その男が進む道は・・。   作:卯月七日

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皆さん、今年の9月13日何しましたか?

自分はカイザが出て来た辺りをまた見直してしまいました。


遭遇

 

 

 

学生たちにとって青春の大きな1ページとなる夏休み。

 

それがあと一週間で終わるとなると次第に気分が落ちる者も当然居たりする訳である…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ~~~~~。」

 

「ちょっと村山ぁ、一体何回吐くつもりよその長い溜め息。」

 

「だぁって~~~~~。

今年の夏休みは殆ど部活だったし、最近は化け物騒動とかであまり外に出れなくて素敵な出会いが無かったんだもん。高校二年の夏休みだよ?片瀬はいいの?このままで。」

 

「あ~。そういえば今年の夏は彼氏欲しいとか言ってたっけ…。

とは言っても、アタシ達の周りにいる男と言えばなぁ~~。」

 

「あの変態三人組でしょ?また学校始まったらあの三人に着替え覗かれるのイヤだよ~~。」

 

とある喫茶店で互いに席を向い合せながら今年の夏休みを振り返ってる女子高校生二人組。

項垂れる村山と言う少女を宥める片瀬と言う少女だが、村山の言葉に自身も憂鬱な気分にされてしまい深い溜め息を吐く。

 

「ハァ~~~~。どっかに居ないかなぁ~。

アタシの理想的なカッコいい王子様は…。」

 

「そんな都合よく要る訳………。」

 

「?どうしたの?」

 

「……ねぇ村山。あそこの席…。」

 

「?」

 

片瀬の指差す所へ目をやると、そこには別の席で向かい合って座ってる二人の男と一人の少女の姿。

二人の男の姿を見て村山は”おぉ!”と声を上げそうになる。

 

「なにあのイケメン二人!?木場くんとはまた違った雰囲気を味を持ってるよ!」

 

「優しい王子様キャラとは違って一人は赤いジャケットに金のメッシュを入れてるワイルド系。

もう一人は対象な抑えめの服だけど知的なクール系。確かに木場くんには無い要素持ってるねあの二人。」

 

「うん!うん!この辺の人かな?何なら声掛けに行く?」

 

「う~んどうしよっか…クール系の隣にいる子は妹かな?流石に家族連れの人を逆ナンするのはなぁ…。」

 

「え~~ッ!折角のチャンスが……こうなったらあのワイルド系に…!」

 

「…いや、それも止した方が良いかも。良く見てみなよ。」

 

「?……ッ。ねぇ、アレって…。」

 

「うん。何かこう、重いって言うか、殺伐した空気が漂ってるよね、あそこ…。良く見ればあの二人さっきから睨み合ってるし。」

 

「……止めとこう。あの空気に入れる自信が湧かないや…。」

 

二人の感じた空気の読みは正しかった。

 

何故ならそこでは本当の殺気を飛ばしている非常に危険な二人が向かい合って座ってるのだから…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は遡る事数十分前。

 

悠の体の傷がようやく回復しミイラと化してた包帯も全て外せるほどまで治っていた。

 

治療に当たってたハルナは「普通こんなペースで治る様な傷じゃないのに…。」と悠の規格外な回復力に唖然とし、ラ・フォリアと川内の二人は何故かガッカリしてたのだが、余計な心配を掛けた罰としてなんでも一つ言う事を聞くと言う一方的な要求を呑まされてしまい(何故かその場に居た神通まで。)渋々了承してしまった悠であった。

 

どんな無茶な要求を出されるのか気に欠けながら悠は久方ぶりの散策をする事にした。

気分転換とパトロールも兼ねた自由行動。本当は病み上がりでまだ少し安静にしてろとは言われたが、そんな忠告は簡単に無視した。

 

家を出る際には人目を警戒し誰にもバレる事無く家から抜け出し適当に街をぶらつくつもりだった。

 

だが、丁度家の仕切りを超えたと言う所で…。

 

 

「…アンタ何してんのよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………フゥ。」

 

「何よその溜息。アタシが居る事がそんなに不満?」

 

「いんや、何も。」

 

浮かない様子の悠の後ろに付いて来る青みが掛かった髪を短くサイドテールにしてる艦娘の霞。

 

偶然にも家を出る所を目撃されてしまい、適当に理由を受けて去ろうとしたのだったが何故か彼女が付いて来る羽目になってしまったのだった。

久しぶりに一人で気楽にぶらつく筈が、監視と同時に子守りをやらされてる気分に痺れを切らしたのかつい荒い口ぶりで霞に話し掛けてしまう。

 

「それにしてもなんでたってお前あそこに一人で居た訳?何時も誰かしら一緒に来るじゃん。」

 

「別に何だっていいでしょ。そう言うアンタこそどうして隠れて外に出てるのよ?確かまだ安静にしてなきゃいけないって言われてなかったかしら?」

 

「気分転換だよ気分転換。流石に何日も家に籠ってたらカビが生えて来そうだから、リフレッシュでお忍びで出たの。細かい事は気にしない気にしない。」

 

