今この話に出て来る主人公サイドと敵サイドのCV(声優)を決めるアンケートを行ってます。
もしこういう声優がこのキャラに合ってるんじゃないか、と思う方は活動報告のアンケートの方へ投稿お願いします。
それは本編へどうぞ。
ガレージ地下ラボ
「はぁ~~、びっくりした。
灰原君、アナタやっぱり異常としか言えないわよ。神様相手にあんな口叩くなんて。」
「別に今回が初めてじゃ無いよ。神様相手に常日頃から汚い言葉吐いてる。今回は直接面と向かって言っただけ。」
「ハハッ、悠兄さんらしいや。」
「逆に此処まで来ると清々しいと思える程でしたね。あんな大口叩ける人は。」
「そりゃどうも……ちょっと待て。
…何か一人多くない?」
「え?私に、悠に、秋にハルナ。…ちゃんと四人ですよ?」
「ゴメン。言葉が足りなかった。
何で、キミが、ここに居るの?ここ一応関係者以外立ち入り禁止なんだけど?」
「まぁまぁ悠兄さん。ラ・フォリアちゃんオレ達の正体知ってんだし、別に入れたって良いんじゃない?そんなヤバいモン置いてる訳じゃねえしさ。」
「置いてますよ?超置いてますよ、ヤバいモン。
しかもそのヤバいモン此処で作られてるんですよ?」
<まぁとにかく、その話は今は置いといて本題に入ったらどうかね?
先程のオーディンと名乗ってた人物の話に出て来た、我々の敵に着いて…。>
「…そうだな。」
時間は今より少し遡る。
「どうぞ。」
「おぉ、スマンなお嬢ちゃん。」
リビングにて早霜から出されたお茶を手にする老人を前に悠達はソファーに座らず対面してた。
そう、目の前に居る隻眼の老人。北欧の主神であるオーディンを前にして。
「…フム。中々いい味じゃのう。儂好みじゃわい。」
「どうも。」
「お茶が気に入って何よりの所そろそろ聞いてもいいかい?北欧のカミサマとやらが何で態々こんな所まで?」
「おぉそうじゃった。いやスマンのう、歳は取りたくないもんじゃ。」
「ちょっと灰原君。その口のきき方はちょっと…。」
「構わんよ、儂の身分がなんであれ今回はモノを頼む側に居るのじゃから、口のきき方位気にはせんよ。」
「それはどうも。
で?頼みごとってナニ?」
「うむ。単刀直入に言わせてもらおう…
お主の…いや、そこの少年も含めてお主等か、お主等の力を是非貸してほしいのじゃよ。
噂の仮面ライダーよ。」
オーディンはニヒルな笑みを浮かべながら驚いてる面々の顔を目にしながら本題の話しに入った。
突然の言葉に悠を除いた三人が驚愕の表情を浮かべるなか悠だけは顔色を変えず…いや、目の色を変えてオーディンに目をやる。
「…何で分かった?」
「ホッホッホ。なに、これでも伊達に神は名乗っておらんよ。ただお主等がちと派手に動いたのあって、そこから調べ上げるのに時間と労力は掛かったもののこうして対面出来るなら安い出費よ。」
「派手に、ねぇ…これでも人目を気にしてたんだけど。」
「思わぬとこで隙が在ったと言う事じゃ、案外今も何処かでやらかしてるやもしれんぞい?
…っと、話が逸れてしまったな。お主は今、何故儂がお主に力を貸してほしいと頼んでるか考えておるじゃろう?」
「そりゃあねぇ。それこそウザったい人外共黙らすのに少し強引な手を使ったから、色んな意味で人気者になってますが?」
「アザゼルの小僧を倒したとかな。あ奴は戦争より己の欲に忠実な男じゃからて、昔に比べれば腕は落ちてる筈じゃから当然の結果というかの。アレもお主がやった事じゃろ?」
「まぁね。本気出さずに軽くチョイっとね。」
「フォッフォッフォッ!そうかそうか!軽くチョイっとか!こりゃゼウス達の酒のツマミ話になりそうだわい!」
「うわぉ、こりゃまたビックな名前が出て来たことで…。」
「……ねえ秋。灰原君って怖いもの知らずなのかイカれてるのか知らないけど、一体どういう神経してるのかしら。神様相手に仲良さ気に話してるんだけど…。」
「んー、まぁそれが悠兄さんの魅力って見ていいモンじゃない?」
「かもしれませんね。私が王女って事言った時も、あぁいう感じにしてましたから。」
オーディンとの会話をそれこそ近所の老人と仲良く話してるかように振る舞ってる悠に対し、後ろ三人は陰でヒソヒソ話してた。
大いに高笑いするオーディンに悠は話を切り出して来る。
「…んで、そろそろ本腰に入ってもらっていいかなぁ?
