その男が進む道は・・。   作:卯月七日

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大技

新学期開始の学園で大規模に行われる筈の朝礼は突如襲来してきたデビルファントムとロイミュードの大規模軍団により混乱の場に成り代わってしまう。

 

 

 

これに対抗すべく悠、秋、クリムが生徒を避難させながら応戦。たったの三人で怪人の軍勢を相手に個々奮闘していた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<< Three! >>

 

<< DOLPHIN SABER STRIKE! >>

 

「うォりゃッ!」

 

逆手に持ったダイスサーベルを振るい三つの青い魔方陣から出現したイルカは下級のロイミュード二体とデビルファントムに向かって地面を泳ぐように突き進んで行くと、水面から跳ねる様なジャンプでぶつかって行きロイミュードとデビルは爆散。

 

「よし!これで26!……いや、25だっけ?…………あぁもういいや!!

数えなくたって倒せばいいんだし!!!」

 

三体の怪人を一度に倒したビーストがこれまで倒した怪人のカウントに気にするが途中で数えるのを放棄し、再度戦闘を再開。

駆け出した先に居るデビルファントム一体に跳び蹴りをかましながら進み、その先に居る死神ロイミュードの攻撃を躱した後ダイスサーベルで一閃。

ビーストは常に動いて相手の死角を突いたような攻撃を繰り出し、時には向かって来る攻撃にあえて向かいカウンターの一撃を叩き込んで相手を仕留める。悠から教わった多勢を相手にした場合の戦法である。

 

ビーストは実戦では初めてながらこの戦法で既に30近い数を撃破してきた。だが、それでも敵の数が減ったような様子は一切見えない。

 

(くそッ!このままじゃジリ貧だぜ。どうにかして悠兄さんと合流しねえと…。)

 

 

ーギュアァァアアァァッッ!!!ー

 

 

「のわッ!?」

 

不意を突かれたのか、背後からのデビルの奇襲に遅れを取りうつ伏せに組み敷かれる格好になってしまったビースト。

抑え込まれる形にされ、デビルの矢のような尾がビーストの背中から貫かれようとした時デビルの尾の先端が撃ち抜かれたように弾ける。

 

痛みに叫ぶデビルの隙を突き自力で脱出したビーストはそのままダイスサーベルで胸から背中を貫いて刺す。

足で前に蹴る様にサーベルを引き抜くと倒れたデビルの後ろではブレードガンナーの銃口を構えたダークドライブ、クリムがそこに居た。

 

「ベルトさん!助かったぜ、サンキュー!」

 

<取りあえず無事なようだね、ビースト。

あと、此処ではまだ名前を出さない方が良い。まだ非難が完了してない生徒が聞いてしまうかもしれないからね。>

 

「おっと、そいつもそうだな。」

 

ダークドライブに駆けつけて背中を合わせるビースト。

周りを見ればダークドライブが引き連れたのか、四方八方にはロイミュードが、上空は全方位をデビルが二人を取り囲んでいる。

 

<ビースト、これまで倒した敵の数は?>

 

「え?

…あー……大体30!後は数えるのややこしくなって止めた。」

 

<ほう、この間のファントムには苦戦したと聞いたが、殆どダメージを負って無い状態でそこまで戦えたか…。>

 

「オレの真価はマッハだからな!

時にドライブは?」

 

<下級ロイミュード19体。死神ロイミュード8体。ファントム11体を撃破。

計、38体だ。>

 

「うっわぁ、そこまで正確にかよ…。

つか負けてるし…。」

 

<伊達に日々、データのアップロードに時間は掛けて無いさッ!>

 

向かって来る死神ロイミュードを銃撃しながら話すダークドライブと、空から来るデビルに斬り掛かるビーストは次々と向かって来るロイミュードとデビルの猛攻を相手にする。

暫くしてビーストは思い出す様に口を開く。

 

「にしてもゆ…後一人は今何処だよ!?多分無事なんだろうけ、どッ!、そろそろこっち来て手貸してくんねえかな!!」

 