「全く、どうなっても知らないわよ。どうせ後で叱られるのが目に見えてるんだから。」

 

「その時はその時だよ……お。」

 

ジト目で言って来る霞の言葉を適当に受け流した悠が反応したのはとある喫茶店だった。

 

「何よ、この店がどうかしたの?」

 

「いや、この店結構スイーツが人気だってつい最近聞いたから……休憩がてら入ってくか。お前も食うだろ?」

 

「べ、別に食べたいとかそんな事…。」

 

「食べないなら俺が戻って来るまで此処で待っててね~。」

 

「コラ!食べないだなんて一言も言って無いでしょうが!」

 

興味本位で店に入って行く悠と霞。

店内の様子は若者で賑わっているようで見渡す限り席が埋まっていた状態だった。

 

「うわ、こりゃ待つなぁ、オイ。」

 

「いらしゃいませ。お二人様ですか?」

 

「えぇ。」

 

見せの様子から見てかなりの時間待つ事になるかもしれない事にげんなりした悠に店員のウエイトレスが話しかけて来る。

 

「申し訳ありません、ご覧の通り満席の状態でして…。

…もしよろしければ、相席になってしまいますけれど大丈夫でしょうか?」

 

「う~ん、そうだなぁ……その席の人に任せます。霞、お前は?」

 

「特に気にしないわ。アンタと同じで良いわよ。」

 

「畏まりました。今丁度ボックス席に一人で座ってるお客様がいますので、確認してみますね。」

 

そう言ってウエイトレスは相席の了承を確認しに少し離れたボックス席に向かって席に座ってる人物に声を掛けに行った。。

席に座ってる人物は丁度死角に隠れて姿は見えないが、そう時間は掛からない内にウエイトレスが戻ってくる。

 

「お待たせしました。確認した所、問題無いだそうですのでどうぞ。」

 

「どうも。……ちゃんと愛想よく振る舞いなさいよ。ただでさえ混んでるのに座らせてくれるんだから、クズとかそう言うのは言葉遣いは無い様に。」

 

「分かってるわよ!そこまで非常識じゃないっての!」

 

席に向かうまでの二人のやり取りに可笑しかったのか微笑ましく笑うウエイトレスの反応に霞は顔を赤らめるなかボックス席に着いた悠は、真っ先にメニューを広げてる人物へ感謝の言葉を言う。

 

「いやすみませんね。ゆっくりしてる所邪魔してしまって……。」

 

「あ?あぁ気にすんな。別に居ようが居なかろうが構いや……。」

 

「「……。」」

 

席に座ってる赤いジャケットに黒髪に金のメッシュを入れた人物と悠は顔を合わせるや否や、お互い顔を見た瞬間悠と席に座ってる人物が固まってしまい霞とウエイトレスが首を傾げたが、赤ジャケットの男が急に立ち上がると獰猛な笑顔を浮かべるなか、悠は先程までの気の抜けた表情とは一変して目の前の男、小金井 竜二を睨んでいた。

 

「オイオイ、スゲェ偶然じゃねぇかよオイ。

まさかこんな所で鉢合うたぁ、予想外過ぎて笑えて来ちまうぜ。」

 

「その台詞、そのままそっくり返してやるよ。

こんな所で一人スイーツ巡りとか、意外な趣味をお持ちの様で。」

 

端から見ればメンチ切ってる二人に霞やウエイトレスがどうすればよいのか狼狽えてるなか、流石に目立ってしまったのか店の中に居る他の客の目にも付きやすくなってしまった二人は…。

 

「…まぁ取りあえず座れよ。やる事やる前に話し合うのも悪かぁねぇだろ?」

 

「…それもそうだな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして冒頭に至る。

 

悠の隣に座る霞は状況が理解出来ぬまま取りあえず座ったが、後から悠達が今戦ってる敵の主力の一人だと知ると警戒しだしたが、当の竜二は霞の事など一切気にせず目の前の悠に目を向けてるだけだった。

そんな状態のボックス席に先程のウエイトレスが殺伐とした空気の中注文を聞きに来る。

 

「あ、あのー。ご注文はお決まりで…?」

 

「”丸ごとリンゴのアップルパイ”。コーヒーのセットで。」

 

「”南国DX・ドラゴンフルーツパフェ”、コーヒーセット。」

 

「あ、アタシは…”フルーツタルト”。紅茶のセットで。」

 

注文を聞くとウエイトレスはその空間から逃げ出す様に颯爽と厨房へ向かって行った。

 

そしてまた沈黙の空気が漂う。

何とも言えない空気に霞は唾を飲む込むしか出来ない。敵の一人が目の前にいると言うこの現実にどう動いたらいいか分からず、悠の方へ目をやるも先程の様な気の抜けた悠では無く仕事の状態に入ってる悠に声を掛けられずにいた。

 

「…そう言えば。」

 

竜二が不意に口を開くのに反応し肩が上がる霞だが、当の竜二はまるで世間話をするような口ぶりで話し掛ける。

 

「お前この間あの鳥野郎と殺り合ったんだって?一度殺したって聞いたけどよ。」

 

