なかなか時間が確保できなくて……一応言っておきますが、飽きてはないのでwちゃんと完結するまで書き切ってやりますよー!w
さて、大型ショッピングモールと言えば家の近くに物心ついた頃からありまして、かなり身近な存在なのです。だからそれなりに思い出も多く……。この作品でも何回も出てくることになるかもですw
『本日は、シティジェルへお越しいただきまことにありがとうございます。当店では《ドレスアップビジョン》を採用しています。店内の商品リスト表示時にボイスコマンドでDUVと入力いただければモードが切り替わります。ぜひご利用ください』
シティジェルに入るとアナウンスが流れてきた。他にも色々とイベントがあるらしい。
「へぇー、ドレスアップビジョンかぁ。渋いもの採用してるんだね」
「なぁ悠大、そのドレスアップビジョンとか言うのはなんなんだ? 」
「ドレスアップビジョンは一昔前に流行ったナノテクの応用技術だよ。体の輪郭をお得意のナノデバイスでスキャンして鏡像みたいに横に投影するサービスのこと」
それが渋いって言われてるってことは……
「そう、スキャンされるのが怖い。とか、横に自分が立つのが奇妙だ。とか苦情が出まくったってこと」
なるほどなぁ、消費者ってめんどくさい生き物だ。
「みんなー、遅いよー! 」
「阿古! あんまり走ると転ぶぞ! 」
「んなっ! 子供扱いは心外だよ! 」
そう言ってまた阿古と美穂が駆け出す。最初は確かカジュアル系の店に行くはず。
「悠大〜……。もう少し持ってくれよ〜」
「僕は非力なんでね〜♪」
恨みを込めた視線を送ると、ふいっとかわされた。
一応まだ両手に空きはある。だが相当重い。特に静佳が誰にも気付かれないように買っていたデジカメも意外と重い。というか早速おれに気付かれてるんですけど……。隠す気無いよね? 何に使うかは知らないけど。
「さ、さすがに買いすぎなんじゃないか? 」
相変わらず先行する阿古に言うが聞く耳持たず。
「まだまだ買うよー! でもそろそろお昼にしようか」
ぞろぞろと全員で三階のフードコートに行く。ちなみに前半戦終了時点での買い物スコアは千草2:阿古3:美穂4:静佳1だ。おれら男達は特に買うものがない。悠大が一番オシャレに気を配っているレベルだ。
お昼を食べ終わり、夕方になり最後の店へと向かう。
「ふぁ……さすがに疲れたな」
「ちょっと、はしゃぎすぎた。」
「そんなコウちゃんも一発で元気になる店に今から行くよー! 」
「どこだよそれ。にしても元気だなぁお前は」
「マジレスすると非戦闘員はスタミナが多くないとやっていけないのだ」
美穂が居る前で口を滑らせる辺り、そこそこ疲れている。
「ここ。」
店の名前は……って水着専門店!?
「あ、あんまり男と行くところじゃないな、みたいなー! 」
「こ、晃司! 異論は認めないわ! あなたたちはそこで待ってなさい! 」
吐息を荒げながらテキパキと指示を出す静佳。これは間違いなく美穂の水着姿を写真に収めるつもりだ……!さっきこっそりデジカメを買っていたのはこれを見越していたのか?なんという未来透視能力……!
「静佳さんあなた予知能力でもお持ちで? 」
「いえ? 私はマテリエイトだけよ」
キリリとした顔にキラキラした瞳。早く中に入れさせろと言わんばかりの顔だ。
「分かった分かった。おれらは外で待ってるよ」
美穂の悲鳴が聞こえたら真っ先に飛び込む準備はしておこう。
15分。店の中からは時折はしゃぐ声が聞こえる。店員さん、うちの者がごめんなさい。
「なー晃司君、暇だ」
「ああ、おれもだ」
剛毅は黙々と難しそうな内容の本を読んでいる。大学の専攻分野の参考書らしい。ちらっと覗いてみたが訳がわからなかった。
「まったく。油断も隙も無い。」
唐突に横から声がする。
「うわぁっ!? 千草、お前気配が無さすぎだ! 」
「ん、千草ちゃんどうしたの? 」
「女狐が、カメラを。」
ついに本性を現したか……っ!
「千草、現場はどこ……っ」
店から出てきた千草は当然水着姿で、白色のレース水着だった。
慌てて真逆の横を見るとそこにも千草が。
こちらは意外と際どい黒基調の水着。ってなんで千草が二人居るんだ!?