<敵が今我々に集中して集まってるこの状況が良い目印になってる筈だ!恐らくそろそろ…。

───来たな。>

 

「え?…ん?」

 

ダークドライブが見た先には、少し離れた所からロイミュードが何かに弾かれるように宙に舞う光景がそこに在った。

しかもそれは段々と此方に近ずいていき、やがて囲んでいたロイミュードの陣形の一部が崩れその正体が明らかになった。

 

「お、いたいた。思ったより、元気そうだな。」

 

傍らにメタルゲラスを従えたリュウガがメタルホーンを手にビーストとダークドライブに合流した。

 

ロイミュードとデビルが一か所に取り囲んでる光景を見て、リュウガがヘビープレッシャーによる強行突破で道を開くと同時にロイミュードを撃破しながら合流して来たのだ。

 

「うわぁーお、今回は何時にも増して派手に来たねぇ、悠に…おほん、リュウガ。」

 

「この位やっとかねえと減るもん減らねえしな。」

 

<とにかくこれでなんとか全員合流出来たな。お蔭で、敵も本格的に此方に目を向け始めて来た。>

 

三人の周りには次々と増えて来てるロイミュードとデビルの軍勢。先程のリュウガのヘビープレッシャーにより敵の注目を浴びてしまい全勢力が一点に集まり出してきた。

 

「こっからが本番かぁ。で?具体的にどうする?」

 

「具体的も何も、倒して潰して叩きのめす。全部やるまで。」

 

<それはそうだが、私は兎も角、長期戦に於いてキミ達のスタミナも考えてやらねばならないぞ?>

 

「そうそれ、だからこっちは…。」

 

<< UNITE VENT >>

 

カードをバイザーに入れたリュウガ。離れた所で現れたベノスネーカー、メタルゲラス、エビルダイバーの三体が融合し獣帝ジェノサイダーとなるとすぐさま新たなカードを読み込ませた。

 

<< FINAL VENT >>

 

「フゥーーー。─────ハァッ!」

 

ジェノサイダーの腹部にブラックホールが出現すると、近くに居たロイミュードと空を飛んでたデビルファントムがその穴に次々と吸い込まれてしまう。

中には耐え凌ぐのも居たが、一呼吸吐いたリュウガが駆け出すと強烈なきりもみキックを目の前の下級ロイミュードに繰り出す。

するとドミノ倒しのように後ろで耐え凌いだロイミュードが崩れる様に後ろに吹き飛ぶと地に足が着いてない為当然の如くジェノサイダーに吸い込まれていく。やがてある程度吸い込んだのか、ジェノサイダーはブラックホールを閉じると地面に沈むように姿を消してった。

 

「こうして出し惜しみ無しで、バンバン大技で数を減らしていくぞ。」

 

<成程、短期決戦に持ち込む為か。>

 

<< NEXT! >>

 

「よっしゃ!オレもその案乗った!」

 

<< Five! >>

 

<< DOLPHIN SABER STRIKE! >>

 

先程のリュウガの様に、ダークドライブは威力を高めたブレードガンナーの銃撃で上空のデビルを撃ち抜き、ビーストも今度は5の目を出したセイバーストライクで下級ロイミュード5体を撃破。

先程に比べ数が減り出してる怪人軍勢を前にリュウガはデッキからカードを引き抜いた。

 

周囲のロイミュードとデビルはこれ以上好きにさせないと言わんばかりにリュウガに襲い掛かるが、突如リュウガの周りに現れた蒼炎がそれを防いだ。

 

(一度曝したモノはもう隠す価値は無いしな。)

 

蒼炎の中心で籠手のドラグバイザーを銃型のドラグバイザーツバイの口の中に入れる。正にこの混乱の中から生き残るための生存の力を。

 

 

<< SURVIVE >>

 

 

周囲に燃え滾ってた蒼炎を振り払うと、リュウガはその姿を強化形態、サヴァイブへと進化させた。

そしてその進化はリュウガだけでは無かった。

 

 

ーGuooooooon!!!ー

 

 

飛来して来たドラグブラッガーが空を舞いながらその姿を変えリュウガの元に降り立った。

 

 

手足は前より比べがっしりとて二足で立てる程の体格に成り、サヴァイブの力で東洋龍よりドラゴンに近い姿となった暗黒龍ドラグブラッガーの進化形態。

 

 

 

蒼炎龍ブラッグドラグランザー

 

 

 

ーGuoooooooon!!!ー

 

主を囲う怪人達に向けた威嚇の咆哮。

その咆哮はこの世界のドラゴン達の本能意識を呼び覚まさせる程の威圧が込まれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[!。な、何だ?今の強大な力の波動は…?]