「あぁ。殺ったよ。ちゃんとその時の手応えは確かに在ったよ。

なのに何でか知らんが気付いたら後ろに居やがって…アレはどういう事なのさ?」

 

「さぁなぁ。オレもアイツのあの態度が気に入らなくてブッ殺してやろうと頭から真っ二つにしてやったけど、気付いたら何にも無かった様に立ってやがったからな。」

 

「…で、その後は?」

 

「大臣とおっさん…あ、オメェはまだ会ってねえか。

まぁあの二人が割り込んで来たお蔭で鳥野郎がどうしてピンピンしてるかって謎は分かんねぇままだな。」

 

「…実はプラナリアみたいに斬ったら増えるっていうオチじゃねえよな?」

 

「…ダッハッハッハ!!!単細胞生物か!案外そうかもな!アイツ頭単細胞みてぇだしよ!」

 

(…この二人、敵同士なのよね?なんで普通に会話してのよ!?)

 

話してる内容こそアレだが端から見れば普通に友人同士が会話してる様に見える光景に霞は困惑した。

 

「所で隣のガキって、前聞いてたお前んトコにいる妙な力持った女、ってか?

見た限りだとコッチの事情知ってる見てぇだし、こんなチビだったとは思ってみなかったが。」

 

「ッ!」

 

「まぁね。成り行きでだけど、コッチの仕事を手伝ってもらってる。」

 

このタイミングで自分に触れて来るとは思わなかったのか、不意を突かれたように内心驚く霞。答えようもいきなりの質問で上手く口が開かず結局は悠が答える事になったが、霞自身未だ敵が目の前にいると言う初めての境遇に思う様に口が出さずにいた。

 

「へぇーコイツがか、余りにも小せぇからてっきりロリコンの気があんのかと…。」

 

「変な誤解しないでくんない?

言っとくけどコイツがガキなだけでちゃんと大人要るから、ホワイトだから。下手な仕事押し付けて無いからね。」

 

「アンタ等さっきからアタシの前で小さいだのガキだの言ってんじゃないわよこのクズ共!!」

 

「お、お待たせしました~。」

 

こうして霞も話の輪に自然と入り、最早先程までの殺伐とした空気が抜けきってしまってるなかウエイトレスが注文した品を運んできた。

それぞれが頼んだものが目の前に並べられる。

 

「さてと、一暴れする前に腹ごしらえってか。」

 

「ちゃんと味わった方が良いんじゃないか?それが最後の食事…いや、おやつか。」

 

「ハッ!そう言うそっちこそ最後がパフェで良いのかよ?なんなら追加した方が良いんじゃねえの?」

 

「いいえお構いなく。そう言うそっちこそ…。」

 

「さっさと食べなさいよ!何時までも変な言い合いしてんじゃないわよアンタ等!!」

 

「ハイハイ。」

 

「チッ、ガキの癖に小言が多いヤツだぜ…。」

 

霞に言われそれぞれフォークとスプーンを手にし、霞も目の前の煌びやかなタルトを前に内心喜んでるのを悟られない様にフォークを着けようとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガッシャ――――ンッッ!!!

 

「ブヘッ!?」

 

が、丁度手に着けようとした時三人の座ってるテーブルに突如人が投げられて来て、その所為でテーブルは引っくり返ってしまい上に置かれてたパイもパフェもタルトも当然の如く引っくり返り無残にも下へ落ちてったのだった。

 

「あぁーーーッ!!!」

 

「「………。」」

 

無残にも散るタルトを前に絶叫する霞と構えたまま微動だにしない悠と竜二。

そして二人は静かにこの現状を生み出した人物に目だけ動かしてその実態を確かめる。

 

 

 

 

 

 

 

「イテテ、松田、元浜!いきなりお前等いきなりなにすんだよ!」

 

「「うるせぇ!コッチの台詞じゃボケぇ!!!」」

 

投げ飛ばされたイッセーを前に息ピッタリで不満をぶつける眼鏡の男と坊主頭の男は頭を擦ってるイッセーに向かって非難の言葉を吐き出す。

 

「お前オレ達がこの夏休み、童貞を卒業しようと企てた策が悉く散って遂に夏が終わってしまうと言う時に!!」

 

「お前は一つ屋根の下でアーシアちゃんと○○○○な事や!○○○○な事したり!

リアス先輩や姫島先輩のあのけしからんおっぱいを、○○○○する等…この裏切り者がぁ!!!」

 

「あ、あのお客様。他のお客様もございますので、そういうのはちょっと…。」

 

「うっせえ!脳内で犯すぞ!」

 

「止めたければオレ達の童貞を捨てさせろやぁ!!!」

 

「ヒィッ!?」

 

「オイお前等な、言っとくけど部長達とは・(ガッ!×2)・…ん?」

 

止めに入ったウエイトレスにまでも卑猥な言葉をぶつけ怯えさせる二人を止めようとしたイッセーだが、突如自身の頭に後ろから二つ程何か触れられてるのが、誰か自分の頭を掴んでいると理解した時に体が持ち上げられた。

 

「な、何だ!?

