そして次回も今の用事などがすんだらすぐにパソコンを修理に出すのでまた遅れます。
なんで買って半年でディスプレイに黒線が入るんですかねえ……
「さて、この後についてだがひとつ提案がある」
昼食をしばらく続けていると、雄二が話を切り出した。
ちなみにすでにお弁当そのものは(雄二曰く紫色をした中身だったという一番下の段を除いて)食べ終え、今僕らはこの『サバの味噌煮』会場でもともと用意されていたドリンクやデザートを堪能している。
「この状況を打破する方法何か思いついたの?」
「……何度も言うがそう簡単に思いついたら苦労はしていない」
「ですよねー」
「というわけでここはここにいる五人で意見を出し合ってみようと思う。俺だけで考えるよりはいい意見が出るはずだ」
三人寄れば文殊の知恵、五人もいればもっと、ということだろうか。
「ハイハイ!葉月にいい考えがあるです!」
真っ先に手を挙げたのは葉月ちゃんだった。
「なんだチビッ子、言ってみろ」
「このお部屋、パーティ用のお部屋みたいですけど、食べ物って余ってますか?」
「一応、頼めば貰えるだろうな」
今回僕らは自前の弁当などで済ませてしまったけど、考えたらここは本来披露宴などで使うようなパーティ会場だ。
ほかの少し狭い会場では何か同窓会のようなこともやっているようだったから、たしかに少しくらいならすぐ用意してくれるのかもしれない。
なにより雄二たちのチケットはプレミアムチケットだ。
あれは前の時に聞いた話だと、正式開業したあとでも他のチケットとは違う優遇措置をとる、とかなんとかいってたからかなり融通は聞くはずだ。
雄二のそんな発言に葉月ちゃんはしめた!といわんばかりに満面の笑みを浮かべて、
「それをあの黒いお兄さんたちに渡して、仲直りするのです!」
「ごめんね、葉月ちゃん。すごくありがたい提案なんだけど多分彼らに通じないと思うんだ」
「あう……ダメですか……」
残念ながら彼らは平和的和平交渉は期待できないんだ。
姫路さんの料理、とかみたいに特定の人(美少女と秀吉限定)が作ったものなら奪い合いをするのが目に見えているし隙をついて逃げるとかはできるんだろうけど、前の時に会ったことがあるここのコックさんは退役直前の戦艦で活躍している元特殊部隊のコックさんみたいな見た目の男性だからなあ。
おいしいけど流石にそれでどうにかできるほどのバカじゃないだろうし。
「でもどうするのよ?ウチらがここにいるのを特定してくる可能性だってあるのよ?」
「……その可能性は私も否定できない。土屋の姿はないみたいだけど」
あの集団の中にムッツリーニがいないのは不幸中の幸い、か。
いや、それでも油断はできない。最近の彼らの行動力は僕らの予想をはるかに超えるから。
「明久をデコイにしたところであの人数はさばききれないだろう。正面戦闘ももってのほかだ」
「雄二を放り投げて戦わせても別動隊とかいそうだもんね」
バチバチバチバチバチ←目線で火花を散らす音
「アンタたち……こういうときぐらいもうちょっとねぇ……」
さて、なんのことだろう。
「とにかく、だ。ほかにも案を出してくれ。俺も俺でさっきから色々考えてみてはいるんだが……正攻法じゃどうにもならん」
まあ、相手はFクラスだからね……僕もだけど。
「ここにいる理由を含め分らないことが多すぎる。俺たちには情報がない」
「たしかにね。まったく、どうしてこんな時に……」
さすがの彼らでもこんなところにまで出張してカップル狩りをするほど暇ではないだろう。この前鉄人から(僕を含め)大量の課題を出されたはずだし。
「あのお兄ちゃんたち、バイトじゃないですか?」
「まさか。FFF団があの人数でバイトって――」
『おい、そっちに吉井や坂本はいたか?』
『こっちの青龍の間にはいなかった』
「「「――!!!」」」
そのとき、扉の向こう側からそんな声が聞こえた。
この声……福村君に近藤君!?
「(ま、マズイ!一旦テーブルの中に隠れろ!)」
雄二に言われたとおりにテーブルクロスで覆われたテーブルに隠れる。
思ったよりやってくるのが早い。
人数に物を言わせて総当たり作戦にでも切り替えたかな?
『そっちのほうはどうだ?』
『朱雀の間なし。というか誰も立ち入れる雰囲気じゃなかったな』
『玄武の間なし。こっちは人っ子一人いなかった』
『白虎の間。うまい具合に入り込んで探したがいなかったぞ』
さらに三人の声が追加。中村君、矢野君、森君かな。多分だけど。
なんてこった。いま把握した限りあっちは五人、こっちも五人。だけどこっちは女の子の美波と霧島さん、それに小学生の葉月ちゃんがいる。
喧嘩慣れした僕らや戦闘力の高い美波がいるとはいえ正確な数もわからない今直接戦うわけにもいかない。
今彼らがいる廊下だけでなくほかの道にも何人かいるかもしれないし、出るに出れなくなってしまった。
籠城戦は裏目に出たか。予想はしていたけれど、ちょっと辛いな。
「(雄二、どうするのさ)」
「(どうするもこうするも隠れるしかねえだろ)」
「(でもさっきまで食べてたアイスとかあるから隠れてもすぐに気づかれるよ!)」
「(安心しろ。一応手は打ってある)」
手ってなに、と聞こうとした瞬間。
ガチャリ。
ついに、サバの味噌煮の扉が開けられてしまった。