 

「おいドライグ!何一人ブツブツ喋ってんだよ!?」

 

[ッ、すまん相棒。だが今、この近くで途轍もないドラゴンの力が…。]

 

「この近く!?まだそんなヤベェのが此処に居るってのかよ…!?」

 

「なあぁぁあにお喋りしちゃってんですかぁ!?そんな悪い子はバラバラさぁ!!!」

 

「ッ!ぐ、ぐあぁぁああああッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[今のは、一体…。]

 

「どうしたアルビオン。何かあったのか?」

 

[あぁ。今、感じた事の無いドラゴンの力が遠くからハッキリと感じ取れた。

この力……下手したらオーフィスに並ぶ程だぞ。]

 

「何ッ!?

……ハハ、あぁそうか、彼か。………全く、どこまでも規格外だな、仮面ライダーとやらは…。」

 

[ヴァーリ…。]

 

「オーイ!ヴァーリ!ちょっとテレビ見てみろよ!!

今外ですっげえ事が起こってるみたいだぜィ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この力………我、知らない。このドラゴン…何?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーGuooooooon!!!ー

 

 

その圧倒的な力を吐き出すように吠えるブラッグドラグランザーの下でリュウガはカードをドラグバイザーに挿し込む。

 

<< SHOOT VENT >>

 

リュウガがドラグバイザーの銃口を囲んでるロイミュードの軍勢に向けると銃口にからレーザの様なモノが一体の死神ロイミュードにマーカとして放たれると、ドラググランザーの口から蒼と黒が入り混ざったような色の火球が放つ、[メテオバレッド]が死神もとい近くに居たロイミュード、デビル共々その破壊力の餌食に呑まれる。

 

次にリュウガは空へ向けてもう一度レーザーを放つとそれと同時にブラッグドラグランザーも火球を放って滞空してるデビルを焼き堕としていく。

リュウガの背後から忍び寄るロイミュードは巨大化したドラグランザーの尾で弾かるか、先端の巨大な刃で真っ二つに両断しながら、凄まじい速さで怪人の数を大いに減らしていった。

 

 

そしてそれを近くで見ていたビーストは。

 

 

「うっはぁ、すっげえ…。

コリャオレもいっちょ見せてやるしかないっしょ!──行くぜキマイラ!」

 

ビーストはリュウガのサバイブ形態に釣られてか自身も強化態へとなる為にハイパーリングをその手にした。

 

<< HYPER! GO! >>

 

<< HyHy-Hy-HYPER! >>

 

キマイラの幻影が周りのデビル達を弾きながらビーストも強化形態、ビーストハイパーへと変えていく。

 

「よぉうしッ、乱れ撃つ、ぜッ!」

 

ミラージュマグナムを器用に回しながら取り出すと、最初は前方三体の下級ロイミュードに向けて連射。次に回転しながら囲んでる敵に牽制の連射を放つと後ろを見ないで背後から来るデビルの顔面に一発。その後間を空けずにまた前方のデビルに向けて連射をかまし、文字通り、一切撃つ手を止めない乱れ撃ちだった。

 

「へっ!これでもシューティングゲームは一番得意なんだよ!そらッ!」

 

ジャンプしたビーストはロイミュードの頭部を踏み台に跳びながら更に銃撃を放ち続ける。

予測不能なアクロバティックな動きに反して正確な射撃。ビーストの猛攻は止まらずにいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<二人とも張り切っているようだな。──なら私も私なりに、派手にやるとしよう。>

 

<< タイヤ・フエール! >>

 