って、イテテテテテテテッッッ!?!?!?!?!?割れる!頭割れるってッ!!!」

 

後ろから二人の人間が頭を掴み上げて頭が砕けそうなほどの握力で締め上げられ足をバタつかせるイッセー。

周りの目が元浜、松田から持ち上げられてるイッセーとそれを持ち上げてる二人組、悠と竜二に向けられてるなか此処で今まで黙ってた二人がようやく口を開いた。

 

「…謝罪の言葉も一切無く。そっちで勝手に話し進めやがって…。俺のパフェを。」

 

「オレのアップルパイ。…んなくだらねえ事で台無しにしてくれやがって…。」

 

「え、ちょ、ま…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「どうしてくれんだテメェ、ゴラァッ!!!!」」

 

 

ドガァァァァッッッ!!!!!

 

 

「ブバッ!?」

 

そのまま二人同時にイッセーを顔面から地面に叩き付ける。

かなりの音が響き、床が壊れたんじゃないかと思う程の衝撃だったが見た所壊れて無い限り加減はしたのだろう。だが打ち付けられた魚みたいにピクピクしながら一向に顔を上げない所を見ると相当痛いのが分かる。

 

二人はイッセーが伸びてる事を確認すると今度は卑猥な言葉を連発してる二人組に目を付けた。

 

「な、何だよ!」

 

「何、だと?

オメェ等がそこの伸びてるの投げ飛ばした所為でコレ、オレ達の頼んだ品物全部ダメになってんだろうがよ!」

 

「おまけに観衆の店の中で卑猥な言葉ペラペラペラペラ言いやがって。

コッチはガキだって連れてんだし、他の客の事も考えろ。」

 

「う、うっせえ!」

 

「お前等イケメンに言われてはいそうですかって素直に聞くほど聞き分け良くねえんだよ!

松田!アレ行くぞ!」

 

「オウ!調子に乗ってるイッセーに喰らわせようと考えた、オレ達二人のコンビ技!」

 

普通に聞いて正論を言ってる悠達の言葉に耳を貸さず、勝手に盛り上がってる二人に最早怒りを通り越して呆れている悠達だった。

 

「「喰らえやイケメン!死ねやイケメン!ダブルラリアットォォォーーーーーーッッ!!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「オメェ等が 死ね・死んでろ。」」

 

メキッ×2

 

「「ブッ!?」」

 

当然この二人に生半可な技など通用する筈も無く、二人の前蹴りが顔面に突き刺さり敢え無く後ろに吹き飛んでいく。

此方も伸びて気絶して店の中が沈黙してるなか、竜二が先程のウエイトレスに目をやり。

 

「…オイ。」

 

「は、ハイッ!」

 

「ダメになったアップルパイ。それとソイツ等の新しいの頼む。」

 

「ダメになったのと新しく頼むの、後割れた皿やカップの弁償はそこの三人からで。」

 

「ハ、ハイッ!只今!」

 

店員に向けて新しく注文した後、二人は倒れたテーブルを直して再度品物が来るのを待った。

 

呆然と見るしか出来なかった霞は二人を交互に見て、言い出そうにも言い出せない気持ちで一杯だった。

 

(この二人本当に敵なの?普通に仲の良い二人に見えるんだけど?)

 

結局言い出せず新しく来たフルーツタルトの味を味わう事にした霞だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとうございましたー!」

 

そうして三人はお目当てのスイーツを食べ終え店内から出た。

落ち着かない空気の中だったが食べたタルトの味に満足してる霞に悠は未だ冷酷な雰囲気を纏ったままで話し掛ける。

 

「霞。お前先に家戻ってろ。俺はこれからコイツに用があるんでな。」

 

「え…!?」

 

「ハッ。此処で普通に帰るなんて勿体ねえ事はお互い考えて無かったみてぇだなぁ。」

 

「…場所変えるぞ。また邪魔者が入るといけないんでね。」

 

「オウ。」

 

「ちょっと、待ちなさいよ!何二人で勝手に…!」

 

先を行こうとする二人を追い掛けようとした霞だったが、足が動けずにいた。

二人の背中から発せられる殺気。初めて体感する殺意に本能的に体が動けない状態になってしまったのだ。

それと共に視線を向けてる悠の背中、今まで気の抜けただらしない男だと思ってた所為かコレが本当に自分達を苦しめてた男から助けたのかどうか半信半疑だったが、悠からあれ程の殺気を出してるという事実、長年修羅場を潜った存在だと言う事実を受けきれずにいた。

難しい事は分からないが、このまま付いて行っても自分は何も出来ずただ茫然と見る事しか出来ないだろう。残されて何も出来ない自分の無力さを突きつけられた気がして何とも言えない気分を味わう霞だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──此処なら邪魔は来ないかな。」

 

悠が先導して辿り着いた先は幾度か足を入れた廃工場の中。

向きあった二人の腰には既にそれぞれのドライバーが着けられてた。

 

「さてそれじゃ…始めよう。」

 