俺がアンタに手を貸す程の相手って…誰よ?」
「…フム。それがまた厄介でのぉ。
相手は……お主と同じ奴じゃよ。」
「同じって…オイオイもしかして…!」
「まさか…。」
「?」
オーディンの言葉に反応したのは秋とハルナ。そんな二人を目にラ・フォリアは状況が追い付かず首を傾げるるなか、悠は薄々感付いてたかのように頭を搔きながら口を開いた。
「…ふぅん。
餅は餅屋、ってヤツかね。コレ…。」
「まぁそう言う事じゃな。」
「…すみません。口を挟むようで申し訳無いのですが、悠と同じって言うのは…。」
「む?そこのお嬢さんは余り知っておらんのか?
…時にお嬢さん。お主はひょっとすると…。」
「只のホームステイだよ。異文化交流の…。」
「…ふむ。そうか。それなら余計な口出しはせんでおこう。
それとお嬢さん。先の質問についてだが、そのまんまの意味じゃよ。儂を狙って来るヤツは、そこに居る男と同じ名前で呼ばれてるヤツの事じゃ。」
「同じ、名前…ひょっとして…。」
「気付いたか。…そう、仮面ライダーじゃよ。
こ奴等以外の、恐らく冥界を襲撃した奴らじゃ。」
オーディンから告げられた真実にラ・フォリアも黙り込んでしまう。
三大勢力の一つである悪魔を襲い、今度は北欧の主神までも狙って来るその大胆な行動に流石のラ・フォリアも言葉を失ってた。
「ヤツは儂を討たんとする為に態々北欧の方まで出向いてきた程じゃ。被害は冥界程じゃないが死傷者も少なくない。
幸い儂はその時居らんかったから少ない犠牲で済んだが、生き残った者の話を聞くと擋太刀打ちできる相手じゃ無かったと言う。…仮にも精鋭揃いの腕利きたちがのぅ。」
「…他に何か分かってる事は?」
「あと知らされてるのは、その者の姿と去り際に言った言葉だけじゃ。
金色の全身鎧に腰にベルト。…そして去り際に言ってたらしい、”ヤツはここに居ない。”と言う言葉。それでその時不在じゃった儂が狙われてる事が分かったのじゃよ。」
オーディンの言葉に悠は只耳を傾けて自身の脳内で考えを整理する。
目の前の老人を狙う仮面ライダー。今ままで遭遇してきた敵ライダー達の事を思い返してみるとこの街を中心に動いてる奴らが態々国を超えてまで目の前の老人を狙う理由は何か?
その時考え付いた可能性が新たなる敵ライダーの存在。今まで確認された三人以外のライダーが狙ってるとならばソイツの単独か、あるいはこれも奴等の計画の一部なのか。
新たな敵を考えるうちにふと頭に思い浮かべてしまう。
目の前の老人の名前のお蔭で…。
(…まさか、四人目って…。)
「どうかしたかの?」
「…いや、何でも無い。それと爺さん。後もう幾つか聞きたい事が…。」
ピンポーン
「あら、こーんな時にお客さんだよ。」
「なら私が出て来るわ。ちょっとこの場の空気から抜け出したい。」
話しを切り出した途端に突然の来訪者が訪れた事によりその場の空気が途切れる。
気分転換のつもりでハルナが進んで玄関に向かう姿を見て、来客はハルナに任せて話を戻そうとオーディンの方へ目をやると、当の本人は何処か嫌そうな顔をしてた。
「どうしたよ?急に顔色が変わったぞ。」
「ふぅむ。いやぁのぉ、面倒臭いヤツがきてしまってなぁ…。」
「めんどくさいヤツ?…まさか…!」
「あぁ敵では無いわい。文字通り、面倒臭いヤツじゃ…。」
「オーディン様!やっと見つけました!もう、何も言わずフラフラどっか行って、探す私の苦労を考えてください!」
「ちょっとアナタ!いきなり入り込んで…。」
突如現れたのは、ビジネススーツに身を包んだ銀の長髪の女性。ハルナの制止を振り切るや否や、悠の前に居たオーディンに物申しながら詰め寄る。
「全く空気の読めない奴じゃのうお主は。今大事な話をしとったと言うのに。だから男が出来ない戦乙女と言われるんじゃよ。」
「なッ!?い、今はそんな事関係無いじゃないですか!
