爆散してしまう前に本体であるベルトはいち早く切り離した様であった。

 

<にしても正気を疑う作戦だねぇ。ボクが油断するまで待つなんてやり方大分イカれてるよ。>

 

「…生憎我慢強いのが売りなんだよ。テメエに勝つなら何だってしてやるさ。」

 

<おやおや大した性根だ。これを機にキミの評価を改めなくてはね。>

 

「その必要はねえよ。テメエは此処で…。」

 

ガタックが立ち上がりカリバーを投げようかと思ってた矢先上空からガタックの周り目掛けて光弾が放たれ、この隙に空から現れたバット型のロイミュードはベルトを回収し翼を広げて空へ飛ぶ。

 

「待ちやがれ!」

 

<今日はこの辺で失礼させてもらうよ。これだけやれば今回のノルマは十分達成出来た筈だからね。>

 

「あ?どういう意味だ!?」

 

<いずれ分かるよ。いずれね…ではさようなら。>

 

「あ、待て!」

 

ガタックの静止も意味なく空へと消えていったバット型を追いかけることが出来ず。先程の戦闘でのダメージの所為かバット型の姿が見えなくなった頃にガタックの変身が解かれ、秋は大の字で気を失ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてドラッグブラッガーによってキンジ達から引き離す事の出来たリュウガだが、放り投げられたキメラロイミュードの離れた所で着地するも体から出ている塵がリュウガの姿をぼやけさせ、遂に変身が解かれ生身の状態になってしまった。

 

「時間切れか…。」

 

【フゥーッ!、フゥーッ!】

 

「チッ。」

 

未だにこちらを睨み付けるキメラロイミュードが健在であることに舌打ちをし、ゲネシスドライバーを取り出そうとしたその時である。

キメラロイミュードの周りが爆発し、悠が空を見上げるとライドブースターを左右に着けたネクストライドロンが現れ、ネクストライドロンから落ちてくるクリムをキャッチした。

 

「いくらなんでも遅すぎるぞ。何処かで寄り道でもしてたのか?」

 

<…すまない。今その話は控えてくれ。私のAIデータにバクががががが…。>

 

「…あ…うん……ゴメン。」

 

クリムの心中を察し、気を切り替えてキメラロイミュードと対峙する。

 

「とにかく今は奴を倒すぞ!」

 

<あががが……はッ!O、OK!Start our Mission!>

 

「ホントに大丈夫かよ…変身!」

 

<< DRIVEtypeNEXT! >>

 

ダークドライブへ変身し即座にブレードガンナーを手に駆け出す。

キメラロイミュードも此方に向かい駆け出し、右腕を突き出して来るが容易く見切ることが出来たダークドライブは寸で躱しブレードガンナーの刃を肩口に当て思い切り斬り付ける。

肩口から腰まで斜めに斬られたキメラロイミュードの体に赤い切り口ができそこに迷わず手を入れ掴んだ感触を手に腕を引き出すとキメラロイミュードの体から病院の患者服を着た西川が放り投げられ、キメラロイミュードは下級のコブラ型になった。

 

<よし、切り離す事に成功した!>

 

「こうなりゃ後はこっちのもんだ。」

 

<< NEXT! >>

 

ダークドライブはコブラ型に向けてブレードガンナーの斬撃を放ち、放たれた斬撃はそのままコブラ型の直撃し爆散していった。

 

<Mission Completeだな…。>

 

「あぁ。取りあえず、な…。」

 

倒れてる西川を見て呟くダークドライブであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ホントに大丈夫?ちゃんと病院で詳しく診てもらった方が…。」

 

「大丈夫ですアリアさん。あの人が守ってくれましたから。」

 

施設の外に置いてあるベンチでアリアが座ってるミカを母親のように心配しているようであり、この光景にキンジは明日槍でも振るんじゃないかと思ってみていた。

その時ふと自分達の後ろに誰か居る事に気付いて振り返ると、思いもよらない人物がそこに立っていた。

 

肩に病院の患者服を着た老人を担いだキンジ達が先程目にした仮面ライダー、リュウガがそこに居り。アリアが銃を構えミカを自身の後ろにやってるなかリュウガは担いでる老人をキンジ達の前に放り投げる。キンジ達が投げられた老人を見ると病院から抜け出した西川で有る事に気付いて近づいて脈を図り息が有る事を確認した後手錠を西川に掛けた。

 

「アンタ、一体どういうつもり?何で西川を…。」

 

「今回の騒動の重要人物だ。詳しい話は後でソイツから聞け。聞ければの話だがな…。」

 

アリアがリュウガの言葉に疑問を抱いてる最中ミカが真っ直ぐリュウガの元に行きアリアが静止の言葉を掛けるも耳に入っておらずリュウガの元に着き躊躇う事無く抱き着いた。

 

「また会えたッ…!また…助けてくれた!」

 

リュウガに抱き着くミカの顔はキンジ達が見た事無い程の良い顔であり、この光景に二人は言葉が出なかった。

 

そんなミカをリュウガは肩を掴み自身から引き離し、見下ろして口を開く。

 

「……もうお前と会う事は無い。」

 

「え?……そんな、なんで…。」

 

「言う必要は無い。」

 

そう告げてこの場から去ろうと背を向ける。だがミカはリュウガの足にしがみ付き行かせまいと力を入れる。

 

「離せ。」

 

「ヤダ!もう会えないなんてイヤだぁ。」

 

「離せ。」

 

「ヤダ、ヤダよぉ。お願いだから行かないで…。」

 

子供が親に駄々をこねる様に泣きじゃくりながらミカは離す様子は見られない。ミカを見下ろしていたリュウガはキンジの方へ目を向ける。此方を向いたリュウガに一瞬たじろいてしまったが、リュウガの目線の意味を分かりアリアの横を通りぬけてリュウガ達の元へ進んで行き、足にしがみ付いてるミカを離させた。