ダークドライブことクリムはその形態を変えるどころか、全ての機能をオート機能に回してる為タイヤコウカンシステムまで回せない為クリム単独でのダークドライブの戦闘は限られてくる。

でも唯一他に回せるのがネクストライドロンの遠隔操作。ネクストライドロンから放たれた無数のタイヤはロイミュードに強烈な体当たりを喰らわせ追撃に砲撃を喰らわす等、限られた戦法でリュウガ、ビーストの後を引かない戦いを見せていた。

 

 

 

 

各々が自身の最大の力を惜しみなく使ったお蔭で残る数もあと僅かとなった頃合いにリュウガは、デッキに彫られたレリーフと同じだが背景とレリーフのデザインが普段のとは違う最大の必殺技を繰り出そうとしていた。

 

 

 

<< FINAL VENT >>

 

 

ーGuooooooon!!!ー

 

「───ハッ!」

 

 

空へ飛び上ったブラッグドラグランザーの背にリュウガが飛び乗ると、空を飛びながらその姿を次第に変えていく。

額のバイザーが目元隠すように下り、胸部から車輪が現れ長い尾も畳まれていくとその姿をバイクモードへと変化させる。

 

地上に降りたリュウガは上空からのデビルの群れが魔力弾の攻撃させられるもスピードを落とさず走らせながらバイクとなったドラググランザーの前輪を持ち上げるとバイザーが降りた頭部の口から火炎弾が発射。

火炎弾は上空のデビルを撃ち落とすのと下のロイミュードの動きを封じ、仕上げに動けなくなったロイミュード達を持ち上げた前輪部で叩き付けて激突するリュウガサバイブの必殺技、[ドラゴンファイヤーストーム]がリュウガを取り囲んでいた大勢の怪人群を一掃した。

 

バイクを止めドラゴンファイヤーストームを放った跡地を見ると放った火炎弾の所為で焦土と化した地を眺めた後、今だ戦ってる二人を見てみると。

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで、フィニッシュ!」

 

<< HYPER! MAGNUM STRIKE! >>

 

「うおりゃッ!!」

 

ビーストハイパーのシューティングミラージュが向かって来るロイミュードとデビルの群れを大口を開けて呑みこむ様に貫き巨大な爆炎が上がる。

ビーストの相手をしてた怪人達は全て撃破された。

 

 

 

 

 

 

<< NEXT! >>

 

<ムゥンッ!トァッ!ハァッ!>

 

そしてダークドライブも残り少ないロイミュード、デビルを掃討する為にブレードガンナーの斬撃を連続で放ち、放たれた斬撃は広範囲に広がるような形をしながらロイミュード、デビルを両断しダークドライブも全ての怪人を撃破した。

 

 

 

 

 

激しい戦闘で荒れに荒れ果てた校庭に残って居るのはリュウガ、ビースト、ダークドライブの三人。

リュウガとビーストは通常形態に戻りながらはしゃぐビーストを除いて辺りの様子を窺いつつ集まる。

 

「…これで全部片付いたか。」

 

<そのようだね。ロイミュードの反応もファントムの反応も私の方からは感知されてない。>

 

「いよっし!チームライダー、大勝利!!!

いやー最後はビシッ!と、決まったアレ、録画しておきたかった位だったなぁ~。」

 

<…まだ気を抜かない方が良いと思うぞ?ビースト。>

 

「へ?」

 

「ドライブの言う通り、思いの外あっさり終わって逆に落ち着かないよな、コレ…。」

 

呆気に取られるビーストを除いて周囲への警戒を解かない二人。その時、ダークドライブが何かを感じ取った。

 

<反応が在った!来るぞ、二人共構えろ!!>

 

「「ッ!」」

 

ダークドライブの警告により三人は背中合わせでになってより一層警戒を高める。が、三人の視界になんの姿も影も無い。

 

「………ドライブ、来ないぞ。」

 

「オイオイ、もしかして誤作動ってオチ?」

 

<そんな筈は無い。このコア反応、間違いなく融合進化態のものだ。

もうとっくに目に見えるトコまで来ているぞ!>

 

「だから!そのロイミュードは何処に…!」

 

「……いや待て、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上だ!!!」

 

 

 

 

「ッ!?」

 

<ッ!>

 

 

 

ドオォォオオォォンッッッ!!!