それよりもまた私に黙って勝手な行動して、この人達にご迷惑掛けてないでしょうね!?」
「失敬な!儂は今回ばかりは真面目にせんといかんと思うて、目の前のお嬢さん方にまだ指一本触れておらんわ!
ホントはこの腕を抑えるのに、どれだけの辛い思いがあるか貴様に分かるか!」
「セクハラを当たり前にしようと言う言い方はやめてください!昨日だってグレモリーさん達に護衛の件を頼んだ際も当たり前の様にお尻触って少しは自重してください!」
「…なぁ、神様って普通尊大なイメージが在るけどよ、実際目にしてこれっぽちも感じないのは何でだろうね?」
「う~ん……わっかんね!」
悠と秋が話してるなか、銀髪の女性は悠達の方へ体を向き、深々と頭を下げる。
「突然の事でお騒がせして本当に申し訳ありません!私、オーディン様の御付にいますロスヴァイセと申します。
此度はご迷惑おかけしまして再度謝罪申し上げます。」
「あぁいや、お気になさらず。俺達にとっても重要な事をこの爺さんから聞いた所だったから。」
「重要な……あの、失礼ですが貴方達は…。」
「仮面ライダーじゃよ。ちょっと彼等の力を貸してもらいにこれから頼もうとしてた所じゃ。」
「あぁ彼等が噂の仮面ライダー……仮面ライダー!?」
オーディンが告げた言葉に先程までと態度が変わったロスヴァイゼは纏ってた姿をスーツから鎧のような物へと変え悠達に敵意を見せた。
「下がってくださいオーディン様!まさか仮面ライダーがこんな子供だったなんて…!」
「止めんか馬鹿者が!」
「あ痛ッ!?」
敵意を見せたロスヴァイセにブレイクガンナーを取り出そうとした悠だが、それよりも早くオーディンが持っていた杖でロスヴァイゼの頭部を叩き付けた。
「ちょっと何するんですかオーディン様!?相手は冥界だけでなく北欧まで襲った仮面ライダー何ですよ!?
なのにどうして…!」
「お主、さっき儂が言った事を忘れたのか?言ったろう、”力を貸して欲しくて頼みに来たと”
こ奴等は北欧を襲った奴とは別人だ。だから儂は此処へ来た。」
「ですが…!」
「それとこうも言ったぞ。儂は今回、本気で、真面目に、頼みに来た、と。
その儂がこ奴等は大丈夫だと判断しての行動じゃ。こんな嘘、儂が付いた事あるか?