<< ドラゴンフルーツ・エナジー! >>

 

「おう。今度は最後まで…どちらかが死ぬまでだ!」

 

<< ゴールデン! >>

 

<<<< LOCK・ON! >>>>

 

頭上に浮かぶアームズと開戦を知らせるかのような待機音が辺り一面に響く。

一人は世界に混乱を招く敵を倒す為、もう一人は己の快楽の為に。

 

「「──変身ッ!」」

 

<< SODA! >>

 

<< COME・ON! >>

 

<< ドラゴンエナジー・アームズ! >>

 

<< ゴールデン・アームズ! 黄金の果実! >>

 

二人が光に包まれるとその姿をデューク、マルスへと変えると武器であるソニックアローとソードブリンガーを構え…。

 

「「……。」」

 

 

 

 

 

ガキィィィィィッッッ!!!

 

 

 

 

二人の空いた間は即座に縮まり互いの得物をぶつかり合わせていた。

 

そしてぶつかって3秒とも経たない内に離れ、デュークは弓を引き、マルスは腰を落として突きの体制に入り…。

 

「フッ!」

 

「デリャァッ!」

 

 

バァァァァンッッッ!!!

 

 

 

デュークの放った光矢を突きで掻き消すと再度突貫して行くマルスだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……これはまた、キングったら今日は早めに戻って来てくださいって言ったのに…。」

 

場所は変わりソーサラーの書庫内では、水晶玉に映ってるデュークとマルスの戦いの場面を見ており額に手を当てて困ったような仕草をする。

 

「かと言ってあの様子の彼に普通に言っても聞いてくれないでしょうし……仕方ありませんね。

申し訳ないですが彼に…ラヴァーに出て貰いましょう。今なら連絡が尽く頃合いの筈ですし。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウラァアアァァァッッッ!!!」

 

「デラァァアアァァッッッ!!!」

 

 

 

ガギィッ!ギィィンッ!ガッ!ズガンッ!

 

 

デュークとマルスの死闘は更に勢いを増していた。

 

外見に似合わず雄叫びを上げながらそれぞれの得物を振りぶつけ合う姿は、ただ相手を命を奪うと言う単純な行為。

 

マルスの突きを受け流し、瞬時に間を詰めて鳩尾に肘鉄を喰らわすデューク。

 

一瞬体をくの字にしながらも直ぐに立て直して、戻す要領でヘッドバットを喰らわすマルス。

 

頭部に強烈な衝撃が走りながらもソニックアローを連射するデュークだがマルスのアップルリフレクターで弾かれ、ソードブリンガーから放たれた衝撃波をサイドステップで回避。

 

「これなら──ッ!」

 

「あ?──ぬおッ!?」

 

デュークは体を煙に変えてマルスの周りを高速移動して翻弄した後、通り抜けに一瞬実体化しソニックアローで斬り抜く。

隙が出来たマルスへソニックアローの矢を三発狙いを定めて放ち、初撃はマルスの胴だがアップルリフレクターで防御されるも盾を眼前に出した事で生じた死角を狙って矢は右足の太ももに直撃、体勢を崩したマルスの体に計算されたように放った最後の矢が胸に突き刺さり、装甲が弾けた。

 

ドラゴンフルーツエナジーは本来のレモンエナジーとは違いスペックは当然だが、何より長所に置くべき点は演算能力。

矢を放つタイミングも狙いもドラゴンフルーツの高い出力を上手くコントロールしてるのも、常に改良を加えたゲネシスドライバーと対となってその高い性能が成せる技なのである。

 

ようやくまともなダメージを入れたのはデューク。それに火が着いたのか、マルスは仮面の下で更に口角を上げた。

 

「ハッ!やっぱ戦いはこうでねぇと…なッ!」

 

 

 

 

ーギュィィィィィィィッ!ー

 

 

「ッ!」

 

マルスがソードブリンガーを頭上に上げると廃工場の天井の至る所にクラックが開き、植物のツタがクラックを通じて廃工場内に降りてくる。

 

「そらよォッ!」

 

「チィッ!」

 

切っ先をデュークに向けるとツタが意志を持っているかの様に一斉にデュークへと襲い掛かって来る。

 

デュークは演算能力をフルに稼働しソニックアローで斬ったり撃ち抜いたりと、常に動きを止めず防ぎ切っていたがジリ貧であった。

 

「オーォー、頑張るねぇオイ。」

 

「グッ!…。」

 

このままでは消耗戦になるのを危惧したデュークは、ソニックアローにSロックシードを装填し在るだけのスイカロックシード3個、チューリップホッパー3個と計6個を全て頭上に投げ上げた。

 

<< LOCK・ON >>

 

「全部持ってけッ!」

 

<< CONNECTING >>

 

全てのロックシードを撃ち抜くと自動操縦で稼働するようになったスイカアームズはヨロイモードで迫るツタを切り裂き、チューリップホッパーは内蔵されたマシンガンでツタを撃ち抜いてった。

 

「へぇー、んな面白そうな裏技あんなら早く出せっての!」

 