 

 

声を上げたと同時に三人が散らばると、先程まで居た場所に相当の重量であろう落下音が響き渡る。

 

砂埃が上がって全貌は見えないが、シルエットからして通常の人間サイズより主に横幅がデカい。まるでクマの様な体系だと思いながら砂埃が晴れて行くと、くすんだ鈍色に丸い体系で両腕はクマの手の様に太く鉤爪が付き。顔は歯が剥き出しの大口が見えるが、それ以外の顔のパーツが無く、鋭い犬歯を剥き出しながら獣のように唸っているのが分かった。

 

「何アレ?クマか?クマのロイミュードですか、アイツは…。」

 

「只のクマ好きでああなったならいいんだが…厄介な能力持ってねえよな?」

 

<外見だけでは何とも言えない。ここは様子を窺って、相手の分析をするのが賢明だ。>

 

融合進化態ロイミュードを取り囲んで様子を窺う事にした三人。様子を窺うと、融合進化態ロイミュードに動きが見えた。

 

 

【空いた…お腹………お腹空いたぁぁああああッッ!!!】

 

「来るぞッ!」

 

突如耳に響く叫び声を上げるとロイミュードは視界に入ったダークドライブの元へ一直線に向かって行く。

ダークドライブは敵の向かって来るスピードは遅いが、あの巨体から真っ向から立ち向かうのは得策では無いと判断し、牽制の射撃を行って様子を見てギリギリのタイミングで躱す事にし、ブレードガンナーによる銃撃をしたが。

 

 

ーガパァッ!……バクンッ!!!ー

 

 

<何ッ!?>

 

ロイミュードの口が開いた途端、放った光弾が吸い込まれるように口の中に入りそのまま口に入れてしまった。

ダークドライブの攻撃を喰ったロイミュードは急に足を止め、先程口にした光弾を味わうような仕草を見せる。

 

【んぐんぐ……イクラのようなプチプチとした食感と炭酸みたいにシュワシュワした口あたり…。

ん~、美味しい!もっと……もっと、ちょうだぁぁああいッッッ!!!】

 

<ッ!>

 

攻撃を味わうと再度ダークドライブに特攻を仕掛けるが、向かって来る速さが先程までとは別段に速くなっており避ける間も無く組み敷かれてしまった。

 

<グッ!>

 

【頂戴!さっきのもっと、頂戴ッ!!!】

 

<グワッ!!>

 

ロイミュードはダークドライブを馬乗りに圧し掛かると、駄々を捏ねる子供のようにその太い手の先から出てる鋭い爪で何度もダークドライブに振り降ろしていく。ダークドライブはロイミュードを振り払おうにもその巨体の重さで抜け出せず、為せぬままにボディに火花を散らす様を見せる。

 

何度も何度も動けないダークドライブにばかり目をやってるロイミュード。そのお蔭で横から来る二人に気付かないままでいた。

 

 

<< STRIKE VENT >>

 

<< Bu-Bu-BuBuBu-BUFFA! >>

 

「「オラァッ!」」

 

【んぎゃッ!?】

 

横からドラグクローとバッファマントを身に付けたリュウガとビーストが二人掛かりでダークドライブに圧し掛かってるロイミュードを、リュウガが顔面を、ビーストが胴に跳躍して攻撃し、ダークドライブから引き離した。

 

「ハァァァ…ハァッ!!」

 

二人の攻撃を喰らって横に転がるロイミュードにリュウガがドラグクローの必殺技である、[昇龍突破]を放つ。

が、起き上がったロイミュードはダークドライブの時と同じように大口を開けると、またしても味わいながら喰らってしまった。

 

【んぐんぐんぐ……ん~!こっちはピリピリとスパイスが効いたような旨味が!…んぐんぐ…。】

 