…それに、お主が仮面ライダーに抱いてる怒りをこ奴等にぶつけたとしても、それは見当外れの大きな間違いじゃ。」
「…………分かりました。」
オーディンの一言により、敵意を収めたロスヴァイセは鎧姿から先程のスーツ姿に戻りそれを確認したオーディンは悠達に謝罪の言葉を入れる。
「いや、儂のヴァルキリーが失礼な事をして申し訳なかった。
さっき北欧が襲われたと言ったが、その犠牲者の中にロスヴァイセと同じヴァルキリーも少なからずやられたのでな。それ以来こ奴はその名を聞く度にさっきの有り様よ。」
「…そりゃあまた…。」
「ヒデェ…。」
「…お気になさらず。それこそこの気持ちは、貴方達以外の仮面ライダーにぶつけるとします。」
「…その台詞が一番心配になるんだけど…。」
「大きなお世話です。」
秋が呟いた一声を一蹴したロスヴァイセはオーディンの後ろに着き、溜息を吐いた後オーディンは口を開く。
「さて、話は戻らせて貰おうかの。
…して、どうかこの頼み聞き届けて貰えないだろうか。北欧を代表する主神として、儂個人の願いとして、どうか。」
頭を深々と下げるオーディンを前に悠は腕を組んで”うーん”と唸りながら顔を天に向ける。
暫く経って周りからの視線が集中されるなか顔を正面のオーディンから向けて自身の考えを述べる。
「…アンタ等北欧がどれだけピンチかヤバいかはこっちにとっちゃ正直どーでもいい事だし、さっきから不満げな銀髪女の心情もどうでもいい。」
「なんですって!?」
「悠、それは流石に…。」
「灰原君!口が過ぎるわよ!」
「本音言っただけだよ、嘘で同情の言葉を言ったって対して何とも変わらないだろう?元に戻る訳でも無いし。
…そっちの頼みの件だけど、俺としてはどんな奴だろうと、どんな事情だろうと誰かの頼まれ事の為に自分の力を使わないつもり。それこそ自分の目的の為に使うつもり……だが、ライダーの相手をしろっつうんなら、頼まれなくても勝手にやらせて貰うさ。」
「と、言う事は…。」
「受けるよ。その話。」
「おぉ!そうか、頼まれてくれるか!」
「あぁ。でも条件として此方から出す要望に応えて貰うけど?」
「それは構わん。出来る限りの要望には応える所存だわい。」
オーディンから差し出された手に応え、悠はその手を掴み話は成立した。
周りから様々な思いが籠った視線が向けられながら、悠はこれから戦うであろう仮面ライダーの事を思っていたのだった。
そして、時は進み全員が地下ラボに揃い(内一人無断入室)後ろでラ・フォリアが初めて見るクリムに興味津々なのを放っておいて、悠は懐から取り出したカードデッキを眺めていたのだった。
「それはそうと、あの爺さんが少しでも戦力をとか言って、あのオカ研とか言う奴等に協力を頼んだとか言ってたけど…そういった報告は聞いてませんよ?えぇ?桜井さん?」
「それを言われても仕方ないじゃない。人間に戻って夜の活動がキツくなったから、暫くオフを過ごしなさいって言われて貰ったのよ?その間は完全に休ませるように連絡は取らないって。」
「まぁ心配事としては邪魔されるかどうかだけの話だが、あの爺さんの条件もあるし多分大丈夫か。
…問題は相手次第だが…。」
「…ねぇ。灰原君の事だからある程度想像ついてるんでしょう?オーディンを狙ってる仮面ライダー。」
「あぁ。多分、秋も薄々感付いてると思う。態々国を超えてまであの爺さんを狙う仮面ライダーに。」
「そう…ちなみにそれってどんな仮面ライダー?」
「うーん…そうだなぁ、一言で言うと…。」
そう言って悠は手にしてたカードデッキをハルナに見せつける。
「謎に包まれた13番目の仮面ライダー、ってとこかな…。」
「…オーディン様。一言宜しいですか?」
「はぁ、そろそろ言って来る頃じゃと思っておったよ。」
同時刻、宿泊してるホテルの一室で高価なソファーに座ってるオーディンにロスヴァイセが話しかける。
「お主が言わなくても分っとるよ。どうしてあの若造達に協力を求めたか、そうじゃろう?」
「…オーディン様の考えは分からなくも無いですが、オーディン様の護衛には私も含め堕天使総督のアザゼル様やグレモリーの皆様方、あと偶然居合わせた教会の聖剣使いの方もいらしてたった一人の相手に彼らの協力は…。」
「甘い考えじゃのうロスヴァイセ。だから何時まで経っても男の一人も出来んのじゃよ。」
「それは今とは関係ない事でしょう!それに私も好きで独身貫いてる訳じゃないんですよぉ!」
ロスヴァイセにとっては禁句なのか独り身の事実を突きつけられた彼女は涙目になって反論するもオーディンは気にせず自身の考えを述べる。
「時代は常に進んでおるのじゃよ。時が進むごとに世界の文化も変わり、思想も変わり、そして…今まで予期する事の出来ない波が襲い掛かって飲み込まれる事もあるのじゃ。」
「…その波が、仮面ライダーという存在の事を言っているのですか?」