「あ、DUVを解除し忘れた。」
白色の水着の千草が言う。
そして店から六つの人影が飛び出してくる。
「千草ちゃんだけ逃げるなんてズルイよ! 阿古と美穂を生贄に捧げるなんて! 」
先頭の二人は阿古。布面積がやたらと少ない。それは水着と言えるのか……っ!?
「お兄ちゃんタスケテ! 」
続いて美穂二人。こっちは年齢相応の可愛らしい水着だ。変な男が寄り付かないか兄として心配ではあるが。
「あと一枚! あと一枚だけだからー! 」
女狐。パレオの水着だ。スタイルの良い美女が幼児体型の少女を追いかけている様はなんとも犯罪臭漂うものだった。
そして立ち上がったおれを中心に都合八人が周りを回り始める。
「お兄ちゃん! 「イチマイダケダカラー! 「晃司。なんとかして。「コウちゃんこれはさすがに許容範囲外っ! 」」」」
この光景、つい昨日の夜見たぞ……。
静観の構えで立っているとさすがに見かねた剛毅が止めに入ってくれた。
はしゃぎすきた罰として阿古と静佳は荷物持ち要員として新規雇用だ。
これで少しは楽になる。
タタン タタン…… タタン タタン……
帰りの電車の中、やはり疲れたのか阿古と美穂はお互いに頭を預け合いながら寝てしまった。千草もおれの横でウトウトしている。
「結局、屋上の展望テラスには行かなかったな」
「いつか……。……行きたい。」
途切れ途切れになりながり千草がなんとか答える。まだ電車には乗ったばかりだ。最寄駅まで30分ほどある。話しかけるのはもうやめて寝かせてあげよう。今夜の夕食はまた一段と騒がしくなること請け合いだから。
自分も少し眠くなってきてウトウトしていた時、向かいに座る静佳が話しかけてきた。
「晃司、美穂って昔からあんなに元気だったの? 」
「ん……、いや、どうだろうな。そうだった気もするし、そうじゃない気もする。でも、はしゃぎすぎて疲れ果てる、なんてことは少なかったかもな」
「そう」
「どうしたんだ? 」
「いいえ、なんでもないわ」
そう言って静佳は
つい、と目をそらして後ろの窓から夕焼けの街並みを眺める。
この路線はそこそこ高いところを通っていて、街並みが良く見渡せる。
綺麗な赤色の街だった。
くんっと頭を釣っていた釣り糸が切れるようにおれはまどろみに入ってしまった。
なんとか全員無事に最寄駅で降りてクレイドルへ帰る。
「ふぅー、よし、じゃあみんな各自荷物を置いて30分くらいしたら中庭に集合してくれ! 」
おれの指示に不思議そうな顔をしながらリビングに荷物を置き、それぞれの買い物の成果を自分の部屋へと持っていった。
そして誰も居なくなったキッチンである下準備を始める。
「えーと……味は薄味の方が良いんだったよな。一口サイズに切り分けて……串に刺す! 」
よし、あとはこれを繰り返すだけだ。
そして……それぞれ種類別に皿に盛って、と。
「よし! みんな集まったか!? 」
「お、お兄ちゃん、まさかコレは……? 」
中庭には普段無い、ある物が置かれていた。そしてその装置は肉を焼く機能に特化していた。
「そう! BBQだ!! 」
今日の晩御飯は急遽BBQになったのだ! 買い物中にこっそり食材を買っておいたのだぜ……!