ゆっくりとリュウガの放った炎を味わうロイミュードを目に、リュウガがロイミュードの能力が分かったのか、めんどくさそうに溜息を吐いた。

 

「やっぱり…あのロイミュード、こっちの攻撃なんでも喰っちまうみたいだ。」

 

<そのようだな。おまけに喰らった分の攻撃を自身のエネルギーにも変えてるみたいだ。

さしずめ、イーターロイミュードと言うべきか。>

 

「いや名前着けてる場合じゃないでしょ!どうすんのアレ!?迂闊に攻撃できないじゃん!」

 

「…いや、そうでもない。飛び道具の武器や技が使えなくなっただけだ。物理攻撃は流石に喰えねえだろ。」

 

<だがあの巨体に接近戦は相当骨が折れるぞ。特にビーストは一番相性が悪い相手だ。>

 

「え?オレ?」

 

「今のお前の技はほぼ魔法ぶっ放す技しか使えねえだろ。お前の場合ソレより別のに変身し直した方が良い。」

 

「別のにって…え、ココで!?いや流石にそれはマズくない!?」

 

「誰がそのまましろって言ったよ。ドライブ、デコトラとサーカスは?」

 

<あと少しで此方に到着する。5分も掛からないよ。>

 

「よし、デコトラとサーカスが来たら直ぐに…。」

 

リュウガがイーターロイミュードとの戦闘について話してる最中だった。突如イーターとは別方向からの攻撃されリュウガ達が立っている場所が爆発したのだ。

三人とも身を伏せていたのでダメージをそこまで負わなかったが、新手の敵が来たという悪いニュースを突きつけられる。

そしてその新手とは、先程までグレモリー眷属達と戦ってたグレムリンがラプチャーを弄びながらスキップで此方に近づいてた。

 

「ハッロォ~!久々に会えて嬉しいですかァ~?お兄さん。」

 

「…空気読んで出てくれれば、それなりにね。」

 

【んぐんぐ…ごくん。

はぁ~、まだぁ、まだ食べたりなぁい!】

 

前にイーターロイミュード、後ろにグレムリンと相対するなか、ここでリュウガはビーストとダークドライブに話し掛ける。

 

「二人とも悪いけどロイミュードの方任しちゃっていい?俺はあの野郎の相手しなくちゃいけないみたいだし。」

 

<…分かった。此方私達に任せてくれ。>

 

「おう!さっさと片付けてすぐソッチ行くから待ってろよ!」

 

「その前に片付けるさ。」

 

万が一イーターとグレムリンが協力して戦うと戦況が不利になると判断したリュウガは戦力を分散して叩く事にした。

リュウガがグレムリンを、ダークドライブとビーストがイーターロイミュードを相手に決めると三人は一斉にとび出して行った。

 

 

 

 

 

 

 

【ムガァァアアァァッ!!!】

 

「うおっとォッ!?」

 

イーターロイミュードを相手にするダークドライブとビーストは、先程の昇龍突破でパワーを上げたのか、振り下ろされた巨腕を避けるビーストだが、余りのパワーに躱してもその余波で吹き飛ばされてしまう。

 

すぐさまダークドライブが懐に入ってブレードガンナーでガラ空きの胴体に殴りに行くが、固い鉄を殴ったような高い音が響くだけで大したダメージを喰らってない様子だった。

 

実際イーターロイミュードの硬さは攻撃を喰らって強化する前からかなりの硬度を持っており、強化した今では何大抵の攻撃では大したダメージが与えられない程の防御力を有しているのだ。

 

攻撃が効いてない様子のイーターは、腕を振り払ってダークドライブを弾く。

弾かれたダークドライブは駆けつけたビーストと並んで、のしのしと歩くイーターを前に戦況の悪さを察する。

 

<さっきは本気で殴りに掛かったんだが、全く効いてないようだな。

打ち破るには、もっとパワーが必要か。>

 

「ちっくしょう、デットヒートになれば思いッ切しブチかませるのによぉ。

こんな所じゃ変身し直せねえし…。」

 

<……いや、その心配はもう大丈夫だ。ようやく来たよ。>

 

「?」

 