「本音の所、最初はこの一件を切っ掛けにあ奴等と深い繋がりを持とうと考えておったが……あれはダメじゃ。
あの男には飼いならすと言う言葉が一番合わない人間じゃわい。」
「それは、灰原 悠の事ですか?」
「気付いておったか?あの男、一見隙だらけに見えておったが何時でも儂に攻撃できるように身構えておったわい。最初から最後までその構えを解いておらんかった。
あぁいうヤツは手元に置くのはちと危険すぎる。…もう一人の方は、そうでも無かったがのぉ。」
「…本当に大丈夫なんでしょうか?これからの事態に、彼等に命運を任せる様な事をして。」
「此方を一切信用していなかったが、向こうはウソはついとらんよ。それだけはあの目を見ればわかる。
…津波の前では、高台で事の事態が収まるまでじっとしてるのが最良よ。」
灰原宅、悠の自室。
「……。」
悠は明かりも付けず窓からの月明かりの光だけの室内で一人物思いに耽ってた。
(もしあの爺さんを狙ってるのがアイツなら…。
これは出し惜しみとかそんな余裕は命取りになっちまう。最初から全力で殺しに掛からないとこっちが殺られる。アイツもここ最近、それこそバカみたいにレベルが上がってきているから、コイツを使わせてみるか?)
目の前に置かれたカードデッキの傍で此方を覗き込んでいる様に見えるシグナルバイクとシフトカーがサイドカーの様に合わさったシフトカーを見ながら悠はこれからの状況の進行具合を考えてた。
秋はこの一カ月間の特訓でかなり実力を上げている。それはこの間の戦闘で見せた立ち回りや悠が海に放り投げた際に、全力で投げた為軽く100mの倍の距離は投げたと言うのにそれを約3分程で潮の流れも緩やかとは言えなかった海中を泳いで戻って来たことに最初と比べてかなり体力が付いていると言う事があの時分かった。
その時であった。いきなりデスクにジッとしてたシフトカーが急に動き出して悠を飛び越えて行ったのだ。
今まで勝手な行動をせず来る時が来るまで自分以外には誰にも極力見られるな、と言う悠の今までの指示に従ってたシフトカーが何故勝手に飛び出てったのか、その答えは後ろに居る人物が答えだった。
「あら、この子は今まで見た事の無い子ですね。」
向かって来たシフトカーを手に乗せ撫でているラ・フォリアを前にシフトカーが嬉しそうにクラクションを鳴らす。悠の目から見て嬉しそうな様子を見せているシフトカーに疑問を感じた。
そしてその心情に気付いて疑問に答えてくれたのが悠の肩に乗ったスパイダーバイラルコアである。スパイダーから発せられるの鳴き声を理解して悠は眉を歪める。
「…他のシフトカーから王女の話を聞いて会いたがってた?……なんじゃそりゃ。」
仮にも創造主を置いて女の所に行きたいと申すか、そういえば彼女が来てからというものシフトカーは当然の如くバイラルコアやシグナルバイク達もラ・フォリアと共にしている姿を目にしていたのを思い出した。
これも王女の成せるカリスマというものなのだろうか…。
「なんでかねぇ、娘を取られた親の気持ちはこういうモノなのかねぇ?」
「フフ、アナタにしては珍しく嫉妬ですか?おまけに私が部屋に入って来るまで気付かない程後ろがガラ空きなんて、普段のアナタなら物珍しいですよ?」
「まぁね。俺は色々忙しい身なの。
で?ココには何のようで来たの?まさか驚かす為とか言わないよな?」
「いえいえ。少し気になった事を聞こうと思っただけですよ。」
そう言って手の平にシフトカーを乗せたまま近くにあったベットに腰を掛けて後姿を見せてる悠の方へ顔向けながら話しだす。
「アナタは先程オーディン様の前でこう言いましたよね?”俺としてはどんな事情でも受ける気は無い”って。
それって誰からの頼みも聞かないって解釈で良いんですよね?」
「あぁそのつもりで言ったよ。只でさえ忙しい身だってのに余所からの頼みごとなんざ一々聞いてられっかってんだ。」
「そう…それならどうして、私のお願いは聞いてくれたのですか?」
「…あ?」
思わず座ってた回転式の椅子をラ・フォリアの方へ向ける。彼女の表情はいつもと少し違った視線を此方に向けてた。
「最初アナタに会って同行を求めた時はアナタにとってその場限りの出来事だと思って受けてくれたんだと言うのは返事を受ける前の表情を見て分かりました。でもアナタの正体を知って夏音の事を任せた時、アナタは迷いなく私の頼みを聞いてくれました。
…アレはどうして受けてくれたんですか?それこそ私はアナタのその力を頼りました。それは、何故なんです?」
「…それこそ今自分が言ってただろう。
あの時は俺の正体を言いふらすかもしれないと見てここは素直に聞いておくべきだと判断した。それに叶瀬には個人的に恩が有ると言ったろう?たったそれだけの話し。」
「本当ですか?ソレを言うならさっきのも同じ状況ですよ?