「うおおー! 一日の最後になんというものを用意してくれてるんだコウちゃんさすが太っ腹ー! 」
「とても、素敵。」
「よし、早速焼いてくぞ! 」
おーーー! と、楽しい宴が始まる。
じゅうじゅうと肉が焼け、パチパチと油が爆ぜる。
「塩、胡椒、ゆず胡椒、唐辛子類、味噌類、ヴィネガー類、マスタード類、ソース類、かんきつ果物類、マヨネーズ、ケチャップ、塩麹! なんだってあるぞ! タレ用の皿もちゃんとあるからどんどん食べな! 」
ひょいっと千草が早速肉を攫っていく。
「あ! 嬢ちゃん、それおれの肉! 」
「弱肉強食。」
「焼肉定食……くくっ……」
「なんだ悠大、もうごちそうさまか? 」
「待って! 悪かった! くだらなかったのは謝るから皿を取らないでぇ! 」
「美穂ちゃん、ちゃーんと野菜も食べないとねー! 」
阿古が美穂の取り皿に野菜をモリモリ。
「なら阿古もちゃんと食べないといけないわね? 」
「えっ、ちょっ!? なんでしずねぇ、そんなにメラメラしてるの!? 」
静佳が『子供が選ぶ嫌いな野菜』ナンバーワンに燦然と輝くピーマンを網の上から全て阿古の取り皿に移す。
阿古はそれをわなわなと見つめるしか出来ない……はずが
「ふっふっふっ、勘違いしていたようだね? しずねぇ! 私はピーマンは嫌いじゃないのだよ! 」
顔いっぱいにドヤ顔を貼り付けて静佳に勝ちほこる阿古。
の取り皿に追加でトウモロコシを3個ほど投入。
「阿古が嫌いなのはトウモロコシだよなー」
「ちょ、ちょっとコウちゃん!? 」
「美穂は晃司の妹だからなー」
うんうん、と頷きながら剛毅が言いつつ肉を新たに網に乗せていく。
「お兄ちゃん……美穂、好き嫌いしないよ! 」
「「ふぉ、ふぉぐふぅ」」
自分の取り皿に投入された野菜を懸命に処理していく美穂。とそんな後光の差しそうな美穂にたじろぐ汚れた年上の二人。もちろん静佳と阿古だ。
そんなこんなで楽しいBBQもちょっとめんどくさい後片付けも終わった夜。風呂に入ったのに、まだ少しBBQの匂いがどこか漂う自室の中。
(明日も今日みたいに忙しいだろうな)
明日も美穂の思い出作りのプランはしっかりと考えてある。だから今は安心して眠るとしよう。
と、その前に喉が渇いたからお茶でも飲むことにする。
たちたちとフローリング特有の足音を鳴らしながらリビングと一体になっているキッチンに向かうと先客がいた。
「ん……? どうした? 阿古」
「あ、コウちゃん。ちょうどいいところに」
ちょいちょい、と手招きされる。
「なんだ? 」
「千草ちゃんが疲れてたのかここで寝ちゃってさー。部屋まで運んであげてくれない? 」
見るとテーブルに突っ伏すように千草が眠っていた。
椅子をそっと引いて足と首を腕で支えるように抱きかかえる。いわゆるお姫様抱っこというやつだ。
「……なんでリスみたいになってんの」
「べつにー? 」
抱き上げた時になぜか阿古が頬を膨らませていた。口では否定するも全く頬を隠す素振りは見せない。
「そう、なら千草の部屋の扉を開けてよ。両手塞がっちゃってるから」
「コウちゃんってほんと一直線だよねぇ……」
文句かなにかよくわからないことを呟きながら、阿古は戸を開けるために前を歩いてくれた。なんだかんだ良い奴だ。
千草をベッドの上に下ろしたあとは阿古に任せた。あとは布団をかけるだけなのだが……なぜかイケナイことのような気がしたから。
千草の部屋はまるで南極か北極のようだった。別に寒いわけでは無く、やたらとペンギングッズが多かった。
枕カバー、布団、ぬいぐるみに、部屋の端に畳まれて置いてあったパジャマもペンギン柄の物があった。もちろん、時計もペンギン型だった。
「ほんとにペンギンが好きなんだな」
苦笑しながら呟くと、そっと布団をかけていた阿古が反応する。
「そうだね、ほんとにペンギンばっかり。さ! そんなにジロジロ見てないで、出るよん! 」
「良いじゃん、減る物じゃ無いし! 」
「私の怒りゲージの容量は減るよ? 」
「っ!? なんでお前が怒るの!? 」
「はぁ……良いから出よ。もっと居たかったら千草ちゃんに直接言わなきゃね」
ぐいぐいと入り口に押しやられる。
何があるでもないので、さっさと部屋の外に出る。
「じゃあ、おやすみね、コウちゃん」
「ああ、おやすみ」
そのままの足で自分の部屋まで行く。
結局、お茶を飲み忘れていたことに気づいたのはベッドに入った直後だった。
(んん、まあいっか。また起きたら今度は眠れなくなりそう。ん? そう言えばなんか引っかかるな……)
でも、そのまま眠りに身を委ねて寝た。寝る直前に感じた違和感は正体を掴むことは出来なかった。
日常回というのは書くのが意外と難しくて……。ちゃんと表現出来てるのかイマイチ心配ですw戦闘シーンも下手なのにこれじゃ何も残らないですねw頑張って勉強していきたいとこです……。
さて、余談ですけど次話からようやくこの編で一番書きたかったとこなんですよね!w今までも十分楽しかったですがそれをさらに越えていく……まるでテクノげふんげふん。で、ではまた次回〜!