ビーストが何が、とダークドライブに問う前に、耳に聞こえてくる様々なクラクションの音でその答えを察した。

 

クリムの呼び掛けに答えたシフトカー達がのしのし歩くイーターの妨害をするなか、ビーストの周りを囲う様に走る二台のシフトカー。

光を操るデコトラベラーが光のチェーンでビーストの姿が見えない程の光を、派手な演出を繰り広げるアメイジングサーカスが色の着いた煙をビーストの周りに撒くと光と煙に包まれ、ビーストの姿は完璧に見えなくなった。

 

「ぬわッ!?眩しッ!?そんでケムッ!?ちょ、何コレ!?ケホッケホッ!」

 

<それなら今のキミの姿は誰にも見えまい。今の内に変身するんだ!>

 

「ケホッケホッ!…あぁ分かった!」

 

余りの光と煙に戸惑いながらもビーストは変身を解除し、新たに懐からマッハドライバー炎を装着すると、手元に来たシフトデッドヒートをドライバーに装填して勢いよくパネルを倒した。

 

<< SignalBike/ShiftCar! >>

<< Rider! >>

 

「Let‘s!──変身ッ!」

 

<< DEAD HEAT! >>

 

光と煙の中でその姿をデッドヒートマッハへと変えた瞬間、自身に纏ってた光と煙が赤いオーラに吹き飛ばされると、マッハはゼンリンシューターを手にしイータへと駆けて行った。

 

対するイーターは自身を妨害してたシフトカー達が離れた事に一息吐くと、此方に向かって駆けるマッハを目に首を傾げる。

 

【?何アレ?】

 

首を傾げ、対して警戒の色を見せないイーターに対しマッハはゼンリン部に手を掛け、跳んだ。

 

<< ゼンリン! >>

 

「追跡ィ!」

 

【ッ!?ウゥ…!】

 

跳んだマッハは空中できりもみ回転で威力を上げたゼンリンシュータを胸部に叩き付け、初めて味わうダメージにイーターが怯んだ所を。

 

「撲滅ッ!」

 

【ブハッ!?】

 

着地と同時に再度ゼンリンシューターで胴にストレートを喰らわせ。

 

「いずれもォ!」

 

<< Burst! DEAD HERT! >>

 

「マッッッ…ハァッ!!!」

 

【ぶげらァッ!!!】

 

上部スイッチを押してパワーを上げたアッパーを顎に叩き込んで、その巨体を宙に舞わせた。

 

打ち上げたイーターがどすんッ!っと音を立てて落ちると同時に、マッハはシメのポーズを見せる。

 

「仮面ライダ~~~ッ!マッハーーーーッ!!!───復活ッ!」

 

意気揚々と名乗りを上げると、若干ふらついたイーターが起き上がり、頭を振るって正気を取り戻すと雄叫びを上げながらデッドヒートマッハへと駆けて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてマッハ、ダークドライブがイーターロイミュードと戦ってる場所から離れた所でリュウガはベノサーベルを手にラプチャーを手にしたグレムリンと戦ってた。

 

激しい剣戟を繰り出す両者。

振り降ろしたベノサーベルをラプチャーを交差して受け止め弾き、再度振るうも瞬間に姿を消したグレムリンが後ろから襲い掛かるが、ドラグバイザーでラプチャーを受け止め、横蹴りを繰り出すもまたしても姿を消して避けたグレムリン。

 

俊敏なグレムリンの動きに舌打ちするなか、リュウガはタイムリミットの知らせであるアーマーの崩壊を目に仮面の下で顔を顰めた。

 

「…最近時間忘れる悪い癖できちまったなぁ、オイ…。」

 

「あれま?ちょいちょいお兄さん。何か体消えかかってる様に見えてますよォ?