向こうはアナタの正体を知ってて、内容はそれこそ私と同じでした。それにもしアナタが夏音の事を知らなかったらその時は私のお願いを断ってましたか?」
「それは…。」
悠の口が詰まった。ラ・フォリアの言う通り、自分が言った事と行動に矛盾を感じたからだ。
確かに言われるまで悠自身気付いていなかった。
幾ら女性に弱い一面があるとはいえ、何故目の前の彼女の願いを聞き届けたのだろう?
先程より頭を働かせても納得のいく答えが出てこない。少し経った後、未だ此方を見つめてるラ・フォリアに対し今はこう述べるしかなかった。
「…別に深い意味は全くないよ。強いて言うなら、叶瀬に借りた恩をお前の頼みとやらでチャラにしたかった。利用したんだ。ただ、それだけの事。」
「…そう、ですか…。」
咄嗟に思いついた言い逃れ、言い訳とも言える返事にラ・フォリアは少し間を空けた後、空返事をするように息を吐きながら答えた。
そう、その筈だ。あの時名前も聞かなかった夏音の借りを返すいい口実が出来たからあの頼みを聞いたのだ。
でなければ彼女の頼みを一々聞く必要が無い。
自分はそういう合理的な人間だ。決して一刻の感情で力を使わない。それはずっと前から心に焼き付けた自分のルールだと。
「…ま、今はそう言う事ならそう言う事としておきましょうか。」
「何だその口ぶり、俺の言ってる事が信じられないと?」
「それは………秘密です♪」
「オイ。」
「…でも、これだけは言ってあげます。
アナタがそう言う人間なら最初に出会った時、私をあそこまで助ける必要が無かった。
アレはどう考えてもアナタにとって不利な事が多すぎます。」
「……。」
「…少し、話しすぎましたね。
長々と失礼しました。おやすみなさい。」
そう言って、ラ・フォリアは手に乗せてたシフトカーをベットの上に置いて部屋から出て行った。
ラ・フォリアから悠の方へ目を向けたシフトカーが見たのは、何とも言えない顔をした悠の姿だった。
ー約束して?私だけじゃなくて、皆のヒーローになってあげて…ー
(…叶瀬の一件で果たしたつもりだったがなぁ…。)
我ながら女々しい。そんな自虐的な事を思いつつ今日はもう休む事にした。
そして時は進み、オーディンが悠のとの協力関係を築いた翌日の夜。
宿泊してるホテルを貸切にした最上階の一室では、オーディン、ロスヴァイセを除き表向き現地協力者としてオカルト研究会メンバーと成り行きで協力することになった教会のイリナ。
広く豪華な部屋の中では何とも言えない緊張感に包まれ、全員が何時でも戦闘できる準備をしながら一分一秒を長く感じる空間を作っていた。
「部長。やっぱり桜井にも来てもらった方が良かったんじゃ…。
アーシアも居ますけど回復役がもう一人いれば何かあった時に治してくれますし。」
「そうも言ってられないわよイッセー。
今回は偶然あの子の休暇中に受けたとはいえ人の身でこんな危険な目に遭わせるのは良くないと判断しての行動よ。
相手は只でさえ強敵なんだから。」
「あのぉ。それなら私も一応人間なんですけど…。
うぅ。なんで偶々遊びに行った日にこんな事になっちゃうかなぁ。断りきれなかった私も私だけど…。あぁ、マッハさん…。」
「うぅぅぅ。ボクも不安だらけでもう体が持たないですぅぅぅ。」
ここに居ないハルナを参加させるべきと提案してきた一誠の案はリアスの考えによって却下される。ハルナが人の身になってもオカ研に残ってる本当の事を知らないリアスからしたらハルナを危険な目に遭わせたくないと言う心情から来る行動である。