「裏技はここぞと言う時に出すモンだろうがッ!」

 

周りがツタと機械の騒動で混乱してるなかデュークとマルスは再度相手に向けて駆け出す。

 

デュークが牽制しながら光矢を放つ中マルスは盾を前に気にせず特攻。距離が縮まりマルスが剣を振り降ろしデュークがそれを受け止める。

だが、その際に器用に足払いを決められ体勢が崩れたデュークの隙を狙って再度剣を振り降ろすがデュークは矢先をマルスへ向ける。

 

そして剣と放たれた光矢は互いの装甲から火花を噴き、追撃してきたデュークの矢を躱したマルスは下がって距離を取った。

 

「…フゥー。」

 

「ハ…ハハハ。」

 

息を整え次の一手を考えるデューク、激しい戦いのヒートアップに興奮を隠しきれないマルス。

 

自動操縦のスイカアームズやチューリップホッパーがヘルヘイムのツタで何機か雁字搦めで爆散して行く光景が目に入るが今の二人は目の前の相手しか見えて無い。

武器を握り直して構える。それだけで世界が止まったような感覚を感じながら二人は同時に駆けだして行った。

 

「「オォォォォオオオッッッ!!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ードガァァァアアァァンンッッッ!!!ー

 

 

 

 

 

突然二人の居た廃工場が謎の大爆発によって全壊し、その威力は最早工場の在った跡さえ残らない程の大規模な爆発。

もしこれが市街地に放たれてたら相当の被害を生み出したであろう元凶は空に浮かび上がってた無数の黒い羽根の持ち主だった。

 

「やったぞ!仮面ライダー二人を、地獄に落としてやったぞ!」

 

「矮小な人間如きが悪魔の領域を犯した報いだ!」

 

空を埋め尽くさんとばかりに浮かび上がってたのは冥界にて密かに仮面ライダーに恨みを持つ上級悪魔の貴族達が集めた仮面ライダーを抹殺する為の精鋭およそ100人以上の上級悪魔が未だ爆炎を上げてる廃工場跡地を見下ろし優越に浸っていたのだった。

 

ここで体長格らしき悪魔が歓声を上げてる部隊に対し指示を上げた。

 

「お前等!盛り上がるのは分かるがまだ任務中だ!

奴等の死体を確認し、まだ息が在るのなら此処に連れて来い!

今まで好き勝手してくれた礼をたっぷりしてやらんとなぁ?」

 

「「「「「おぅ!」」」」」

 

生死確認の為に二人ほど部下を下ろして探させる悪魔勢。

 

二人の悪魔が地に足を置いた時だった。

 

 

 

ーバシュンッ!ー

 

ーザンッ!ー

 

 

 

「「?…。」」

 

 

二人の体に違和感が走りそれぞれの自分の体を見てみると…。

 

「え…?」

 

「あ、あぁ…!?」

 

一人は胸の真ん中を撃ち抜かれてデカい穴が空いており、もう一人は肩から腰に掛けて斜めに両断され上半分はずるりと地に落ちてった。

 

二人の悪魔の死に様を呆気に取られて見てる上空の悪魔勢は二人の死体の地面が盛り上がってる事に気付いて注視すると、そこから勢いよく出て来たのはデュークとマルスの二人だった。

 

「な、何だと…!?」

 

「馬鹿な!?上級悪魔が十人がかりで組み上げた爆発の術式だぞ!?

運良く死んで無くてもあそこまで無事で要られる筈が…!?

──ガッ!?」

 

デュークとマルスが生きてた事に驚愕の色を隠せない悪魔勢であったが、そんな悪魔勢の様子などお構いなしにデュークは空に飛んでる悪魔の群れに狙いをつけソニックアローを放ち先程の悪魔同様、体に風穴を開けて撃ち落とす。

 

対するマルスもソードブリンガーを横に大振りに振って斬撃を飛ばし、避けられはしたがそれでも十数人の悪魔を葬っていった。

 

「…テメエ等ァ。折角人が親切で条約だ何だで手ぇ出さないでいてやったのに、この仕打ちとは…。」

 

「クソコウモリ共が…これからイイとこだってのに邪魔して来てくれやがってこのボンクラ共が…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「生きて帰れると思うなよテメエ等ァッ!!!」

 

「誰をブチ切れさせたか骨の髄に叩き込んで死んでいけやァッ!!!」

 

あからさまに怒り心頭の二人は一斉に悪魔勢を葬ろうとそれぞれ駆け出すデュークとマルス。

 

尋常じゃない殺気を振り撒いて殺しに掛かる仮面ライダーを前に顔を青くするが、ここで隊長格の悪魔が一言入れる。

 

「怯むな!相手はたかが二人!!