何ソレ?まさかタイムリミットとかそういう展開のアレですかァ?」

 

「分かってるなら着替える時間くれない?このままだと丸裸になっちゃうからさ。」

 

”えー?”、と言いながらワザとらしく首を傾げ考えるグレムリンを前にリュウガは横目でマッハ達の所を見るとかなりの距離が開いてる事にデコトラとサーカスがココまでタイミングよく来てくれるのは不可能かと頭に浮かべつつ、最悪別の手段で変身し直す手を考えた。

 

そんなリュウガを余所にグレムリンは整理がついたのか、表情こそは窺えないが、恐らく狂気に染まった笑顔をしながら発言した。

 

「残念ですけどォ~。さっきケチョンケチョンにしてやったクソ悪魔ちゃん達殺してないし、最近地味~な仕事ばっかでフラストレーション溜まっちゃっててさ…すっごく首チョンパしたいですよねェ~!

だ・か・ら……オレッち今すっごくアンタを殺したいんだよォ!!!その仮面の下でどんな顔で死んでるかを実際見てみたくてさァッ!!!」

 

高らかに叫びながらリュウガに特攻するグレムリンを前に、リュウガは先程考えた手を使う事にした。

下手にタイミングを逃したら自身が大損をする賭けに近い手を。

 

「仕方ない……ドラグブラッガー!」

 

 

ーGuooooooon!!!ー

 

 

ドォォォォオオンッッ!!

 

 

「ほわッ!?……へ?」

 

リュウガの契約モンスターであるドラグブラッガーがリュウガの掛け声と同時に火炎弾を放った。

コレを見たグレムリンは放たれた火炎弾の大きさに即座に止まって後ろへ下がったが、火炎弾はグレムリンでは無く、主のリュウガの元へ放たれ、リュウガの居た場所が激しく爆発し、これには流石のグレムリンも呆気に取られる。

 

「コレ……どーなってんすか?へ?ナニ?ダイナミック自殺?…イヤこれはさすがにちょっとなーーー。」

 

 

爆炎が上がった場所に向かって呆然と立ち尽くすグレムリン。まさかの自殺行為とも言える展開に肩を下げる。

 

自分の手で殺せなかった事に更にフラストレーションが溜まっていくグレムリン。

こうなるならやはりあの時グレモリー眷属の一人くらい首を斬り落とせばよかったと後の後悔をするも今更行くのも面倒になったグレムリンはイーターロイミュードと相手してる仮面ライダーのどちらかで発散するしかないと思い、未だ立ち上る炎と煙の場所へ背を向けた時だった。

 

 

 

 

 

 

ーブワァッ!ー

 

 

「ッ!」

 

 

突如背後から強烈な風が吹きあがり、何事かと思い振り返ったグレムリンはそこで目にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<< ETERNAL >>

 

巻き起こる風と青い炎の中心に居る”白”を。

 

 

黒い龍騎士から白い悪魔へ、永遠の意味を表す名の悪魔の黄色い複眼がグレムリンを捕えると、本能で感じ取った危険信号に先程までとの落胆した感情とは打って変わって、闘争本能が高揚した。

 

 

「…お兄さん。何ですかソレ?また随分とイカした格好ですねェ。」

 

「お前が殺したがってる悪魔だよ。

さて、こっから第二ラウンド、行くか?」

 

「…ヒャハハハッ!そりゃモチロン……殺らせてもらいますよォォォォォッッ!!!」

 

 

ラプチャーを構えエターナルへ駆けて行くグレムリン。

 

エターナルは身に纏ってるマントを風に靡かせながら、エターナルエッジを手にゆっくりと両手を広げながら歩いてく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてこの時はまだ、正体を隠しながら戦ってる仮面ライダー達にとって後々思いがけない展開になるのは誰も想像していなかった。

 

今日行われる筈だった一世一代のプロジェクトの発表を各世界から集まり、母国へその一瞬の時を送ろうとしていた記者が置いて逃げてったカメラ等の機材が何者かに操られ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今この戦いが、全世界に流れてるなんて、誰も知らずに戦っているのだから。

 






今作の質問の方に、”サバイブは時間制限がなくなるのでは?”という意見を頂きまして、コレにいたしましては、、”使用中は時間制限は無くなるが、解除すると時間制限は戻り、使用前の状態に戻る。”というオリジナルの制限を加えました。

貴重な質問をくださったジェネシックさん。本当にありがとうございました。
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