そんなリアスの心情を聞いたイリナは余りのプレッシャーに身を縮みこませてこの間の一件で頭から離れないマッハの事を思い浮かべる程であり、今回初めて公に出る事になったグレモリー眷属の僧侶であるハーフヴァンパイア、ギャスパーも初めての戦闘且つ相手が相手なだけに体中震えていた。
そんな緊迫した時間が過ぎてく中でアザゼルがオーディンに話しかける。
「おいジジイ。てめ本当に仮面ライダーに狙われてんのかよ。今日来るとか言って一向に来ねえじゃねえか。」
「焦るで無い。そうかっかするからお主もアッサリ負けてしまうんじゃよ。」
「ケッ!だからこうやってリベンジすべく更なる改造を施した人工神器を用意してんだよコッチは。
正直振るう機会はもうねえと思ってた矢先コレだから、ちっとは機会を作ってくれたジジイには感謝してんだぜ?」
「ふぅ。やれやれ昔と比べて甘くなったのう小僧。そんなんでどうこう出来たら、儂とて此処まではせんかったわい。」
「………!来ました。仕掛けた罠に反応あり!」
突如ロスヴァイセが放った言葉に一同が身構える。
遂にオーディンが言ってた強敵、仮面ライダーが来たとの報せを。
「ロスヴァイセ。今奴は何処に?」
「かなり近いです。…いやちょっと待って…これは一人じゃない、複数…四人も!?…もうすぐそこです!そこの扉の前!!」
「なにィ!?」
ロスヴァイセが指差した扉に全員が注目してすぐだった。
爆ぜる様に扉が吹っ飛んでいき、爆煙からゆっくりとその姿を現わしたのは…。
「ふぅ。やっと着いた。
さっきからウザいトラップばかりで思わずイライラしてしまったよ。」
愚痴を溢しながら部屋に張って来たのは金色のボディが一際目立ってる仮面ライダー、ゴルドドライブ。その後ろから死神ロイミュードが三体後に続いて入って行き、死神の実際の力を味わったイリナは思わず肩がビクッと上がってしまった。
「さて、どうやら此処がゴールの様だね。それでオーディンとか言うのは……あの片目の老人か。」
「如何にも。儂が北欧を収める主神オーディンじゃ。
お主が儂を狙って北欧まで来た仮面ライダーと見て相違無いな?」
「イヤ、それはボクじゃないよ。第一、ボクはアンタを狙うメリットなんてこれっぽっちも無いし、むしろ時間をただ浪費するだけの無駄な行為だと思ってる次第だよ。」
「それはどういう事?ならどうしてアナタは此処に…?」
「只の命令だよ。問題児の監視をしろって言う……噂をすれば何とやらだ。後は本人に聞いてくれ。」
「何だと!?テメエいい加減な…?何だ、コレ?」
「…金の…羽?…」
ゴルドドライブがうんざりした様子で話す態度に業を煮やす一誠は跳びかかろうとしたが、雪の様に目の前に振り落ちて来たものが目に入り、一誠だけでなくその神秘的な光景に誰もが言葉を失った。
金に輝く羽と共に降り注ぐ光は天使が舞い降りたと錯覚する程の光景。
その光の中から、ヤツは突然現れた。
ゴルドドライブと同じ全身が金の鎧で幻想種である不死鳥を模ったボディアーマー。
仮面ライダーを知らない者はその圧倒的な威圧感から体が自然と震えており、腰にエンブレムの入ったカードデッキを見て知ってる者はその姿と目の前の特徴が似ていることに気付く。
圧倒的強者のオーラを出して来る、不死鳥の騎士は自信を高らかにこう名乗った。
「我が名はオーディン。貴様等に審判を下す、絶対の存在。」
13番目の存在が此処に姿を現わした。