我々の勢力はおよそ100の上級悪魔の集いだ!!連携を取って相手を追いつめろ!!何時までも人間相手に後れを取るな!!!」

 

「そ、そうだ!」

 

「我々は誇り高き血統の悪魔!人間の造った兵器なんぞに後れを取るか!」

 

「剣を持った奴は遠距離からジワジワ攻めろ!弓を持った奴には矢を放たせるな!」

 

体勢を立て直した悪魔勢。連携を取ってバラバラで動いてるデュークとマルスを討とうと動くがこの二人を相手に文字通り、命を投げに行く行為だった。

 

 

 

 

 

「しゃらくせぇんだよォ!」

 

マルスが開いたクラックからヘルヘイムのツタが空を飛んでる悪魔を葛巻に締め上げ、体からメキメキ嫌な音が鳴り仕舞いにはグシャッとなるまで締め上げてもその力は緩まずに、捕まった悪魔は血が絞られ、最早原型が無くなるまで締め上げられた。

 

「くたばれやァ!」

 

対するデュークも体を煙に変えての高速移動を駆使し常に相手を翻弄し続け、後ろに回った所をソニックアローで両断。死角に入り込んで矢で撃ち抜くなど着実に悪魔を殲滅していった。

 

 

かなりの数が減った所で二人は背中合わせになりベルトのレバーとブレードに手を掛けた。

 

<< SODA! >>

 

<< COME・ON! >>

 

「セアッ!」

 

「ドラァッ!」

 

<< ドラゴンフルーツ・エナジー スカッシュ! >>

 

<< ゴールデン スカッシュ! >>

 

二人同時に横に大きく一閃。放たれた斬撃は二人を取り囲んでた悪魔の軍勢を瞬く間に飲み込んで二人の周りに赤黒い小さな爆炎が上がった。

 

 

100人程集めた悪魔の精鋭軍団が気付けば残り十人にも満たない程減らされた隊長格は、目の前の惨劇を受け止めきれなかった。

 

「馬鹿な…。

あれ程の精鋭を立った二人で…100人もの上級悪魔がたったの二人に!?」

 

隊長格の言葉が二人の耳に聞こえたのか、二人は未だ此方を唖然として見てる残った悪魔の集団に口を開いた。

 

「バーカッ!テメエ等クソコウモリ共がオレ達を殺そうなんざ、それこそ100年早いっての!」

 

「おまけにたったの100なんざ全然だっつうの!本気で殺したきゃその100倍連れて来い!」

 

「ヒ、ヒィィィィッ!!!」

 

最早戦意喪失した隊長格は部下を置いて逃走を図り残された部下も命惜しさに逃げて行く。だが、二人はこのままおめおめ逃がそうなんて一つも考えて無かった。

 

<< LOCK・ON >>

 

<< COME・ON! >>

<< ゴールデン・オーレ! >>

 

「逃がさねえって言っただろうが!」

 

「いい加減死に曝せやクソコウモリ!」

 

<< ドラゴンフルーツ・エナジー! >>

 

巨大な龍を模った矢と無数の金のリンゴが背中を向けて逃げ延びようとする悪魔勢に向かって放たれる。

龍とリンゴは瞬く間に残った悪魔を飲み込んで行き爆散。悲鳴すら上げる間も無く隊長格を含めた悪魔勢は十分も掛からず全滅していった。

 

残ったデュークとマルスは散ってった悪魔の散り際を眺めた後、互いに向き合ってまたしても武器を構え直す。

どうやらまだ勝負の続きをするつもりのようだ。

 

「…邪魔が入ったが、此処で終わりにするなんて馬鹿なこと考えちゃいねえだろうな?」

 

「バカ言え。此処で白黒決めないなんざ後味が悪すぎるぜ。」

 

止まる様子の無い二人。

 

これからまた激しい死闘が続き、今度こそ決着を決めようとした時である。

二人が真正面から向き合って構えてる所を隠れて隙を窺ってる悪魔が一人。あの混戦に紛れて運良くやり過ごした悪魔であったが、悪魔勢は全滅しこのまま冥界に戻っても無様な結果に処分を受けるだけ、どうにかして一つでも成果を上げなければ。

当の仮面ライダー二人は今自分に気付いて無い。ならば不意打ちを狙えば…。

 

 

(此処だ!)

 

悪魔が両手に魔力弾を造り、未だ自分に気付いて無いデュークとマルスへ放とうとした。

 

 

 

 

 

 

 

ードガァァアンッ!ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<< HYPER CLOCK OVER! >>

 

 

 

「ッ!?ブハッ!!」

 

「「ッ!?」」

 

それは突然の事過ぎてデュークとマルスが驚愕の色を浮かべるのも無理は無い程だった。

 

デュークとマルスを狙ってた悪魔は突如眼前に現れた者に、一発。たった一発での拳で殴り飛ばされ、絶命させられたのだ。

吹き飛んだ悪魔の亡骸が僅かに残った廃工場の瓦礫に嵌ってるのを呆気に見てたデュークは、突如現れたそのものを目に目を開いた。

 

 

 

 

左腕を前に出して正拳突きの体制を取ってる金色のアーマーに右肩のショルダーホーン。

折りたたんでる右腕の手首にはブレスレットに嵌ってるコーカサスヘラクレスのゼクター。

そして構えを解いてゆっくりと此方を振り向いた顔は、青い複眼に額と顎元から三本の角。

 

 

敵組織の最後のライダー。最強と愛の名を欲しいがままにその力を振った強戦士。

 

 

 

仮面ライダーコーカサス。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

乱入してきたコーカサスはジッとマルスの方へ目をやり、目を向けられたマルスはコーカサスの伝えたい事を理解してしまった。

 

「オイオイオイオイ、オイィッ!戻って来いってか!?