 

「…頼んだ。」

 

キンジに向けてリュウガが短く告げると今度こそその場を去って行く。

ミカはキンジに抱えられながら懸命にリュウガへ呼び止めるが段々とリュウガの姿が見えなくなり泣き続けるミカにキンジは優しく声を掛ける。

 

「…なぁミカ。多分、多分だけどアイツがお前にもう会わないって言った理由、もしかしてお前のためを思って言ったんじゃないか?」

 

「私の…ため?」

 

キンジはミカを下ろし真剣な目でミカに語る。

 

「お前がこのままアイツを求めてこれからも助けてもらえることを望んじまったらミカはずっと弱いまま生きてく羽目になっちまう。だからアイツはミカとはもう会わないって言ったんだよ。

お前が…強く生きていくことを望んで。」

 

「………。」

 

それ以上誰も口を開かなかった。

 

それぞれが胸に思い思いの感情を宿したまま。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれはどういうつもり?」

 

施設内の教室の外でアリアはキンジに問い詰める。内容は言わずもがな先程ミカに言ったことだ。

 

「言った筈よ。アイツに下手な期待はしない方が良いって。それなのにアンタは…。」

 

「分かってるよ。オレがやった事は武偵としてある意味失格だって事は…でもよ。」

 

キンジは教室を除いてスケッチブックを手に椅子に座ってるミカを見てあの時リュウガがミカ助けている光景を思い出す。

 

「それでも信じてみたいって心のどこかで思ってるんだ。武偵としてで無く、人として…。」

 

「……フン。勝手にしなさい。」

 

キンジの胸の内を聞いてアリアはその場を後にする。アリアの後姿を見てミカを見た後キンジもアリアの後を追ってその場を後にしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇねぇミカちゃん!」

 

「…なに?」

 

「たまには一緒に外で遊ぼうよ!」

 

「……うん!」

 

他の男の子に誘われてミカは椅子から立ち上がった。

 

椅子に置いたリュウガの描かれてるスケッチブックを置いて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………ん?」

 

「ようやく起きたか。」

 

秋が目を覚まし、まず目に入ったのは写り変わる林道だった。

 

暫くして自分は悠のネクストライドロンに乗っているのだと気付き左を見ると悠がハンドルを手に運転していた。

 

「悠兄さん…オレ…。」

 

「まだ休んでろ。家に着くまでまだ時間はある。」

 

<今回の秋は良く頑張ったからな。大したものだよ、一人でゴルドドライブを倒すとは。>

 

「……ゴメン。オレ…。」

 

「過ぎた事を悔やんでも仕方ないだろ。それを抜きにお前がやってくれたお蔭で今回は上手くいったんだ。お前を責める気はこれっぽっちもねぇよ。」

 

「悠兄さん…。」

 

「ま、今後はこういう失敗の無い様にこれからみっっちりしごくから覚悟しとけよ?」

 

「って、ボロボロの奴に今それ言う?」

 

「何時言っても変わんねぇだろうが。」

 

悪態を吐くも満足気な顔で頭をシートに乗せる秋。

そんな秋を横目に運転をする悠だが秋の携帯から着信音が鳴り、秋は携帯を取り出す。

 

「姉ちゃん?はい、どうしたの?………え!?ちょ、悠兄さん止めて!車止めて!」

 

秋が悠に停車するように言い、訳が分からず取りあえず停車した悠。秋の顔は一変して慌ててる様子だった。

 

「何だよ急に…。」

 

「姉ちゃんからなんだけど冥界ってトコでファントムが暴れてるって!」

 

「何!?ちょ、電話代われ!…もしもし!?」

 

「灰原君!?大変なのよ!今さっきオカ研で聞いたんだけど冥界でファントムが暴れてて、それで…。」

 

「ちょっと待て!詳しく聞きたいから質問に答えてくれ。それって今も続いてる事か?それとも後か?」

 

「後、らしいわ。」

 

「被害は?」

 

「大勢の悪魔と堕天使が殺されたり魔力を奪われたって聞いたわ。それと…。」

 

「それと、どうした?」

 

「……冥界に居た転生悪魔のほとんどがファントムにされたって。」

 

「っ!……なんてこった。」

 

「あ…そう言えばアイツ言ってた。ノルマは達成出来たって…。」

 

「てことは………そう言う事か。今回の騒動は俺達の目を引く為の囮か…。」

 

「囮って、アレが!?融合進化態もゴルドドライブも!?」

 

「デカいエサに釣られたって事さね…。」

 

<フム…これで敵は兵力を増やし目的の為の魔力も大量に得た。それだけでは無く、今回の騒動を皮切りにロイミュードの融合進化態もまた来る。>

 

「………マズイなこりゃ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冥界のファントム襲撃の知らせを受ける数刻前

 

とある暗闇の一室で大臣とキングは大掛かりな魔方陣の上に立っていた。

 

「さて、ようやく準備は整いました。ではこれより行動を開始しましょう。」

 

「やっとか…んでアイツはどうしてるって?」

 

「上手く仮面ライダー君達を引き付けることが出来たようです。融合進化態のロイミュードが良いエサになってくれたみたいですね。

さて…。」

 

大臣が振り返るとそこに居たのは異形の集団。ファントムの大群が居り、そこにはこの前悠と闘ったグレムリンことフリードの姿もあった。

 

「さぁ行きましょう!そしてこれ期にこの世界の人外共に思い知らせましょう!我々の力を!」

 

魔方陣が光り出し、その場に居た大臣や大量のファントムは暗闇の一室から姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

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