冗談じゃねえよ!こっからがイイとこなんだよ!!!ようやく本番って時にそりゃねえぜオッサンよォ!?」

 

コーカサスはマルスに撤退を伝えに来たようであったが当のマルスは納得が行かない様子であった。

不満を言うマルスに対しコーカサスは一歩足を踏み込む。それだけで空気が震え、途轍もないプレッシャーが感じられデュークとマルスがプレッシャーに飲み込まれそうになりながらも、必死に抗っていた。

 

「……あーーーーーッ、クソッッ!!!

分かったよ!戻ればいいんだろうが!!そらッ!」

 

如何に納得が言って無いようだが、このまま駄々をこねても碌な事が起こらないのを察したマルスは自身の前にクラックを出現させた。

 

クラックを潜ろうとした間際、マルスはデュークへと話し掛けた。

 

「…今度こそ決着だ。次こそはオレが勝たせて貰うぜ。」

 

「…コッチの台詞だ。後、アップルパイが最後のおやつじゃなくて良かったな…。」

 

「…ハッ!。生憎とあのパイ気に入ったんでね、これからも食いに行ってやるさ。」

 

マルスはそれだけ告げてクラックを通って去って行った。

残されたのはデュークとコーカサス。マルスが去った後を確認したコーカサスは腰に付けてるもう一つのゼクターのスラップスイッチを押す勢いよく押す。

 

 

<< HYPER CLOCK UP! >>

 

 

するとコーカサスは消えたようにその場から去って行き、残されたのはデューク一人となった。

 

 

 

「……五人目…か…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

辺りが暗く明かりが一つしか照らされてない空間。

 

一つしか照らされてない明かりの元に集う様に姿を見せたのは五人の金色の仮面の戦士。

 

 

 

 

大臣、仮面ライダーソーサラー

 

 

ドクター、仮面ライダーゴルドドライブ

 

 

キング、仮面ライダーマルス

 

 

ジャッジ、仮面ライダーオーディン

 

 

そしてラヴァー、仮面ライダーコーカサス

 

 

圧倒的な強さを持つ五人が集まったのを確認した大臣、ソーサラーは未だ機嫌が悪いマルスへと声を掛ける。

 

「キング、いい加減機嫌を直してくれませんか?

私は言った筈ですよ?今日は大事な報告があるから欠席無しで頼みますとね。」

 

「るっせえ。アイツとの決着より大事なモンがあっかよ…。」

 

「フン。まるで赤子が駄々を捏ねてる様としか見られんな。

ま、このようなのがではしょうがないか…。」

 

「あァ!?なんつったコノ鳥野郎が!」

 

「ハイハイ。ようやくボクが治った矢先にケンカするのは止めてくれるかい?

したいのならこの報告会が終わったろ好きにどうぞ。」

 

「ふぅやれやれ。…ラヴァーもご苦労様です。あの様子のキングを連れて帰るとなるとアナタ程の実力者じゃないと言う事を聞いてくれないモノですから…。」

 

「……。」

 

「…フム。

さて、話が進まないでの言わせて貰います。

まずデビルファントム達の調教ですが、先日逃げた三匹を余所に此方の言う事を聞いてくれるようになりました。

これについてはキング。長い間ご苦労様でした。」

 

「…ケッ。」

 

「それとドクターの方でも新型バイラルコアの完成はあと一押しだそうです。

これを機会に我々の計画の段階を一つ上げる事にしました。」

 

「てことは…。」

 

「えぇ。そろそろ世間に我々の事をアピール…もとい、宣戦布告を出しに行きます。」

 

ソーサラーのその言葉を聞いての反応は各自それぞれであった。

 

ゴルドドライブは自身の発明品が盛大に発揮できる場面を想定して薄ら笑みを浮かべ

 

マルスは派手に暴れられる事に期待して指を鳴らし

 

オーディンは変わらず腕を組んで高らかに鼻で嗤い

 

コーカサスは只静かに青い薔薇を手に見つめるのだった

 

 

 

 

 

 

「さて、まずは派手に我々の勢力の実態を知らしめるのですが…。

ドクター、頼んでた案は出ましたか?」

 

「あぁ。近頃メディアが派手に動く催し物を探して見たら丁度いいのを見つけたよ。

宣伝に利用するのに申し分ない。」

 

「ほぅ。それは一体?」

 

「とある学園の新学期の全校挨拶さ。

たかがそれだけに全世界の報道局が足を運ぶらしい、何をするかの実態は知らされてないがどうする?」

 

「決まってますよ。全世界となるとコレを逃す手は在りません。

…皆さん。全世界のお茶の間に、我々の存在を教えてあげましょう。」

 

 

 

 

 

 







次回から新学期辺に入ります。
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